前世が解放軍艦長だった落ちこぼれ提督のクェゼリン超兵器鎮守府奮闘記   作:あーくこさいん

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皆さん、あーくこさいんです。
今回新規投稿する小説は【艦隊これくしょん】と【鋼鉄の咆哮】のクロスオーバー作品。
前世記憶持ちの提督が超兵器艦娘を運用する物語です。


プロローグ

ここは地球上最北端にある海域、北極海。

極寒の空気が漂い海面に氷山が浮遊する銀世界の海域にて2隻の艦が相対していた。

 

1隻目は艦橋上部に全方位をカバーする4つのフェーズドアレイレーダーを備え、変わった形状の28cm三連装砲を4基12門に五連装魚雷発射管を4基、多数のVLS・RAM・CIWSを搭載した所謂イージス艦……なのだが、その中に猫のような物体を2つ程搭載している珍妙な艦だ。

 

だが、相対している超巨大戦艦の異様さに比べれば些か可愛い物である。

 

何故ならその戦艦は全長666m、全幅271mとあの戦艦大和ですら比べ物にならない程の巨艦であり、艦中央の翼状のパーツに艦尾のウォータージェット推進器と異様な艦形の上、巨艦故に排水量や装甲もイージス艦を軽く凌駕している。

さらに武装も豊富で変わった砲身の三連装砲が4基、変わった砲身の連装砲が6基、ドーム状の物体に変わった砲身の連装機銃が多数、艦中央部に2基存在する4枚のフィンが付いた物体、何より目を引くのが艦首にある連装式の巨大砲と今までの兵器とは根幹を揺るがす存在なのは確かだ。

 

だが、その巨艦は今現在炎上していた。

砲身が折れ曲がったり、兵装が基部諸共吹き飛んでいたりと武装の殆どが機能不全に陥っており、何より浸水によって船体が大きく傾斜している為満足な戦闘行動など出来る状態ではないのは一目瞭然だった。

 

対するイージス艦の方も船体の一部が凹んでいたり、武装が所々脱落しているものの、この海戦の勝者はイージス艦側なのは見て取れる。

 

「…やりました!超巨大戦艦『デウス・エクス・マキナ』沈黙!艦長、我々の勝利です!」

 

解放軍所属原子力イージス艦『リバティ』通信兵ナギ少尉の報告を皮切りに艦橋内に歓声が湧き上がる。

それもそうだ。

最後の()()()撃破で長きに渡る()()との戦いがようやく終わるのだから。

 

「ヴォルケンクラッツァー級四番艦『デウス・エクス・マキナ』の撃沈により全ての超兵器を撃破しました。艦長、これで長きに渡る戦いに終止符を打てました。」

 

解放軍技術将校兼『リバティ』副長エルネスティーネ・ブラウン大尉が隣にいる黒いロングストレートの女性将校…『艦長』に語り掛ける。

艦長は腕を組みながらも、その表情は少しホッとしている。

 

『リバティ』の艦長である彼女は解放軍に与し、世界を支配する帝国の力の象徴…超兵器を沈めてきた。

帝国と解放軍の長きに渡る戦いの末、北極海にて帝国軍の切り札であるヴォルケンクラッツァー級超巨大戦艦四番艦『デウス・エクス・マキナ』を撃破した事で、この戦いは解放軍の勝利に終わった事は明白であった。

 

これで戦いは終わった………筈だった。

 

歓喜に満ちた状況に水を差すように、突如として警報音が鳴り響く。

 

「何事⁉︎」

 

先程の空気とは打って変わって艦長が状況を問い合わせると、オペレーターからある報告が入った。

 

「ちょ、超兵器ノイズを確認!場所は…デウス・エクス・マキナからです!」

 

オペレーターの報告に皆驚愕した。

目の前にいるデウス・エクス・マキナは大破し戦闘能力を失っている。

その艦から超兵器機関から放たれる未知のノイズ……超兵器ノイズが確認される筈は無いのだ。

 

「そんな…!デウス・エクス・マキナは大きく傾斜しています!そんな状態で満足な戦闘が出来る訳が…!」

 

「か、艦長…あれ……!」

 

ナギ少尉が指差す方向を見ると、大きく傾斜して沈みかけているデウス・エクス・マキナに変化が訪れた。

艦中央部から光出し、しばらくすると大きな爆発と共に船体が大きく沈む。

そこから現れた存在に艦橋にいた者は驚愕した。

 

「え、何あれ…?」

 

「そ、そんな…⁉︎」

 

「………ッ!」

 

そこにいたのは今までの超兵器とは異なる存在。

左右の船体は鋭く尖った台形のような形状で上部に巨大な構造物を一対備えており、アメンボに似た中央部で左右の船体を繋いでいる。

そして何より紫とドス黒い赤で構成されたカラーリングに中央部の禍々しい瞳……外見からして人類が造った船とは著しく逸脱した存在なのは明白だった。

 

「超兵器ノイズ、さらに極大化!計測不能です!」

 

「艦の形状からして我々の常識外……まさか、あれが件の“マスターシップ”⁉︎」

 

規格外の存在に皆驚愕し狼狽える中、艦長は帽子を被り直し指揮を取る。

 

「…まぁ何にせよ、アレを沈めれば今度こそ戦いは終わるって事ね。」

 

「艦長…?」

 

「ほら、ぼうっとしてないで配置に付いて!超兵器が現れたのなら、今まで通り撃破するまでよ!」

 

艦長の指示に皆落ち着きを取り戻し、それぞれの持ち場に着く。

それに伴いリバティの各兵装を超兵器に向け、攻撃準備を整える。

対する新手の超兵器もリバティを見据えると、細部が発光し唸り声を上げながらゆっくりと前進する。

 

「これが超兵器との最後の戦いよ!総員、死力を尽くせ!」

 

かくして原子力イージス艦『リバティ』と究極超兵器『フィンブルヴィンテル』の最終決戦の火蓋が切って落とされた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…ぅん……?」

 

まだ太陽が顔を出していない明朝、1人の女性が目を覚ます。

どうやらさっきまで夢を見ていたようだ。

 

「…また変な夢……これで何度目かしら………」

 

そう呟きつつ、彼女はベッドから起き上がる。

部屋を見渡してみると最低限の家具も揃っておらずさっきまで寝ていた寝具は既にボロボロ、執務用の机も放棄された物をそのまま使っているに過ぎない。

ここが鎮守府執務室など誰も思わないだろう。

 

その惨状を気にもせず……というかもう慣れたと言わんばかりに布団がわりにしていた海軍将校の服を着る。

 

「…洗濯したいけど、昨日の段階で飲み水を確保するのがやっとだし、贅沢出来ないわね……」

 

そう言いつつ、彼女は執務室を出て廃墟とは思えぬ程綺麗な作りをした工廠へと赴く。

工廠内部へ入ると中にいた妖精さん達がわらわらと寄ってきた。

 

「おはよ〜ていとくー」

「おはようございまーす」

「今日もがんばろー!」

 

「ええ、おはよう貴方達。それで例のものは?」

 

「どうぞこちらに〜」

 

妖精さん達に案内され向かった先は、艦娘の建造が行われる建造ドックだ。

建造ドックには円筒状のポッドが4つ鎮座されており、一つ一つのポッドに何本かの管が繋がっている。

その内の1つで現在進行形で建造が行われており、隣にあるタイマーには『00:03:00』と表示されている事から建造完了まで残り3分となった。

 

「建造開始から半日……ようやくご対面ね。私の()()()()()()()。」

 

そんな事を呟きながら、建造し艦娘とご対面する瞬間を今か今かと待っている。

 

彼女は今現在廃墟……否、クェゼリン基地に昨日から着任……もとい()()されている。

元々深海棲艦の攻撃で破壊されたロイ=ナムル島のロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場跡地をそのまま使っており、その為施設等は破壊されたままである。

故にライフラインなど無く飲み水を確保するのがやっとの為、洗濯など出来る筈もない。

一応艦隊の拠点として再利用する為に工廠やドックなどの必要最低限の設備は整っているものの、あくまでも本命が着任するまでの先行投資として置かれただけであり、今回派遣された彼女の役割はただ一つ。

 

深海棲艦の接近を大本営に知らせる事……それだけだ。

 

何故彼女がこんな廃墟も同然の所へ派遣されたのか……それを知る為には人類共通の天敵【深海棲艦】の襲来まで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦2011年の夏頃、それは突然現れた。

深海魚のような個体や人に酷似した個体などが集団…もとい艦隊を組んで世界中の海に出没し、無差別攻撃を仕掛けた。

未曾有の事態に世界中が混乱するも、正体不明の襲撃者に対し各国は軍を総動員しての迎撃に打って出た。

 

しかし結果は散々な物だった。

人間と同じサイズであるが故、レーダーに映りにくく目視するのがやっとで気付いた時には接近を許し攻撃される始末。

さらに第二次世界大戦時の軍艦と同程度の攻撃力と装甲を持つ為、各国海軍は苦戦を強いられ、世界最強とも謳われている米海軍第七艦隊も全滅の憂き目に遭った。

 

いつしか襲撃者達は【深海棲艦】と呼ばれ、2年間で海の大部分を制圧し沿岸部までも攻撃を受けていた。

 

そんな中、希望は突然現れた。

深海棲艦の攻撃によって破壊された横須賀鎮守府跡地にて二頭身の小人…【妖精さん】が現れ、第二次世界大戦を戦った軍艦の魂を持つ少女…【艦娘】を建造した。

 

建造された艦娘達は彼女達の能力を引き出し指揮する資質を持つ存在…【提督】の指揮により鎮守府周辺海域を制圧した深海棲艦を撃破したのを皮切りに世界各国が艦娘を建造し戦力を整え、海を我が物にしている深海棲艦に対し反撃に転じた。

 

特に初めて艦娘の存在が確認された日本は近海の制海権を始め、大陸からの物資輸送ルートを確保した。

その物資を元手に戦力を拡充、続く東南アジア・太平洋方面の解放を推し進めていき、()()()までは連戦連勝といった感じだ。

 

だが、深海棲艦側も黙っていた訳では無い。

通常戦力であるイロハ級を凌駕する戦闘力と艦隊を指揮する知能を有する上位個体…【姫級】【鬼級】を投入してきた。

 

その脅威は凄まじく、それらの個体が初めて確認されたミッドウェー攻略作戦では、本作戦に投入された艦娘の大部分が撃沈されるという壊滅的な被害を被った。

それ以降戦局は悪化の一途を辿っており、幸いにも同じ艦娘が同時に複数存在出来る特性故艦娘の数は揃えられるが、それでも練度の問題がある上に艦隊再建の為に資材が湯水の如く消費され後の作戦行動に影響を及ぼした。

またミッドウェーの敗戦を境に深海棲艦の攻撃が激しくなり、何とか持ち堪えたものの日本は多方面での戦いを強いられ、どの戦線も一進一退の攻防を繰り返しており戦況は芳しくない。

 

そもそも艦娘の能力を引き出し指揮できる提督の数が慢性的に不足しているという問題がある。

提督になるには前提として艦娘を支える“妖精さん”という存在を認識出来る事が挙げられる。

妖精さんは現代科学では説明の付かない存在であるが故、殆どの人が認識出来ず妖精さんの存在を認識出来て初めて提督としての適性を持つと言える。

 

さらに提督には“適性値”という概念がある。

これは艦娘との相性を測る指数で高い順にS〜Dまであり、高ければ高い程多くの艦娘を指揮し能力を引き出せるのだ。

因みにランク別での指揮できる艦娘の数は、

Sランク:6個艦隊以上

Aランク:4〜5個艦隊

Bランク:2〜3個艦隊

Cランク:1個艦隊(艦娘6隻編成)

Dランク:1個戦隊(艦娘3隻編成)

となっている。

 

そんな状況下であるが故、今の日本では海軍(旧海自)に資源と予算と人員のリソースを割いており、その他は後回しになっている。

特に提督の資質を持つ人材は貴重とされ、妖精さんの存在を認識した人は強制的に海軍士官学校への入学が義務付けられている。

 

その中にクェゼリン基地に左遷された提督…黒姫玲華(くろひめれいか)も妖精さんの存在を認識した事でほぼ強制的に海軍士官学校行きが決まったものの学校内では優秀な成績を収めた。

このままいけば大本営直属の提督として配属される筈であった………適性値テストの結果が悲惨な事にならなければの話だが。

彼女の適性値はなんとDランク以下……つまり艦娘1隻を指揮するのが精一杯で、艦隊は愚か戦隊すら組めない落ちこぼれ……暫定的に彼女のランクは【Eランク】と定義された。

 

この気を境に彼女を取り巻く状況は一変する。

彼女と近しい人達は励ましてくれたが、殆どの同期や先輩からは軽蔑の対象として見られ、軍の上層部も彼女を無能扱いするようになった。

当然大本営直属の話は白紙に戻され彼女は名目上【栄転】……もとい最前線に左遷された。

その場所こそ新しく再建されたクェゼリン基地であり、彼女に与えられた任務【深海棲艦の接近を大本営に知らせる】事は艦娘1隻しか扱えない落ちこぼれでも十分…むしろ失っても惜しくはない存在だと上層部は判断した。

 

こうしてクェゼリン基地へと左遷された彼女だが、現場は前述の通り悲惨の一言で工廠・ドックは真新しいものの、元々あったロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場は開戦初期に深海棲艦によって破壊され、今は廃墟しか存在しない。

無論ライフラインなど存在せず、飲み水すら確保するのが困難な程。

 

彼女に支給されたのは2週間分の食料・医薬品等の物資に僅かな私物、艦娘を運用するのに欠かせない燃料・弾薬・鋼材・ボーキサイトが各400ずつであり、この中に高速修復材(バケツ)高速建造材(バーナー)は含まれていない。

 

こんな感じで幸先からハードモードな彼女だが不思議と悲観したり絶望する事は無く、まるで()()()()()かのように最善を尽くすべく作業に取り組んだ。

 

というのも彼女自身、理由は分からないが自分が前世の記憶を持っているらしい転生者という認識がある。

何故“らしい”という曖昧な表現なのは、その時の記憶がハッキリと思い出せず確信が持てないからだ。

唯一心当たりがあるのが最近よく見る夢…解放軍艦長として帝国と戦うというもの。

荒唐無稽な話ではあるが彼女自身この夢について懐かしいと思っており、この時に苦難の連続を乗り越えた経験のお陰でちょっとやそっとの事ではへこたれない強靭なメンタルを持っていると彼女は推測している。

 

話を戻してまずは建造に着手するわけだが彼女の場合1隻しか運用出来ない都合上、必然的に質を重視した艦娘を建造し生存能力を上げるしかない。

その為最低限の資材を除き、残り全てを唯一運用出来る艦娘を建造するのに充てた。

 

だがここで問題が発生する。

本来艦娘の建造は実物大の軍艦を建造するよりも圧倒的に早く戦艦すら4〜8時間程なのだが、投入出来るだけ資材を投入した結果、表示された建造時間は……なんと12時間。

まさかの半日も費やす建造に彼女は一瞬見間違いかと思ったが、結果は変わらず。

 

「嘘でしょ…」

 

想定外の事態に彼女は少し焦るものの高速建造材(バーナー)が無い為どうする事も出来ず、気持ちを切り替えて荷物の整理や飲み水の確保に努めた。

廃墟内にベッドは見つけたものの、ボロボロな上に布団が無かった為、将校服を布団がわりにして寝るしか無かった。

 

そんなこんなで半日経ち、彼女はようやく艦娘とご対面出来る。

 

「さて、どんな娘かしらね……これだけ時間が掛かったから、強い艦娘だといいけど………」

 

そう呟いていると、タイマーが『00:00:00』と表示され建造が完了する。

次の瞬間、ポッドから白い蒸気が噴き出し蓋が上下に開く。

そして蒸気に満ちたポッド内部から誰かが出てきた。

 

その艦娘は銀髪のショートヘアに真紅の瞳と俗に言うイケメンの様な整った顔立ち、黒を基調とした軍服に身を包み身長は190cm程とかなり高く全体的にスラッとしている。

艤装の方はV字型の煙突の後ろにX字型に固定されたアームを持ち上半分は三連装砲を片側2基ずつ合計4基12門、下半分には七連装魚雷発射管を片側3基ずつ合計6基搭載する事からかなりの重武装艦なのが分かる。

その他の兵装として4基の連装両用砲に12cm30連装噴進砲多数、さらに変わった形の噴進砲に大口径の機関砲……極めつけはX字型アームの後ろにあるVLSらしきものも搭載している。

そして何よりもVLSを挟み込むようにして装備してある2基のロケットブースターがこの艦娘の異様性を際立たせていた。

 

目の前に現れた新しい艦娘に彼女は少し度肝を抜かれるが、その艦娘に違和感を覚える。

 

(…あれ?この娘、艦娘だよね?見る感じ“男”って感じがしっくりくる……)

 

彼女の言う通り艦娘とは読んで字の如く軍艦の魂を持つ少女……つまり女性なのだ。

しかし今目の前にいる艦娘は容姿や雰囲気からして男といった方が正しい。

そんな違和感を抱えながらも、彼女は目の前の艦娘に話しかける。

 

「初めまして、私はクェゼリン基地の提督を務めている黒姫玲華よ。貴方の名前を教えてくれるかしら?」

 

「…俺の名はヴィルベルヴィント。超高速巡洋戦艦ヴィルベルヴィント、旋風の名に恥じない超高速の機動力を見せてやろう。」

 

目の前の艦娘……ヴィルベルヴィントの名が明かされたその時、提督の脳裏に今まで曖昧だった前世の記憶が鮮明に蘇る。

 

ーー帝国の圧政からの“解放”を願い、この艦を『リバティ』と名付けるわ。

 

ーー敵超兵器撃沈!艦長、信じられません!

 

ーー貴公の働きを鑑み、本日付で解放軍第零遊撃部隊の配属を命ずる。

 

ーー我が地球帝国(ガイア・エンパイア)よ、永遠なれ!

 

ーー艦長、撤退なされるつもりですか!

 

ーー貴様さえ、貴様さえ居なければ、我々は正しく世界を統治出来たのだ!

 

ーーこれが超兵器との最後の戦いよ!総員、死力を尽くせ!

 

次から次へと押し寄せてくる記憶に脳の処理機能がオーバーし、彼女は少し立ち眩む。

 

「大丈夫か、提督!」

 

「…ええ、大丈夫よ。全て思い出した。」

 

「“思い出した”?」

 

「今まで私自身が転生者という事は薄々感じていた。けど、どんな前世を辿っていたかはハッキリと分からなかったから確信は持てなかった……()()()()()()。」

 

「………?」

 

「…ヴィルベルヴィント、早速だけど貴方の艦歴を教えてくれる?」

 

「…ああ、承知した。俺はドイツ第三帝国海軍所属としてビスマルク追撃戦を皮切りに通商破壊作戦に従事し、後に地球帝国(ガイア・エンパイア)になってからは南米方面艦隊に配属となり、南米を拠点に活動する解放軍の通商破壊作戦に従事した……」

 

「…そして通商破壊作戦の最中、解放軍の巡洋艦『リバティ』との戦闘により撃沈された…だったわね。」

 

「そうだが……待て、何故提督がその事を知っている?」

 

「知ってるも何も、あの時()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね。」

 

「…何だと?まさか、貴方は…!」

 

「そう、当時解放軍所属の巡洋艦『リバティ』の艦長としてヴィルベルヴィントを皮切りに数多の超兵器を沈めてきた……それが前世の私、クェゼリン基地提督である黒姫玲華よ。」

 

これは前世解放軍艦長の落ちこぼれ提督が自身が相手にしてきた超兵器艦娘を率い提督として奮闘する物語である………




クェゼリン基地にて相対した提督とヴィルベルヴィント。
しかし大本営から深海棲艦の侵攻艦隊を迎撃せよとの命令が下る。

このまま行けば彼女は捨て駒だが、捨て駒に甘んじる程提督は柔では無い!
ヴィルベルヴィント抜錨せよ!
超兵器の力をとくと味合わせてやれ!

次回、『旋風、抜錨せよ!』
乞うご期待ください。
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