堀北さんは諦めない! 作:BM-13
本当にごめん。
予定通り2巻終了。
ちょっと長くなった。
感想、高評価、ありがたくー。
これからもよろしくお願いしますー。
では、どうぞー。
龍園翔。Cクラスの王だと、彼は名乗った。
今回も、今までも。
何度もわたしの、ひいてはDクラスの前に立ちふさがり、時に肩を並べ、時に競い合う。わたしたちのクラスが成長する場面で数多く、存在感を発揮していた、そんな存在。
「そう、それでその、Cクラスの王が何の用かしら?」
「とぼけるな。それとも、耳も悪いのか?
すなわち彼は、わたしの投げかけた問題を解いて、こうしてわたしの前に現れたのだ。でも一応…。
「なんのことだか…」
そう、一度だけ、とぼけてみせれば、ぶん、と腕が振るわれた。とっさに動く右手。机の上のわたしのティーセットやケーキがお皿ごと床に落ち、食器の割れる音、何事かと向く周囲の視線や、店員さんの不安そうな表情。
…はあ、楽しみにしていたのに。無事なのは手にあるカップ一杯分だけ。
わたしは店員さんに片手で謝るようにポーズを取ると、避けるように持ち上げた紅茶のカップを一口飲んで、一言。
「名探偵は誰かしら?」
「フン、あんな下らねえ暗号なんざ、そいつが顔を見せる価値もねえな」
「自分の手柄にしないのはリーダーとしては長所だけれど、王を名乗るならそれは短所ね」
「あ?お前こそ状況が分かってんのか?…ただで済むとは思ってねえだろうな?おい」
そう凄む彼に、この周でも大きく変わらないことを安堵する。チラリと周囲に目を向ければ、気持ち緊張気味な男子たち。
この場には暴力担当の武闘派の生徒が揃っている。Cクラスの主要人物の中で姿が見えないのは金田くんと椎名さんくらい。どちらかが解いた…いえ、言い方的にどこか奥歯に物が挟まったような態度。つまりは…。
「
「チッ…」
その舌打ちが、答えのようなものだ。目の前の男が、近い内にわたしの元へ来るのは予想が出来ていた。
送った本はいくつかの短編集の纏まる一冊*1。その中には病で亡くなった妻が自分以外を妻に迎えぬように約束するも、侍の家の一人息子は周囲の勧めもありその約束を破り妻を迎える。
七日目の夜にチリン、チリンと
脅迫の写真に、約束を破ることへの警告。そこまでは龍園君も辿りつけたはず。そこから先の私の正体については、読書家の彼女の力を頼ったとあたりをつけたら、案の定だったようね。
「下らねえ話は終わりだ。…面を貸してもらうぜ」
「残念だけれど、それは無理ね」
「なに…?」
そういって、彼の手を掴んでわたしの胸へと触らせる。周囲の驚く様子に反して、非童貞の龍園君は動じていない。訝し気に私を見るだけだ。
「…何のつもりだ?」
「あら、わからない?」
「あ…?」
「わたし全然、あなたにドキドキしていないの」
だから、お誘いには乗れないわ、と。そう言って目を細めてみせる。ピクリと、彼の眉が鋭くなった。それをため息で返し、いかに彼に今回の件が未熟だったかを丁寧に説明してあげる。
挑発の場所や状況、周囲への確認不足、総じて情報収集が足りていないこと。命令を出した部下への指示の徹底がされていないことや、とっさの対応で連絡しなかった点。目撃者や協力者を準備しなかった点、それらをこんこんと話す度、周囲は冷や汗や怯えた様子を龍園くんに向ける。
でも当の龍園くんはわたしの話を黙って聞き、わたしを見定めるように視線を逸らさない。…ついでに手もそのままだ。まあ良いけれど。
「―――以上よ。人選も、最近の変化まで見抜いていればともかく…。総じて25点と言ったところね」
「………」
一通り話して満足すると、喉が渇いたので紅茶を口にする。空になったカップを机に置くと、ようやく彼が口を開いた。
「何のつもりだ?…敵に塩でも送る趣味があんのか?」
「挑発としては10点ね。見本を見せてあげる。」
「あぁ?」
「
「っテメェ!」「やめとけっ!」
沸点の低そうな周囲と、それを諫める石崎君。…まあ自制出来るなら教育は行き届いているのかしら。腐っても
わたしの挑発に彼は、ニヤリと口元を歪ませ胸に置いた手をそのまま私の顔へ。…いわゆる顎クイね。わたしも笑みを返して視線を向けあえば、ちょっとしたドラマのワンシーンに見えないことはない。机の下は見ない方がいいわね。
「いいだろう、鈴音。てめえは俺の獲物だ。…絶対に、俺の下に這いつくばらせてやるぜ」
「40点…ってところね。及第点目指して頑張って?」
そう言ってちょっとばかり間があいたのを見計らい、わたしは周囲の状況から彼にポツリと漏らす。…気持ち、申し訳なさそうな表情で。
「ああ、それと龍園くん。これは善意で言うんだけれど」
「なんだ?」
「…手を、放してたほうが良いと思うわよ?」
「あ?なんだ、意外と初心なのか?…だったら俺が女に「何をしている!龍園!!」…坂上?」
そういって、颯爽と飛び込んできたのはCクラスの担任、坂上先生だった。全力ダッシュで来たのか、汗が額に浮かび、声をかけた後は荒い息が…ずいぶんと無理してきたみたいね。
いや、申し訳ないんだけれど、今のわたしって学校の要注意人物扱いなのよ。学校の不手際で暴行未遂(ほんとに薄布一枚分の未遂)の被害者になって、その傷も癒えない内に今度は生徒間トラブルに巻き込まれようものなら、病んで退学や転校を(しないけれど)希望してもおかしくない。
その結果、隠蔽した不祥事をどこまで隠し通せるか、学校の手を離れてしまうのは非常にリスクの面で許容できない。2年、3年と進級すればまだしも、1年のこの時点では非常に危うい。
…また、平たく言えば、わたしの顔写真はケヤキモールの全ての店に共有されている。全職員さんたちには余計な仕事をと思わなくもないけど、その私が白昼堂々なにか揉め事に巻き込まれていたら学校側に通報が入る。当然の処置とはいえ、ちょっとかわいそうだから助け舟を出しましょうか。
「堀北さんにな、何をしている!?それにこの惨状は…「先生、大丈夫です」堀北さん…?」
「龍園くんとの、ちょっとした冗談…コミュニケーションだったんです。…そうよね?」
チラリと視線を向ければ、少しだけ沈黙をした後に、スッと手を放して私の肩へ手を置く。…馴れ馴れしいわね、嫌いじゃな…っと、危ない。ちょっとそろそろ本当に不味いわね。
意図を理解した龍園くんが私のそばに立って、坂上先生へと弁明する。
「…ああ、ちょっとした冗談だ。ケーキも悪かったな、ここは俺が出してやるよ」
「あら、ご馳走様。埋め合わせは…そうね、
「ククッ…、楽しみにしておくぜ」
「そういうことですので、先生」
「そ、そうですか…?では、今日は早めに解散するように。…堀北さんも、あまり外出はしないようにしなさい」
「ええ。申し訳ございません。今日はもう帰ります」
そうして席を立つと、「俺が送ってやろうか?」なんて口にする龍園くんが坂上先生に叱られていた。すれ違うCクラスの生徒に会釈を返しながら――彼女へは、格別の笑顔を向けて――、帰路に就く。
ああ、相変わらず良いな。あの生意気で、勝気な表情。
彼女と巡り合えるのは…あの島になるかしらね。そのことを心待ちにしながら、わたしは次の予定へと意識を向けるのだった。
◇
また別の休日。神室さんの接触で、ついにその日が来る。
…そう、リセ…違う。邪ロリこと、坂柳有栖との会談。殴らないように、本当に気を付けないと。
「ごきげんよう、堀北さん」
「ええ、こんにちは坂柳さん」
わたし達ふたりのファーストコンタクトは、こんな和やかなあいさつから始まった。
彼女の傍らには、いつもより硬い表情でキッとした視線を向けるーーその実、期待が宿っている眼差しーー神室さん。
対するわたしは、ひとり。…今はね?
「先日は神室さんがお世話になったようで」と口にした坂柳さん。視線がそちらに向くと、ぎゅっと体をかき抱く神室さん。…やっぱりいいスタイルをしている。ちらりと視線を坂柳さんに戻す。
今度はわたしが、「気にしないで?道に迷っていた子猫を躾けてあげただけだから」と返す。
ヒクリ、少しだけ表情を変え、でもすぐに余裕の笑みに戻す。プライドの高い彼女からすれば、この会談の目的は「様子見」「交渉」「脅迫」どれかでしょう。
案の定、彼女が差し出してきたのはついこの前の一之瀬さんとの秘め事の隠し撮り写真。
私が壁際に彼女を追い詰め、手首をつかんで無理やりキスをしているように写っている。対する一之瀬さんは無抵抗()に受け入れているようにみえる。…写真が1枚ということは、バレないことを優先して他は撮れなかったのかしら?
隠し持っている?まあ、構わない。ピクリと眉を揺らすわたしへ、余裕を浮かべながら口を開く。
「単刀直入に申し上げます。先日、私に送ってきた神室さんの写真データ、…他にも音声や映像を問わず、あるならそれをすべて渡してください」
「あら、破棄…ではないのかしら?」
「…もちろん、手元に帰ってきたら破棄しますよ」
当然、嘘だけど…意外と初心な坂柳さんは、こういうエッチなことへの脅迫はあまりしてこない。今回は私からしているから偶然、意趣返しのようになっただけ。…でも、答えは決まっている。
「断ったら?」
「…残念ですが、この写真は皆さんが知ることになるでしょう」
「へえ…」
「クラスの方々は驚くでしょうね。まさか自分たちの——」
「あら、わたしは構わないわよ?」
「……なんですって?」
「は?」
そう、実際わたしは全然困らない。ぐだぐだ言いそうなクラスの連中は別にどうでも良いし、Bクラスの生徒は一之瀬さん信者の会メンバーだ。矛先はクラスのリーダー・一之瀬帆波ではなく、それに手を出した私に向く。しばらく共闘系の試験はないし、全然無問題。
むしろ、わたしに接触を図ろうとする女子生徒が露骨に体を差し出して来るから役得だし、あまり男子の評価って下がらないのよね。百合は尊いし、相手によっては…というか彼なら一緒にシテも悪くない。むしろ良い。
「ちょっと…大丈夫なの?」
「………っ」
逆に、この件を解決しようとしてしくじって、神室さんからの信用を失う方が彼女には痛い。まだこの1年生の序盤で、配下ひとり守れないのは致命傷だ。それも、自分が指示をした内容で被害に遭っている。
チラリと(演技半分、本音半分ってところね)心配そうに視線が坂柳さんへ。悪事の証拠があっても、それは本当に最後の手段。伝家の宝刀は抜かぬうちが華だ。
自分の痴態の証拠と、ちょっとした停学処分くらいなら、後者を彼女が選ぶかも?なんてなったら目も当てられない。それも、この件のきっかけとなった葛城くんの生徒会就任イベントも頭の痛い問題だし、彼女としても早急に決着をつけたいのだろう。
わたしは足を組み替えて、ゆっくりと思案する彼女を待つ。本当の意味で、『坂柳さんへの用事』がわたしには無い。もちろん、もてなしの準備はしてある。
体に気がつかず出直しても良し、なりふり構わない交渉を再開してきても良し。彼女の頭を悩ます、その目的はもう達成しているのだから。
「っ……?、……堀北さん、そう言えばそちらは?」
「…ああ、コレ?ちょっと先輩たちとの賭けで、勝ちすぎちゃって。まあ現物徴収ってところかしら?」
「………いろいろある様ですが、随分とお強いんですね?」
そう、視線を向けたのは部屋の一角にある乱雑に積まれたゲーム盤や駒の数々。以前の部活でのリベンジマッチでもわたしは勝ち続けている。たまには花を持たせるために負けて少しだけサービス(体験版)をしてあげたり、ポイントを荒稼ぎしている。
たしかその中でポイントを枯らしてしまった先輩から私物や使わなくなった古いタイプの麻雀自動卓などを受け取ったりで精算させてあげた。…あと2枚だったのに、残念そうだったわね。
彼女はその中に転がっている駒の1つを手に取ると、わたしに今日一番の笑顔を向けてくる。
「これで、決めませんか?」
「…チェス?」
「ええ。私が勝ったら、神室さんの証拠を渡してもらいます」
「さっきの写真を賭けるというなら、わたしにメリットが無いのに」
「ええ。…私は、私自身を賭けます。これならいかがでしょう?」
…食い付いた。傲慢なほどの自信家。きっとチェスなら勝てると思っている。そして、自分の容姿についても正しく理解している。
自然に胸へ手を置き、小首を傾げる。自分が最も魅力的に見えるかを計算して、その上で私に挑発的な視線を向けてくる。
「自信がないのですか?」そう訴えかけてくる表情。それをふっと鼻で笑い、席を立つ。向かうのは彼女の背後。訝しげな視線を無視して、ついでにふいっと視線を外す神室さんにウインクを送る。
「…どうしたのですか?まさか、逃げるのでっ…ん…!」
「やっぱり小さいわね」
「な、なにを…!」
「いいじゃない、減るものじゃなし」
「んっ…ちょっと…っあっ…!」
両手で、無遠慮に彼女の身体を味見(ライト版)する。実は、なんて言わなくても坂柳有栖という少女にとって、コンプレックスは明白だ。自らの容姿については理解している反面、あくまで健康的に生活できるよう無理のないよう管理している。先天性心疾患により、満足な運動が出来ない彼女には体を鍛えるということが出来ない。
結果的に、自分よりスタイルが良い相手や身長が高い相手、身体的に勝る相手への根源的劣等感…コンプレックスがある。それを少しでも慰めるため、否定するために彼女は周囲をコマのように支配することに喜びを覚え、幼子心の初恋のために本物の天才は、なんて自分と周囲を騙すための嘘を張り続けている。
そんな彼女への最も効果的な挑発と、最も心を痛ぶる攻め方をわたしは十分すぎるほど経験済みだ。弱すぎる抵抗を無視して、服の中や耳をこそばゆいくらいに軽いタッチを繰り返す。
神室さんに助けを求めたくらいのタイミングでやめて上げて、耳元でそっと囁く。
「勝負、してあげてもいいけど条件があるわ」
「はぁ…はぁ…、…なんでしょうか?」
「簡単よ?さも、そこの神室さんの為に…みたいにしてるけど、勝負したいのはあなた自身。そうよね?」
「………っ」
「ならしっかりとあなたの口から聞きたいわ?ほら、わかるでしょう?」
「…っ!」
そう言って、わざとらしく挑発してあげれば、聡明な彼女は察する。怒りと屈辱で肩を震わせながら「お願い…、します…」と口にする。それをさも「仕方ないわね…」という態度で返してあげた。
とはいえ、彼女の待ち望んだチェスでの勝負。残念ながら机なんて都合のいいものはここにはない。お互いに床に座り込み、場違いなほどキレイなクリスタルの駒を並べる。ガラス製のチェス盤はピカピカに磨き上げられていて、じっと見ればわたしたちの顔が映り込んでいる。
「では、よろしくお願いしますね?堀北さん」
「ええ、よろしく。チェスは昔ちょっとしただけだから、手加減してね?」
「…ご安心を」
そう言って彼女は自信に満ち溢れた顔でポーンを手でつまむ。透き通った駒の向こうに、青紫の瞳が細まって――。
「チェック」
「……そんな」
まあ、勝ったわ。ラピッドチェス*2くらいの時間でもう何手もなく盤面は詰んでいる。彼女が考える度、わたしはノータイムで切り返すのだから、時短にはなった。
最初は考えていないのか、なんて見下してきた表情も後半に至ればじっとりとした汗を滲ませている。その自慢の灰色の頭脳をフル回転させ、打開策を見出そうとしているのでしょうが…まあ無理ね。
「もう詰んでるわ」
「…っまだです。まだ、チェックメイトには…っ!」
「往生際が悪いのね。…待っているのも暇だし、神室さん」
「なに…」
そういって手招きをすると、警戒(期待?)しながらわたしの元へ。耳打ちをするようなジェスチャーをすれば耳を近づけて――そこへ、不意打ち気味にキスしてあげる。
「んっ…」
「ちょっとっ…!なんのつもり?」
「だって、待ってるだけなのも暇なのよ」
「私はあんたの暇つぶしのおもちゃじゃないんだけど」
「あら、このままじゃすぐにそうなるわよ?」
「っ…!」
鋭い視線を向けてくる坂柳さんの前で、嫌がる…ようなポーズの神室さんの身体をからかって上げる。神室さんも直接見られながらするのは緊張が勝るのか、抵抗があるわね。少しずつほぐしていきましょうか。
集中できないと言われれば「神室さん、声がはしたないそうよ?」とささやき、手が止まってしまった際には「待った*3は必要かしら?」なんて追い打ちもかけておく。
そうして神室さんが完全に出来上がったくらいに、ようやく坂柳さんは投了*4を認めた。…ちょっと長かったわね。まあ良いわ。
「ようやくね。…じゃあさっそく」
「あっ…」
そういって彼女の手を引いて、背中から抱きすくめるようにする。負けた後でしおらしい態度をしているけれど、実際はそんなことはない。坂柳有栖という少女は、非常にプライドが高く仮に負けても復讐の機会を虎視眈々と狙っている。仮に彼女へ男子を宛がって肉体的に屈服させても、証拠を集めて逆転してくる。
見た目とは違い、非常にメンタルが強い彼女は一撃で退場させるか物理的に排除する以外ではほぼ反抗の芽を取り除くことはできないのだ。ならどうするか?それは、
「まず、
「…っ」
「ボイスレコーダー。自分のエッチな声を聴く趣味があるならつけておくけど、どうする?」
一手。証拠を残さないように取り上げる。次に二手。彼女のリボンをほどいて、両手を拘束する。ちょっと力を入れれば外せる程度で良い。頭のいい彼女は、それをしても自分に利がないと勝手に理解してくれる。
三手。いよいよ手を出されるのかと身を固くする彼女を差し置いて、荒い息を吐いている神室さんの元へ。胸ポケットにボイスレコーダーを入れて、その上から両手で弄る。
「ちょっ…待って、ダメっ!」
「声、我慢しないと。録ってるわよ?」
「んっ…やっ…、止、めて…!」
「わたしじゃなくて坂柳さんに言わないと、ほら」
「っ…」
そうしてさも、「坂柳さんのせい」と「坂柳さんが負けたから」を本人に聞こえるように繰り返していく。自分の敗北が招いた結果、自分の配下が傷つけられる。実はこのやり方は1年生のリーダー格ほぼ全員に効く。
意外にも龍園くんは命令に従う部下には寛容だし、一之瀬さんは言うまでもない。そして坂柳さんは敵には容赦しない代わりに、自分の駒から退学者を出した試験では、後から後悔を見せるほど心に傷を負う。
そうして他者への後悔や謝意に近い気持ちが、自分への屈辱や怒りを超えたタイミングで、こうささやくのだ。「別のゲームなら勝てるのかしら?」と。
はた、と顔を上げた坂柳さんに「どうする?」と口にする。すぐには答えはない。だけど神室さんの身体に聞けば、「好きにしなさい」と甘い声と一緒に返事があった。
「なら次は運が絡むゲームにしましょうか」
「運…」
「せっかくだし、神室さんも参加して貰えるやつにしましょう」
そういって詰まれている麻雀の自動卓を動かして、電源を繋ぐ。問題なく起動するのを見て、準備を進めると坂柳さんから「私は麻雀は詳しくは…」と泣き言が入った。うん、だから選んだのよ?
端末でルールを調べて貰っている間に桔梗も呼び出す。突然の呼び出しに睨みつけてきたけど、玄関の靴、そしてその場にいる面子に固まったあと、いつもの演技を始める。…切り替えが可愛い。
でも手を縛られてたり、明らかに事後の雰囲気を出しているせいで「お前やったな?」的な視線を向けてくるのはやめなさい。これから説明するから。
「呼んだのは麻雀の面子が足りなかったからよ」
「先に言ってよ…私もそんなに詳しくないよ?」
「ルールを見ながらやりましょう。…点数はポイントと等価。あなたたちが私から上がったら、その分のポイントを送るわ」
「えっと…この棒が1000点なんだよね?1000ポイントってこと?」
「そうよ。8000点なら8000ポイント。32000点なら32000ポイントという具合ね」
「アンタが上がったら?」
多少落ち着いたのか、神室さんも会話に口入してくる。冷静に見えるけれど、まだ燻っているのがよくわかる。だから私もそれを安心させてあげるために、ハッキリと口にしてあげる。
「あなたたちの服を、わたしが買い取ってあげるわ」
「は?」「え?」
「…どういうことです?」
「だって、ポイントを賭けたらギャンブルじゃない。これはあくまで親睦なんだから」
「…、詳しく教えて頂けますか?」
動揺しながらも、ルールを探る姿勢は流石ね。私は別々の意味で顔を赤くする桔梗と神室さんへ視線を向けて、自分のリボンを指でつまんでみせる。
・8000点ごとにわたしが1枚8000ポイントで相手の着用している服を購入する。売るものがないか、嫌な場合はパートナーに代わって貰っても良い。
・代わりにポイントを支払っても良いものとする。
・ポイントが払えない、またはこれ以上売るものがなくなった場合はゲーム終了とする。
・ズル・イカサマ*5は即敗北。
・その他は適宜相談。
…こんなところかしら?あくまで強要ではなく、わたしに服を売るっていうのがミソね。これですべて合意済みに出来る。あとは負けたら「何でも相手の言うことを聞く」と言ってあげる。目の色を変える二人。…片方、味方じゃない?まあ良いか。わたしは折り畳みの椅子を借りてきて、準備は完了する。
「じゃあ、始めましょうか?」
「ええ、よろしくお願いします」
「………」
「…うん、みんなよろしくねっ!」
そうして和気あいあいとゲームは進んでいく。…まあ最初はね?
普通の25000持ち30000返しウマ1-3*6だから、パートナーとワンツーフィニッシュすれば+5~6万点、逆に3位、4位となれば逆になるから、ワンゲームで6~7枚は服を失うことになる。
後はゲーム中にも一撃8000点以上で上がったら、ボーナスをその場で処理する。理解の早い坂柳さんは善戦していたけど、経験者のわたしには及ばない。運に恵まれる場面があっても1枚、また1枚と薄着になっていくのは非常に眼福だった。…ああ、坂柳さんの場合は体よりも表情が良い。恥じらいって、人にだけ与えられた最高の調味料だと思うわ。
「くっ…」
「あら、可愛い下着ね。…神室さんのは大人っぽくて素敵だと思うわ」
「うるさい…」
「今度わたしが選んであげるわ。…安心して?プレゼントするから」
「っ…このっ…!」
あと、序盤に桔梗がわざと振り込み*7したのは予想通りだった。「あー、残念…」なんて言っていたけれど、ぶちぶちとシャツのボタンを弾けさせてオレンジの下着を剥いてあげたらそれきりになった。
「隠したら次は下よ?」と言うと、真っ赤な顔でこちらを(気持ち可愛く)睨みつけてくる。…ムラムラしてきたわね。
「うう…」
「……っ次です」
「…はあ…」
目の前には、白、薄紫、橙の下着姿の美少女たちが恥じらいながら麻雀をしている光景がある。男子たちなら金を払ってでも見たい光景に、思わず笑みが零れる。…もうすぐ気が付く頃かしら?
「そろそろ後がないんじゃない?」
「………っ」
息を呑む声とは裏腹に、カラカラとサイコロが転がる音、牌を打つ音、徐々に動作も淀みなくなっていく。すると、疑問が首を擡げるはずだ。「なぜ、勝てない?」と。
これまでのゲームは私以下はバラツキがあっても、1位はすべて私の独占状態。1ゲーム目はともかく、そこからは他の人たちも上がっている。事実わたしも無傷ではなく、桔梗に振り込んだ時はポイントではなくて上着を強請られたから貸してあげた。それでも坂柳さんと神室さん、どちらかが必ず4位。おかしい。そう思った坂柳さんは不正を疑うはず。
「………」
「………」
都合、4回目のゲームも終盤。点差は絶望的なまでに開いてて、このまま終われば逆転は出来ない。なにか手を打たないと、そう考える。ならその背中を、そっと押してあげれば良い。
自動卓が牌を持ち上げる。順番に自分の手にそれを加え、全員が見やすいように並べ替える、そして最初に始める親が牌を引く、その瞬間、――
「え?」
「なに、どうしたの?」
「………この手はなにかしら、坂柳さん」
「やっと、わかりました」
わたしが握る手、それを逃がさないように、わたしよりも小さな両の手が掴んで離さない。赤いリボンに結ばれ、不自由な状態でも力強く伸ばされた腕。チラリと隣の席へ目を向ければ、
「麻雀の、平均打点*8は6000点から7000点。上りの巡目は12巡目*9前後」
「…それがどうかしたの?」
「わかりませんか?…私たちが素人だと思って、勝負を急いたのが運の尽きです。あまりに、甘く見ましたね?」
「ど、どういうこと…?」
「………」
パートナーのふたりは、わたし達の様子を落ち着かない表情で見ているだけ。それに朗々と、まるで名探偵にように続ける坂柳さんはわたしの麻雀の不自然さを指摘する。曰く、上がるのが早すぎること。曰く、点数が高すぎること。そして何故か、赤ドラ*10が毎回わたしの手にあること。
これらが毎回わたしの元へ来る確率を――なんて、そんなことを話してくれたけれど、結論はまだ出ていない。
「それで?この手にそのイカサマの証拠が入っているって言いたいわけかしら?」
「…ええ、間違いありません。あなたはこの手に牌を握りこんでいます」
「たしかに、今わたしの手牌の数は合っているし、それ以上に持っていたら不正だわ。…本当にあればの話だけどね?」
そういって挑発気味に腕を揺さぶる。言葉の間、態度、視線の動き。そのすべてを冷静に、ギリギリ坂柳有栖なら見抜ける程度の後ろめたさを匂わせ、その上で「もしも」を提示する。
「もしも、イカサマの証拠がなかったなら…そうね、その代償は神室さんに支払って貰おうかしら」
「…私?なんで「パートナーでしょう?連帯責任よ」っ…」
「ですがあったなら、私たちの勝ちです…違いますか?」
「そうね。この点差だもの。賭けに出たい気持ちは分かるわ」
「………どうなの、坂柳」
「…間違いありません。堀北さんはイカサマをしています…!」
そういって、わたしと神室さんの視線に挟まれた坂柳さんの答えは、「手を開け」というもの。念のため本当に良いのか?と聞けば、往生際が悪いとばかりに彼女の指が私の手を開く。そしてそこには、
「…そん、な……」
「だから言ったのに…。興冷めね」
「お、おかしいです。堀北さんは絶対になにかイカサマを行っていたはず…!そのはず、なのに…」
「往生際が悪いわよ、坂柳さん。…まあ良いわ。代償は払ってもらうから」
「あ……」
そう言って、席を立つ。なにが起こるのか警戒した桔梗も席を立って後退りするけれど、今日はあなたの日じゃないから安心なさい。わたしは神室さんに立つように指示すると、そのまま背中から押し倒して麻雀の自動卓へと押し付ける。
「きゃっ…」
「あっ…くっ…」
「か、神室さん…」
「桔梗、ちょっとこれお願い」
そういって渡すのは、撮影状態の端末。数舜、迷ったあとにもう一度名前で呼べばその通りにした。じゃあ、始めましょうか。
以前は電話越しに聞こえていた神室さんの聞いたことのない声を、目の前で再演してみせる。がくがくと震える度、卓の上の牌が床に落ちたり、寄りかかった際のギシギシと揺れる音、それをかき消すような声が部屋に響く。寮の壁が厚くて助かったわね。
何度も目を逸らそうとするたびに、うつむく神室さんの表情を見せてあげる。
「お前のせいだ」と、何度でも分かるように、言葉にせずに坂柳さんの心へ針と突き刺し続ける。声が上がるたびに肩を震わせて、目が合った神室さんに詫びるように俯く。
「はぁ…はぁ…」
「6回目。…まだ大丈夫よね?真澄?」
「っ…好きに、すれば「もう止めてください」…坂柳?」
「なにか言ったかしら?」
「これ以上は、やめてください…」
そう言ってきた坂柳さんは、後悔を深く滲ませた顔で私に「自分が相手をする」と言ってきた。…まあ予想通りではあるんだけど、ちょっと問題があるのよね。
まずひとつが、肉体的な問題。坂柳さんって、本当に体が弱くて呼吸が乱れるような運動が出来ない。まあぶっちゃけると、本番行為を異性とするのがかなりハードルが高いのよ。だから最初は本当に百合小説や漫画のように、身も心も高めた上で意中の相手としないと先に体の耐久面で限界が来てしまう。
以前の周で恋人関係になった際も、そういう行為はゼロじゃなかったけれど、専らNTRみたいな性癖を発露していた。
わたしを配下の子たちに抱かせたり、逆に抱いたりしているところをみて自分で弄るのが好きなみたいな、ね。まあ今この場でっていうのは現実的に無理。そういうことよ。
そしてふたつ。桔梗は即興だけれど、神室さんとは打合せ済みなのよね、この状況。
「坂柳を徹底的に負かせて、その上で自分が酷いことをされる」…そんなことになれば、坂柳さんは神室さんへ相当な負い目を感じる。何があっても自分が守ろうと、そう覚悟するほどに。
自分が代わりになるなんて言葉が出るのが、その証左になる。「坂柳…」なんてつぶやく神室さんも、成功を悟ったのか笑顔になりそう。…ちょっと早いわ。つまんでいる指を強めて、その声をかき消す。
「あぁっ!」
「神室さんっ…!」
「せっかくだし提案だけれど、ちょっと呑めないわね」
「何故ですか。…この勝負は私たちのもの。なら、敗北の責任は「だからよ」…っ?」
「そんな覚悟を決めたあなたを抱いても、わたしは燃えないの」
「うわあ…」
「でもそうね、なら…」
ちょっと桔梗、後で話があるわ。…それはそれとして、呆然としている坂柳さんから杖を借りる。…これで彼女は、自分ひとりで歩くこともできない。上下は下着姿で、靴下もない。彼女の制服から部屋のカギ探し、チャリンと床に放って落とす。ついでに神室さんのカギも一緒に。
「…なに、を…」
「最後にもう一つだけ
「………っ」
「これから部屋に戻って、神室さんの服を取ってきなさい。…時間は、そうね」
そういって手に取った杖を、神室さんの大切なところに当てる。思わず顔を赤くし、身動ぎをする彼女とは対照的に、坂柳さんの顔は真っ青だ。
「…んっ」
「神室さんが我慢できるまでにしましょうか」
「あ、あの…杖を「え?」…ですが、それがないと…」
「それじゃゲームにならないでしょう?予備くらいあるんでしょうし、自分の部屋に取りに行くのも手ね」
「そんな…「ああそれと、エレベーターには監視カメラあるわよ?」っひ…!」
身を抱きしめる坂柳さんも気がついたようね。これは、
「…さて、行ったわよ、真澄」
「アンタ、最高に最低ね…ふふっ」
「誉め言葉として受け取っておくわ。…どれくらいかかると思う?」
「さあ。…杖がないんじゃ、階段の上り下りも大変でしょうし、見つからないように行くなら…10分くらい?」
「あら、優しいのね」
わたしは20分はかかると思う。道中、きっと桔梗に手を借りようと交渉したりわたしからの鞍替えを提案する気がする。内心はともかく桔梗としても弱みを握られている立場は崩さないだろう。「撮影されてるから無理」とアピールして、下手なことはしないはず。…まあしても全然かまわないけれど。
そして冷静になった彼女は、先に自分の部屋へと向かう。予備の杖も当然だけど、まずは自分が服を着たいだろう。そのあとに神室さんの部屋に行って、服を持ち帰ってくる。
熱かった空気が淀むのを嫌って、わたしは仰向けになった神室とキスをしていた。彼女は自分のためにクラスのリーダーが必死になっているのに、「もっと、もっとっ」と言わんばかりに甘えてくるので少し本気で攻めてしまった。
神室さんの予想していた10分を超えても来なかったので、我慢させ続けるのも悪いと思って果てさせる。あとは急いで駆けつけてくれた坂柳さんの前で、彼女の杖を
「はぁ…はぁ…。っげほ、こほっ…!」
「あら、わたしの予想より5分は早いわ」
「神室、さんは…っ!?」
「残念ねついさっき、時間切れになったわ」
「あ、あぁ…そんな…」
ペタンと地面に崩れ落ちる。カラカラと落ちた予備の杖を、バキッと圧し折ると怯えるように肩を揺らす。その耳元で、「もっと急いでいたら」「あなたが着替える時間を惜しんだら」「自分を優先したから」そう、囁いて心を削っていく。
「坂柳…あんたは、痛っ…!」
「神室さん…ごめんなさい、ごめんなさいっ…」
「無駄口は結構よ。…しっかり見ていなさい。全部、あなたの責任の結果よ」
「あ…や、やめてください、そんなっ」
そう言って、杖のストラップを外して、神室さんへと――ここまでにしましょうか。
結論として、泣きじゃくる坂柳さんを抱きしめて慰める神室さんという珍しいシーンが撮れたのが今日のハイライトね。
あ、わたしの命令は坂柳さんへ「その杖を大切に使うこと」に決定した。
…後ろでちょっと引きながら、でも興奮した様子の桔梗を可愛がりながら二人を見下ろす。
こうして7月の終わり、わたしは坂柳さんとの勝負(前哨戦)に勝利したのだった。
◇
■堀北 鈴音(Dクラス所属)
・本作主人公。暴力事件、ストーカー事件、ついでにクラスリーダーへの面通し。大体の夏前にやるイベントは消化して、ついでに処女を捨てようとスタンバっていたらキャンセルされて欲求不満。抱くのと、抱かれるのは別腹系女子。細かく分けると愛でる系と貪る系も別腹なので、結果的に関係が多くなる。仕方ないね。卒業()キャンセルのツケは綾小路くんに払ってもらうつもり。個室の件は実際ヤリ部屋としてしか考えていないやべーやつ。夏休み中には卒業()する予定。夏だもん、仕方ないね。
・以前の周ではストーカーに色々された場合、動画や写真を撮られて捕まる際に堀北が通報したと(正解)思って学校のHPや掲示板へ拡散。以降、悲劇の被害者ポジションに就いて学校から無敵のバックアップを受けられるがDクラスの民度がゴミなので有効活用できない。なんなら男子が絶対に余計なことを言って平田の目が死ぬ。退学者を出す試験にも肉壁扱いされ、綾小路くんが庇ってくれても2年になると新入生にもロックオンされ詰む。Bクラスあたりだったら…と思わなくもないが、その場合はクラスごと下位に沈むので厳しい。この周では拡散はしないものの、綾小路くんあたりには伝えることで関係を強めようとしたが、当の本人が登場して一番驚かされた。
■須藤 健(Dクラス所属)
・この周の堀北の魔改造一号。暴力事件を乗り越え、まさかのクラス屈指の優良物件へ。堀北がなにをしたかはあんまり分かっていないが、信じろという言葉に従った結果無罪を勝ち取る。バスケの件や助けに入ってくれた恩、ふとした場面に見せる無防備な様子に原作よりも早く、そして強く好意を抱いている。クラスでのカーストも急上昇したので、振られるイベントを経るかどうかにかかわらず、すぐに彼女が出来る。その前に告白を受けても、「告白したい相手がいる」と言って断るため、女子からの好感度は下がらない。
・退学リスクがそこそこ高いため、序盤から手を尽くす必要がある。スポーツへの思いは本物であるため、バスケを絡めた立ち回りで大体は仲良くできる。学力面の介護だけこなせば、以降はそんなに気にかけなくとも自分から動いてくれる。残念ながら、堀北自身と結ばれることはあまり多くない。関係を持ってもそれを超えるリターンがなかったため(振られても持ち崩すことがないのもあり)望み薄となっている。あとは夜が紳士なのも堀北ポイントを下げていたり…。
■佐倉 愛理(Dクラス所属)
・魔改造二号。まだ純潔なグラビアアイドル。雫の姿でDクラスデビューを果たし、一気にカースト上位へと上り詰めた。須藤くんや綾小路くんとは仲が良く、同じ悩みを持つ長谷部さんとも話すように。勉強では幸村くんや王さんとも交流を持ち、クラスの高嶺の花ポジションを順調に邁進していく。堀北さんのこともちょっと気になる、ドキドキが多い花の女子高生。ちなみに堀北の件は聞かされていないが、聞いたら泣いて謝る。ひきこもるレベルで落ち込む(なんなら退学までするレベル)ので口止めされている。
・学年屈指のスタイル持ち。本領発揮すれば一之瀬や櫛田と鎬を削れるレベルの美少女。それを利用されて酷いことになることも多い。生贄ポジションと割り切って、クラスの男子たちの餌にされた周もあったがあまり効果がない(取り合いになってクラスが割れる)ため、お蔵入りとなった。ツイている周ではかなり大きいモノを持っているが胸や口を使われる側となり、持ち腐れになることが多い。
■神室 真澄(Aクラス所属)
・被害者兼、救済枠。無事に尾行が失敗し、堀北のガバによって初めてを散らされた首輪付き。割と本気で体は完堕ちしており、どこでも堀北のことを受け入れるくらいには沼っている。堀北自身のことは坂柳を手玉に取れる能力から高く評価しているものの、恋愛感情としてはドライな感じ。近い言葉としてはパートナー、セフレが近いかもしれない。坂柳から優しくされるようになって一安心。なお、そのクラスのリーダーを裏切って売ったことはもちろん内緒。
・周回においても雑に扱われることが多く、退学する周がそこそこあるので後ろ暗いことをさせたりする際に坂柳さんの代わりに脅迫をしたりも。肉体的にも割と気持ちの良いことは興味があるので、上級生に売られたり貸し出されたりもチラホラ。フォローを忘れなければ、仕事として応じてくれる。
■龍園 翔(Cクラス所属)
・ようやく登場、Cクラスの王。まさかの青春ドラマバリの胸タッチから顎クイを繰り出し、カフェの中にいた女子生徒からの好感度をV字に急上昇させた非童貞。ちなみに本については速攻でクラスの読書家へと投げて『わたしは~~のほうが好きです』という伝言を預かっていたが、指摘された腹いせに教えてあげなかった。坂上の態度と、頬にある怪我の痕から薄々事情を察するが、指摘はしない。おもしれー女を発見して、ちょっかいを出すことを決めた。
・いかなる周回でも堀北のことをロックオンする(数少ない)男子リーダー。ちなみに、大量に持て余すポイントを駆使すればA~Cクラスの主要な生徒は全員テストの点数をポイントで買い取って大量の退学者を量産できる。なお、これをやると綾小路くんの目が死んで退学してしまうのでお蔵入りとなっている。夜もオラオラ系なので、堀北さん的には割と好き。なお他の男に抱かれても女には当たらないが、男の方にはキレる紳士だったりする。そういうところが悪い男好きホイホイ。
■坂柳 有栖(Aクラス所属)
・目の前でクラスメイトが酷い目に遭った邪悪系支配者ロリ。この度、予備の杖を折られて普段使いの杖が魔法のステッキに変わった。何故か、丁寧に使うようになる模様。徹底的な敗北によってしばらくは堀北さんから目が離せない。ポイントもあらかた巻き上げられているため、しばらくは節制が義務となる模様。なお、夏用の服は元は自分のポイントでDクラスのリーダーが買ってくれるので困らない。「男子の意見も…」と連れてこられた男子にはレベルの上がった誉め言葉で褒められてドキドキする予定。
・登場時と回想のネタバレ。実は詰んだ周や、失敗した際にもっとも時短で済ませる方法が犯罪行為を起こすことであり、肉体的に(ついでに引け目もなく)抵抗なく殴ることが出来たり、簡単に重傷となるためその犠牲になったことは数えきれない。ドロドロに調教したり、綾小路くんと速攻で結びつけても蠢動をやめないため、悪い意味で目を離せない存在。通称リセットボタン。
読了感謝。
坂柳が…坂柳が悪いんです。どんどんひどい目に合わせろって心の中の堀北さんが…。
すいませんでした。これでも削ったんです…。
次からは無人島編…いけるかな?
楽しみにしててねー。