【ゼロの使い魔×ポケモンクロス】ヴィンダールヴはポケモントレーナー 作:ガンダーヴィル
ここは、トリステイン王国にある、王立トリステイン魔法学校。
主にトリステインに住む貴族の子供達が、優秀なメイジになるべく通う学び舎である。
今の季節は春。フェオの月。そして、使い魔召喚の儀式の日である。
使い魔の召喚儀式とは、学院にとって、そして学院に通うメイジにとって重要なものである。なぜなら、メイジの実力は使い魔をみろと言われ、一種のステータスになり、これからの成績にも関わってくる。また、戦闘や生活の手助けもしてくれるため、賢い使い魔、強い使い魔を召喚しようと皆、真剣に取り組んでいるのだ。
召喚の儀式は、問題なく進んでいた。ある土系統の生徒は、大きなモグラを。火系統の生徒は、サラマンダーと呼ばれる大きな火トカゲを。
使い魔は、召喚するメイジの実力よってランダムに選ばれるが、全てランダムというわけではなく、系統によって召喚される使い魔も変わってくるのだ。
系統は五種類。火系統。水系統。土系統。風系統。そして失われた伝説の系統である虚無。
当然系統によって使える魔法も変わってくる。
メイジは、己の系統に誇りをもっており、系統によって派閥ができるほどだ。
突然、オーッ! 歓声が湧いた。
学院のメイジの一人が使い魔に風竜を召喚したのだ。竜は、名実共に最強の使い魔である。
賢く、韻竜と呼ばれる種類は人語を理解するといわれ、当然力も他の使い魔とは比べ物にならない。だが、プライドが高く使い魔にするのは難しい。それを、学院に通う幼いメイジが召喚したのだ。この歓声は当然といえよう。
「ほほう。これは、見事な使い魔ですな、ミス・タバサ」
トリステイン魔法学院の教師であり、今日の使い魔召喚の儀式の責任者でもあるコルベール先生が感心したように言った。
「……どうも」
風竜を召喚した当の本人である、タバサと呼ばれた蒼い髪の小さなメイジは、嬉しくないのか無表情のままである。
「最後に、大物が来ましたね。では、これで使い魔召喚の儀式を終わります」
「コルベール先生! まだゼロのルイズが使い魔を召喚していません!」
「おっと、これは失礼しました、ミス・ヴァリエール。サモン・サーヴァントの準備はよろしいですかな?」
「……はい。大丈夫です」
自信がなさそうに前に出た彼女の名前は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。このトリステインでは、知らぬものはいないほどの名門貴族であるヴァリエール家の三女であり、桃色がかったブロンドの長髪と鳶色の瞳を持つ美少女だ。
家柄も容姿も持っている彼女だが、一つコンプレックスがあった。
それはメイジであるのにもかかわらず、魔法が使えないことである。
名門貴族なのに魔法が使えない。それは、プライドの高いルイズにとっては耐えられないことであった。
「我が名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、"使い魔"を召還せよ!」
ルイズが、サモン・サーヴァントの呪文を唱え杖を振る。
しかし結果は、爆発が起きるのみであった。
ルイズは、諦めず、もう一度呪文を唱え杖を振った。
――これで何度目の失敗だろうか。
先ほどから何度も爆発を起こし、周りからも野次が飛んでくる。
「おい、ゼロのルイズ! サモン・サーヴァントみたいなコモンマジックすらも唱えられないのかよ!」
心無い野次に、コルベール先生が前にでてきた。
「……ミス・ヴァリエール。もうそろそろ時間です。今日のところは一旦諦めて後日、行うことにしましょう? それでいいですかな?」
コルベールは優しさからそう言ったのかも知れないが、それはルイズにとって受け入れがたい屈辱であった。
「もう一度、もう一度だけ、最後でいいですから、やらせてください」
「……本当に、最後ですよ」
ルイズは、もう一度呪文を唱えた。
……自分の思うように呪文を変えて。
「宇宙の果ての何処かにいる私の僕よ。神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ! 私は心より求め訴えるわ! 我が導きに答えなさい!」
今までよりも大きな爆発が起きた。
全員が、また失敗かと思った。
しかし、爆発によって起こされた濃い煙の向こう側にはなにかがいた。
煙が薄れそこに現れたのは、海のギャング。
血の色のような真っ赤な目を持つ、鮫だった。
どんどん投稿していくのが夢であります。