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『
『
アジト的なのがあって、内乱でも起きてるのか?
それぐらいしか考えられない。
けどそれ以上に不気味なことがある。
「人の気配がない…こういう所って、必ず数人でも人がいるようなものだけど……?」
辺りを見渡しても人っ子一人見つからない。
作業員か警備員の一人や二人ぐらいは遭遇してもおかしくないはず。
雄英のグラウンドと違ってここは本当の工業地帯だから余計にだ。
だけど『
距離的にはもうすぐそこって感じだから、ひとまず、感知に従って示されてる場所に――
「――えっ?」
目の前に、独特な絵画のような何かが現れた。
美術とかで描かれたような画風が、無茶苦茶に混ぜ込んだような感じにも見える。
とても不気味で……もはやそれしか例えられない。
それどころか『
文字っぽいのもあるけど、読めない……でも、この先に感知している何かがいるのなら、見過ごせない。行くしかない。
大丈夫、"個性"は使える。
何かの手掛かりにもなるかもしれない。
そう思いながら、僕はその中へと踏み入れた。
※ ※ ※
「なんだ、ここ……」
それが最初に出た感想だった。
急に工場地帯じゃなくなり、足場が全くない。
あるのは電柱と電柱同士を繋げる電線…そして電線で乾されている何着ものセーラー服だけだ。
下を見ても、地面が見えない……まるで果ての底まで電柱だけが伸びてるような……それに電柱のいくつかには人の腕が伸びてる。
余にも不気味だ……この世界が僕の知る世界じゃないのはもうわかってるけど、これは"個性"、もしくは別の何かによって作られた空間的なものなのか?
『
「――ッ!」
何か、滑るような音が聞こえて振り返ったけど何もいない。
だけどまた同じ音が聞こえる。
一体なんだ…何がいる?ここが『
「えっ? なっ!?」
何かが落ちて来たと思ったら次から次へと落ちて来て、その正体に驚愕した。
学校の机と椅子だ。
こんな空間にいきなり上から降って来た。
すると『
咄嗟に感知が示す方へ向け…向け……――
「なんだ…こいつ……!?」
腕を四本生やし、足の先すら手となっている。
セーラー服を身に纏った巨大な、異形型としか言い当てられない存在が、器用に、慣れたように電線を掴みながらそこにいた。
しかもコイツ……顔がない!!!
さっきまではいなかったはず!?
こっちに気づかぬうちに来たのか、それとも姿を消していたのか、それすら今となっては分からない。
もしかしたら僕が見落としていた可能性だってあるんだ。
なにより『
つまりこいつが……!!
「ッ!」
『
するとさっきまでいたところに何かが飛来してきて、衝突していた。
煙が立ち上る中、『
煙が晴れて着弾点を見ればそこに影がいたけど、その姿に驚愕した。
「か、下半身だけ!?」
女子の下半身、それもスケートを履いている。
生物的に、人間的に絶対に生きれないはずのそれが当たり前のように動いている。
しかも同じ姿…いや、これはもはや個体だ。それらがわんさかと湧いて、電線の上を滑っている。
本体は十中八九、あの巨大な奴だ。
見ればスカートの中からさっきの下半身だけの個体と学校の机と椅子を放出している。
まるで虫でいう、女王に当たる存在で小さい個体が働きバチとかのような感じだ。
するとまた『
同時に小さい個体たちが一斉に襲い掛かってきて、【エアフォース】による推進で躱す。
顔がない以上、対話はできないのは大前提に考えなきゃいけない。
そもそも顔がないのに生命として動いていられること自体が信じられない。
普通、心臓か頭のどちらかを失えば生命は活動を止めて死んでしまうはずだ。
脳無でさえ、頭部を潰せば活動を完全に停止していたのに、こいつらはそれすら遥かに凌駕して活動している。
幸いなのは、まだ街に出ていないから被害がないことだろう。
いや、こんな空間を作り出しているのかわからないけど、ここにいるってことは街に姿を現すことはないのかもしれない。
どっちにしても、敵意があるならここでこいつは止めないと!!
「『
『
認識できるだけじゃない、ちゃんと接触できる。
歴代"個性"も、問題なく馴染んでかつてのように自然に扱える…これならいける!
拘束した奴らを、別の方向から迫ってくる奴らにぶつける!
動きの俊敏性は高いけど、戦闘能力自体はそこまで高くないか…他の個体も【エアフォース】で吹き飛ばしてから電柱に着地し、電線の上に沿って駆け出す。
その間にも大きい奴は追加で個体たち、さらに机と椅子を僕に向けて射出してくる。
『
「移動しだした!?」
巨大な奴が四本の腕と足の手で電線を掴みながら移動しだした。
それも僕から離れようとしている。
生物的本能で理解しているのか、ハイエンドのように知性があるのかわからないけど、簡単に倒せるわけではなさそうだ。
そうだ、ここはアイツが作った空間の可能性だってあるから、自身の領域は一番把握できて当然だ。
でもこっちだって移動手段は十分ある。
「『
『
すると一気に距離を詰められたのに焦ったのか、さらに多くの個体を射出してくる。
【――セントルイススマッシュ エアフォース!!!!】
出力を45%まで引き上げながら【セントルイス】の【エアフォース】を放つ。
それによって一気に飛んできた個体たちは一斉に吹き飛ばされた。
その瞬間に開いた道から、『
奴自身を掴んでこっちに引っ張ることは対格差的に、抵抗されたら出来ない。
何より足場が悪い以上それは返って僕自身を追い詰めてしまう。
「一気に決める!!」
片手からもう一本、『
足に蓄積されたエネルギーをしっかり感じる…行ける!巨大な奴が足の手を伸ばしてくるけど、それよりも速く放出する!!
『
【――マンチェスタースマッシュ!!!!】
一瞬にして飛び出し、その手をも間をすり抜けて一気に【マンチェスター】を叩きこんだ。
瞬間、その衝撃波が周囲に吹き荒れ、巨大な奴の手も激しく荒れるように動いていた。
それでも止めることなく押し込み続け、そして吹き飛ばした。
多くの電線に引っ掛かりることでやがて止まるも、そいつは声を上げることなく、全体が黒く滲み始めた。まだ何かあるのかと警戒する…だけど――
「――えっ?」
動かなくなったその肉体は完全に黒く染まり、崩れるように消滅した。
同時に周囲も変異して入る前の、あの工場地帯の場所に変わった。
いや、これは戻ったって言った方がいいのか?
周りを見てもあの工場地帯、足場もちゃんとある。
「倒した…ってことでいいのだろうか?でも脳無とも違って残らないどころか、空間ごと消滅するなんてことあるのか?召喚系の"個性"ならまだしも、本体が……」
そう思考をひたすらアイツのことで動かしていると、何かが落ちる音が後ろから聞こえた。
振り返って視線を下に向ければ、黒い球体が傍に落ちていた。
僕はそれをそっと取り、マジマジと見つめる。
さっきのやつが落としたものなのか?
『
「この世界は、いったい何なんだ?」
短めだし台詞少なくてごめんなさい。
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