堀北さんは諦めない! 作:BM-13
ちょっとどころか大幅遅刻。
リアル事情で申し訳ありませんが、これからは週に1〜2回の投稿になるかもしれません。
申し訳…。
それはそれとして、今回で4.5巻編は完了となります。
感想も返して行きます。それではどうぞー。
「ふたりとも、お待たせ」
カラッと晴れた日の午後。ケヤキモールの一角で待ち合わせをした相手へ声をかける。
夏休みを満喫する生徒たちが多く、そんな中でも手を振ってくれた彼女…椎名さんと、その隣に腕組みをして待っていた澪のふたりはわたしには殊更に眩しく見えた。
「こんにちはっ、堀北さん」
「ごきげんよう、なんてね?椎名さん。…もちろん、澪もね?」
「…ん」
「待たせてしまったかしら?」
そう申し訳なさそうな表情を作れば、ちょうど今来た所と言ってくれた。…まあ、陰から見ていたから承知の上なんだけれど。
もしも、澪の好感度やライバル意識が予想より異なれば「遅いわよ」のひと言くらいあったはず。それがない以上、憎からずわたしのことを受け入れてくれているようね。
わたしは改めて、眼の前のふたりの夏らしい装いを褒め称える。
「ふたりとも、とても可愛いわ。澪はカジュアルな感じで女の子もドキドキしてしまうかも」
「い、いきなりなによ…」
「ふふ…伊吹さんも照れてるみたいですね」
「椎名さんはどこかのお嬢様みたいね?攫われないように、手を繋ぐのはどうかしら?」
「なら3人で手を繋いでみるのは「は、早く行くわよ!」…ふふ、はい」
勝った。…じゃなくて、今日はケヤキモールに来ているという占い師が来ているらしく、そこを覗いた後に映画館に行く予定を立てていた。
元々は椎名さんと約束していた、ある小説を題材とした実写化映画のリバイバル上映に澪が乗っかった形。多分、龍園くんから監視も兼ねて…ということでしょうね。現に緊張の中にどこか後ろめたさを覚えているみたい。
早速、混む前に占い師の居るブースへと入るとふたりずつの相性やそれぞれの運命について占ってくれるという。
学業や金運についてサラサラと話す老婆。…ちなみに、この占い師は割とガチだ。ある周では今の3倍は目が死んでいて社会問題化していると聞くブラック企業の社会人のような精神状態だったのを「あんた、いったい何回分の人生を…」とか口にした直後にリセットされた。絶対に許さない。
「ありがとうございました」
「…じゃあ、あんたは何を占ってほし「恋愛を」…食い気味だね」
「堀北さん、どなたか意中の方が居るんですか?」
「ええ、気になっている子がいるのよ」
というかあなたよ。澪?もう私の中ではゴールインするのがマストだから占うまでもないわね。
それに、変なことを言われて終了なんて目も当てられない。恋愛占い一択よ。
その後はむにゃむにゃといろいろ言われたけれど、予定通りの言葉が得られたので満足をしてその場を後にする。上層階へと向かって、軽食や飲み物も端末で購入。…ついでに、椎名さんの端末も拝借する。トイレに行くと声をかけて、色々と手を加えてから合流。
その後は、原作から百合百合している小説の映画を見て顔を赤くする椎名さんの手を握ってあげて驚かせたり、寝たフリをして澪の方へ寄りかかったりしてたっぷりと意識させてあげた。
…ふたりとも、初心でとても可愛かったわ。龍園くんの監視が澪だけとは思えないから、今日は手を出さないけれど、いずれ揃って楽しみたいものね。
一時間と少しの上映を終えて、お腹が空く時間。込み合った館内から出るには階段、エスカレーター、エレベーターの選択肢がある。
その中で迷うように首を傾げれば、人込みを嫌う澪は迷わずエレベーターへと直行する。少し遠い場所にあり、空いているそこには誰の姿もなくチン、という音と共に扉も開いた。
3人だけの密室。なにか起こることを期待して入ったそれは、案の定というか予定…いいえ?占い通りに3階の途中で急停止した。
「なに?」
「停電…でしょうか?」
「みたいね」
一瞬の暗転の後。見上げれば、非常灯のみが頼りない光でわたし達を照らしている。澪が慌てた様子でボタンを連打しても、消えたままのそれはうんともすんとも返事を返さない。コールセンターへの電話ボタンもダメ。ご都合主義のように、緊急時の連絡先の番号もマジックで消されている。…計画通り。
わたしはカバンの中から端末を出して、さも今気がついたように声を上げる。
「圏外?」
「え?…嘘、私の…って、電池切れてたわ」
「…私のも、電池が…。充電を忘れたのかもしれません」
申し訳なさそうなふたりに、機内モード*1にした端末で『電波に接続されていません』となっている通話画面を見せる。
これで、合法的に密室となった。ため息交じりにわたしはふたりへと視線を向けて口を開く。
「仕方ないわね、救助が来るまで待ちましょう」
「…そうですね、幸い営業時間はまだまだありますし、どなたか気付いてくれる筈です」
「チッ…なんなのよ、もう」
そう悪態をつく澪の頭を撫でてあげれば、気恥ずかしいのかプイ、と顔を逸らす。愛い。
そうして少しだけ時間が経ち、空調が止まりわたしが上着を脱いでその上に椎名さんを座らせて、30分は過ぎた辺りで澪の我慢の限界が来た。扉をガンガンと蹴り出したり、天板の蓋?メンテナンス用の入り口に手を伸ばしたり、ボタンを適当に押してみたりと行動を重ねていた。
わたしは汗を滲ませる椎名さんをハンカチで拭ったり、余裕のない澪に声援を送ったりと割と余裕で過ごしていた。…理由?他の二人よりも涼しい格好をしているからかしら?
「ああもうっ!全然反応しないんだけど、本当にそんな機能あるの?」
「階層ボタンが光っているならバッテリーは生きているみたいだし、それに賭けるしかないと思うわ」
「本当に助けは来るんだよね?もう…1時間くらい経ってない?」
「まだ45分。…少しだけ落ち着いたら?それか、わたし達みたいに服を「誰が脱ぐか!」…強情ね」
「……すいません、ふたりとも」
ちなみに、わたしと椎名さんの格好は下着の上下のみとなっている。暑いのだから、仕方ない。いいわね?恥ずかしがる椎名さんの体調を気遣ってわたしから脱衣してあげた。
顔を赤くする彼女を剥くのは背徳感…じゃない、罪悪感を酷く覚えたわ。白色、可愛いわね。
一方の澪も、汗が張り付いて下からは淡い黄色の下着が見えている。扉を蹴るときも余裕がないのか下着までバッチリ見えているし、この後の監視カメラの映像はしっかりと回収をしないといけないわね。
「謝んないで。…悪いことしてない奴が、謝る必要なんてないんだから」
「その通りよ。椎名さんが謝ることはないわ。…わたしと澪が、少しだけ元気だっただけの話。適材適所よ」
「…っ。…ありがとうございます」
そうしている内に、澪も疲れからか壁に寄りかかり、ズルズルと体を床に預ける。荒い息に、少し脱水の症状も出ている。
体力を失わないように、ぽつぽつと話すのは「占いで注意されていた」とか、「私が映画をみたいなんて言わなければ」なんてどこか自分を責めるふたりの言葉。…それを黙って聞いているわたしを、ふたりは申し訳ないような後悔の視線を向けて黙る。
「…ねえ、澪」
「っ!…なに…、堀北」
「もし、ここから無事に出られたなら、鈴音って呼んでくれないかしら?」
「なにそれ。…縁起でもないこと言わないでよ」
「椎名さんも。…ダメ?」
「ふふ。…なら私も、ひよりって呼んでください」
張り詰めた雰囲気が、少しだけ揺蕩う。仄暗い、熱のこもるエレベーターの一室。余裕や体力がなくなれば、いよいよ人としての尊厳もガリガリと削れていく。完全な密室でもないけれど、空調の関係もある。間違いなく、このエレベーターの酸素は薄くなってきていた。その証拠に、澪も「はっ、はっ…」なんて犬のように、呼吸のスパンも浅くなっている。
いよいよとばかりに澪も下着姿になって、渾身の回し蹴りを扉に当てても少しの凹みを生むだけで扉が開くことはない。
「畜生…」
「ありがとう、澪。もう良いわ」
「良くないわよっ。…鈴音」
「いいの。…あなたも、ひよりと同じように少し休んで」
「……澪ちゃん」
言葉とは裏腹に、限界だったのかわたしに覆い被さるように倒れる澪の体を抱きとめる。
優しく床に横たえて、乱れた髪を整えてあげた。悔しそうに涙を流しても、嗚咽は漏らさない。それを指でひと掬いして、舐める。貴重な水分だし、無駄にはしない。
「暑い…」
「もう、だめかもしれないですね」
「ふたりとも、頑張ったわね。…少し、休みなさい」
「う…ん…」
「……」
その後、限界を迎えて意識を失ったふたりの様子をしっかりと確認して、わたしは機内モードをオフにする。
たちまち元に戻る電波を確認して、わたしは迷わずにもっとも頼りになる親友へと連絡を入れた。
「もしもし?どうしたの、鈴音?」
「桔梗。…助けて、欲しいわ」
「え…!?助けって…ちょ、ちょっと待って、今何処に………」
その言葉を最後に、わたしも意識を手放す。…いや、割と限界だったのよ?澪が密室サウナにここまで耐性があるとは思っていなかったけれど、わたしや椎名さんが居たからかしら?
その後、わたし達は端末の位置情報を頼りに駆けつけてくれた桔梗によって救助されたらしい。写真?…当然、いの一番に駆けつけてくれた坂上先生に言って購入させてもらったわ。…あとちょっとだけ、後日談があるの。
学校施設の医療機関。その病室のひとつへ、わたしはお見舞いのために特別な装いで訪れていた。ノックは静かに、中の相手を起こさないように訪れる。
そっとカーテンを捲り、眠り姫にキスでも…と思ったらすでに起きていた澪と目が合った。
「…なにしてるの、アンタ」
「おはよう、澪。…体調はどうかしら?」
「平気。てか、アンタが「鈴音」…鈴音が退院してるのに、し…ひよりはともかく、なんで私はまだ退院できないの?」
「さあ?…でも、貴重な夏休みを奪われたんだもの。その辺の保証は今頃…」
「?」
わたし達が運ばれた日に、心配してくれた桔梗はもちろん、監視をつけていたのが確定した龍園くんも割と早めに来てくれた。意識を失っていた二人に代わって、わたしが事情を伝えると「後はやっとく」と言って颯爽と立ち去って行った。補償、慰謝料、責任…インテリヤクザ・龍園組の出番ね。
不思議そうな澪には龍園くんが心配していたことと、公休日*2をもぎ取ってくるかも、そう伝えて上げれば「ふん…」なんてちょっと嬉しそう。それをクスクスと笑うと、顔を赤くして誤魔化すように、わたしが付けている道具…聴診器を引っ張られた。
「あっ…」
「で、なんでナース服なわけ?」
「あら、それはもちろんあなた達を癒す為よ?」
わたしの今の服装は、真っ白なナース服。聴診器をつけて、心音を図ろうとしたら胸を庇って逃げられた。…もう、椎名さんはさせてくれたのに。仕方がないからわたしの心音を聞かせてあげたら、「なんか早くない?」と言ってきたので、あなたが聞いているからと答えたらもにょもにょした顔になった。…ふふっ。
「もし龍園くんが公休日を取ってくれたら、一日だけもらえないかしら?」
「…な、なんで?」
「あの日が悪い日だったと澪は思うかもしれない。…だから、上書きしたいの。ダメかしら?」
「い、良いけど…でも、ひよりにはアンタから声掛けなさいよ?」
「ええ、よろこんで」
安静にするように伝えて、隣の部屋の椎名さんの元へも向かう。差し入れた本を読んでいる彼女のベッドへと腰掛けて、先ほどの澪の様子と用事を伝えれば快諾してくれた。
「鈴音さんも、ありがとうございました」
「あら、助けてくれたのは桔梗と龍園くんよ?」
「その二人にも、もちろんお礼は伝えます。…でも、わたし達が気に病まないようにこうして会いに来てくれてますよね?」
「あら、実はわたしがコスプレ好きで、ナース服を着たいだけの女子高生の可能性もあるんじゃないかしら?」
「…んっ。でも、心配はしてくれていますよね?それくらい、私も分かりますよ?」
聴診器を胸元に当てると、冷たさに声を漏らす。それに抵抗しないどころか、微笑み返す彼女はやっぱりわたしへの特攻を持っていると思う。
…今なら、少しだけいけるかしら?わたしは努めて真剣そうな表情を浮かべて、無言を貫く。ギシリとベッドのスプリングを鳴かせながら彼女と見つめ合う距離まで体を寄せた。
「………」
「………?…んっ」
見つめ合ったのは、少しだけの時間だった。ほんの一瞬だけ、目を見開いて驚く彼女から唇を奪う。同意もない。好意を伝えてもいない。ほとんど不意打ちのような一幕。
直ぐに離れて、顔を彼女から逸らして反応を待つ。………、
「…その、私…」
「………」
「…初めてだったんですが…」
「…そう」
「………」
ぽー、と顔をほのかに赤くした椎名さんはしばらくチラチラとわたしと本の表紙に視線を彷徨わせて、最後には私の手を少しだけ引く。
「あの、鈴音さん」
「………なにかしら」
「その、今度は…」
「………」
「今度は、えっと…ゆっくりして欲しいです」
そう言った彼女の頬は赤く染まっていて、俯いた表情は前髪に隠れている。わたしはそっと手で髪を撫でて、潤んだ彼女の目を合わせる。「お願いします」がキチンといえたお姫様には、希望通りに叶えてあげる。
エレベーターとは違い、整った空調の音。パラパラと捲れる本のページ。その中でそっと小さく、彼女の息を呑む声が聞こえた気がした。
◇
夏休みも残すところわずか。いくつか前の周のように断水時のやらかしはしないように心掛けて、その日もまだ日の出る時間より幾分か早く、わたしは目を覚ました。
「……んっ……」
「………おはよう、なんてね?」
個室のベッドは一人用には大きいものの、二人で寝れば相手の
姿見へチラリと視線を向ければ、背中にはいくつかの爪を立てられたような赤い跡が残っている。ひとつ、ふたつ、みっつ…指でなぞる度に昨日の情事を思い出す。…きっかけは、彼女へ活躍の機会を与えたことだったわ。
「プールの更衣室?」
「そう。…わたしが指示した時間に、その場にいてあることをして欲しい」
「………」
訝し気な表情を浮かべる彼女にクスリと笑みを零す。なにかグレーなことを手伝わされるのでは?そうリスク計算をしている表情に安心するよう伝え、当日のこと。馴染みや出会い頭の面々と解放されたプールを満喫し、ふとその場を離れて松下さんへ連絡する。
彼女としても意味は分からなかったでしょう。指示されたロッカーに入っている脚立も、そして開けるように指示された換気扇の場所も、そしてその中にある
「はい、これが
「…えっ……こ、こんなに!?」
「ええ。後は、来月から支給されるポイントの半分が、あなたへと振り込まれる。…もちろんわたしを経由するから、追及なんてされないと約束するわ」
占めて30万と少し。…夏休みとはいえ、まだあの試験の後の臨時収入を使い切ることはなかったみたいで幸いね。後は、現在のDクラスの約400近いクラスポイントからなる、お小遣い4万ポイント。かける、5人。…ああ、須藤くんや綾小路くんが不参加の代わりに、適当なクラスの男子が関わっていたみたいね。
まあ、要するに、青い衝動だったかしら?その……事件の参加者たちは、9月からその支給の半分をわたしに送ることでヨシとしてあげる契約を秘密裏に結んだ。…立ち合い?もちろん、
「…すごい。本当にありがとう、鈴音さん」
「働きに対する正当な報酬よ。素直に受け取りなさい」
「ふふっ。そうするね?…せっかくだし、今日は私が夕飯作ってあげようか?」
「あら、それは嬉しいわね。お願いしようかしら?」
別にはした金…じゃなくて、ポイントなんて。大切なのはこれで下半身脳とはいえ男子の一部に首輪をつけられただけで十分よ。でも、割と嬉しかったみたいね。いつにも増して腕まで絡めて、感謝を態度や言動で露わにする松下さんは本当に愛人適正が高いと思う。〇〇活をする中年男性の気持ちがちょっと分かってしまう。
…後日、せっかくだからと彼らから回収したカメラを使って、存分に松下さんを楽しませてもらった。恥ずかしがってもどこか誘い受けというか、
そうしてその日、待たせてしまった分はプールで見れなかった水着姿で一緒にお風呂に入って体を洗い合ったりもした。夕飯は彼女自ら作ってくれて、「あーんっ」なんて言って食べさせてくれた。…もう愛人っていうより新妻?そんなベタベタの距離感なんて…まあ、悪くはなかったけれど。
「ご馳走様」
「はい、お粗末様。…洗っちゃうから、待っててね?」
「ええ。……」
「…?…あんっ、ちょっと、鈴音さん?」
「………」
彼女はわたしのことを、二人きりのときに「鈴音さん」と言う。苗字呼びでは距離があり、呼び捨てるにはまだ距離を測りかねている。間を取って間合いを測っているのか……そんないじらしい、どこか健気な様子を感じて、背中からそっと抱きしめる。
うなじに鼻先を埋め、両手で彼女の身体を優しく、それでいて逃がさないようにゆっくりと摩れば、
「鈴音さん…その…んっ」
くるりとわたしへ向き直り、目を瞑って、唇を差し出してきた。据え膳食わぬは、なんてね?その後は着ていた制服姿のまま何度も愛し合って、結果はご覧の通りね。これからも彼女にはいろいろと役に立って貰う予定だし、壊れないようにしないといけないかしら?
部屋に差し込んできた朝日に目を細めながら、わたしは眠る彼女の髪を指で流すのだった。
◇
「改めて、感謝する。堀北」
「受け取りましょう、葛城くん。…だから、この件は今日で終わり。流石にわたしも、こそばゆくなってしまうわ」
「ああ、そうだな…。俺も君を困らせるのは本意ではない。では…」
「ええ。乾杯」
「「「乾杯」」」
そう言って、その場のみんなでティーカップを掲げる。…ちょっとだけクスリと笑いながら、周囲へ目を向ける。場所は気密性よりも周囲からと透明性を意識したカフェのテラス席。先日のアドバイスが効いているのか、きちんと女子も同席。
この場に居るのはわたしと葛城くん、一之瀬さんの生徒会組。そして一之瀬さんが不参加の際に準備していたのかしら?白石さんや西川さんの姿もある。声が聞こえない程度の距離と、入り口の近くのテーブルにもAクラスの生徒が男女問わずそっと談笑を楽しんでいるのも高評価ね。油断なく、そしてCクラスとは違って自然にそれをこなせる層の生徒を配置している。
…良いわね。特に開始の際にはボディチェック(もしかして白石さんの独断かしら?)も徹底されて、前や背中側からも身体を押し付けられて、良い香りがした。…でも耳に息を吹きかける意味はあったのかしら?…ええ、嫌なんかじゃ無いわよ?
一之瀬さんの微笑み()やボイスレコーダーを没収されるだけの価値はあったと思いましょう。…どうして、葛城くんに渡さないのかしら?なんてね。
「しかし、どうやって堀…、あ、会長の方だよ?に認めさせたの?」
「ふふっ。…残念ながら内緒よ。でも、その代わりに葛城くんには重荷を背負わせてしまったかしら?」
「いや、たしかに負担は多いが重要な役割だ。…強い責任を持って、取り組むとしよう」
「……なら、任せたわよ?特別渉外員さん?」
「…承った」
特別渉外、つまり外部とのやり取りを任された大任と言えるポストだ。究極、葛城くんひとりの首根っこを掴めば学校外部とのやり取りも可能となる。…こんな、この学校の前提を覆す。そんな無法とも言える役割を得ることが出来たのは、これまでの小中、そしてこの学校成果で如何に葛城康平という生徒が清廉潔白に過ごしてきたか、成績や態度、その厳格で公平な性格が、そして彼には遠い親戚を除き親しい身内が
実際、わたしでは以前の周はダメだったし、ポイントで席を取ろうとしても2000万ポイントを支払ってまで行うことも思いつかなかった。せいぜい、学校の暴露話を週刊誌の本社に送ってリセットした程度だった。
「これでまた、箔が付くわね?最優秀クラスのリーダーさん?」
「…からかわれているのは分かるが、悪い気はしないな。だが、やられっぱなしはクラスメイトの手前よくない。そういう君たちはどうだ?」
「そうね。…なら、トリは貰うから、先に帆波。良いかしら?」
「うんっ。…ふたりには、いっぱい心配かけちゃったと思うし、ちゃんと話すね」
そう言って話すのは、船上試験での不正について。流石、Aクラスの生徒だけあって口を挟まず最後まで聞いていた。追い詰められたクラスメイトを止められなかったこと。先生まで
湿っぽい雰囲気のまま、一之瀬さんは立ち上がって葛城くん達にしっかりと頭を下げた。それを硬い表情で受け止める葛城くんと、自然な笑みを浮かべている白石さん。…西川さんは、ちょっと「あ、いい噂話ゲット」みたいな表情を浮かべているからあとで釘を差して置きましょう。
その後、葛城くんは謝罪を受け取ったことを返し、クラスが異なっても共に切磋琢磨していく関係は変わらないことと、生徒会の一員として困ったことがあればいつでも相談してほしいと言葉を締め括った。…コレを自然体で返せるのが、本当に評価高いのよね。
「さて、湿っぽいのは終わった?なら次はわたしでいいかしら?」
「もちろんだ。聞かせてくれ」
空気を読んで、雰囲気を早めに変えたい葛城くんは乗ってくれた。わたしもそれに合わせて、クラスメイトに告白されたことや試験で失敗した生徒が改心してくれたようだけれど、全く油断できないことを漏らし、まだまだクラスの統率に苦心しているオーラを全開にため息を漏らす。
女子たちは告白に目をキラキラ、驚く声に近くの席の生徒もチラチラと視線を向けてくる。それを適当に流しつつ、葛城くんとクラスを仕切る苦労話で盛り上がった。
「…試験の結果は、結論として大幅にプラスになった。が、課題が無いわけではないというのに…」
「分かるわ。…こっちも、もらったポイントを集めようとしたら難色を示すひとが多くて…」
「…そ、そうなんだ…」
「「………」」
「…え?な、なに?二人共?」
「一之瀬(さん)のクラスは楽そうだろうな…」なんて口にはしない。今の彼女にとっては最大の地雷だ。空気読んだを白石さんが、西川さんの口を押さえているのが答えね。キョトンとしているけど、そういうところよ?一之瀬さん。
その後、龍園くんにまで謝りに行こうとする一之瀬さんを止めたり、ふたりの妹の話になったり明るい雰囲気のままその場は散会した。夏休みもクラスのみんなに引っ張りだこな一之瀬さんを見送り、葛城くんとも別れてわたしはひとりカラオケルームの一室へと足を運ぶ。
その後、適当な軽食や飲み物を室内の電話で注文して、デモ画面のまま静かに待つ。注文したものを少しだけ不思議そうな顔の店員さんから受け取って、待つこと数分。美味しそうに見えたフライドポテトが少し元気がなさそうになり、氷の入ったグラスの結露が底に水溜まりを作ったくらいに、ガチャリと部屋が開く。
「ーーー待たせたか、堀北」
「いいえ?わたしも今来たところよ?」
「………」
チラリと机に広がる料理に視線をやって、気持ち申し訳なさそうな表情で私の前に座る。今度こそ、二人きり。いえ、ちゃんと部屋の外では監視役も配置済み。白石さんと西川さんの後ろ姿が、ドアのガラス越しに見えている。
「あまり、時間をかけるのも本意ではないないだろう」
「ええ。なら、早速…」
「ああ。
…生徒会役員のみの特権として、過去の特別試験の記録や結果にアクセスできる権利がある。某生徒会長が、一生徒の試験結果を諳んじてみせたように範囲はあるでしょうけれど、ね。
葛城くんとしても、実際のところ旧Bクラスの件については思うところもあっただろう。だが、おそらく体育祭においてはあのクラスが
優秀な葛城くんのAクラス、恐怖政治の龍園くんが率いる新Bクラス、一点特化のわたしたちDクラスでも、正直歯が立たない。だがそれは、圧倒的リーダーであり、クラスの太陽である一之瀬さんがキチンと機能している場合の話。
彼女が立ち直れなかったり、別の問題を抱えていれば話は別だ。そのことを、葛城くんも直接知りたかったに違いない。だからこそ、この密談の
「やはり、一之瀬は立ち直っていたようだな…」
「敵に塩を送ったと、責めても構わないわよ?」
「…その挑発には、望むところだと、返そうか?」
「あら、それは失礼」
「…それに俺は、眼の前の一勝に飛びつくリスクを少し前にお前たちから学んだつもりだが?」
「90点。優秀ね」
彼も「フッ…」と少しうれしそうに口元を緩める。まあこういう表情に出すところ、素直なところが減点10なのだけれど水を差すのもやめておきましょう。そうして、
「…やはり、俺たち一年生・赤組には厳しいものになりそうだな」
「Bクラスの団結力と、Cクラスの独裁。嚙み合えば正直なところ脅威ね。それに残念ながら、わたし達に完全な協力は難しいわ」
「ああ。呉越同舟*4とはいかない訳だな…」
今のわたし達のクラスの上澄みは問題なくても、一部で反感を覚える生徒や和を乱す生徒がいることは否めない。こちらは元々の民度やAクラスへと敵愾心。あちらは派閥による軋轢や下位のクラスへの見下しと頭を抱えていることでしょう。
ゆえに、今回の試験の落としどころをお互いに策定していくこととする。
「なら、今回については予定通り、わたし達Dクラスは
「…感謝する。ならその分、例の件への協力は惜しまない」
「頼りにしているわ。…お互い、早く平和なクラス運営をしたいものね」
「違いない」
お互いに思うところがあるものの、口にはしない。それは相手に言うことではなく自らが解決していく問題なのだから。
そうして、時間にして5分にも満たない密談。足早に立ち去っていく葛城くんを見送って、わたしは更に10分ほど時間をつぶしてから席を立つ。
まだ日は傾き始める程度の明るい時間。
………。
……………、そう。
わたしは進む方向を寮への帰路から、ケヤキモールのさらに奥まった場所へと向ける。
頻繁にテナントを変える小さな一角、飲食店よりも小物や海外のブランドなど好きな生徒しか来ない場所を右へ、左へ、時には止まって端末を見て、ゆっくりと進んでいく。
そうしてある路地の裏あたりに差し掛かったところで振り返って待てば、
「っ、おっと、失礼…っ!?」
「捕まえたわ、子ネズミさん」
しれっと通り過ぎようとしたのは加点だけれど、それで誤魔化せると思ったのが運の尽きね。しっかりと腕を掴んで、合気道の転換…いえ、ダンスのライトターンかしら?彼女を優しく壁際へと追い詰める。目の前には、坂柳さんよりも青の濃い紫のローツイン、かわいらしい容姿と反して、どこか探るような秘めた瞳をしている。
Aクラス、森下藍さん。――わたしの
「…なんのことでしょう?わたしは日課のアリの観察日記をつけるための穴場スポットを探していただけです離して下さい」
「語るに落ちたわね。…ならなんで少し汗ばんでいるのかしら?」
「あなたは知らないようですが、夏の自由研究として代表的な昆虫観察は野外活動も多く…っひゃぅ…!」
「…嘘をついている味ね」
首筋に舌を這わせれば、可愛い悲鳴が聞こえる。残念ながら、高度育成高等学校に夏休みの自由研究なんて課題は無いわ。
森下藍。…森下さんは、高円寺くんとは異なる方向で制御や予想が出来ない相手。単に考えなしかと思えば鋭い洞察をみせたり、2年の後半で本格的に坂柳さんのクラスにわたし達が迫る際には自発的に行動を開始するなど割とリーダー適正が高かったりする。…残念ながら本人の奇行のせいでついてくる人は限られているけれど。
「葛城くん達や帆波と一緒に居る時から見ていたわね?」
「くっ…殺しなさい。虜囚の辱めは…って、待ってください、本気で服を脱がせようとしないでください」
「あら?今のは
「冗談ですし、堀北鈴音の勘違いです。わたしはこんな監視カメラがある場所でなく、浜辺のコテージで月の光だけが差す中…って、待ってください、スカートを捲らないでください。今日のはあんまり可愛くは…」
「そんなことないと思うけれど、ふむ…」
間抜けは見つかった、というというところね。彼女はわたしのことを
この時点で彼女が動いたことは今まで無い。それに、彼女へ指示を出すような存在も坂柳さん以外には思いつかない上、今はわたしへのちょっかいを出すほど短慮では無いハズ。首輪を早めに外したがった?いえ、でもこの場面でしくじればわたしと葛城くんの関係に亀裂が入る。それを狙って?…いえ、それで得られるものよりも失うものの方が多いはず。
…それなら?半々だけれど、確認する必要があるかしら?
「あなたの後ろには、誰がいるのかしら?」
「………そんなにジッと見られても、アイドルの藍ちゃんはガチ恋NGなのでなにも「なら、体に聞きましょうか?」うわわ、ちょっとほんとに弄らないでください、映ってますよ?減点されますよ?」
「惜しくはないわ」
「むむむ。聞きしに勝る傍若無人振りですね。気遣いや遠慮が服を着ていると噂のわたしにはとてもっ…ひゃんっ!」
「弱点は脇かしら?」
こういうタイプは自分で雰囲気を構築して、周囲を巻き込んで物事を思い通りに進めてしまう。なら常にこちらが主導権を取り続ければ本領は発揮できない。
次回からは距離を取られたり、人伝に接触されるかもしれないから完全に初見殺しだけれど致し方ないわ。わたしは健全()な女子同士のからかい合う(不同意)程度を矢継ぎ早に繰り返す。
まだまだ一年生のデビューしたてのアイドル藍ちゃんなんて敵ではない。くすぐり続けて数分もすれば、荒い息に肩を震わせて、くっ殺顔でわたしを見上げている。
「け、ケダモノです…。堀北鈴音は鬼畜外道です」
「あら、まだまだR-15くらいを意識したのだけれど、もう少しだけ進んでみたいなら「いえ、遠慮します」…あらあら」
余裕もないだろうに、手のひらをわたしに向けて「NO」を伝える彼女は本当に思い通りにならない。…まあ逃がすつもりはないのだけれど。
そう決意を瞳に込めたのが伝わったのか、彼女もどこか観念したようにため息を吐いて口を開く。
「もう誤魔化しても仕方ないのでお伝えしますが、あなたを追ったのは…」
「追っていたのは?」
「…ドゥルルルルルルルルルルルル…」
「………」
「ルルルルルル…」
「………」
「ルルル…ルル…、ジャンッ!」
「………」
「なんと、この私、森下藍ちゃんのシックスセンスが囁いたのです!つまり、犯人はわた…っちょっと、抱きつかないでください!やめっ…ちょっと…!」
やっぱり彼女は苦手よ。天敵だわ。…それはそれとして、味見はしておきましょう。彼女にもわたしへの苦手意識は持たせておきたいわ。
今度は密着して抱きすくめるように首筋や耳、胸元から鎖骨へと息を吹きかけながらからかうと言葉が少なくなってくる。
弱い抵抗を続ける手を指で絡めるように捕らえて、赤くなった表情を舐るように指摘する。
「んっ…いい加減にしてください。カブトムシですか。そうですか。堀北鈴音はっ、ちょ、本気で…っ…ひぅ!」
「ふふ、蜜としては塩味だけれど、嫌いな味じゃないわ」
「へ…変態です。わたしはクヌギやコナラの木ではないんですよ?」
「やめてほしいなら、わかるでしょう?…あなたにわたしを探るように言ったのは、誰なのかしら?」
「だ、だからそれは私でっ「あら、また誤魔化すの?」ちがっ…!」
大切なところは見えないけれど、パタパタと抵抗した彼女の様子は十分過ぎるほど扇情的だ。もしもこのまま俯いて涙目で「責任…取ってください」と言われたら綾小路くんですら普段のギャップからクラクラしてしまうかもしれないわね。
その後、彼女自身もゆっくりと体の熱を上げる触り方をしてあげれば、「本当に…?」なんて危機感を覚えたのか余裕が段々なくなっていく。
…実際、ほとんどは彼女単独の行動だと思っているけれど、わたし自身そこまで森下さんの友好関係に明るくはない。移籍したあとの綾小路くんとその周囲あたり?橋本くんとか、白石さん?他に誰がいたのかしら?それの答えを得るまで、または森下さんとの格付けが決まるまでは付き合って貰いましょうか。
そうしていよいよとばかりに、彼女の可愛らしい胸を下着越しに撫でれば、
「うう…助けて下さい、山…っ」
「…!」
「あ…な、何でもないです。山の神様に助けを求めただけです。…本当ですよ?藍ちゃんアイをみてください。嘘をついているように見えますか?」
山。…わたし達の学年でその名前から始まる生徒はDクラスの山内春樹くん、Cクラスの山脇くん、山鹿さん、山下さん、山田アルベルトくん、Bクラスの山形ひなさん。
そして、Aクラス。
「ふ、ふふ…」
「あの、堀北鈴音?ちょっと怖いんですが、あの…?」
山村美紀。影の薄い生徒で、坂柳さんの派閥の生徒。高い信用を得ているものの、あまり表立っての活躍はない。
調査や尾行に適性が高くて、仕事人なイメージが強い彼女か。夜は基本的に無抵抗で快感に身を任せるばかりで受け身なばかりと思っていたけれど、そう。彼女が…森下さんを動かした。
「………良いわね」
「え…?ふ、ふーん。やっと堀北鈴音も藍ちゃんの魅力に悩殺されたようですね。…せっかくなので、もう少し…その…ギュッと…」
もちろん、可能性の話。森下さんの狂言の可能性ももちろんあるけれど、それにしたって最初に出す名前じゃない。明らかに関係者と見て間違いない。
いつから?一之瀬さんとの件の写真を取られた時の実行犯だとは確信があるけれど、その件で坂柳さんがわたしに負けて見切りをつけて自発的に行動を始めたの?…葛城くんをプッシュしすぎたから間に合わなくなる前に?そう考えれば辻褄が合う。
「…あの、そんなに見つめられると私も照れるといいますか、もっと見てほしいと言いますが、いえ別に私じゃなくて堀北鈴音がどうしてもというなら…」
「………そう」
…山村さんの目的は恐らく、わたしと葛城くんの不和。そしてその責任を坂柳さんに押し付けることで彼女の立場も失わせる一石二鳥の秘策。
その為にトリッキーな森下さんを私へのメッセンジャーとして用意したのね。おそらく、わたしがバックの山村さんに気がつくことまで織り込み済みで。…なんてことなの。この周の彼女がイレギュラーなのか、それとも全ての周でもわたしに気づかれない程度の暗躍の根を張り巡らせていたのかしら?
わたしはじっくりと頭を回した後に、森下さんを解放する。はだけた服を直し、乱れた髪を手櫛で整える。警戒を解かないでいる彼女へニコリと笑いかけて、XXX周の経験値を込めたカリスマ込みで大きな、大きな釘を刺してあげる。
「なんですか…今更、止めるなんて実は堀北鈴音はヘタレなん「森下さん」っひゃい…!」
「伝言をひとつ、いいかしら?」
「伝言…?…誰にですか?それに、まさか私と逢引をしているのに他の女の名前を出したりしないですよね?」
「…?…ああ、ごめんなさい?なら、これはあなたに預けるとしましょう」
ここまで来ても、あの自由奔放な森下さんの口を封じさせる支配力。やはり、侮れないわね。3年生…いえ、2年生の頃から綾小路くんにも接触しているのは知っていたけれど、まさか本当に?
「絶対に、あなたを捕まえてみせるわ」
「ひゅいっ…!?」
「覚悟しておきなさい。…こんなところかしら?…あら」
耳元で囁いたのが良くなかったかしら?真っ赤な顔で後退りなんてして、壁抜けできないと下がれないと思うけれど…。まあ、これで山村さんにも伝わるでしょう。
その後は「こ、これで勝ったと思わないことですね!」なんて三下染みた捨て台詞と共に立ち去る森下さんを見送って帰路につく。…なんというか、濃い一日だったわね。
◇
■堀北 鈴音(Dクラス所属)
・少しずつ他のクラスにも警戒され始めたり、手を出し始めた今作主人公。よく学校の被害に遭うのはイベントマスを自ら踏みに行っているのが大半。まあ監督不行き届きといえばそう。クラスメイトの女子更衣室へのカメラ設置とかいう、バレたら学校サイドで首切り多発なイベントもしっかりチェック。仕事しろ高育。Cクラスにも龍の居ぬ間に手を出し始めたけれど、まだまだプラトニック()な関係の模様。アレコレと生徒会への働きかけをしているのは将来への投資といえばそうだし、試験的にどこまでいけるかお試し気分でやっているまである。今更ながら、座右の銘は「出来たらいいね、ダメならリセット」…最低である。愛しの澪と名前を呼び合う関係になりテンションが上がっている。
・夏休みには気を抜くと退学・死亡などいくつも事故ポイントがあり気が抜けない主人公。特に女子更衣室の盗撮イベントはスルーすると愚かなクラスメイトが軽挙妄動(ガチ)をするので、普通に暗躍組の邪ロリやインテリヤクザによる脅迫イベント待ったなし。ポイントを吐き出せるだけ取られて退学者も続出する。映画館でのエレベーターイベントも綾小路への干渉を強めて予定を変えると、伊吹はひとりで搭乗して死ぬ。リアルお通夜イベント。あとはオマケで、葛城妹へのプレゼントイベントは通報すればAクラスへ大ダメージを与えられるが関係値から以下略。お蔵入り。
■森下 藍(Aクラス所属)
・不思議ガール。学力高め、運動控えめ。黙れば美少女。考察力や行動力が高い割とリーダー適正が高めの高スぺ少女。ただし変人。この度、堀北にちょっとからかわれて意識するようになる。なお、本人からはバックに居る別の存在のメッセンジャーとして見られる模様。ちょっと不憫だが、周囲には同情を寄せる生徒は(まだ)居ない。とっさにクラスでも自分を気にかけてくれる相手の名前を出しかけた今回のやらかし筆頭。無事、堀北にロックオンされる。あと堀北にからかわれたのはしっかりと年相応にドキドキしており、今後少しだけ距離が縮まる予定。
・病んだ周の堀北が本気で退学にさせようとすれば、何度でも退学にできた。ただそういう周では視界から外れるように立ち回れる、危機回避能力が高めの自称アイドル。今回で捕まったのは堀北自身に敵意がなく、油断したところも大きい。堀北鈴音、Aクラス移籍&リーダー就任周では割と早めに力を認めてくれたりする。理解されないだけで、自分の芯を持っているため求められたら慰めても良いか、くらいには堀北のことを助けてくれたりもする。堀北の目にヤバい色があることに気がつける稀有な存在。
【挿絵表示】
読了、ありがとうございました。
またちょっと好評も貰えていた巻ごとのキャラクターの説明文もキャラをそこそこ使い切ったので、次回からまたリセットして活躍したキャラクターの紹介をさせてください。
重複することがあるかもですが、堀北の干渉によって変わったキャラクターの現状をお知らせできればと思います。
次回は体育祭パート。お楽しみにしていてくださいー。