機構より愛を込めて、地雷に死を   作:翔田美琴

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第11話 束の間の茶会

【フェーズ10:監視の引き継ぎと束の間の休息】

 

翔田美琴のその一言で、緊迫しきっていた部屋の空気がフッと和らいだ。

 

翔田美琴:「反省文を見張るのは誰かに任せて我々は茶を飲んで待ってましょう」

 

レム判事:「賛成です。徹底的な現実突きつけとタロットの裁定により、彼女の逃避癖は完全に破綻しました。これ以上の直接的な威圧は時間の無駄でしょう」

 

エリオット隊長:「ふぅ……やっておれん緊張感だったな。おい、アイルー! 地下施設のアイルー監視員を呼べ。ケイコがペンを止めるか、また白目を剥こうとしたら即座に鳴子を鳴らせ」

 

アイルー監視員:「ニャッ! 任せるニャ! 脇目も振らずに書かせるニャ!」

 

レンブラント氏:「(夜砲【黒風】の安全装置をかけ、背中に担ぎ直す)やれやれ、喉がカラカラだ。ポッケ村から美味い茶葉を取り寄せておいて正解だったな。判事、お湯を沸かしてくれるか?」

 

ケイコ・ヤジマ:「(静かな恐怖に震えながら、ボロボロの涙を流して無言でペンを走らせる)……っ……っ……」

 

翔田美琴:「よしよし、ちゃんと書いてるわね。言っておくけど、一文字でも誤字があったら最初からやり直しだからね」

 

【応接スペース:おじさんハンターたちのお茶会】

 

訓練場の脇に設けられた応接卓。急須から注がれた香ばしいお茶の湯気が上がり、甘味の皿が並べられる。

 

エリオット隊長:「……生殺与奪の権を持つ作者様にお茶を淹れていただくわけにはいかんからな。レム、手際がいいな」

 

レム判事:「判事の仕事は冷静な観察と準備がすべてですから。……それにしても、これで少しはあの地雷女も『人間の言葉と現実』を学ぶでしょうか」

 

レンブラント氏:「(羊羹を一口かじり、お茶を啜る)ふぅ……。まあ、あのソード5の逆位置が出た以上、悪あがきしても惨めになるだけだと脳に刻まれただろ。これからはシラフで反省文を書くしかないさ」

 

翔田美琴:「ふふ、そうね。逃げ場を全部潰された豚がどこまで真人間になれるか、お茶でも飲みながらゆっくり見高の見物を決め込みましょうか」

 

監視アイルーの鋭い視線とカリカリというペンの音だけが響く部屋で、原作者とルージュ機構のおじさんハンターたちは、優雅に温かいお茶を口に含むのだった。

 

【フェーズ11:アクセサリーと虚飾の剥奪】

 

湯呑みを静かに卓上へ置いた翔田美琴の目線が、アイルーの監視下で必死にペンを走らせるケイコの耳元へと向けられた。

 

翔田美琴:「ピアスは外してよ?」

 

その一言に、レム判事の手が素早く動き、ケイコの耳元についていた派手で安っぽいピアスを容赦なく摘み上げる。

 

レム判事:「ご指摘の通りです。再教育中の被教導者による不要な装飾品の着用は固く禁じられています。身の丈に合わない虚飾で己を飾り立てる悪癖も、ここで完全に断ち切るべきでしょう」

 

ケイコ・ヤジマ:「あっ……! それ、あたしの……! 返してぇ……っ(思わず叫びそうになり、美琴の冷ややかな視線に気づいて即座に口を塞ぐ)」

 

エリオット隊長:「(羊羹を美味そうに味わいながら)……ほう、声を出さずに耐えたな。少しは学習というものを覚えたらしい。だが、判事の言う通りだ。身なりばかり気にして中身がすっからかんじゃ、見苦しいことこの上ないからな。やっておれん」

 

レンブラント氏:「(湯気を立てるお茶を啜りつつ)ジャラジャラと安物をつけて先輩風を吹かすより、綺麗な字で1行でも多く謝罪文を書く方がよっぽど人間らしいぞ、ケモノちゃん」

 

【時空の狭間への没収】

 

つまみ上げられたピアスは、レム判事の手元で先ほどの睡眠薬と同じく、紫色の空間歪みの中へと静かに消え去っていった。

 

レム判事:「これにて、あなたの身に付いていた逃避の道具および無駄な装飾品の没収を完了しました。残されているのは、目の前の紙とペン、そしてあなた自身の過ちだけです」

 

翔田美琴:「これでスッキリしたわね。余計な飾りも逃げ道も全部なくなったんだから、あとはそのお粗末な頭でしっかり反省して、正しい日本語を書き続けなさい」

 

完全に素の自分へと剥ぎ取られたケイコ・ヤジマは、もはや耳元を触ることもできず、ただ黙々と、涙で滲む原稿用紙にペンを走らせるのだった。

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