ここは某都道府県のアパート
ソーラン荘
その二〇二号室
「最近早くない?」
「え~と…何を言っているのかな?」
「おん…何が早いか言わな分からんやろ」
「よく分からないこと言うわよね~エル・デル・ヴェギルは」
「いや、早くない?ホント。なんか色んなことがさ」
「色んなことって、例えば?」
「新しい種族がすごいスピードで生まれては消えたり…ネットミームが流行っては廃れ…救世主がどんどん強くなってきたり…一世紀の体感がどんどん早くなってる気がするんだよ」
「まぁ…言われてみれば、確かにね。救世主ってのは君だけの問題だけど」
「そやな」
「種族のことはよく分かんないけどね」
「だろ?!最近の奴なんか時間を止めるとかしてくるんだぜ?人間ももうそこまで来たかって感じだよな~」
「時間停止?そんなこと出来る奴、人類にいたかな?」
「いたって、二週間前くらいに。俺のこと狙ってきた奴。あ、マルケドル、そこのポン酢とって」
「あいよ…うまっ、うまいな。この…なんやっけ、これ」
「しゃぶしゃぶ?」
「そーや、しゃぶしゃぶやん!最近物覚え悪くなってもうて、ホンマあかんわ」
「ふふっ…しゃぶしゃぶ…」
「どうしたん。メギド?」
「いやっ…なんでもない、ふふふ…」
「キッショイ笑い方やなお前。そんな感じやったっけ?」
「ふふふ…」
「あれでしょ?しゃぶしゃぶって。アルストラントス星の原住民の言葉で、クソマズイって意味でしょ?」
「そう…なんだよ…ふふ」
「それで笑ってんや…」
「ふふふ…ゴホン!で、ちなみにその時間を止める奴ってのはどうしたんだい?」
「モグモグ…あぁ、五回目くらいかな?止まった時の中で動けるようになったんだよ。そしたら泣いて帰っちゃった」
「う~わ。性格悪っ」
「なんでだよ!」
「流石~超進化生命体やな」
「褒めてる?」
…ピンポーン
「あ、はーい!」
「ええよ、俺のが近いわ。出てくる」
「お、サンキュ」
「はいは~い…あ、大家さんやないですか!」
「あぁ~マル君!」
「何のご用で?」
「あの~機関の人が来てるよ。君のこと呼んでる」
「え~?今しゃぶしゃぶ食ってんやけど~?」
「え!しゃぶしゃぶ食べてんの?」
「そーなんすけど…あ、俺の分浮いたんで、残るくらいなら、食べたってくださいよ」
「えーいいの!?悪いね~」
「やぁどうもどうも~」
「大家さん。こっち来て食べなよ」
「あ、大家さん。三日ぶりですかね?」
「今朝ぶりねメギド君。マル君から許しを貰ったからね。私も食べさせてもらうよ」
「大家ちゃん。私の隣~」
「えへへ、やった~」
「マルケドルのヤツ、機関に用がある感じですか?」
「そうね。結局、あそこで皆、何してるの?」
「身体の成分の解析とか…」
「私達の人生についてとか…」
「一番聞かれるのは、能力についてですね…」
「へ~。意外と大変なんだね…」
和歌山・千香(ワカヤマ・チカ)
・年齢:28歳
・職業:大家
・趣味:サイクリングとジョギング。最近は、二〇二号室に入り浸ること