一話
僕の名前は
高校一年生だ。
僕は、人とあんまり話すのが得意じゃない。友達は...今はいない。
僕にだって友達はいた。そう。いたんだ。
”あの日までは。”
「ゲーセン行こうぜ」
中学校終わりのなんでもない日だった。いつもの日常だった。いつも通り遊んで、時間がたって、帰る時間になった。
「わりー。今日は早く帰ってこいって言われたからいつもの道じゃなくて早いほうの道で行くわ」
あいつはそう言った。時折そう言って僕の帰り道じゃなくて違う道で帰っていく。今日はその日か。そんな程度にしか気に留めなかった。
「オッケー。またあそぼ!」
「おう!またな!」
僕は、そのまま自転車に乗って家へ帰った。向こうで起きてることなんかつゆ知らず。
「え?」
帰ってから、思わずそんな声を出した。
「あなたのお友達なんだけど...さっき、交通事故にあって、救急車で運ばれたって...」
お母さんはそう言った。そんなはずない。さっきまで、いつも通りの笑顔で別れたじゃないか。
「え?...冗談...だよね?」
「...本当なのよ。」
お母さんの真剣な顔で、本当のことだと察した。
「...あいつに会いにいきたい」
気づいたらその言葉が口から出ていた。
「..そういうと思ったわ。早く..行きましょ。」
病院に着いて...僕は...悲しみに明け暮れた。
「嘘だよね?...嘘だと言ってよ....」
あいつは...いつものあいつは...帰ってこなかった。僕は、勢いに任せて病院を飛び出した。そこからはあまり記憶がない。
気づいたら、次の日になっていた。学校には行かなかった。行けなかった。好きだったゲーセンやゲームを手につかなくなった。
遺族の人達は、「あなたは悪くないわよ」と慰めてくれた。けれど、喪失感がすごかった。
それから葬式に行ったりして何日か経って、久々に学校に行くことにした。
あいつがいなくなったのが知れ渡ったのか、学級全体に暗いムードが漂っていた。
そして、ある時突然誰かが言い出した。
「霞が一緒に行かなかったのが悪いんじゃね?」
「え?」
「だってさ、霞と遊んで帰るときに事故にあったんだろ?霞が一緒に行ってれば事故なんか起きなかったかもじゃん。」
「え?で、でも」
「でもじゃねぇよ。お前が殺したんだぞ」
「ぼ、僕、そんなことなんか、、」
「人のこと殺しといて何言ってんだよこのゴミ」
その日はなんとか耐えた。けど、次の日からは、クラスのみんなから言われるようになっていった。
「今日も行くのか...」
日にちを重ねるごとにみんなの対応は暴言からいじめへと変わっていった。
暴言、暴力は当たり前、時には集団リンチ、火で焼かれるというのもあった。
毎日そんなことを受けていたら学校に行きたくなくなるのも当然だ。ただ、僕は学校に通い続けていた。お母さんには心配をかけたくなかったし、高校受験のためにも勉強はしておきたかったから。ただ、僕の心と体が限界を迎えた。
「...行きたくない」
僕の体は傷だらけで、心の奥底は”自殺”を望んでいた。
あるとき、僕は決意した。
「明日....死のう」
「...今日で終わりか」
学校に行くのも、ご飯を食べるのも、こうして考えを巡らせるのも、辛い思いをするのも今日で終わりだ。
「...行ってきます。」
「いってらっしゃい。気を付けてね」
心が痛かった。遺書は一応残してきた。
「...さよなら。お母さん」
小声でつぶやいた。
「なんか言ったかしら?」
「いや?何も?」
僕は出来るだけ平静を保った。お母さんから見たら泣きそうになってるんじゃないかという心のあれ具合だったから、少し不安になった。特に何も言われなかったから、おそらく大丈夫だったんだろう。
僕はそのまま学校を終えた。いつも通り暴力は振るわれた。でも、今日解放されると考えたら、気持ちが楽だった。
「気を付け 礼 さようなら」
その声が聞こえた瞬間、僕は教室を飛び出した。
「おい!逃げんじゃねぇよ!」
そんな声がしたが、僕は急いで昇降口で靴を履き、勢いそのまま近くの山へ向かった。
ここまでくれば大丈夫だろう。山というほどの山ではないが、一発で死ねる崖くらいはある。隠し持っていたスマホを見ると、時間は午後5時を回り、暗くなり始めた頃だった。
「ここでいいかな」
僕は、お目当ての崖を見つけた。せいぜい20mあるかくらいの崖だが、頭から落ちれば死ねるはずだ。もし生き延びてしまったとしても、睡眠薬を持ってきているから、
「...よし、飛ぼう」
そうして飛ぼうとしたとき、、、
???「本当にいいのかしら?」
誰かがそう言った。
霞「え???だ、、、だれ?」
「私は
八雲紫と名乗った金髪の女性。午後の5時の山の崖上になぜいるのか?そもそも、さっきまでいなかったはずなのに、どこから現れたのか?様々な疑問が頭をよぎる。
霞「ど、、、どこから来たの??というか何でこんな場所に?」
紫「そっくりそのまま返すわ」
霞「あ、確かに、、、」
紫「それよりあなた、何のためにこんなとこいたのかしら?」
霞「....」
紫「あなた、、、自殺しに来たでしょ」
霞「、、、!」
紫「その顔、、、どうやら図星みたいね」
霞「い、、いや、、そんなつもりじゃ、、、」
紫「では、何をしに来たのかしら?」
霞「...」
紫「答えられないあたり、あなた、自殺するつもりで来たでしょ」
霞「...じゃあ、あなたは何のために来たんですか?」
紫「私は、あなたの自殺を止めに来たのよ」
は?思わずそう言いそうになった。止めに来たということは、僕が自殺しに来たのを知っているということだ。
霞「僕が、、、自殺しに来たのを最初から知っていたんですか?」
紫「えぇ」
どういうことかわからない。僕の知っている人の中にこんな人はいないはずだ。
霞「もしかして、、、僕が受けていたことも?」
紫「えぇ、、、」
霞「...何で知ってるんですか?」
紫「私の能力で見たのよ」
わけがわからないよ。能力??そんなのはアニメとかでしか聞いたことがない。
霞「能力って、、、なんですか?」
紫「幻想郷のことも一緒に話しちゃいましょうか」
紫「私はいつも幻想郷というこことは別の世界に住んでるのよ」
???余計にわけがわからないよ。げんそうきょう?とかいうのもわからないし、別の世界に住んでるとかどういうこと?
紫「私は自殺を止めに来たのもそうなんだけど、あなたをその幻想郷に招待しに来たのよ」
???そのよくわからない世界に招待しに来た?ますますこの人がよくわからなくなる。
霞「えと、、その、、紫さん?」
紫「何かしら。霞君」
うん?ちょっと待った。今「霞君」っていったよね??僕まだ名前教えてないんだけど...まぁ僕の事情とか知ってるってことは本当に能力というものがあるのかもしれないな...
霞「僕が幻想郷に行ったとしてどうなるんですか?」
紫「幻想郷で過ごしてもらうけど?」
霞「その、、、僕が到底認めてもらえるとは思えなくて、、、僕、コミュ障だし、その能力っていうのもないし、、、」
紫「いえ、あなたに能力はあるのよ。今は使えないだけで」
僕に能力がある???そんなの知らないぞ??
紫「それにあなた、、心の奥底で、生きたいと思ってるのよ」
霞「...そんなことは別に...」
紫「そのこと言われて完全に否定しないあたりそうって言ってるようなもんよ」
霞「...」
紫「で、、、このまま死ぬか、幻想郷に行くかだけど」
霞「...」
紫「別にあなたの自由だし、私が強制することは出来ないけど、、、あなたはどっちにする?」
霞「...たいです」
紫「何?」
霞「いきたいです」
紫「幻想郷に行くってことで合ってるわね?」
霞「はい。その幻想郷ってのはよくわかんないですけど、、、どうせ死ぬ命だったんなら、賭けてみようかなって」
紫「なるほどね、、、わかったわ」
紫「それとあなた、よくしゃべれるようになったじゃない」
霞「??」
紫「あなた、私に最初すごく怯えてたじゃない。しかもあなた、自分でも気づいてると思うけど、人間恐怖症じゃない」
霞「え、、、そうだったの?確かに人が怖いとは思い始めてたし、紫さんと最初にあったとき怖かったけど、、、」
霞「そんな僕でも、受け入れてくれますかね?」
紫「まぁその人間恐怖症も一つの個性だし、あなた、幻想郷がなんて言われてるか知ってるかしら」
霞「僕が知ってるわけないじゃないですか」
紫「二つあるのだけど、幻想郷は、すべてを受け入れるとも、忘れられた者たちの楽園とも言われているわ」
霞「すべてを受け入れる、、、こんな僕でも、受け入れてくれますか?」
紫「えぇ、もちろん」
霞「じゃあ、行かせてください」
紫「わかったわ。じゃあ、このスキマに入って」
なんだこれ?行くのはいいけど何あの空間コワイ
霞「は、はい。わかりました」
そうして、そのスキマと呼ばれる空間に入った。
紫「そしたら、私が適当なところ送るから。」
紫「あと、詳しいことは現地で聞いてちょうだい」
霞「わ、わかりました。最初はどこに行けばいいですかね?」
紫「最初は、博麗神社に向かうといいわ。そこに居る巫女さんに声をかければとりあえず何とかなるわよ」
大雑把だなぁ。という声が思わず漏れそうだったが、さすがに怒られるのでやめておいた。
霞「わかりました。それじゃあ送ってください」
紫「わかったわ」
紫「それじゃあ、雲霧 霞、歓迎します。幻想郷へ、ようこそ」
そうして私は、彼、雲霧 霞を見送った。
紫「霞君。あなたは沢山の困難やトラウマに悩まされるでしょう。でも、きっと、幻想郷の人達はあなたを歓迎し、仲間たちと共にその困難を乗り越えることができるでしょう」
???「紫様、新しい子は来てくれたんですか?」
紫「あぁ、藍。えぇ、来てくれたわ。ちゃんと自分で認めてね」
藍「良かったですね。紫様が以前から気にかけ、能力も潜在的にあると仰っていましたし」
紫「えぇ。きっと、この幻想郷を良くしてくれるわ」
頑張りなさい。霞君。声には出さなかった。ただ、今回は、ゆっくり見守ることにしようかしら。
藍「それはそうと紫様、ご飯できてますよ」
紫「分かったわ。それじゃあ食べましょうか」
霞「着いたのかな?ここが、、、幻想郷―――――――」
初めて執筆しましたが、中々難しいですね。これ書くだけ半日くらいかかりましたよ。
自分は自由時間が少々少ないので、時間をかけて書いていこうと思いますので、気長に首を伸ばして待っていてください。
次作に乞うご期待!