堀北さんは諦めない! 作:BM-13
盛り上がりポイントはそこそこ。
それでは、どうぞー。
あとアンケートできれば…お願いします。
二日目の朝。…まあわたしは初回の夜の部を監督していたから、活動は継続しているわけなのだけれど。夜番の初仕事は朝方に聞こえた侵入者――まあ、Bクラスの神崎くんが偵察に来ていただけね。
訓練、でもないけれど…実際にどう動くべきかが知れたのは大きい。この調子で緊張を保っていきましょう。
近場のスポットも静かに回っておく。現時点では周囲の数か所だけれど、日が進むにつれて回る場所も増える。その際には供回りとして綾小路くん(確定)と誰かに声をかけなければいけないわね。
点呼の前に朝番の組を起こして、準備を始めさせる。潤沢な水を使って身嗜みを整えれば、茶柱先生の冷たい声に応える39の口。事前に伝える仕事の内容はメモに起こしておいた。平田くんたちにも共有済み。
使う薪の量や警戒した範囲、必要に感じた物資など、その他をリーダー格だけでなく経理担当にも共有を欠かさないでおく。報連相の大切さや経験を、身にしみるほど得てもらわなければこの後と採算がとれないのだから。
「じゃあ、朝番の午前組はこっちの範囲の地図の空白を埋めるように。ほかのクラスと遭遇した場合は、人数の面で後回りになる場合やBクラスと遭遇した際は衝突を避けるように。それ以外は譲る理由はないわ。強気で行きなさい」
「わかったぜ!」
「午後番の人たちはとりあえず好きに過ごしていい。釣りをしていても、お昼を手伝ってくれてもいい。ただ14時過ぎから探索はしてもらうつもりだから、体力は余らせておきなさい」
「はい!」
拠点化したDクラスには、クラスの半数以上は座れるブルーシートやタープの日陰、川辺りには石を積んで作った小さな生け簀もどきと釣りスポット。すこし離れればタンク型浄水器や調理場スペースに設けた折りたたみのテーブル。
先ほど第一弾として釣り上げた川魚は池くんが進んで下処理し、後は塩を振り、自然のかまどでパチパチと焼いてみせた。
順調に見える半面、やはり小さなところでは不満の燻りは消えていない。ひと纏まりになって必要最低限以外は動こうとしない層や、こちらの意図に沿わない行動を取ろうとする層。無能な働き者よりよっぽど良いけれど、今回の試験では彼らの活躍に期待しましょう。
「な、なんだよお前らっ!」
そういって池くんが声を上げた先には、Cクラスの…小宮くんと近藤くんの姿があった。龍園くんからの指示で挑発兼、伊吹さんがしっかりと潜入が出来たのかを確認しに来たようね。
ジュースを嗜み、こちらに施しまでする余裕ぶり。彼らの挑発を聞き流し、わたしは拾ったお菓子の袋を近くに居た桔梗に押し付ける。
「え、えっと鈴音…?」
「ありがたく貰っておきましょう。管理は任せるわ。わたしはお礼にって来るけど一緒について来てちょうだい、綾小路くん」
「…俺で良いのか?」
「良いわ。警戒させるわけじゃないのだし」
「…………」
そういってCクラスに偵察へと行くことを周知して、全体指揮を代行させる。ついでに桔梗のお菓子の袋を開けて、「食べさせて頂戴?」とばかりに口を指させばクラスのアイドル手ずから一枚。ん、美味しい。
羨ましそうな周囲に、「ご褒美が欲しければ働きなさい」と言ってやった。
これでクラスの活性化にもなるでしょう。現にわたしが指で綾小路くんを指させば、「あーん…」なんて恥ずかしそうに桔梗が一枚、差し出したのだから。…美味しい?良かったわね。…ふふっ。
◇
彼らの去った足跡を頼り(まあ知ってはいるけれど)に、Cクラスの拠点へとたどり着く。強い日差しが刺す砂浜。水はあっても海水で、夜はさざなみが最高の子守歌になるでしょうけれど…まあ、日中は過ごしにくそうなハズの場所。でもそこには黄色い歓声や喜びの笑み、リラックスしてまさに
「…Cクラスは、オレたちDクラスとは異なる視点でこの試験に挑んでいるようだな」
「みたいね」
綾小路くんが言う通り、目の前の光景はまさに理想の夏休み~無人島バカンス編~といった具合。水上スキー、水鉄砲やビーチバレーのボールにBBQのコンロ、大量のクーラーボックス、色とりどものパラソルの下には、ビーチチェアがいくつも並んでいる。生徒たちは思い思いの水着を身に纏い、それぞれが夏を満喫している。
「あ、あの…龍園さんが呼んでます…」
「良いわ。案内して頂戴」
そういってたどり着いた先には、海で会ったら半分は怯えから逃げて、もう半分はひと夏の思い出を期待するような男性の魅力――と、違う。水着姿で寝そべる龍園くんが寛いでいた。
サングラスを外してわたし達に視線を向ける様も、非常に堂に入っている。同性異性問わず、カリスマとはこういうものだと全身から発していて、思わず下腹部が熱くなる。…いえ、こんな炎天下の砂浜だもの。熱いのは仕方ない。いいわね?
「よう、鈴音。あの時ぶりじゃねえか」
「久しぶりね、龍園くん。あなたもこの島を満喫出来ているようでなによりよ」
「クク…、相変わらずだな。落ちこぼれのDクラスに居るのがもったいねえほど、腹が座ってやがる。Bクラスの雑魚どもにも見習って欲しいもんだ」
「あら、そういうあなたは随分と軟派*1だったのね。わたしが居るのに、他のクラスを話題にするなんて」
彼の言動から、Bクラスにも挑発をしたのが確定。この場に居ないことからも金田くんもBクラスへと潜入をしているようね。近くにある果物や飲み物を置くテーブルにも、無線機が転がっているのを目視した。
「はは、そりゃ悪かったな。…どうだ?せっかくの無人島。お前も楽しんだら良いぜ。…水着なら俺のテントで着替えりゃ「そう?なら遠慮なく借りるわね」…あ?」
「お、おい…」
「失礼するわね?…覗いちゃダメよ?」
そう言って、呆然とする龍園くんと綾小路くん…あと水?炭酸水かしら、持ってきた石崎くんもポカンとこっちをみている。彼らを置いて、物資が山積みになっているテントへ入ると、そこには…。
「あら、お邪魔するわね?」
「はい?ええと、どうぞ?」
図書館の君こと、椎名ひよりさんがちょこんと座って、本を読んでいた。…船から取り寄せたのかしら?まあ過ごし方は自由だし、彼女が本領を発揮するのは頭脳面の提案段階や知識テスト系にほぼ寄っている。この周では図書室でお近づきにもなっていないから、とりあえずは構わない。
目の前でスルスルと脱ぎだしたわたしに首を傾げていたけれど、龍園くんから水着を借りる許しを得た旨を伝えると場所を教えてくれた。…ついでとばかりに、日焼け止めまで塗ってもらったわ。
「ん…くっ!あんっ…!」
「あの、ちょっと声を…」
「ごめなさ…あっ!」
丁寧に塗ってくれた椎名さんにお礼を言うと、テントのすぐそこには石崎くんがいた。わたしを早く出すように龍園くんから頼まれたのかしら?入口で入るタイミングを見計らっていたみたいで、待たせて悪かったわ。…なんで前のめりなのかしら、なんてね?
龍園くんのいるパラソルに向かう道中も、Cクラスの生徒たちから熱視線を頂戴する。それにウィンクを返しながら彼の寝そべるビーチチェアへと腰掛ければ、ジッと向けられた紫と視線が交わる。
「………」
「…あら、見惚れちゃったかしら?」
潮風にたなびく髪を耳に流しながら、そう悪戯に笑いかける。わたしが選んだ水着は真っ赤なビキニ。…きっと派手だからって、敬遠されていたのね。さっきの野暮ったいジャージ姿も見せ方次第ではいくらでも魅力的だけれど、女子にとって、最強の装備を纏ったわたしは客観視しても、かなり美少女然としている。その証拠に意図を探ろうとしている龍園くんの視線にも、多少は色の欲が宿っているのが伺える。
ちなみに近くに居る綾小路くんの視線もわたしの身体を見ているのだけれど、まだあまり読めないのよね。彼についてはもっと、俗世に学んで俗世に馴染んでから、それを武器にしていく。この時点での彼は、まだ…。
「……どういうつもりだ、いったい」
「赤点…と、言いたいけれど水着のお礼よ。もう一度質問をする権利をあげましょう」
「チッ…、何様だ、テメエ。………」
そう言って威圧を強めても、直ぐには暴発することなく考える様子を見せる。やはり柔軟な思考――この学校風に言うなら、常識にとらわれない発想?かしら――を持った龍園翔という男は、そうでなくては。
でも今回はちょっと遅かったようね。…ほら、名探偵が来てしまったわよ?
「
「…ひよりか。どういうことだ?」
「いくらなんでも、敵地の中心に無策で来ることはありえません。彼女は、危険を冒しても踏み込んできた。その理由は、私たちCクラスを見るだけでなく…そう、観察したかったのではありませんか?」
「……あら、『あなたはただ見ているだけ。観察していないのよ*2』かしら?」
「ふふっ、では私は『ホームズさん、私の観察眼も捨てたものではないでしょう?*3』と答えるべきでしょうか?」
「流石ね、読書家さん?」
「椎名ひよりです。また本のお話をしましょうね?」
流石、鋭いわね。ほぼ正確に狙いを言い当てられた。90点をあげても良いかもしれない。その後に苛立つ龍園くんの視線に応えて、彼の聞きたがっていることを答えてあげる。
澪のことに触れれば、興味がなさそうに彼女を馬鹿にしていたので「穴掘りでもしていたのかしら?」と仄めかす。不意打ちには慣れたのか、「何のことだ?」なんて結構な精度ですっとぼけてきた。…良いわね。予想通りに乗ってくれた。なら今回も、勝負をしてあげるわ、龍園くん。
「なら賭けましょうか?」
「賭け、だと…?言ってみろ」
「この試験、経過も大事だけれど、最後に大番狂わせがあるわよね?」
「…リーダー当てのことか」
「そう。それをわたしとあなた、どちらが多く当てられるか。…どうかしら?」
「………」
計算している。サングラスの奥で揺らめく紫炎が、この賭けの勝率を。背景のCクラスのビーチを楽しむ声が少しだけ遠く感じるような静寂。
ただこの
「なら――お前自身ってのはどうだ?」
「っ」
「あら、情熱的なお誘いね」
「お前から吹っ掛けた勝負だ。…まさか逃げねえよな?」
「(別に体くらいなら)構わないけれど…本当に良いの?」
「クラスポイントがゼロのお前らにかけられるポイントなんかたかが知れてる。随分優しいだろ?」
…はい、この時点で龍園くんがDクラスの内情についてあまり把握していないことが確定したわ。現在のDクラスのお財布事情を解決しているのがわたし、またはわたしが援助()している桔梗のことに触れない以上、嘘でなければそれもおざなり。
まあ別にリスクはない。喜んで受けるとしましょう。
「あ、なら手付けにこれ、借りるわね?」
「ふざけるな、返せテメェ…!」
そう言ってサングラスを拝借する。ちょうど良かったし、綾小路くんに似合うか聞いたら「あ、あぁ…」みたいな返事も返ってきた。…?なにか訝しげね。
その後は額に青筋を浮かべる彼の口に、近くにあった果物を入れてあげたり、飛んできたビーチボールをキレイなレシーブで返してあげた。
「ふふっ、サービスエースね」
「いや、違わないか?」
「あら、合ってるわよ?…その証拠に、龍園くんたちもわたしの勇姿に熱い視線を向けているわ」
「う、うぇ!?」
「…フン」
やはり水着はいい。伝う汗も武器に男子(あと一部の女子)の視線を釘付けに出来るし、佐倉さんや長谷部さんよりは控えめだけれど、跳ねるように全身を使えばしっかりと自己主張もしてくれる。慌てる石崎くんの横で、龍園くんも満足してくれているようだし。
そろそろ行こうかと綾小路くんと目で会話をすると、なんと水着とサングラスはサービスで貸してくれるらしい。ありがたくお礼をいい、ちょうど良く来ていた坂上大先生にもその旨をしっかりと伝えておく。リスク回避は必須項目。間違いないわ。
あ、あとわたしが勝った場合については、勝ってから考えると言っておいた。眉をひそめる彼に、「わたしのハジメテよりは安いわ」と囁いてあげる。それに今日一番の笑みを零して、「つまらない試験にも楽しみができたぜ、楽しみにしてな」と返される。…うん、やっぱり彼が一番リーダーとして魅力的だわ。
ジャージに着替えて、綾小路くんとの帰り道。待たせたことを詫びれば椎名さんと時間を潰していたそう。…そう。
何故か「無理していないか?」なんて言われたけれど、つーんと無視をしてあげる。ちょっと慌てた様子をみせたけれど、しばらくは許して……まあ、許しましょう。今日のわたしは、機嫌がいいのよ。
◇
龍園くんとの邂逅、無人島での各リーダーの拠点や動向は特にイレギュラーがないのは把握した。こちらも探索班の活躍で木になる果物やトウモロコシ畑、ついでにスイカがいくつか成っていたのはBクラスやAクラスにもお裾分けしてあげた。甘味に飢えた学生たちには、絶好のご馳走だろう。AとBのスポット周辺も順調に彼らが取得して、勢力を伸ばしている。かくいう私たちDクラスも予定通り11(水源+10カ所)のスポットを取得して、順調にボーナスを稼ぐことができている。
3日目には慣れてきたのか自由時間で思い思いの過ごし方をしたり、赤い水着を佐倉さんに貸してあげて綾小路くんにどちらが似合っていたかを聞いてあげたりもした。須藤くんの活躍も目覚ましく、小野寺さん経由なのか女の子たちも探索班に加わろうとしてわちゃわちゃしていたり、和やかな時間が過ぎていく。
難しい顔をしている幸村くんや、時たま女子からのやっかみを受ける王さんへは平田くんや桔梗が目を光らせている。その甲斐もあって、クラスの運営は非常に順調だ。使ったポイントはまだ70ほど。初期投資を除いて同じだけ使っても、120程度には収まるはず。…もちろん、このまま試験が終わるとすれば、ね。
ことが起こったのは4日目。
探索班としてではなく、(おそらく茶柱先生の脅迫のせいで)単独での行動をしていた綾小路くんがAクラスの生徒に地図を奪われた。以前の周にも何度かあったらしいイベント。なので私は綾小路くんにマニュアルにあった白紙ページを切り取るのではなく、わざわざポイントで買ったメモ帳を持たせていた。
破り取られたメモ帳のページの下を鉛筆で薄く塗りつぶせば…出たわね。
「フロッタージュ*4…か」
「あら、博識ね」
「…以前何かのミステリーで読んだんだ」
「図書館の君と話が合うわけね」
「あ、あれは…「行くわよ」…って、どこにだ?」
「決まっているわ」
当事者の彼と、今回は演出も必要になる。探索後に疲れている所無理を言って(彼は余裕と言っていたけれど)須藤くん、三宅くんまで引き連れてAクラスの拠点へと向かう。
…これでいい。クラスの男性陣…それもカーストが高めの層を、試験の中盤に丸ごと拠点から離れる、それがどういう結果を生むかは十分理解しているよう。あとは下振れさえしなければ…。
「お邪魔するわ、葛城くん」
「堀北か。…今日は随分と人数が多いが、何の用だ?」
「あら、惚けるのかしら?…こちらのクラスの綾小路くんが、そちらのクラスの生徒に情報を記載していたメモを奪われたと聞いて、わたしたちはこの場に居るのよ」
「なんだと…?」
サングラスをかけて自信満々に言えば、葛城くんはチラリと視線を右に向ける。その先には綾小路くんと接触したらしい生徒の姿。わたしもそれとなく視線を向ければ、綾小路くんからは首を縦に振る仕草で肯定された。
「わかっているとは思うけれど、この試験で他のクラスへの暴力や略奪行為は即失格。…勝負事で知らなかったは通らないわよ?」
「もちろんだ。…君が、綾小路か。少し話を聞きたいが良いか?」
「…構わない」
失格という言葉に、洞窟の中の生徒たちに緊張が走る。その中で唯一、葛城くんだけは動じずに事情の確認に努める。…クラス中が彼の一挙手一投足に期待するのも、無理からぬことよね。
葛城くんも生来の真面目さから、綾小路くんを逆に疑うようなことを言った戸塚くんを割と強めに窘め、「疑うわけでは無いが証明できるものはないか?」とやんわり証拠へと言及してみせた。
いい成長ね。まあこっちの須藤くんも、戸塚くんからの挑発なんて歯牙にもかけない。腕を組んでたっぷりと無言の圧力を与え続けている。
「これが証拠にならないか?」
「…塗りつぶした、コレは地図か?」
「オレが書いたものの次のページをえんぴつで擦り出した。アイツの持っていたメモと一致するはずだ」
「……確かにそのようだな」
認める葛城くんの顔色は悪い。周囲はそれよりも更に、実行した彼はもう真っ白になっている。
腕を組んで、数瞬。目を開いた彼は覚悟を決めたような表情でわたしを見る…きっと彼は、非を認めて試験を降りることを、その責任を取ることを、今の間に決めた。
素直に尊敬する。わたしがその域に至るまで、数え切れないほど繰り返したというのに。でも、彼にはまだやってもらいたいことがある。わたしはチラリと彼の後ろーー以前、彼と白石さん、西川さんと密談をした場所ーーへと視線を向けて、サングラスを少しずらして、2、3度の瞬き。
「…?…っ!……堀北、リーダーとして話がある」
「…あら、構わないけれど、二人きりで構わないのかしら?」
「そちらは何人でも構わない。…ただ、口が硬いのが条件になる。…非があるのはこちら側だが、「いいわ」…っ感謝する」
「じゃあ、綾小路くん、一緒に来てくれるかしら?」
「……わかった」
口を開けて、さあ、話すぞ、そんな際の際で、彼は気がついてくれたようね。
洞窟の奥へと向かう際、今度は本当の内緒話だ。残ってくれた須藤くんや三宅くんに「誰も来れないように見張ってて欲しい」とお願いして、これで大丈夫。
葛城くんはまず、第一声として綾小路くんに謝罪をした。しっかりと腰から頭を下げて、クラスの生徒の統率が取れなかった非を全面的に認めた。
最も学校に評価されたAクラスのリーダーが、欠陥品のDクラスの生徒へ素直に頭を下げられる。コレだけで葛城くんの社会人能力検定試験は合格点を上げられるほど。綾小路くんにも頷いてあげれば、謝罪を受け取ってくれた。さて、本題はここからね。
「葛城くん、あなたはリーダーとしてわたしをここへ呼んだ。用事は謝罪だけではないのでしょう?」
「その通りだ。…こちらとしては、なんとか試験を続行したいと考えている。こちらの食料などの物資供給で、被害の報告を思い留まってもらえないだろうか?」
「勝手ね。…意地悪な話をするなら、ここであなたたちAクラスが自滅すれば、わたしたちだけじゃない。他のクラスがそれを歓迎するのは、もちろん理解しているかしら?」
「………その通りだ。俺がお前たちと逆の立場なら、そうしただろう。だが、俺には伏して頼むことしか出来ない。…頼む」
「…綾小路くんとしては?」
「俺は…堀北に任せる」
そう言ってくれる。…素直に嬉しい。きっと彼の中では「堀北なら悪い結果にはならないだろう」と断じてくれたのでしょう。
ならその期待に応えるとしましょうか。わたしは頭を下げる葛城くんに顔を上げるように伝えて、これからの話をする。
具体的に、わたしからと要求は以下の通り。
・AとDクラスは相互に、リーダーの指名をしないこと。
・Aクラスの現リーダーは、試験最終日の06:00にリタイアすること。次のリーダーは担任教師にランダムで指定してもらうこと。
・今後の試験において、協力体制を求められる試験が発生した場合、その指揮を執るのがAクラスの葛城康平であればDクラスと努力義務の(自クラスに不利益が出ない)範囲で協力をすること。
それを伝えると、葛城くんは驚愕を、綾小路くんは多分…興味かしら?そんな表情を浮かべていた。
「こんなところかしら?…疑問はある?」
「い、いや…すべて理解は出来るが…本当に構わないのか?」
「…ええ、わたし達としてもここでAクラスと関係を割るのは望んでいない。全面戦争なんて、質も量も劣る私たちからは御免被るわ」
「感謝する…!この礼は、必ず別の形で返させてほしい」
「あら、なら早速いいかしら?」
そういって彼に耳打ちをする。無理のない範囲で食べ物を収穫したら分けてほしいこと、龍園くんとの賭けのこと(顔を赤くしていたわね)や、リーダーを変えられること、実質30ポイントで指名を無効化できること、まあ色々よ。
最低でも、彼がリーダーの指名を諦めていないことが伝われば十分。わたしたちだけじゃなく、Aクラスの分もよ?
そしてそれを、彼にはわたし達が帰った後に満座の前で披露してもらう予定だ。リーダーのリタイアは戸塚くんあたりが声を上げるでしょうけれど、最終日に指名のリスクを踏み倒せるとなれば、馬車馬のようにスポット確保に走り回ってくれる。今回のポカをした坂柳さん陣営の生徒も協力はしてくれるでしょうし、ね。
あとはちょっとした打ち合わせをしたあと、急にふらりと膝から力が抜けた。カラン、という音とともに、かけていたサングラスが転がる。手でも顔を覆ったわたしに、二人は心配そうにしてくれる。
「っと…」
「大丈夫か、堀北?」
「ごめんなさい、少し…立ちくらんだだけよ」
「…他のクラスから言うことではないが、無理はするなよ」
「ありがとう、葛城くん。…綾小路くんもね?」
サングラスをかけ直し、みんなが待つ場所へと戻る。緊張する周囲を安心させるように、葛城くんが口を開いた。
「皆、安心してほしい。話はつけた」
「ほ、本当か葛城…!?」「流石、葛城さんだせ!」
「…どうやって」
歓喜や安堵、それか驚愕の表情を浮かべて、三々五々に口を開くAクラスの生徒たち。その前で葛城くんがわざとらしく、わたしの肩に手を置き、手を差し伸べる。
「堀北も今回は迷惑をかけた」
「…ええ、…その、約束は」
「心得ている。安心してほしい」
気持ち俯いて、差し出された手を恐る恐る…という風に握る。端から見たら、まるで葛城くんがわたしを説得したような構図に見えないこともない。
もちろん、お互いに織り込み済みの演技よ?さも、葛城くんに懐柔されたようなムーブだけれど、その分相対的に葛城くんの評価が上がる。これ以上の援護はないわね。
不安そうにこちらを見る須藤くんと三宅くんに声をかけて、Aクラスのスポットを去る。…白石さんたちが見送りに来てくれたから、ちょっとだけ手を繋いでもらったわ。サングラスをしていると薄暗い洞窟は危ないのよね。
「…堀北、ちょっと聞いてもいいか?」
「構わないわよ?なにかしら?」
「その…もう一回Aクラスをリタイアさせない理由を聞いて良いか?」
「ふむ…ん、ちなみにどのあたりまではわかったかしら?」
「い、いや、…三宅とも話してたんだけどよ、それをすると、Aクラスにすげー恨まれて集中攻撃されるってことなのか?」
「55点。まあそこだけ抑えておけば問題はないのだけれど、そうね…」
自分なりに考えるようになった須藤くんに、改めてこの交渉の成果を説明する。彼の言うとおり、Aクラスを全員リタイアさせた場合、わたし達DクラスのみならずBクラスやCクラスをも利する形となる。ただ、それはAクラスとの関係値とトレードオフ。完全に目の敵にされ、今後の特別試験などで信頼など築けなくなる。Cクラスの龍園くん並みに信用信頼を投げ捨てる立ち回りなら兎も角、アレは龍園くん以外に交渉相手がいない独裁一党だから出来るムーブだ。Dクラスのわたし達には、気に入らなければ他にもたくさん交渉相手がいる。桔梗でも、平田くんでも良い。
「堀北鈴音がリーダーの地位にいる限り、AクラスはDクラスを信用しない」と布告するだけでわたしは地位を失う。目下の敵であるCクラスやBクラスは利するのに、とんだ貧乏くじをひくことになる。
「だからこそ、ここでAクラスと蜜月関係を築く必要があったのよ」
「そ、そうなのか?あいつらからしたら、俺たちも敵だろ?」
「その通りよ。でも、すぐ下で迫って差を縮めようとしているBクラスと、0ポイントであがくだけのDクラス。Aクラスが警戒するのはどちらかしら?」
「そりゃ…Bクラスだよな。つまり俺たちは、まだ相手にされてねぇから、上手く交渉が纏ったってことか?」
「75点。…十分よ。目の前の戦いで勝つだけが戦略じゃないってことね」
それに納得してくれた…したわよね?須藤くんによく出来ましたと肩をぽん、と叩いて拠点へと足を運ぶ。待っていてくれた平田くんに「Aクラスからの物資の援助を取り付けた」ことを報告する。
「本当かい…?それは、とても助かるね」
「ええ。これならまた、残せる消費分のポイントが軽減できるかもしれない。幸村くんたちにも伝えて頂戴」
「任せて欲しい。…試験はあと半分くらいだけど、頑張ろうね」
「…そうね」
疲れが滲んだ表情に、喜色を浮かべているけれど…わたしは知っている。
彼はわたしに内緒で、一部の女子生徒の要請に応えてスポットクーラーやキャンプマットを購入したことを。またシフト調整のために、自分で穴埋めをしていることも。
…まあ、何も言うまい。彼の判断が求められるまで、そう間は無い。期待しましょう。平田くん、Dクラス、そして澪。どこまで計画通りに行くかはわからないけれど、最後まで上手に踊ってみせる。
「ふぁ…ん…」
「大丈夫か、堀北?」
「ええ、…平気よ?少し眠いだけだから、気にしないで?」
思わず漏れたあくびを噛み殺し、綾小路くんへ笑いかける。
…そう、別に四徹くらい過去にも経験がある。何の問題もないわ。
◇
そして、試験五日目。
明け方からスポットの定期更新に向かっていたわたし達。半分ほど終えて、拠点の水源スポット更新とともに巡回メンバーを入れ替えようと立ち寄ると、すでに騒ぎの声が聞こえてくる。何事かと顔を見合わせると、予想通りの最高の結果が待っていてくれた。
対立する男児と女子。怒りや悲しみの視線を向ける女子と、困惑と疑念を抱く男子。…澪はしっかりと仕事を果たしたみたいね。
そしてその渦中には、リーダー陣の二人と篠原さんと池くん、未来のやらかしカップルの姿もある。ついでに山内くんも。
「男子がやったに決まってるじゃない!!」
「ふざけるなよ!そんなことするわけないだろ!」
「二人とも、落ち着いて…!」
「あ、堀北さん…!」
平田くんがわたし達に気がつく。周囲も期待や安堵の目を向けてくる。…いえ。予定通り一人だけ苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべているけれど。
「それで、これはどういう状況なの?」
「ほ、堀北さん。…実は「軽井沢さんの下着が盗まれたの!!絶対、男子の仕業に決まってる…本当に信じられない!!」…篠原さん…」
「…ということかしら?」
コクリと頷く平田くん。わたしは桔梗を手招きして、昨日の夜番のシフトを確認するように指示を出して、女子の代表()である篠原さんの元へ。
「それで、篠原さんは何をしているの?」
「何って…犯人を探すに決まっているじゃない!下着を盗む男子と同じ場所で生活なんて無理よ!」
「お、俺たちが盗んだって証拠はどこにもないだろ…!?」
「アンタたち以外に誰が盗るのよ!」
「盗るとしても軽井沢のなんて誰がいるかよ!」
「なんですって!?」
篠原さんも酷いけれど、男子も割と言うわね。…まあこのクラスには桔梗や佐倉さんがいる。彼氏持ちのギャルよりも選択肢は多いといえば多いわね。閑話休題。
さて、じゃあ始めましょうか。Dクラスのための最高の茶番を。
「篠原さんは正しく理解できていないようね「はぁ!?どういうことよ!」…はぁ」
「なによ!そのため息は…!?」
「し、篠原さん落ち着いて。…堀北さん、何が分かっていないか教えてくれないか?」
「…本気で分からないの?三宅くんは分かるかしら?」
俺かよ、みたいに驚かれたけれどあなたよ。少しだけ考えたあとに気がついたのか、キョロキョロと周囲を見回して口を開いた。
「…なんか、多くないか?いつもより」
「正解。…どうしてわざわざ皆を起こしているのかしら?」
「あ…」
「この騒ぎの発端は誰なの?」
ジッと視線が一人に集まる。もちろん、騒ぎの中心にいる篠原さんへだ。「寝ていたのに起こされた」「全員テントから出るように言われた」そんな声がポツポツと聞こえ出す。
旗色が悪くなったのを感じたのか、顔色を変えながら男子を、ひいてはわたしを指指すように非難を強める。
「だ、だって下着が盗まれたのよ!?」
「だったらまずは桔梗なり平田くんに相談しなかったの?」
「それは…」
そう、サブリーダーの二人には割と強い決裁権を与えている。事後報告にするつもりだと思うけれど、平田くんが女子の要望に応えてポイントであれこれと購入できたように。活動班はその班長に、それ以外の生徒はまず平田くんや桔梗へ困ったことがあったら言うように何度も周知した。
それを無視してこの騒ぎが起きた。…まあ犯人は澪で間違いないでしょうけれど、折角の機会を無駄遣いはしない。有効活用させてもらうとしましょう。まず、ワンアウト。
「鈴音、これ…」
「ありがとう。…ねえ、王さん。あなた昨日は夜番に名前があるんだけれど、何故かしら?…他にも何人か、予定と違う名前があるわね」
「それは…」「篠原さん達に…代わって欲しいって言われて…」
キッと睨みつけてくる篠原さんから庇えば、そんな報告も。平田くんも知らなかったのか呆然としている。…ツーアウトね。
他にも男子たちが何人かいたみたいだけれど、聞けば呑気に火の番をしていただけらしくテントの周辺は警戒していなかったとのこと。鳴り子が鳴らない=周囲は安全なんて勝手な判断をした、と。
「下着の盗難が事実だったとしても、あなたたちが夜に目を光らせていたら事件は起こらなかったんじゃないかしら?」
「そ、それは…」
「その様子じゃ他の日にも交代をしていたのかしら?…よく、容疑者が男子だ、なんて断言できたものね」
「そ、そうだぜ!女子だってやるかもしれねーじゃん!」
形勢逆転。逆に容疑をかけられた男子から非難の声が上がるけれど篠原さんの本気はここからだ。勢いで勝てなければは感情論に切り替えてくる。「男子と一緒にいたら何をされるか分からない!」「シャワーもトイレも使わせない!」何て意味の分からない発言が繰り出され、これには実行犯の澪も苦笑い。…あ、目が合った。手を振りたいけれど我慢しましょう。
さて、温まってきたところで締めにいきましょう。
わたしは事態を見守って()いた幸村くんを手招きすると、皆に聞こえるくらいの声で何でもないように相談する。
「…なんだ、堀北」
「わたしは元々、この拠点スポットの更新で立ち寄っただけなのだけれど…あと半分残っているわ」
「な、なに!?早く回らなければ、他のクラスに…!」
「無理よ。…ほら、点呼の茶柱先生も来たし、すぐには動けない。無理だと思うけれど、この件の相談もしてみる?」
「ぐっ…!全員、早く点呼を済ませろ…!」
スポット…ひいては試験出もらえるポイントが減るというのは非常に効果的な脅しだったのか、速やかに点呼が完了する。内緒「無理でしょ…」と思いながら桔梗がその件の相談をするも、案の定「しょうこー」と言われて撃沈。役に立たない教師ね。
じわじわと篠原さんに向かう視線に非難が交じり始めた。それを知ってか知らずか、いよいよ決定的なひと言が溢れた。
「そ、そもそもっ!堀北さんが悪いんじゃないっ!」
「あら、その理由は?」
「こんな無人島で、朝も夜もなく、半日も仕事させるなんて…!」
「そのためにシフト制にして、かつ休憩も取れるように半分ずつ休むように伝えたわよね?問題あったならその時点で相談が上がったら修正したわ」
…でもその声はなかった。平田くんや桔梗が握り潰していない限り、どうせ仲間内での愚痴に留まっていたのでしょう。下らない。
「じょ、女子は男子より体力ないんだから全部は無理よ!」
「全部やれとは言っていないし、男子は炎天下の中を回る重い業務をしてくれいる。女子の業務が軽いとは言わないけれど、性差を理由にするのはナンセンスね」
「ほ、堀北さんは違うことしているからわからないのよ!」
「あら、なら変わってくれる?スポット更新の班の動きは速いわよ?」
「っ…!っ!!」
「し、篠原さん…もういいよっ…」
流石にこれ以上は不味いと思ったのか、涙目の軽井沢さんが止めようとしている。事実泣いたようで目が赤い。男子も泣く女子には勝てない。勢いが止まり、鎮火したと思った最中…男子側からポツリと声が漏れた。
「謝れよ…」
「え…池くん?」
「俺、この試験で活躍できて嬉しかったんだ。…キャンプの経験とか、皆の役に立ててさ。…でも、これはねえよ」
「な、何よ…!なんで謝らなきゃいけないわけ…!?」
「はぁ…!?じゃあ、どう責任取んだよ!!こ、こんなに無駄に時間使っちまって、夜頑張ってたやつも寝かせないままで!」
「…スポットもいくつか取られてしまっただろうしな」
「ゆ、幸村くん…それは…」
まあ、正当な怒りね。池くんは入学してから初めて周囲に認められて、頑張る、頼られるという経験を無人島で味わった。これからクラスのために頑張る下地が出来たとも言える。
そんな頑張りが、試験に協力的でない女子に台無しにされたらキレても仕方ない。感情的に、でも根拠のある声。再び鎮火した火種に、火がついた。
女子が何かをテントに隠しているのを見た、男子が見つけた果物をつまみ食いしていた、休憩時間が長かった、見ているだけで何も手伝わなかった。そんな不満が爆発し、統率は取れなくなりつつある。
よしよし、良い感じに平田くんの目がキマって来たわね。あと軽井沢さんは流石というか、この事件のきっかけという負い目があるのか気配を消して隠れている。幸いなのはわたしの指名した生徒たちは池くん以外、この渦中に居ない。…十分ね。そろそろ冷水をかけるとしましょう。
「そこまでよ」
「ほ、堀北…」
「…堀北さん」
男子からしたら下着泥棒の冤罪を(晴らしていないけれど)晴らしたり、女子からしたら逆らったら不味い相手。一度冷静になってくれた中で、しばらく距離を取って活動することを提案する。残る三日間程度なら…という男子に対して、警戒を解かない女子。見張りを立てたら良い、スポットの管理に集中すればもうこんなことは起きない。そのあたりを平田くん…は役に立たないから、桔梗と一緒に説明すればそれなら…と話が纏まる。なんて、そんな訳ないでしょう?
纏めさせるつもりもないし、ね。
「じゃあ、後は篠原さん」
「…なによ「謝りなさい」…はぁ!?」
「それでこの話は終わりよ。…仮に下着を盗んだ人がいても、大体の生徒は無関係。違うかしら?」
「そ、そうだよっ!」「謝れよ!」
ケジメは必要。…これが軽井沢さんなら、空気を読んで謝れる。ここまで拗れて、クラスを空中分解させようとした罪は重いし、これまで貢献してくれた池くんにも申し訳が立たないわ。…いえ、本心よ?
ただここで謝れないのが篠原さつきという女子生徒。別の周では嫉妬からダイナミック乗り換え電車に飛び乗ったり、嫉妬から桔梗へ危害を加えたと聞いて絶対に排除しようと心に決めたりもした。まあ、今はそれはいい。何故なら…そう、彼女ならきっと、
「…嫌!絶対に謝らないから!」
「っ篠原さん…不味いって…!」
「だいたい、堀北さんってほとんどここにいないし、本当にスポット回ってるの!?サボってるんじゃない!?」
「っ!ふざけんなよテメェ…!」
「なによ!…だいたい、堀北さんが朝と夜に無理させるからこんなことが起きたんじゃないの!?普通は夜は寝るものでしょ…!?」
「それは…」
割と鋭い。…まあ、残念ながらその言葉を待っていたから意味はないけれどね。わたしは怒ってくれた須藤くんの肩を叩いて前に出ると、ペコリと周囲に頭を下げた。
「ごめんなさい」
「え…!?」
「ほ、堀北…さん!?」
「みんながそんなに無理しているなんて、気が付かなかったわ」
「っほら!みんな聞いた!?堀北さん、あんなに偉そうにしていたのに全然気がついていなかったんだって!」
「ええ、篠原さんの言う通りよ。まったくその通りだわ」
「………?」
唐突な謝罪に、ざわめく周囲と勢いを増す篠原さん。じゃあ、あとはお願いするわね?
「責任取ってわたしはリーダーを降りるわ。後のことはみんなで決めて頂戴」
「は…?」「え?」
「ちょ、待っ「桔梗に任せていたポイントの支給も、面倒だし止めるわ」は、はぁ…!?」
「せめて、この試験でのスポット班の仕事はこなすから、あとは好きにすれば良い。…お疲れ様でした」
そう言ってわたしは一人、引き止める声を無視して拠点を去る。
残された39人と1人の未来は?…なんてね?
さて、勝負よ?龍園くん。
船の上に戻ったら、堀北さん初体験させてあげたいんですが、その描写は要りますかね?要らなければ泣く泣くダイジェストにします。ます。
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許可(いったいどこの最高傑作なんだ…)
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不要(百合は尊い)