共に戦った仲間たちに礼を言うと、彩葉はすぐにログアウトしていった。実はまだ傍にいるのではないかという淡い希望とともに目を開けるが、先ほどまで隣にいたかぐやは、着ていた衣類を残して消えてしまっていた。
「お金勝手に使うし、めちゃくちゃやるし、片付けないし、ずーっと邪魔だったよ。……本当、最悪だよ」
小さな声で、精一杯心にもない悪態をつく。暗く、広くなった家の中を歩き、ホットケーキミックスの用意されたリビングルームに着いたところで、スマホの通知に気づいた。
『ウォレットに入金があります
かぐや:使っちゃった分、かえす! ご迷惑かけました!』
蹲った彩葉の頬を涙が伝う。
「こんな大金、使えるかよ。馬鹿野郎」
外は雨が降り出し、綺麗な満月を暗雲が覆い隠していた。それからまる1日、彩葉は学校もバイトも休み、一人で膝を抱えて過ごした。それを心配してくれる同居人は、もういない。
2日目の朝。寝室の窓が叩かれる音がした。顔を上げると、鵺が真っ青な顔で窓を叩いていた。
「何やってんのあんた!?」
慌てて窓を開けると、ぶるぶると震えながら部屋に入って来る鵺。
「玄関でチャイム押しても出なかったから。タワマンの高層階、流石に死ぬかと思った」
ボロアパートの2階ならいざ知らず、命知らずの後輩は下の階からよじ登ってきたらしい。
「落ちたらどうすんの!? あんたまでいなくなったら……」
本気で怒りかけ、言葉を切る彩葉。そうか。周りから見れば、彩葉こそいなくなってしまうのではと心配をかけていたのだ。
「あと、写真。送っておいた」
スマホを確認すると、花火大会の時に撮ったかぐやとのツーショットが送られてきていた。
「あ……」
涙があふれる。かぐやは、あの時こんなに綺麗な顔で笑っていたのか。彩葉とともに花火を見て、これほど幸せそうに。
「なんで今なのよ」
「ごめん。でも、必要かと思って」
スマホを抱えて泣き崩れた彩葉に、鵺は静かに寄り添った。
「芦花と真実も、心配してた」
しばらくして落ち着いた彩葉に、鵺が言う。
「ごめん。明日は、ちゃんと学校行くから」
「そう。なら、いい」
鵺はそう言うと、そのまま玄関から出ていこうとする。
「わざわざありがとう。もう、大丈夫だから」
「……まだ、終わってない。そう、信じてる」
意味深な言葉を残した鵺に疑問を持ちつつも、彩葉は部屋の片づけを始めた。この部屋にも、もう長くはいられない。
「連絡、返せんくてごめん!」
「無視ひどー」
「家乗り込もうかと思ったよ」
「すまん、すまん!」
翌日、学校の廊下。むくれる真実と不機嫌そうな芦花に、手を合わせて必死に謝り倒す。そんな彩葉に、二人は微笑んだ。
「私たちはさ」
「彩葉が生きてればいいから」
親友の温かい言葉に、彩葉の目からまた熱いものがあふれてきた。
それから彩葉は、休んでいたことを担任に謝り、バイト先に連絡を入れ、普段通りに帰路についた。おとぎ話のようなかぐやとの日々が終わり、彩葉に日常が戻ってきた。これが、彩葉とかぐや姫の物語。めでたし、めでたし。
ふと足を止め、帰り道を引き返す。
「そんな風に終われるわけ、ないっしょ!」
担任に提出した進路希望書をひったくり、もう少し考えたいと告げる。急いで帰宅し、参考書をどけてキーボードを取り出す。
『ハッピーエンドいらない。フツーのエンドで結構です』
かつての自分の言葉を思い出す。あの時は、決められた運命を外れずに歩くのが正しいことだと思っていた。
『どう在るか、どう終わるかは、本人が決めるべき』
生意気な後輩の言葉を思い出す。聞いた時は妙にむかついたが、今はこの言葉が勇気をくれる。
『これが私のエンディング! 超楽しく運命に向かって走ってく!』
かぐやの言葉を思い出す。ハッピーエンドに連れてくと宣ったくせに、こんな結末が、あの子の望むハッピーエンドだったのか?
「そんなわけ……ない!」
バイト先にはしばらく休む連絡を入れ、友人たちには心配しないよう伝えた。ふいにかかってきた着信。今まで一度も出なかった母からのものだ。自分でも驚くほど自然に応答する。相変わらず口の減らない母との壮絶な言い合いとなったが、その末に、自分のしたいことを見つける時間をもらいたいと素直に言った。
『ええよ、やってみ』
言えた。あれだけ苦手だった母に、ちゃんと今の思いを伝えることができた。高揚感や達成感といった感情はなく、不思議と静かな感情だけが心を満たしていた。
あの曲の続きを、かぐやに届けたい。
それから数日。父との共作の続きを、かぐやの卒業ライブで1コーラスのみ使われた曲をついに仕上げた彩葉は、バルコニーに出て目を閉じた。かぐやからもらったブレスレットを握り、月に向かって歌う。
何度も、何度も繰り返し歌う。そのうちに、彩葉の耳にかぐやの声が聞こえてきた。一緒に歌う。何度も、何度でも。
『そんならかぐや、もう一回!』
かぐやが目を輝かせ、笑っている。駆け出しているのがわかる。だが、2人で歌いながら、彩葉は違和感に気づく。2人ではない。もう一人。誰かが一緒に歌っている。その人の姿が、笑顔が、かぐやとの思い出に重なる。脳裏に映る彩葉の女神が、振り返る。
「ヤチヨ……」
再会の時が、近づいていた。
ヤチヨと連絡が取れないことに気づき、ツクヨミに潜った彩葉。そこで見つけたFUSHIに促され、目を開ける。目の前にARモードで現れたFUSHIに付いていき、電車を乗り継ぎ、とあるマンションの一室に入る。そこは、大量の機器と水槽が置かれた部屋だった。カーテンを閉め切った暗い部屋を、無機質な光が仄かに照らす。駆動音が静かに鳴り続ける部屋で、ふいに海の匂いが彩葉の鼻孔をついた。水槽のウミウシがゆっくりと岩場を上っていた。
「ここから入れ」
FUSHIの言う通りに目を閉じた彩葉は、再びツクヨミにログインした。普段よりも長い暗転の後、行燈が照らす和室にいることに気づく。上段の間には、こちらに背を向けた髪の長い女性が座っていた。
「かぐや?」
彩葉が声をかけると、彼女は振り返る。その人は、彩葉が捜していた人物。髪を下ろしたヤチヨだった。
「ヤチヨ? ……ヤチヨはかぐやなの?」
その問いに、ヤチヨは昔話を語り出す。月に帰った後、歌を頼りに戻ってきたこと。タイムスリップに失敗し、8000年もの時を過ごしたこと。自分がきらきらのかぐや姫ではなくなってしまったこと。
「彩葉。もし知りたくなかったなら、忘れてもいいよ。そういうことも、FUSHIなら……」
「ヤチヨ!」
そこで声を荒げた彩葉が、足を踏み鳴らしながら部屋の中央に胡坐をかいて座る。
「8000年。あったこと全部聞かせてよ! 私、寝ないから!」
「……無茶言うねえ」
ヤチヨは、先ほどまでの泣きそうな笑顔ではなく、心から嬉しそうな表情で彩葉の元に歩み寄った。手を振りかざすと、周囲の景色は先ほどまでの和室ではなく、かつて彩葉がかぐやと過ごしたボロアパートの一室に姿を変える。
「んじゃ、まずは縄文人と魚とった話から。よく覚えてるのが、ナガツノだっけかな? 髭がめっちゃ長いエビがマジで貴重でね――」
そこからは只管ヤチヨがしゃべり、彩葉が相槌を打つ時間が流れた。現実の時間は正確には分からなかったが、およそ丸2日ほど。止まることなく喋り続けていたヤチヨが、ふと言葉を切り彩葉を気遣う。
「おやすみなさいよ、彩葉。死んじゃう」
眠気と戦っていた彩葉が、はっとして自らの頬を抓る。
「まだ江戸じゃん!」
そんな強情な彩葉に苦笑いを返したヤチヨだが、
「ネムッテ! ネムッテ!」
「あっちゃ~、ヤチヨの方が寝る時間だ。じゃ、おやすみ~」
FUSHIのアラームとともに、スリープモードに入ってしまった。唐突な眠りに、呆気にとられる彩葉だったが、ヤチヨの傍に腰掛けて呟く。
「ずっとけらけら笑っちゃって。私みたいになっちゃったんだ」
眠るヤチヨの髪をそっと撫でる。
「ねえ、FUSHI。 ヤチヨが隠してること、あるよね?」
彩葉は、ちゃぶ台の上に佇むFUSHIへ視線を向ける。ヤチヨの半身であるウミウシは、少し俯きながら答える。
「ヤチヨが言わなかったなら、それは……」
「見せて。私、かぐやの全部を見なくちゃ」
「人の身体で耐えられるかわからない」
「問答無用」
そこでFUSHIは頬を上気させ、目をキラキラと輝かせた。
「ヤチヨは……さっき久しぶりに、本当に嬉しそうだったんだ」
半身であるかぐやのことを誰よりも長く見守ってきたウミウシは、かぐやの思い人の願いに応えたいと願った。
「行くぞぉ!」
FUSHIの目が強く光る。そこから放たれる光線に部屋が照らされると、辺りの景色がガラガラとくずれていく。彩葉の意識がかぐやと同化し、8000年の時を歩み始めた。そして、それは同時に奇妙な後輩の正体に近づく旅でもあった。
縄文時代。ウミウシの身体を借りたかぐやは、縄文人たちとともに月夜にしか現れない巨大魚オオツキナマズを捕獲し、宴を開いていた。
「みんなよく頑張ったね! 薪で焼いて、今日はナマズパーティだぁ!」
「そのナマズは、油がたくさん出るから、気を付けた方がいい」
「え……?」
そこに、突如現れた少女。ここにいるはずのない、はるか未来の友だちが、目の前にいる。
「うそ、鵺? あなた神出鵺……なわけないか。あの子のご先祖かな?」
後半は小声でつぶやくように言ったかぐやの言葉を、少女はしっかりと捉えていた。
「……あなた、私を知っている? あなたがそう思うのなら、そう。私は、神出鵺」
少女はそう答え、そのまま去っていった。
「神様! ナマズから油がいっぱい出てきました!」
鵺を追おうとするかぐやだったが、縄文人たちの悲鳴に気を取られて見失ってしまう。しかし、それからも奇妙な少女は度々現れ、満足するとふと消えるようにどこかへ去っていった。
人の歴史は残酷で、すぐに殺し合い、奪い合い、たくさんの命が散っていった。かぐやはそれを、涙すら零せずに眺めることしかできなかった。だが、奇妙な友人はかぐやの願いに応じ、死にかけの縄文人の少年を看病し、かぐやに恋した歌人を気遣い、太夫を目指す花魁を助け、焼け野原で花を売る少女とともに歌った。そのおかげで、彼らとは救いのある別れをすることできた。
そして、時は経ち、人類はワールドワイドウェブを作り出した。かぐやはウミウシの身体でアクセス解析を行い、コードを書く。かつての記憶におぼろげに残る仮想空間。誰も殺し合わず、誰も孤独にならない場所。
ツクヨミ。その名を考えついた時、月見ヤチヨが自分自身だったと気づく。そして自分が、未来で必ずあの子に出会う運命にあることも。鼓動のない胸が高まる感覚と同時に、かつてのキラキラのかぐや姫とは違う存在になってしまった自分を、あの子が受け入れてくれるか、怖くなった。
ある日、ウミウシの身体で最後に出会った友だちに、正倉院に保管された『もと光る竹』を盗み出してもらうよう依頼した。CIA職員を名乗った彼は最後に、一緒に来ないかと誘ってくれた。だが、かぐやは彩葉との再会のために彼に別れを告げた。
「極上のワインは時間が経つほど深まる。悪いことばかりじゃないさ」
「私、ワインはあんまり好きじゃない」
「……ものの例えだよ」
今回も現れた古い友人は相変わらずマイペースで、そのまま彼と一緒に去っていった。
本体である『もと光る』を直接ネットワークに接続し、仮想空間ツクヨミをオープンさせる。そして、何度もヤチヨとしてライブを行った。あの子が来てくれるように。焦がれた再会を果たせるように。
そして何度目かのライブで、ついに。大好きなあの子を見つけた。
「彩葉、彩葉!」
彩葉が目を覚ます。8000年分の記憶を追体験していた彼女を心配するヤチヨ。その姿に、かつて自分が熱を出して倒れたとき、心配してくれたかぐやの面影を見る彩葉。8000年経とうが、この子の愛は何も変わっていない。そのままヤチヨを抱き締める。
「私、成長したよ? お母さんとだって話せたし、かぐやがいなくたって、十分ハッピーエンド……お話は、もう終わり」
そう言った彩葉の目から、涙が零れ落ちる。ヤチヨと同化していた意識が鮮明になり、そんな終わり方を望んでいないと、彩葉の心が叫ぶ。
「かぐやといたい……」
その言葉に、ヤチヨの瞳が揺れる。
「……もうこれで、終わってもいいって思ってたのに」
どんな時も笑っていたヤチヨが、初めて涙を流した。
二人をつないだ歌を口ずさむ。亡くなった父から彩葉へ、そしてかぐやへ伝わった大切な歌。同じメロディのもう一つの曲を、彩葉が返す。ヤチヨのデビュー曲。追いつめられ、消えてしまいそうだった彩葉を支えた曲。
二本の指を互いに絡める。彩葉とかぐやの取り決め。仲良しのサイン。
「触れたら、あったかいかなって、いつも思うんだ。また、彩葉と一緒にパンケーキ、食べたいな」
とうの昔に諦めていた願いを、涙とともにヤチヨが零す。
その言葉に、彩葉が固まった。彩葉の中で定まっていなかった何かが、急速に形を成していく。
「わかった……まだなんだ。このお話にはまだ続きがある」
彩葉が立ち上がる。その目にはすでに、希望の光が宿っていた。
「私、やりたいことができた!」
ヤチヨを見下ろすその目にはもう悲しみはなく、美しい彩を宿していた。
この瞬間、本当のハッピーエンドが始まった。
意気揚々と帰宅する彩葉を見守る鵺。一時は学校もバイトも休んでいた彩葉だが、今では以前に増して精力的になったようだ。ヤチヨからも話を聞いたが、彩葉は工学でかぐやの身体を再現するつもりらしい。何年かかるかは分からないが、そう遠くない未来に実現してしまいそうな凄みを、彼女は持っていた。
「どこ行く気?」
突然かけられた声に、鵺の背筋がびくりと震える。先ほど自宅へ向けて歩き始めたはずの彩葉が、いつの間にか背後から話しかけてきていた。
「……驚かせないでほしい」
不服そうに呟く鵺に、悪戯成功といった得意げな表情の彩葉。
「ふ~ん。いつもは人を驚かせるくせに、驚かされるのは苦手なんだ?」
うるさい、と小さく抗議する鵺だが、彩葉の機嫌をさらに良くするだけだった。
「それで、何か用?」
「……ヤチヨの記憶を見た。あなた、何者なの?」
8000年前から存在する人間などありえない。彩葉の疑問は当然のものだった。そして鵺はすでにマンションを引き払っているらしい。そのことに気づいた彩葉は、ヤチヨの記憶のように鵺がまた消えようとしているのではないかと気にかけていた。
一呼吸おき、鵺が彩葉の目を見据えて語り始める。
「私は神出鵺。あなたの後輩で、かぐやの友だち……そうなりたかった。なろうとした、簒奪者」
ヤチヨが彩葉と再会し、その身体を復元する希望が見えた今、もう自分の正体を隠す必要がなくなった。
鵺は誰にも話したことのない秘密を初めて吐露する。自身が『もと光る竹』の不具合で生成された、本来かぐやの肉体になるはずだった何かであること。かぐやの叫びを聞きながら、臆病者の自分は何もできずに逃げてしまったこと。罪の意識から、偽の友情を演じ、自らの存在理由をかぐやの友だちと定義していたこと。
「全てが終わった。あなたのおかげ。だから、私の身体も、資産も、使えそうなら全て使ってほしい。かぐやには、申し訳なかった」
そこで満足げに、少し寂しそうに話し終える。その冷たい瞳を閉じて、沙汰を待つ罪人のように静かに彩葉の言葉を待った。神妙な顔で話を聞いていた彩葉が、突然じとっとした表情に変わり、スマホを取り出す。
「ですってよ、ヤチヨさん」
「……えっ」
想定外の人物の登場に、珍しく鵺が間抜けな声を出す。
彩葉のスマホには、笑顔のまま血管をビキビキと浮かべて怒りを露わにするヤチヨが映っていた。
『ふーん、そっかぁ。ちゃんと友だちだと思ってたのはヤッチョだけだったのかぁ……ふーん。そのまま満足して消えようとしてるおバカさんには、ちょ~っとお話が必要みたいだね~』
はじめから全部聞いていたらしい。鵺の首筋を、冷や汗が流れる。
「……まずい」
『何がまずいのかな~? 言ってみてよ』
8000年。鵺がここまで怒っているヤチヨを見たのは初めてだった。そしてスマホをかかげる彩葉も、初めて見るヤチヨの本気の怒りに、戦々恐々とその様子を見守っていた。
「……あなたが怒るのも無理はない。私があの時逃げなければ、あなたは今頃……」
『そうじゃなくてね』
しどろもどろに答える鵺の言葉を、さらに青筋を立てたヤチヨが遮る。
『どうして勝手に満足して消えようとするのかとか、体を奪ったなんて思ってないとか、色々言いたいことはあるんだけど』
そこで、ふと怒りを収め、悲し気な表情をするヤチヨ。
『一緒にいてよ。あなたが友だちでいてくれたから、ここまで来られた。一緒に、ハッピーエンドにさせて?』
彩葉はそう願うヤチヨの姿に、かつてのかぐやの姿を幻視した。これまで表情を変えなかった鵺の目が見開かれる。
「でも、私は……」
言い淀む鵺に、彩葉が言葉を紡ぐ。
「ヤチヨだけじゃなくてさ。私も、鵺と一緒にいたい。これからも、友だちでいてくれない?」
8000年の罪の意識が、こんな言葉一つで溶けるものなのか。鵺の胸に、熱いものがこみあげて、その目が僅かに潤む。それは日の光を反射して煌き、いつもの暗い瞳に初めて光が宿ったようだった。
辺りは夕焼けに照らされ、もうすぐ夜がやって来る。あまりに美しい夕日は、明日の天気を告げているようだ。三人の間に、初秋の優しい風が吹く。
「……ずっと黙っていてごめんなさい。それと、私も、その……赦されるなら、あなたたちと一緒にいたい」
ようやく絞り出された声は、小鳥の鳴き声よりも小さく、震えていたが、確かに心からの言葉を彩葉たちに伝えていた。
『「当然!」』
彩葉とヤチヨが、満面の笑みで返した。
『それはそれとして、今夜はツクヨミに来てもらうよ。ヤッチョのお説教タイムなのです!』
再び青筋を立てたヤチヨがそう告げると、鵺が肩を縮めて涙目になる。彩葉は苦笑いでその様子を見つめていた。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
もし後日談など浮かんだら投稿するかもしれませんが、これにて一旦完結となります。
誤字・脱字、感想等ありましたら、よろしくお願いします。