旅立つ幼馴染を見送ったTS薄細美少女の俺。十年後、スラム街の娼館にて再会を果たす 作:しゃふ
目を開くと同時、眩い光が差し込む。
「あ、起きた。
だ、だいじょうぶ? アルス」
上にあるのは、リーナの顔。
紺色の水着に身を包んだ彼女は、心配げに僕を見つめていた。
「うん、大丈夫。
あはは、身体だけは頑丈ってよく言われるからね」
近くに漂うのは白い湯気。
どうやら、お風呂で倒れてから、僕はずっとそのままだったらしい。
リーナじゃ僕の身体を動かせないだろうし、当然か。
……あれ待て。
ならなんで、下の床が硬くないんだ。
それに、さっきからずっと、頭にすりすりと暖かい感触があるし。
——気づく。
……まさか、今、僕の頭の下にあるのは。
「膝枕、初めてするね。
……あ、もう、動いちゃダメだよ」
後頭部に感じる柔らかな肉感。
……それは、リーナのふともも、しかも水着故に完全な素肌であった。
な、なんでっ?
——てか、や、やわらか
放たれようとしたこの状況への疑問。
しかしそれは、発する前に、彼女の言葉によってかき消された。
「よしよし、アルスは凄いね。
いっぱい、頑張ってきたんだね、えらいよ」
撫でられる頭。
心地よさが全身へと広がり、耳には大好きな彼女の声が、何度も何度も囁かれる。
与えられる快感に勝てなかった僕は、結局、そのままもう一度、目を瞑ることになるのだった。
数十分後、僕らはお風呂から出た。
結局お湯に浸かっていたのは数分しかなかったけど、身体は嘘みたいに火照っている。
「もうすぐ90分だし。
今日は、もう終わりだね」
残念そうにリーナが呟く。
そっか、もうそんなに時間が経っていたのか。
ほんと、90分というのは短すぎる。
せっかく、週に一度しか無いリーナと話せるチャンスというのに……それに、今日はほとんど寝ちゃってたし。
「……ごめんね、リーナ。
その、迷惑かけちゃって」
着替えを終えて、水着から元の私服に変わったリーナへと話しかける。
お風呂だったり、膝枕だったり、今日は彼女にしてもらってばかりで、僕の方は何もできていない。
……首輪のことも、全然協力できてないだろうし。
「へ、いやいや、全然そんなことないよ。
むしろ、迷惑かけてるのは私だし」
「でも、倒れちゃったり、寝ちゃったりだったし……
情けないとこばっか見せちゃったよ」
「わ、私は、アルスの可愛いとこ見れて嬉しかったけどなぁ。
寝顔とか、久しぶりに見たし」
少し慌てながら、フォローに入るリーナを見るとますます情けなくなってくる。
う、これでは昔と同じだ。
思わず、僕はため息をついてしまう。
すると、その様子を見てか、リーナが僕に近づいてきた。
「あ、あのね、アルス。
落ち込まなくても、大丈夫」
軽くしゃがんで、彼女に視線を合わせる。
……慰めようとしてくれてるのかな。
僕は先ほどの膝枕のときのことを思い出し、頭を彼女の方へ向けた。
リーナはさらに僕の方へ近づく。
そして、鎖骨に息がかかる、そんな距離で。
「——続きは、また、次のときに、いっぱいすればいいから」
小さく、そう呟いた。
その言葉で、どくん、と心臓が跳ねる。
続き。
それは、先ほどのお風呂での行為の続きということだろう。
倒れる前の光景は、脳裏に焼き付いている。
思い出したらまたぶっ倒れそうで、見ないふりしてるけど、でも、彼女に協力すると決めたならあんなのでは、駄目だ。
……だって、アレはまだ、始まりに過ぎないんだから。
——やるんだ。
僕は決意を固めると同時、彼女の右手を、自らの両手でぎゅっと覆った。
「次は、頑張るから。
だから、待ってて、リーナ。
僕が、絶対、リーナの首輪を外してみせるから」
「——ひゃ。
えへ、うん、そうだね、えへへ。
二人で、頑張ろうね」
顔を赤くしながら、答えるリーナ。
「えへへぇ」とふやけた声を漏らす彼女の笑みは、頬が緩みきっており、まるで小動物のようで愛らしい。
「じゃ、受付まで、一緒に行こっか。
……あ、その、手は握ったままの方が、いいな。
え、えと、そっちの方が魔力が減る気がする、し?」
「ん、了解、リーナ」
こうして、僕らは三号室を後にした。
受付に着いた後、僕はリーナに話しかけられる。
「——あ、そうそう。
前に、一緒にご飯行くって話あったでしょ?」
「あ、うん。
もしかして、予定決まった?」
前に約束したご飯の話だ。
彼女の休みに合わせて日程を調整することになっているが、この笑みをみるに休みが取れたのだろう。
「今度の月曜日でどうかな?
そこなら、深夜の開店までは、休んでいいって店長が言ってくれたんだ。
だから、朝からずっと一緒にいれると思う」
「うん、了解。
お店の方は僕に任せて」
……美味しいお店を見つけとかないとな。
個室があって、リーナが好きそうなとこ……んー、帰ったら、パーティメンバーたちにでも相談してみるか。
そんなことを考えながら、彼女と一緒に娼館の出口へと歩き出したとき。
「お客様、お待ちください」
ふと、受付をしている若い女の子に呼び止められた。
……なんだ?
「どうしたの? 代金なら先払いのはずだけど」
戸惑う僕の代わりにリーナが返答した。
……娼館については彼女の方が詳しい。
ここは任せた方が良いだろう。
「それは分かってます。
でもほら、アルスさんは二回目のご利用ですよね?
なら、例の物を渡す必要があるじゃないですか」
例の物。
その言葉を聞くと同時、一瞬だけリーナの表情が固まった。
「……あ、アレを?」
「はい。
前にリーナさんの分も一個だけ作ってもらっていたので、もう持って来てますよ」
「え、ちょ、ま、待っ——」
引き止めようとするリーナを無視して、店員は僕の方へと歩いてくる。
その手には、何か細長いもの握られていた。
「——お客様、こちらサービスになります。
試供品のため三回までしか使用できませんが、どうか、お一人になったときにご使用ください」
「え、あ、はい」
よく分からないが、とりあえず、店員から例の物とやらを受け取る。
……で、なにこれ。
手渡されたのは棒状……いや、違う。
真ん中に穴が開いてるから、円柱状の物体だ。
大きさはちょうど手で持てるくらいで、見た目は赤く、銀色の横線がいくつか入っていた。
……それにこれ、魔力がこもっているな。
量は決して多くないから、人工的に作られた魔道具みたいだけど……
「リーナ、これってなんなの?」
「……え、えっと、その、それは」
僕の質問に対して、口籠る彼女。
なぜかその顔は真っ赤に染まっていて、焦りなのかさっきからずっと身体をプルプル横に揺らしている。
そのまま数秒が経った後、彼女は慎重に口を開いた。
「そ、それさ、魔道具なんだ。
えと、うちの店独自でやってるサービスでね。
二回以上同じ嬢を指名してくれた人にはね、プレゼントすることになってるの。
リピートを増やすために、って」
「へぇ、そうなんだ。
……えと、どういう魔道具なの?」
「——そ、その、確かね、魔大陸の有名な淫魔さんが開発した奴なんだけど、えっと、なんというか、おなh……や、やっぱなし、今の忘れて」
再度、リーナは口篭る。
……んー、そんなに説明しづらいものなのか?
僕は一度、魔道具を観察してみる。
すると、すぐにある違和感に気づいた。
「あ、この穴。
中がなんか、変?」
魔道具に空いている穴、僕はそこに注目する。
……これ、中が湿ってるのか? なんで?
穴はかなり狭く、僕の指じゃ一本しか入らない。
でも、とりあえずで指を突っ込んでみる。
「んぁ、ひゃっ」
「え?」
瞬間、甘い声が、僕の耳を刺激する。
……今の、リーナが出した声?
というか、この穴、なんか中がぶよぶよで、吸い付いてくるし……
僕は戸惑いつつも、さらに指を奥へと進めようとする。
しかし。
「あ、アルス、だめ、それ」
「え?」
なぜか内股になっているリーナに止められて、僕は穴から指を抜く。
「あ、あんまり、指とか入れないで。
こんなとこじゃ、恥ずかしいし、それにその穴は……」
言おうとして、また口籠るリーナ。
「……リーナさん。
それじゃあ全然伝わってませんよ」
そんな姿を見て、声を放ったのは、さっきからずっと僕たちを眺めていた受付の店員だった。
「私が代わりに説明しましょう。
なに、こういう魔道具は別に珍しいモノではありません」
彼女はリーナが説明をできないとみるや、魔道具を指さしながら、説明を始める。
「それはリーナさんの女性器を模した物です。
そこの穴にアルスのモノを入れることで使うことができます」
「……へ」
——今、なんて言った?
「ちょ、ちょっとぉっ!!
もっとオブラートに包んで説明してよぉぅ!!」
「仕方ないでしょう。
リーナさんの説明じゃ、入れるのか入れられるものなのかもわかりませんでしたし」
ぴょんぴょんと跳ね回るリーナと、冷静に対応する店員。僕はそんな二人を眺めつつも、今聞いた言葉を理解できないでいた。
僕のモノを、いれる、って。
……え、それ、つまり。
「まぁ、実際は実物の方が気持ち良いってお客様のほうが多いですし、あくまで形を模倣してるだけなので細かい動作とかはしません。それと、少し特殊な機能もありますが……」
「わ、わわっ!
もうっ、私が説明するから黙っててっ!」
「そうですか。
なら、そうしてください。
……ちょっと、なにモジモジしてるんですか、早く」
「や、やる、やるからぁ、ちょっと待ってよぉ」
存在自体は、聞いたことがある。
昔、長期のダンジョンにそういうのを持ち込んで、ダグラスが怒られてるのを見たことがあるし。
「え、えっと、大体は今あの子が教えた感じであってると思う。
その、私のを、模倣してるから、普通のよりだいぶ使いづらいと思うけど」
……使う。
使うって、これを?
いや、どうやって使うのかは、わかる、けど。
でも。
——これ、リーナのと、同じ形って。
「……持って、帰るよね?」
そのとき、リーナが僕に尋ねてくる。
言葉を聞くと、同時、僕は魔道具を彼女へと突き返した。
「い、いや、こんなのリーナに悪いというか、えと……」
沸騰した頭をどうにか抑えつつ、言葉を放つ。
こ、こんなの、持って帰っていいわけがない。
使うとか、使わないとかそういう問題じゃない、こんなのが部屋にあったら頭がぐちゃぐちゃになるに違いないのだ。
そ、それに。
そもそも、リーナだって、僕にこんなのを持たれてたら嫌に決まって——
「アルスが、欲しいなら、いいよ」
へ。
「み、店に置いてても不安だし。
アルスが持っててくれるなら、た、助かるかなぁ。
も、もちろん、使うとかは、しなくていいんだけど」
言葉と同時、魔道具が強引に僕の方へと押し戻される。
つ、使わなくていいって、言われても。
こんなのがあったら、ぜったい——
そのとき。
僕は今の彼女の言葉を聞いて、気づく。
……いや、気付いてしまった。
だって、もしこれをリーナに返したりしたら。
——その場合、他の誰かにこれが渡る可能性があるんじゃないか。
それに気付いてしまった以上、もう僕に選択肢は残っていなかった。
娼館から去って行くアルスの背中を見送った私は、中へと戻る。
正直色々疲れたし、もう寝たい。
けど、まだ受付の仕事が残っている。
「う、うぅ、どうするんだろ、アルス、あれ、使うのかな」
「普通に使うんじゃないですか?
……あ、いやそもそも入んない可能性もあるかな。
リーナさん、あの人のブツってどのくらいの大きさなんです?」
「知らないよっ! てか、知ってても言わないしっ!」
こ、この人、人ごとだと思って……
後で店長に言いつけてやる。
そんなことを思いつつも、とりあえずは仕事に注力しようとした、そのとき。
「……ところでリーナさん、一つ説明してないけどいいんですか?」
「え?」
彼女から聞いた言葉で、私の手は止まった。
「あれ、感覚共有するタイプじゃないですか。
魔道具の穴と、リーナさんの穴の。
そのこと、アルスさんに伝えてませんよ」
「……あ」
そういえば、そうだった。
さっきも、それで変な声出しちゃったし……ん、あれ、待てよ。
感覚が共有するってことは、それはつまり。
——アルスが使ったら、分かるってこと?
ちなみに例のオ〇ホ感覚共有機能は遠隔で簡単にオフにできます。受付店員ちゃんは知っておきながらリーナちゃんの反応を楽しんでいる模様。
なお、共有の強さは対象の女の子との心の距離に依存するらしいです。
もうすぐで10000pt行きそうでビビってます。
ということで良ければお気に入りと評価で応援してくれると非常に嬉しいです!
既にしてくれてる方はありがとうございます。
お礼として今日の店長のパンツの色を教えます。
パープル。
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