ペニー・パーカーとヴィランのオリ主がイチャイチャする話 作:チャイナドレス先輩
Hi、私ペニー・パーカー。15歳の女子高生、みんな元気してる?
私はニューヨーク生まれの日系アメリカ人だけど、ちょっと事情があって今は日本に住んでるの。それ以外はどこにでもいる普通の女の子。
……ねえ、ちょっとちょっと、こんな説明から始まるのは大概普通のじゃないって?それは君たちの偏見じゃない?
……わかった、私のことを信じられないのはわかったから。それじゃあ私がいかに普通かを私の一日を見せて証明してあげる。
朝7:30に起きたら朝食のゼリー飲料で済ませる。因みに最近はバナナ味が気に入って毎日食べている。先週はリンゴ味がマイブームだった。そしてブルーグリーンのリュックを背負いイヤホンを付けて家を出る。
イヤホンからはお気に入りの音楽を流しながら歩く。家から30分ほど歩けば学校に着く。
……そして学校に向かう途中にある公園のベンチをチラっと見て、そこには誰も座っていない事を確認して肩を落とす。初めてあの人と出会った4月から毎日続けている……もう3か月続けているので習慣化している。
(今日はあの人、いないな)
少しだけ……ほんの少しだけがっかりしていると、後ろから強い衝撃を受けた。
「ペニー、おはよう!」
「わっ!」
突然の後ろから抱き着かれたけど、抱き着いてきたのが誰なのかが分かったので、私はイヤホンを外しながら笑顔で彼女を迎え入れる。
「おはよう潤!」
「ノンノン、これからは私の事MJって呼んで」
「え……目黒潤だからイニシャルで呼んで欲しいってこと?」
「イエス」
「……似合わないよ?」
「苗字も名前も可愛くないから、MJって呼んでよ!」
潤はそう言った後に公園の方を見た後に、ニヤニヤと私の顔を見て来た。
「……何よ」
「そういえば、今日はあの人いないね?」
「べ、別に、
「アハハ、誰も
「………」
そんな風に揶揄われながら登校をする。そして普通に授業を受けて、普通に下校をする。
昼食は買ってきた総菜パンで済ませ……え、授業シーン?特に面白味無いからCutCut。
潤と一緒に下校をし、帰り道の途中にあるコーヒーチェーン店に立ち寄り複数のケーキを購入する。
帰り道の途中でまた公園のベンチをチラ見して、またあの人がいないことを残念に思ったところを潤に揶揄われる。
「また明日ね!」
「うん、また明日!」
そう言って潤と別れた後は、SNSなどでおしゃれなお店をチェックしながら歩く。
そして私しかいない家に帰ったら部屋に明かりを付け、買ってきたケーキを食べながら学校の宿題をする。
(あ、このケーキ美味しい。今度翔さんにおすすめしよっかな?)
そんなことを思いながら宿題を終わらせ、明日の授業の予習も行う。
……ほらね、ここまでの私を見れば普通に学校で勉強をして、普通の生活をしている女の子でしょ?
……ごめん、嘘をついた。
私は全然普通の女の子じゃない。
「
勉強が一段落した私は蜘蛛の親友に呼びかけ家の中にある地下室に入り、そこに鎮座する丸くて赤いパワードスーツに乗り込む。
この蜘蛛の名前はSP//dr。SP//drはこのパワードスーツに住んでいて、このパワードスーツのCPU。
私は放射性の蜘蛛であるSP//drに噛まれた時から普通の女の子ではなくなった。SP//drに噛まれるとSP//drとサイキックリンクで繋がって、このパワードスーツを操ることが出来る。
そして自分の危険や他人の危険を察知する能力に目覚めた。これを私はスパイダーセンスと呼んでいる。
サイキックリンクとスパイダーセンス以外は普通の人間だよ。あとはちょっと機械いじりが得意なだけの女の子。
「大いなる力には大いなる責任が伴う……そうだよね、パパ」
私はパパの最後の言葉を胸に抱き、今日もヒーロー活動を行う。
「イィ、ヤッホー!!」
赤いパワードスーツに入った私はスーツに搭載されている蜘蛛のような壁に張り付く機能やウェブ(蜘蛛糸)を発射する機能を使って東京の空を跳びまわる。
「Hey、どうもこんばんは。こんな時間にみんな集まって何してるの?パーティーの準備?」
そして早速問題ごとに出くわした。怖い顔の人たち(おそらくジャパニーズヤクザ?)がコソコソと集まって何かの取引をしていたのを見つけたので声をかける。
ボイスチェンジャーとかを使っていないが、日常で話しているよりも陽気で意識して声の感じを変えて話している。
「パーティにしては物騒なものや人を集めているね?」
「こ、こいつは!!」
そう言ってら相手は銃を向けて撃ってくる。日本の治安が良かったとか今は昔の話だね。私は慌てずにSP//drに銃弾を避けさせて拳や糸で無力化していく。
「そんな危ないの女の子に向けないでよ。キャア、怖いよ~」
「この、舐めやがって!!」
明らかに怪しい薬が入った注射器を取り出してきた。おっと、あれは――
「あー、パーティーグッズは何かなって思ったら
変身薬が入った注射器を持った相手の手を壁に拘束して注射器を叩き割る。
「お前なんてことを!?」
「おっと、変身させないよ!……というか、それ商品でしょ?自分で使っていいの?」
……まあ、こんな感じで事件を解決していっている。戦闘に巻き込まれた一般市民を助けたり、事故に合いそうになった人を助けたりしていた。
「助けてくれてありがとう、スパイダーガール」
「どういたしまして。やあ、日本のみんな。私は親愛なる隣人スパイダーガール」
「今日もありがとう、愛してるぜ!」
「嬉しいけど、気持ちだけ受け取っておくね!」
「写真いいですか?」
「どうぞどうぞ」
そうやって私はファンサービスを行っていると青い制服を着た人達がやって来た。
「ああ、どうもお巡りさん。いつもご苦労様です……それ、今日のお土産です」
私はそう言って先ほど戦闘をしていたヤクザどもを引き渡す。
「拳銃の所持と発砲による銃刀法違反、あと薬物が入った注射器を所持し販売をしようとしていました」
「そうか、協力を感謝する……そしてスパイダーガール、話があるから署まで同行してくれないか?」
「いいんですよ、わざわざ感謝状やお礼なんて準備しなくても。私は私のできる事を……」
「いや、ヴィジランテ的な活動は認められていないし、あと君は未成年だよね?それなら深夜徘徊で補導対象――」
「……あ、また誰かが呼んでいるから、BayBay♪」
「こら待て、逃げるな!!」
私は警察から逃げ始めた。ビルとビルの間をウェブを使って移動する。風を切る音がSP//drの中にいても聞こえてくるのが心地いい。
(今日は組織的な犯罪をするヤクザとか組織に属さず能力を持て余して暴れるヴィランも少ない……比較的に平和な日だな)
そんなことを思いながらスウィングしているとダンッ!!と、近くから大きな音が聞こえた。因みにだけど、私はウェブで高層ビルの間を移動してて、小休憩でビルの壁に張り付いていた。普通の人間はこんな高い場所に来れない。
つまり、相手は普通の人間ではない。
(はぁ……面倒くさいのが来ちゃった)
私はため息を吐きながら、ソイツと向かい合う。
「また私の邪魔をするのね、コオロギ男」
「つれないな、俺はお前と遊ぶのが大好きなのに」
ビルに張り付いている私の目の前に、黒い男が……ビルの壁に対して垂直に立っていた。
男の身長は185センチほどで全身を黒いボディアーマーを着け、顔は赤いゴーグル付きのマスクで顔を隠している。マスクに覆われていない部分から少しだけ金髪が見えているけど、作り物っぽそうで、本人の特定に役立たないだろう。
全身黒ずくめの彼は異常に発達した強靭な脚でビルのコンクリートを砕くことが出来る。その強力な脚力でビルの壁を掴むことで立っている。
彼の名前は『クリケット』、善人悪人を問わずに用心棒や護衛を仕事をしているヴィランだ……悪人の護衛をすることが圧倒的に多いけど。クリケット(和名でコオロギ)の名前の通り、コオロギの
……私より、名前通りの
「どうせ私を邪魔しろって命令を受けたんでしょ?他にもいろいろ仕事があるのにわざわざ悪人の護衛だなんて……仕事変えたら?ハローワークに行けばいい仕事勧めてくれるかもよ?」
「残念ながら、好きでこの仕事してるんでね!!」
そう言って、クリケットは私に飛び掛かってくる……が、私には彼の姿は見えない。速すぎて普通の人間の視力では認識できないのだ。スパイダーセンス頼りに危険予知して回避できているだけだ。
(クリケット専用の行動予測アプリ起動。移動先を限定するためのウェブを出すと同時に移動用のウェブを……あ、コイツまた私が張ったウェブを利用してる!!)
私が超高速戦闘の処理が追い付いていないところにクリケットは思いっきり蹴ってきた。ギリギリ反応が間に合い何とか防御できたけど、スパイダーの中では強力な蹴りの衝撃が響いた。
「ハハハ、いい、いいぞ!!お前との戦いは格別だぜぇ!!」
「このぉ……戦闘狂がぁ!!」
そして、私たちは1時間ほど激戦を繰り広げる。今日は私の勝ち……いや、大体勝ってるよ?勝率は7割……いや、6割……5割かな……
今日のヒーロー活動が終わり帰宅すると、もうすぐ0時になる。私はパワードスーツを保管兼修理スペースに戻す。SP//drは専用ベットに入らせて労った後に自分の部屋に移動する。
「あのコオロギ野郎め、バッタみたいな足で思いっきり蹴りやがって……まだ頭くらくらしてる気がする……まあ、私の方は電気ショック与えてやったからお相子か」
そう言って頭をかるく押さえながら今度は私服で外に出る。
「………」
朝と夕方に公園にいなかったから、この時間なら彼がいるはずと考えなら公園に向かう。
そして、お目当ての人がベンチに座っていた。
日本人にしては高い身長で183センチ、日々のトレーニングで筋肉をつけておりかなり大柄。茶色交じりの短い黒髪で、茶色い瞳。
彼の名前は夜摩翔。高校入学初日にナンパされて困っていた時に助けてもらってからの付き合いになる。
私は彼の事が――
「お?こんばんはペニー、こんな遅い時間に出歩くのは危ないぞ?」
そう彼に挨拶をされて嬉しい気持ちになり、思考を中断する。
「翔さん!!」
「はぁ、夜遅くだ。あまり大きな声を出すな」
「はーい」
そう言って、私は彼の隣に座る。
「いつも言っているが、深夜徘徊で補導だぞ?」
「この地区の担当はサボってるから、そんなこと起きないよ」
「それもそうか……なら、今度あの警部にチクってやろうかな」
「それはやめて!この間、怒られたばかりなの!!」
「ははは」
そして私たちはしばらくの間雑談をする。お互いにケーキや冷製スープをおすすめしようと考えていたと分かった時は笑ってしまった。
「クッソ、まだビリビリしてる感じがする」
「え、何かあったの?」
翔さんが首を回しながらぼそりと言う。
「あー、仕事帰りに寄った風呂屋の電気風呂がいまいち合わなかったんだ」
「そうなんだ……そういうの危ないから控えたら?」
「そうだな……そういうお前もなんか疲れた様子だけど」
「え、そ、そんなことないよ、アハハハ」
ふと時間を確認すると、0時55分。もうこんな時間なのかと残念に思う。
「夜も遅いし、家まで送るぞ」
「う、うん……それじゃあ、お願いします」
そう言って彼は私を家まで送ってもらった。彼は公園の近くに止めてある自分のバイクを使わなかった。そのおかげで彼と沢山話が出来た。今日は幸せだな……今は1時になるところで今日が始まったばかりか。
なら、今日は良い一日になる!
「Bay、またな」
「うん、Bay!!また明日!!」
「それは約束できないな」
そう言って私は玄関の扉を閉める。自室のベットに横になり顔の火照りを自覚する。
「……私、変な事言ってないよね?変な事してないよね?」
暫くの間悶々としていたけど、お互いに笑いあって話しが出来ていたから気にすることじゃないなと思い直し明日の為に眠りにつく。
私、ピーター・パーカー。
スパイダーガールとしてヒーロー活動をしているけど、普通に恋をする女子高生だ。
7月中旬、来週から夏休みが始まる。
「夏休み……水着どうしようかな」
翔さんを海やプールに誘って……いや、大胆すぎるかな?いやでも、大切な時間を大切な人と――いやいや、大切な人って私は何を言って……
そんなことを考えていたら寝る事が出来ず、いつの間にか朝になっていた。
その日の授業は襲い掛かる睡魔に耐えるある意味地獄を味わった。