20XX年─
突如起こった宇宙外生物の奇襲。
その生物達は『命』を喰らうためにやってきた。
元々あった自然も人間達が築き上げた文化も、今を生きる生物も地球にある全てを食らいつくそうとした。
初めは誰もが抵抗した。
軍のみであらず一般市民までもが自分達の暮らす地球を守ろうと果敢に立ち向かった。
しかし、その生物達に人間は太刀打ち出来なかった。
銃や戦車、しまいには核爆弾も使ったが、それも無駄に終わった。
そして生き残った人々は生きる希望を無くし、生物達に怯える生活が続いた。
それから長い月日が経ち、人々は…
***
「あー、今日もいい空だな~」
ボロボロになり、所々に苔が覆う高層ビルだったもの。
それは空にそびえ立つことなく無惨に横たわっていた。
その上に一人の青年が寝っ転がっていた。
白いシャツに紺のジーンズ。青いパーカーに同色の帽子。
髪の色は明るい茶色。空を見るその瞳は深い蒼。
「は~、ほんとに良い昼寝日和…」
目を閉じ、眠りに入ろうとした青年の傍らにある端末が目の覚めるような大音量の音楽を鳴らす。
「…」
青年は顔をしかめ、仰向けになって端末をとる。
「もしもし?」
『いつまで待たせてんだ馬鹿野郎が!!』
端末越しに響く男性の声に青年は端末から耳を遠ざける。
「うっせーよじいさん。鼓膜破れたらどうすんだ」
『黙らっしゃい!10時になったら戻ってこいって言っただろうが!!』
「あれ、もう10時?」
青年は自分の腕時計を見る。
よく見たら針は10時を超えていた。
「あ~ごめん。今戻るわ」
『早くしろよ?』
ブツッと音を立てて通信が切れる。
青年は立ち上がり、傍らに置いていたウエストポーチに端末を入れ、パーカーを脱ぐ。
「忘れ物無し」
ウエストポーチを腰につけ、パーカーを縛ると少年は軽く準備運動をする。
「さーてと!じいさんがキレる前にさっさと行くか!」
少年は走り、ビルの上からジャンプする。
倒れたビルと言っても高さはかなりある。
そんな所から落ちれば確実に死ぬと思われが、落ちていく少年に異変が起きる。
青年の背中。露となった素肌から赤茶色の翼が広がり、少年の体がふわりと浮かぶ。
そして青年はそのまま翼を広げ、空を翔る。
宇宙外生物により滅びかけている地球。
しかし、人々全員が絶望しているわけではない。
絶望している中でも自由に生きる者達がいる。
滅びかけても昔と変わらず笑って生きる者達がいる。
人々はそんな自由に生きる彼等をこう呼んでいた。
【自由な翼達】
初めて投稿しました。
一様SFファンタジーみたいな感じです