答:弾きと即死級の流派技&弾きでプレイヤーのスタミナが無くなった瞬間に不死斬りでモツ抜きみたいな忍殺してくる修羅狼
■ ■
「ぐぬぬ……あのクソゲーマーが義弟かぁ…いやー、まだリアルの方を知らないから断定は……でもなー! アイツ絶対に脳みそにクソゲーカセットがぶち込まれてるからなー!!!!! 玲ちゃん大丈夫かなぁ!? ちゃんと進展できるか!? つーか告白伝わんのかアイツに!?」
「一さん、少々声が大きいですよ」
「はい、すいません」
しかしだ仙ちゃん、これは正直に言ってかなりネックな問題なのだよ?
可愛い義妹の想い人が、まさかのクソゲーマーだったんだからな……いやまぁ、別にそこだけなら問題無かったんだけどね? ゲームの好みは人それぞれだから。
でもさぁ……アイツはなぁ。なんかこう、本質的にだいぶ危ない気が……あ、俺もか。まぁ鯖癌でギリシャ文字サーバーに居た者同士だからね、ヤバいのはそりゃそうだろって話なんだけど。
いやー……玲ちゃんの想い人ってだけでだいぶ気になっている所ではあったが、まさかのサンラクとは。どういう偶然だよ全く。運命の女神とやらに全力でナイフを突き立ててやりたい気分だぜ。
「ですが、応援はしているのでしょう?」
「そりゃねぇ…あれこれアドバイスしてきたし、本人的にその想いを届けたいって意思が強い以上、俺が否定できる要素無いし……というかヤバい奴かどうかで言えば人の事言えないし」
普通に考えて鯖癌と幕末に適応してる奴がイカれてない訳がないんだよね。なんだったら俺はVRで死にゲーやり込んでた訳だから、尚のこと。
いやー…マジでよく結婚出来たな俺?
「一さんは素敵な方ですよ」
「ありがとう仙ちゃん……そう言ってもらえるだけで嬉しいよ。ちゅーして良いですか?」
「ん゛っ……だ、ダメです」
「ちくせう…」
私は何時になったら仙ちゃんにちゅー出来るんですか? 誰か教えてくれ———勝手にやってろや対人狂———。
それはそれとして、まぁサンラクがシャンフロを始めてくれたのは大変都合が良い。アイツのプレイスキルは中々に鍛えられてるし、そこに関しては俺も信用出来る。
かなりバランスが良いタイプのゲーマーだし、VR適正も高いからな。クソゲーで培った経験値と他ゲームを技を再現出来る適応力も魅力だ。そこらのゲーマーはおろか、プロだって初見なら勝率がかなり下がるだろう。
初見のボス戦で必要なのは、ぶっちゃけて言えばアドリブだ。知識が無い状態で如何に速く、それでいて直感的に行動出来るかどうかという議論においては、サンラクはこの上ない最善手と言わざるを得ない。
そんくらいアイツのプレイスキルは高いんだ、俺が保証する。後は予想通りカッツォくんも始めてくれれば良いんだがね。
「ウェザエモン攻略の準備は終わりつつある訳で……後は装備か」
深呼吸をして、意識をシャンフロへと戻す。つい本名を出してしまったのは反省だ、戒め戒め。やはりどうにも
現在はサードレマ。あの後、サンラクとのフレンド登録を済ませてから千ちゃんと合流した俺は、現在その千ちゃんの装備諸々を確認している最中だ。
俺はメインウェポンと防具が揃ってるから問題無いとして……
PN:千
LV:50
JOB:武士
SUB:無し
120,045マーニ
HP:100
MP:10
STM:59
STR:55
DEX:61
AGI:38
TEC:70
VIT:65(500)
LUC:13
右:乱れ刃の薙刀・改+23
左:無し
頭:戦乙女の額当て(VIT+100)
胴:戦衣・月花美陣(VIT+400)
腰:戦衣・月花美陣
足:戦衣・月花美陣
アクセサリー:無し
うーん……火力が足りねぇ!!!!!
防具とステータスは良いとして武器がなぁ! 俺が買ってあげたの気に入ってくれてるのはすごく嬉しいんだけど……ボス攻略で火力低いのはちょっとねぇ。
後はアクセサリーが無いのもな。なんか良いバフ配ってくれるやつがあれば良いんだが。
「千ちゃん、刀は使える?」
「人並み以上には……ただ、神代の英雄を相手に上手く立ち回れる自信はありませんね……」
「だよねぇ……ウェザエモンはマジで頭おかしいからなぁ。普通に
「神速の抜刀術、でしたよね? ハジメさんから見て、断風は如何ですか?」
「多分富嶽さんの上段より速い」
「それは……俄には信じられませんね」
「うんまずそれがおかしいよね。どうなってんだよあの人マジで」
ユニークモンスターの抜刀と人間の抜刀比べてどっちが上かなーって考えられる事自体がまずおかしい。本当に富嶽さんは何者なの? やっぱ生まれる時代間違えてるって。多分戦国とかそこら辺で活躍してた人でしょ、あの人。
まぁ、それで言ったら大剣者も中々に強かったんだけども。思い返しても中々鬼畜だよなあのボス。多分【剣鬼】のジョブ就いてないと攻略出来んぞアレ。
途中までは剣聖とか戦王とかでも何とかなるかもしれんけども、多分最後の攻撃は無理だ。絶対に対処出来ない。【
多分、アレは装甲貫通とか即死効果とか諸々が付与されてた斬撃だろうし……
おそらく【剣鬼】のみが使用出来るスキル『
効果時間は僅か8秒。リキャストタイムで半日は持っていかれるが、その内容はぶっ壊れだ。
なんせこの『不惜身命』を使えば———8秒の間だけは、他スキルの
「取り敢えず武器とアクセどうにかしないとな……なんか良いのあったかなー」
「【乱れ刃の薙刀】は、これ以上は強くなれないのですか?」
「出来ない事はないだろうけど、ウェザエモンと騏驎を相手取るとなると、耐久値が心許ないんだ。だから別の装備が欲しいかな」
「そう、ですか……」
あぁんそんなションボリしないで千ちゃんっ! ちくしょうウェザエモン&騏驎め! お前らがバカみたいに硬い所為で千ちゃんが愛武器ちゃんと使えなくてしょげちまったじゃねぇか巫山戯んな!!!!!
でもしょげてる千ちゃんも可愛いな……って、いかんいかん。落ち着け斎賀一。こういう時こそ俺がフォローせねばならんのだろうが。
気分が落ちてしまった妻を慰め、元気にするのも夫の務め! これが出来なきゃ義母様と義父様になんと言われるか! 俺だって千ちゃんをしょげさせたままなのは御免被るのだ!!!
「いやー、そんなに気に入ってくれてるなら買った側としても喜ばしい限りだよ!」
「私にとって初めてのゲーム……シャンフロで、
「好きです」
「すひゅ!?」
可愛すぎる……! 天使か? いや天使なんて言葉では足らん! もはや女神! 俺だけの女神と言わざるを得ない!!!
こんなに可愛い嫁を長く抱き締める事も出来ないとかシャンフロは鬼かっ!? なんでそこらのクソゲーで出来る事が神ゲーで出来ねぇんだよこの———極東スラング———がマジで———もっと酷い極東スラング———!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ふぅ……落ち着きました。マイラブリーゴッド仙ちゃんは永久不滅、おk? おkこれぞ自問自答!
「よーし! それじゃあ千ちゃんの為にも装備とアクセを入手しに行くぞー!! ハジメさんのやる気は絶好調だぜ!!!!」
「すっ、すひゃ…!?」
まだバグってるのかい、千ちゃん? 好きって言っただけなのに可愛いんだから全く☆
取り敢えず装備の方はイムロンちゃんに頼もうかな。素材の方は何か良いのあったかなー……
換金してたやつの余りだけど……流石に今からやると時間掛かるからなー。というかアイツらソロでやるのは俺もキツイ。
『心理眼』に『多騎討ち』、『イグニッション』に『クライマックス・ブースト』、その他の自己バフ
千刃雅正が50%の確率で相手の最大HPを参照した割合ダメージを発生させる特殊属性を持っていて、それをブーストさせる様に多段ヒットの特性を持っているからこそ出来たゴリ押しだ。
多段ヒットという特性のお陰で、ほぼ100%の確率で割合ダメージを叩き出してくれる妖刀くんに感謝だよマジで。まぁその所為で耐久値がゴリゴリ削れるんで2分足らずで破損寸前まで持っていかれるんだけどね!
「さっそくイムロンちゃんに連絡を取って……アクセの方はどうしようかなー? 俺のは【羅刹天の洞穴】でゲットしたやつだし……」
「んっ、ん……あの、ハジメさん。それなら、少々お願いしたい事があるのですが」
「ん? なになに? 何か欲しいのあったの?」
「はい。ハジメさんが期待している様なものではないかもしれませんが」
「千ちゃんが望むもの=俺の希望だともさ! それで? その欲しいものって?」
「此方です」
千ちゃんの隣を歩きながら、その案内に沿ってサードレマの街ではよくある路地を進んでいくと、何やら小さな店があった。
とは言っても、店員は居ない。ただ品物だけが置かれているのを見るに、なんかそういうシステムの店なのかな? シャンフロだと珍しいタイプだ。
シャンフロでNPCが営んでる店は、だいたいそのNPCが居る筈なんだけど……この店にはそのNPCが見当たらない。
なんていうか、アレだ。田舎で見掛けるようなやつだ、これ。
「こんな店あったんだ……俺知らなかったよ」
「私も、ハジメさんが居ない間にサードレマを歩いている時に見付けたのです。アクセサリーを売っているらしいのですが、見ての通り『代金は勝手に置いておけ』と書かれていまして」
「なんつー適当加減……もういっそ清々しいまでに商売気ってもんが欠片も感じられん」
本当に店かこれ? もう機能してなくない? 捨てられてないかねこれ???
「えー……で、千ちゃんは此処に欲しいのがあるの?」
「はい。このアクセサリーなんですが……」
「どれどれ…」
【比翼の紐飾り】
白と赤で分けられた紐飾り。その中心には翼を象った意匠があしなわれている。それは二つ結ぶ事で比翼となり、両者の縁と絆をより深く、厚いものとする。
これといった奇跡も願いも無いが、それでもこの紐飾りは微かに、ほんのりと暖かい。
例え離れ、分かたれたとて、私は貴方と、貴方は私と共に在るのだから。
「……おぉ、なんというか、こう……ははっ。千ちゃんはなんでそう、俺をその気にさせるのが上手いのさ」
「戦いに赴く為の品としては、良いものではありませんが……魅力的に写ってしまって」
「うんうん、良いじゃんこれ! よし買おう! 縁起の良い上にまさに俺らにピッタリな品物じゃんか!」
シャンフロには、こういうロマンチックなアイテムなんてそう無いもんだと思ってたけど……中々嬉しいもんだね。
貴重なアクセ枠なんだけど、まぁ良かろう! なぁに、俺が千ちゃん守りながら最後まで耐え切れば済む話だ!
◆
「鍛冶師を呼び出すとは、えらくなったもんだなハジメ…で、隣の其奴は?」
「俺のガチ嫁」
「ふぅん……えっ?」
ごっつい爺さんの見た目からは想像出来ない女らしい声に驚いている千ちゃんの代わりに俺が受け答えしたら、その爺さん———「イムロン」ちゃんは天地がひっくり返る様を目撃したかの様な顔をした。
え、そんな驚く? 流石に大袈裟過ぎません?
「えっ、えっえっえっえっ?????????? よめ? 嫁って、あの嫁!?」
「多分その嫁だけど流石に失礼過ぎんだろテメェ。驚き方がガチじゃん」
「いつの間に結婚してたの…!?」
「シャンフロがリリースされる前からだけども」
「そんな……アンタに、アンタみたいな対人狂に先を越されていたというの…???」
「え、なにお前そんなに死にたい??? お望みなら遠慮なく妖刀くんで首チョンパしてやるけども?」
アンタみたいとはなんだ失礼なヤツめ。別に否定するつもりはないけども。
「ハジメさん、この方はいったい……」
「イムロンちゃん。シャンフロに5個しかない勇者武器の一つ、聖槌ムジョルニアを所持する鍛冶師だよ」
「こほん……ハジメから話は聞いた。俺に武器を作ってもらいたいんだってな」
「……」
「気にしないであげて、千ちゃん。これはそういう
まぁ、コイツのロールプレイは別にそこまでガチってる訳でもないけども。さっきみたいに、親しい奴と一緒に居る時はわりと崩れるし。
イムロンちゃんには何かと世話になってたからなー。千刃雅正と首斬間部を手に入れてからはすっかり頼まなくなっちゃったけど。
「ボス戦に行く前の下準備として、千ちゃんの武器を育ててほしいのと、新しい武器を作ってほしいんだ」
「武器種は?」
「両方共に薙刀です。この【乱れ刃の薙刀・改】と……この素材を使って新しい薙刀を鍛えていただきたく」
「薙刀……武器種としては槍か。ふーむ……良い薙刀だ、よく使い込まれてる。確かにこりゃ育ててやらないと勿体ないな。けどな、俺はこれでもプレイヤートップの鍛冶師を担ってんだ。生半可な素材じゃあ」
【水晶群蠍の輝宝晶×3】
【水晶群蠍の断晶鋏×14】
【水晶群老蠍の輝照晶針×1】
【水晶群老蠍の鎧晶殼×3】
【水晶群老蠍の魂晶核×1】
「…………………………………………………………………………………………………………」
「これ生半可ッスかね?」
「こ、こここここ…!?!?!?!? なんっ、こ、うっそぉ!?
「結果的にソロでやってやったよチクショウが。二度と御免だよアイツらの相手」
金策の為に水晶群蠍を倒しに来ただけなのにソロレイドするハメになるとか誰が予想出来るよ?
俺LUXは上げてない筈なんだけどなぁ……レアエネミーとの遭遇は確かに興奮するけどさ、それがレイドボス並だとブチ切れるよね。シャンフロの運営はレアエネミーの事なんだと思ってるの? 別に強さまでレアにしなくて良いんだよね、マジで。
「で、どうなのよ。こんだけリソースありまくってんだから、さぞかし良い武器作ってくれるんだろうな?」
「こ、これだけのリソースがあれば多少ぶっ飛んだ形にしても性能面で十分以上のお釣りがくるわ…!」
「出来れば忠実な薙刀だと嬉しいのですが」
「俺は兎も角として千ちゃんの武器なんで真面目に頼むぞ。マジで。ほんとに頼むぞ」
「妖刀カチカチさせながら近付くんじゃないわよ! まぁ1回斬られてみたくはあるけど」
「密着している間は常に多段ヒットかつその間のダメージがほぼ確実に最大HP割合のダメージになるけど」
「やっぱ遠慮しておくわ。なんか脳髄に直で痛みが刻まれそう」
残念。オルスロットくんはこれ見ただけでガクガク震える様になったのに。
はっはっは、男の癖に軟弱な。そんなんじゃ孤島で生きていけんぞ。サバイバアルは鯖癌の鋸思い出したのか笑顔で突っ込んでくるのに。
「分かった、その依頼請け負うわ。そうね……明日の朝、フィフティシアに来てちょうだい。それまでには仕上げてみせるわ」
「おっけー、頼んだぜ」
「お願いします、イムロンさん」
「期待に応えるわ……ぜ」
「今更治したって意味ねぇよ」
「うるさいわね!」
よーし、これで千ちゃんの問題は無事に解決。
後は……サンラクとのコンタクト、そんでもってカッツォくんがシャンフロしっかりやってるかどうかなんだけども…ん?
鉛筆戦士:やっほー、ハジメくん。こないだはついでの様にキルしてくれちゃってありがとう。御礼参りはまた今度やるとして、ユナイト・ラウンズにインしてくれない? 来なかったら嫁さんに色々バラすからそのつもりでね☆
「ふっ……」
「ハジメさん?」
「いや、なんでもないよ千ちゃん。明日の用事が出来たってだけ」
よーし、話が終わり次第、アイツを後ろからぶっ刺してやる。ちゃんと短剣持っていかないと。
大剣者は言ってしまえば神代の頃に生きていた剣客であり、アリスちゃんやジュリウスくん達のお仲間でした。
エドワードの友人であり、ウェザエモンも実力を認めるくらいの剣士だったが、本人の自己評価がゴミカス過ぎたのがダメだった。あと鈍感だった。
どんだけ自己評価がゴミカスなのかと言うと、ウェザエモンからの賞賛を『俺はまだこの人に世辞を言われる程度か……』と受け取ったり、他人への善意の出力がバグってるアリスちゃんが普通に青筋浮かべてグーパンしかけてジュリウスくん達が止めに入るくらい鈍感だった。
アリスちゃんは心を開いてたし、ウェザエモンも実力を認めていたし、エドワードにとっても数少ない友であったりと、かなりの主人公タイプだったが、自己評価がゴミカスなのと鈍感でありながら愚直過ぎた所為で決定的なまでに仲間とすれ違い、最終的に剣鬼に堕ちた。それでもマナ粒子を上手く使って自分を生かし続けてんだから、やっぱイカれてる。
そんな剣客を10回死んだ程度で攻略したハジメさんおかしくないかって? それはそう。あの人は『え? 人型エネミーとの戦闘なんて全部PvPみたいなもんだろ?』って真顔で言ってくるタイプだから……