「何やコイツ!? 何で量子魚雷6発も喰らって、ピンピンしとんねん!?」
「アカン、硬過ぎ! 何で全方位からのビームに耐えるんや!」
「こうなったらもう、全機で乗り込んで殴り掛かるしかない!!」
「ウオオオオオ!!! ゼルグートⅡ世へ乗り込めぇぇぇぇ!!!」
↓
「あ! アイツ頭だけで逃げよったで!」
「何やねんアイツ! ジオング見たいな事しよって!」
「なあ、ワイ気付いたんやけどさ。この船赤いやん。んで、頭だけで逃げてったやん。あれ乗っとるの、赤い彗星とちゃうか?」
「ほいでも、シャアの専用機は赤や無くてサーモンピンクやで?」
「サザビー見てみい。真っ赤やぞ」
「ほなあれ、赤い彗星か!」
「皆んな、オカン(ドロスAI)が帰って来い言とるで帰るで」
「「「ほいな!」」」
やあ、読者の皆んな。
俺だよ。
え?
俺が誰かって?
この小説内で読者に語り掛けてくる奴なんざ、1人しか居らんじゃろうて。
今更、名乗る必要もあるメェ。
さて、ガミラス相手に盛大なピンポンダッシュをかましてから、大体1ヶ月が経ちました。
我々が進めていた計画――。
【届けこの想い ガミラスMS育成計画】
こちらは、見事に成功を収めました!
何?
そんな計画、聞かされてない?
そりゃあそうよ。
だって言ってないんだもん。
まあ、そんな話はどうでも良い!
この計画の目的は、大ガミラス帝星の帝都バレラスを襲撃すると見せかけて、無傷のザクⅡを何機か置いて来る事!
(大小マゼラン全土へMSの存在を宣伝するという副目標もあった)
ついでに、MS同士による戦闘が頻発するように、大戦争の火蓋まで切ってきた。
これによって、ガミラスのMS研究・開発は大いに進む筈だ!
実際、向こうもMS開発へ本腰を入れ始めているらしい。
――がしかーし!
此処で1つ、大きな問題が発生する。
ガミラスにはMSがある。
これからは、自前で作り始める。
だが、ガミラス以外の国家や植民地にはMSが無い!
研究・開発する余力すら無い!
じゃあ、MSを使った大戦争なんて起こらねえじゃねぇか。
読者の諸君は、そう思った事だろう。
心配ご無用!!!
何故なら、我々がタダでMSを配り歩けばよろしいのだから!!
てな訳で、2週間ほど前から惑星オルタリアでガミラスへ抵抗している民族主義者達へ、ザクⅡを大量にお届けしているのだ。
対価無し、返済不要、しかも武器弾薬付き。
非常に怪しさ満点の申し出なので、最初は警戒されると思っていたのだが……。
意外な事に、殆ど何事も無く受け入れてくれた。
どうやら既に情報が出回っているらしく、向こうじゃニセールジオンも随分と有名になっているらしい。
「全システム、オールグリーン。各種武装、動作確認完了」
コックピット内に表示された情報へ目を通す。
「マリカちゃーん。そっちから見て異常は?」
『外装に異常無し。ステルス機能も正常です』
「あいよ!」
さてさて、これからMSをお届けに行く訳だが。
当然、惑星オルタリアは無防備ではない。
現在、反乱鎮圧の為に派遣されたガミラス艦隊が常駐中。
更に地上にも、大多数をガミロイドで構成した部隊が各地へ展開している。
つまり、普通にドロスで近付けば、まず間違いなく見つかる。
そしてドロスが発見されれば、ガミラスは大艦隊を差し向けて来るだろう。
そうなれば、せっかくMSを広め始めたオルタリアが焼け野原になってしまう。
ささっと、ガミラス軍を全部ぶちのめしても良いのだが、独立ってのは自分達の手で勝ち取ってこそ意味がある。
突然やって来た余所者が、圧倒的な力で支配者を全部倒すなんてのはナンセンスだ!
そんな訳で、極力ガミラス側へ気付かれないよう潜入しなくてはならない。
「OK。出撃スタンバイ」
全体的に茶褐色で大きく丸い頭部に、寸胴で丸みを帯びた胴体。
短く太い脚に、それ以上に太い両腕。
全体的なシルエットは、巨大な潜水服。
あるいは、歪な熊にも見える。
MSM-04 アッガイ。
今回のような敵地への潜入任務には、コイツが適任だ。
無論、普通のアッガイではない。
熱源遮断。
重力波・レーダー波吸収。
無音重力推進。
更には、敵のレーダー波を解析し、逆に偽情報を送り込むアクティブステルス装置まで搭載している。
(マクロスに出てくるアレ)
最早、このアッガイを通常のレーダーで捉える事など、不可能!
超ステルス特化型次元潜航MSなのだ!
では此処で、1つ疑問が浮かぶだろう。
一体どうやって、全高19mほどしか無いアッガイで、18m近いザクⅡを何十機も運ぶのか?
『積荷はちゃんと持ちましたか?』
「バッチリだ。ダンボールに60機入ってる」
それにはこの、『縮小拡大光線銃』を使う。
某青いのが持っていたスモールなんたらと、ビックなんたらを合体させて、光線銃型にしたビックリドッキリアイテムである!
コイツを使ってザクⅡを1/144サイズまで縮小。
そのままダンボールへ詰め込み、受け渡す時に元の大きさへ戻す。
実に簡単!
実に便利!
因みこの銃、やろうと思えば惑星すら縮小出来る激ヤバアイテムだったりする。
武器として絶対に使ってはならない。
色んなロマンが死ぬから!
「さて」
操縦桿を握る。
「そろそろ行くか」
発進準備が完了し、カタパルトが動き始める。
「アッガイ、出るぞ!」
機体が勢い良く射出された。
その先に広がっていたのは、星々煌めく宇宙空間――ではなく。
緑色に染まった、不気味な亜空間だ。
え?
何でカタパルトから出た瞬間、亜空間なのかって?
そりゃあオメェ。
ドロス自体が次元潜航してるからよ。
推定アケイリアス文明と同等の存在が造った船なのだ。
このくらい出来ても、おかしくはなかろうて。
「ふっふっふっ……」
亜空間を進みながら、俺は思わず笑みを浮かべる。
「今回の運搬が終われば、そろそろ民族主義者達もおっぱじめるだろうな」
向こうのリーダーも、これ以上血気盛んな若い連中を押し留めるのは難しいだろう。
今回持って行く分を合わせれば、彼らの手元にあるザクⅡは300機。
更に、とある山岳地帯の奥深くには、こちらで秘密基地まで造ってプレゼント済み。
1000機程度のMSなら、余裕を持って補給・整備出来る規模の大施設だ。
しかも。
小規模ながら、MS製造工場まで付いている。
予備部品、武器弾薬、各種資材。
300機をフル稼働させても当分困らないだけの物資も、既に備蓄してある。
至れり尽くせり。
ここまで準備してやれば。
後は、彼ら次第だ。
「力を持った者ってのは……」
俺は、誰に言うでもなく呟いた。
「使ってみたくなるもんだからな」
例え。
それが、誰かから貰った力だったとしても。
「――俺を含めてな」
茶褐色の魔物は、誰にも気付かれる事なく惑星オルタリアへ向け、亜空間を進んで行く。
==========
雪深い山々の中。
古びた寺院が聳えるその山の内部には、外からは想像も出来ない広大な空間が広がっていた。
所々に剥き出しの岩肌こそ残っているものの、床や天井は整備され、照明や空調などの居住設備も完備されている。
その最奥。
幾つものMS用ハンガーデッキが立ち並び、そこには赤褐色に塗られたザクⅡが整然と収められていた。
その手前には整備工場。
更に奥には、予備部品や武器弾薬を保管する巨大な倉庫が続く。
もはや単なる秘密基地などではない。
大規模な軍事拠点と呼ぶべき施設だった。
だが、この基地を作り上げたのは、オルタリア人ではない。
今から2週間ほど前。
突如として現れた異星人達が、ガミラスの支配へ抵抗するオルタリア民族主義者達の為に、僅か数日で建造した物である。
独立を支援すると言われた時。
まさか、これほど大規模な基地まで丸ごと渡されるとは、誰も想像していなかったオルタリア人達は大いに困惑した。
だがそれ以上に、ガミラスへ対抗出来る力を手に入れた。
その事実を、何よりも喜んでいた。
「102番ハンガーをさっさと空けろ! もう直ぐ追加のザクが入って来るぞ!」
「おい! ザク・マシンガンの弾薬は2番倉庫だ!」
「各パイロットは受け入れ準備に入れ! 総帥を待たせるな!」
基地内が、俄かに慌ただしくなる。
赤褐色の肌。
そして、顔へ特徴的なペイントを施したオルタリア人達が、至る所を走り回っていた。
追加されるMSの受け入れ準備。
武器弾薬の確認。
ハンガーの整理。
誰もが忙しそうに動いている。
「リーダー」
1人の若いオルタリア人が、作業を眺めていた男へ駆け寄って来た。
「間もなく、総帥が到着します」
報告を受けた男が、ゆっくりと振り返る。
長い黒髪。
整えられた顎髭。
額には、オルタリア人特有の緑色のペイント。
鋭い目付きと精悍な顔立ちを持つこの男は、民族主義者達を率いるリーダーである。
「うむ。いつも通り、失礼の無いようにな」
「はっ!」
若者は嬉しそうに返事をすると、足早にその場を去って行った。
「…………」
リーダーは、その背中を黙って見送る。
僅かに、眉を顰めながら。
「そろそろ――」
彼の背後から、声が掛かった。
「若造共を抑えるのも、限界のようですな」
そこには、少々恰幅の良い男が立っていた。
立派な口髭を蓄えた、民族主義者達の副リーダーである。
「……ああ」
リーダーが、静かに答え頷いた。
「本当なら、もう少し準備を進めてから始めたかったのだがな」
そう言いながら、視線をハンガーへ向ける。
何十機もの、彼らの肌と同じ赤褐色のザクⅡが、静かに並んでいた。
「これだけの力を与えられりゃあ」
副リーダーもザクⅡを見上げる。
「我慢する方が無理という物ですかな」
「そういう事だろう」
リーダーから、小さな溜め息が漏れた。
ザクⅡを手に入れてから2週間。
若者達の間では、日に日に開戦を求める声が強くなっている。
今まで、彼らには力が無かった。
ガミラスへの憎しみがあっても。
独立を願っていても。
圧倒的な軍事力を前に、耐え忍ぶしかなかった。
だが、今は違う。
自分達の目の前に、ガミラス軍を何度も打ち破った兵器が、何百機も並んでいる。
それを使わず、ただ眺めていろと言う方が難しい。
「長い付き合いだ」
副リーダーが、隣に立つ男へ視線を向ける。
「お前さんが何を不安に思っているのかも、分かっている」
「…………」
力を手に入れた事を喜ぶ者達が居る一方で、不安を抱く者達も少なくなかった。
余りにも都合が良過ぎると。
突如現れた異星人。
無償で与えられる最新兵器。
基地、弾薬、補給設備。
何の見返りも求めない支援。
警戒するなと言う方が、無理な話しではないか。
「だが」
リーダーは、ザクⅡを見上げながら言葉を続ける。
「ガミラスから独立を勝ち取る為には、この支援を拒むという選択肢は取れん。奴等の力は……強大だ」
暫しの沈黙が続く。
やがて、副リーダーが静かに尋ねた。
「例え――」
その声には、僅かな警戒が混じっている。
「我々が、利用されていたとしてもですかな?」
「…………」
リーダーは直ぐには答えなかった。
視線の先には、ニセールジオンから与えられた、無数のザクⅡ。
自分達の未来を変えるかもしれない力。
「……そうだ」
例え利用されているとしても。
今のオルタリアには、その力が必要なのだ。
「そう思っとるなら、自分の専用機を眺める時に、あんまり嬉しそうな顔をせん方が良いと思いますぞ」
薄笑いを浮かべながら指摘する副リーダー。
その言葉に、リーダーは少し困ったような顔をして肩を竦めた。
「それは君とて同じだろう?」
「ふっはっはっはっは! それは仕方ありますまい!」
2人は顔を見合わせる。
揃って、獰猛そうな笑みを浮かべた。
「男たる者、自分だけの専用機を与えられれば、心が躍るというものですわい!」
「ふっふっふ……違いない」
笑い合う2人の背後。
そこには、量産型のザクⅡとは明らかに異なる2機のMSが立っていた。
ニセールジオンから、彼らの為だけに送られた力が。
その場に、立っていた。
度々、主人公がメタ発言繰り返してますが、多分あの人こちら側が見えてるタイプの人なので許して下さい。
クト「駄目です」
何故!?
クト「ガッシャ最強、ガッシャ最強。お前もガッシャ最強と言いなさい」
アイエ!? 話しが通じない!?