【幕引き:絶対者の真冷】
これまでコミカルに怒鳴り散らしていた空気が、一瞬で絶対ゼロ度へと凍りついた。
周囲の温度が一気に下がり、空間そのものが軋むようなプレッシャーが地下施設を満たす。翔田美琴の瞳から感情が完全に消え去っていた。
翔田美琴:「ギャグ謝罪とか叫ぶの大嫌い。死ぬか?」
ケイコ・ヤジマ:「………………ッ!?」
声すら出ない。
『ふえぇ』も『たすけて』も、幼児退行の言い訳もすべて喉の奥で凍りついた。目の前に立っているのは、自分という存在の文字数も、設定も、命の灯火すらも一差しで消去できる「世界の創造主」そのものだと、ケイコの生物としての本能が直感したからだ。
ガタガタと震える膝すら固定され、ただの冷や汗が床にポタリと落ちる音だけが響く。
レム判事:「……戯れ言の時間は終了ですね」
エリオット隊長:「……生殺与奪の権を持つ方の本気だ。これ以上は言葉の無駄だな」
レンブラント氏:「(静かに煙草の火を消し、深く頭を下げる)……お目汚しを失礼いたしました、作者様」
規格外のハンター3人すらも一歩引き、深く静寂を守る。
翔田美琴:「叫んで誤魔化せると思ったら大間違い。次、一音でも無駄な声やふざけた叫びを漏らしたら、言葉通り消すから」
静まり返る部屋の中で、完全に言葉を失ったケイコ・ヤジマは、青ざめた顔のまま、震える手で静かにペンを握り直し、ただ黙々と正しく文字を書くことだけに集中し始めた。
【原因究明パート:原作者による冷徹な分析】
重苦しい静寂が支配する部屋。原作者・翔田美琴の静かな問いかけが、凍りついた空間に小さく響く。
翔田美琴:「お前さ。なーんでこうなったのかしら?」
ケイコ・ヤジマは声も出せず、ただ青ざめた顔で震えながら首を横に振るばかりだった。その姿を見下ろし、ルージュ機構の面々が淡々と分析を述べる。
【原因1:無節操な自意識と自己評価の肥大化】
レム判事:「彼女の根本的な問題は、実力や努力が伴わないまま肥大化した自意識です。日の浅い者や年下に対し、何ひとつ誇れる実績もないまま『先輩面』をかまし、自身の立場を優位に見せかけようと暴言を撒き散らしました。結果、周囲に建設的な人間関係を築けず、ただ敵を増やすだけの存在となったのです」
【原因2:依存と学習概念の放棄】
エリオット隊長:「不都合や失敗に直面した際、己の非を認めて修正する『学習の概念』を最初から捨てていたな。何かあれば『アイスちょーだい』と他人に集り、追い詰められれば多量の睡眠薬を飲んで『気絶のフリ』で被害者を装う。甘えと依存の逃避回路を完成させてしまったのが第二の原因だ」
【原因3:幼児退行した言語機能と孤立】
レンブラント氏:「言葉の退化も深刻だったね。世間や周囲への愚痴と不満ばかりを口にし、35歳を過ぎて語彙は小学生以下。『不機嫌不調を改善します』なんて意味不明な文書を撒いて周りから嘲笑されても、まともな意思疎通を図ろうとしなかった。対話を放棄し、ゴシップ好きな同類とつるむことしか知らなかったわけだ」
翔田美琴:「……要するに、『他責』と『逃避』を繰り返して人間性を磨くのをやめた結果が、その哀れな姿ってわけね」
言葉を失い、冷や汗を流しながら地べたにひれ伏すケイコ・ヤジマ。
翔田美琴:「原因が分かったなら話は早いわ。逃げ道だった薬も無ければ、ふざけた叫びで誤魔化すことも許されない。己の愚かさを一文字ずつ噛み締めながら、人間を一からやり直しなさい」
過去の愚行と向き合わされた地雷女は、絶望のなかで静かにペンを走らせるしかなかった。