東雲の海に、君は筆を執る   作:とばりん

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21話 認められた絆

 

 

 

 

 

演習終了のブザーが海域に響き渡る。

 

 

 

戦術モニターに表示された判定は_______________________

 

 

 

 

 

 

 

『戦術的勝利』

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……ッ!?戦術的勝利…この私がたった5隻の、それも素人同然の小娘に戦術敗北したというの……!?」

 

 

 

相手のベテラン提督は、信じられないものを見る目で画面と絵名を見比べ、顔を真っ赤にして激高する。

 

 

相手の艦隊は判定の上で敗北となっただけでなく、マニュアル通りの完璧な陣形を「5人の癖を見破った奇襲」によって見事に乱され、戦術的に完全に後手に回されていたのだ。

 

 

「無礼な……!!認めないわ、こんな戦い方……!」

 

憤慨しながら去ろうとする提督を制するように、相手の旗艦・大和が絵名の元へ静かに歩み寄ってきた

 

 

「東雲提督……

見事な指揮でした。判定は私たちの負けです。最初は5隻と聞いて甘く見ておりましたが…

貴女のその『目』と、艦娘たちへの深い理解に脱帽いたしました」

 

 

 

 

大和は深々と頭を下げ、そして優しく微笑んだ。

 

 

 

「貴女の鎮守府の5人が、なぜあれほど強いのか分かりました。彼女たちは兵器としてではなく......1人の存在として、貴女に愛されているのですね」

 

 

 

 

 

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大和たちが去った後、波止場には沈む夕日と

ボロボロになりながらも晴れやかな顔をした5人の艦娘が立っていた。

 

 

 

「ヘヘッ、見たかエリートども!アタシたちの提督を舐めんなっての」

 

川内が快勝のように笑い飛ばす。

 

 

「ふ、ふん!引き分けなんて満足いかないわよ! 次は勝つんだからね!」

満潮は相変わらずツンツンしているものの、その目は絵名への誇らしさで輝いていた。

 

 

加賀が絵名の隣に静かに立ち夕暮れの海を見つめる。

「絵名。貴女の『目』はどんなエリート提督の戦術書よりも鋭く、そして温かい」

 

 

 

「...うん。私、絵はまだ描けない。

手も震えるし、スケッチブックを開くのも怖い……」

 

 

絵名は自分の震える右手を見つめ・・・それから

5人の顔を一人ひとり見つめ直した。

 

 

 

 

「でも、みんなの動きや頑張ってる姿をこうやって見てるだけで…私、みんなと繋がれるんだって分かったから」

 

 

 

 

絵名は涙をぬぐい、夕日に向かって最高の笑顔を見せた。

 

 

 

 

「私、絶対に負けない。

絵が描けるようになるその日まで…この目で、みんなのこと誰よりも見続けるからね!」

 

 

 

 

 

 

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