えっヘイローって普通は変わらないものなんですか   作:微笑ましい奥歯

10 / 11
[評価バー]|д゚)チラッ
( ゚д゚) ・・・
[評価付き]
(つд⊂)ゴシゴシ
[評価ついたよッ!]
( ゚д゚) ・・・ヒョウカツイテル……
評価して下さった人!ありがとうございます!
さらにいいものが作れるように頑張ります!



9-2度目の人生は何を思う

 

 

 

 

 

 

 

 

___________

___“目を開ける”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん?」

 

 

 

目を開ける、当たり前の動作であるが、今目を開けようとする存在は、まるで開くことが叶わないのがわかっているかのような疑問を感じている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なん…で……ですか……?…私……」

 

ゆっくりと目を開ける、自分がどうなったのかは、自身が一番理解している筈だ

月明かりが目に入ってくるが刺激が強いのか、もう一度目を閉じる

 

 

 

しばらくして目を開け、そのまま体を起こし見回すように首を動かす

 

 

 

 

 

 

「ここは…?部屋…?…でしょうか…」

何故自分が生きているか、は、一旦後回しにし、状況と逃走経路の確認をする

「6畳ほどでしょうか…扉は…開いていますね」

そこまで確認し、自分がここにいる状況を考える

 

「拉致監禁…誘拐…?……それとも実験対象でしょうか?」

私をここに連れてきた理由を考えるが、おそらくそのどれも当てはまらない、理由は、

 

 

「…まずどうやって私の身体を治したか、ですね」

私の身体が完全に治っている、そこに違和感を感じる

 

 

 

そもそも私の死因は衰弱死の筈です、それも、おそらくキヴォトスでも前例が無い[ヘ(・)イ(・)ロ(・)ー(・)の(・)ヒ(・)ビ(・)による衰弱死]です

 

担当の医師からはわからなかったのでしょう、ヘイローは見えますが死ぬ瞬間までは他の人からは通常時の状態にしか見えないようです

 

 

話はそこまでにしましょう

 

 

「とりあえず出口に…あっ…」

 

辺りを見回し、机の上のスマホを見つける、

 

「………ふふっ……ふはは…!、この私にスマホを手にさせるとは…!…私の事を連れてきたはずなのに不用心すぎませんか?」

 

思わず笑いがこぼれる、この私を電子機器に触れさせるとどうなるか、ここに連れてきた奴を後悔させてやろうと手を伸ばす

 

 

 

 

 

 

「………クッ…!」

スカッ、スカッ……スッ…!  プルプル…

 

「……!……ん〜!……ん!」

 

…手を下ろす

 

 

 

 

 

 

 

 

………手が届かない

 

 

 

机はベットから離れている

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

自分の状態を改めて思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

…私は、足を動かせない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの頃から動かそうなんて考えたこともなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのほうが、気持ちも少し軽くなるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「…どうしましょうか…一先ず…」

 

流石の超絶天才美少女でも触れなければ干渉はできない

ベットから出ようと身体を曲げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無意識に足を動かす

 

 

 

 

 

「……えっ……」

 

 

足が動く

 

 

 

プラプラ

「…あ、…ぇあ…、え?…」

 

 

足が動く

もう感じることはできないと思っていた感覚を感じる

 

 

足が、動いている

 

 

 

 

 

足を動かせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立てる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子に走って抱きつける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだか視界が滲む

 

私は歪んだ視界でぎこちなくベットの上に腰を下ろしたまま、足を下ろし、宙に浮いた足を揃える

 

 

 

 

足の重みがある

 

 

 

 

足裏を床に近づける

 

 

 

 

動機が早くなり、肩が強張る

 

 

 

 

茶色の木目も、今この瞬間は美しい花畑の道に見える

 

 

 

 

 

足を床に下ろす

 

「……!」

最初に感じたのは床の冷たさだ

 

 

 

 

硬く、動じず、受け止めてくれる

 

 

 

 

私はとてつもない安堵を感じる

 

 

 

 

この足が幻想でなくてよかったと、本気で思う

 

 

「……ふぅ、…」

 

 

 

 

少し止まり、足に力を入れる

「……ッ!」ドッ

前かがみになるが、壁に寄りかかりながら立つ

 

 

 

鼻の上が痛い

 

 

 

涙が出そうになるのはもう少し後がいい

 

 

 

その方が沢山涙が出てくれるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………立てた…」

あのことが起きてから、叶うわけない願いが叶った

立つことは当たり前の事だが今の私にとってはそれが十分過ぎた

 

 

 

壁に手をつきながら机に近づく

「……?」

スマホの横には書きかけの紙があった、古い物なのか埃が被っていて触れるのを躊躇う

嫌々言っても仕方ないと思いそのままスマホを取り電源をつける

「なんでロックをかけてないんですか……」

電源をつけるとそのままホーム画面になった、私は一瞬で所有者にダメ出しをし、スマホを見る

「……?おや?」

怪しいものがないかスワイプしていると一つのメモ帳を見つけた、題名は……

 

 

 

 

 

「…[これを見つけた者へ]……!」

私は目を開く

まるで見つけられるのが予定調和かのような題名

 

罠かもしれない

だがそんな思いは足止めにすらならず、私は指を画面に落とした

 

 

 

画面が変わる

 

 

[これが開かれている頃には俺の意識はないだろう]

「ちょっと何言ってるかわかりませんね」

最初に目に入ってきた文章の訳がわからず私は固まる、そしてこの疑問が浮かんだ頭の中は、次の文章で完全まっさらになる

[そして、君が今動かしているのは俺の身体だ]

「……!?……私の身体じゃ…ない…?」

 

私は自分の腕を見る

白い肌だが私が知っている自分の腕とは少々違う、一回り大きく、薬指と小指のホクロが無い

 

私は辺りを見回す

目線が高いような気がする、少なくとも私はこの目線で見た扉の形は知らない

 

 

改めて文章の続きを見る

[これは俺の推察だが、俺の身体になる前の君は、おそらく一回死んでいる]

「……なるほど……いや、ちょっと待ってください」

私は文章に違和感を感じた

 

「…何故、私があなたの身体を動かしでいるのがわかるのですか」

 

 

 

これが初めてではないのか

 

 

 

文全体を流し見たが、文章自体は途中で途切れている、これはおそらく書いている途中で私の意識が乗り移る前兆を感じたが故の途切れだろう

 

それでもおかしい部分がある

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

この人が他人の死を知っていることだ

 

 

 

 

 

 

 

 

この文をみる限り、考えられるのは、

「まさか…他人の死を知ることができる、とでも言うつもりですか…」

仮説としては、私の様な人が死んだ事だけ先にわかることができ、このような対策をとった…といったところでしょう、が、なにしろ今は情報がありませんし、最悪のケースは考えたくありません

 

そう思いさらに読み進める

 

[色々事情があると思うがもし、ここを出るなら一つだけ守ってほしいことがある]

「…守ってほしいこと?」

先程辺りを見回した際、窓が塞がれていました、外側ではなく内側から釘が刺されていることから、自分から塞いだようです

 

「…何か事情があると考えるのが普通ですね……」

そう言い私は次にある文に視線を送る

[生前の君と関わった人物との接触はできるだけ避けてほしい

俺は、今まで極力人と関わらず生きてきた、色々事情があってこうなってしまったが、まぁ、そういう事だ]

「…なんで最後省略したんですか……」

文が露骨に省略され、思わず声が出てしまう

[そして外に出たらまずはここに向かってくれ

俺の事情が色々わかるから、あと人と会わないでくれ ほんとにやめてくださいお願いします]

「そんなに嫌なんですか…まぁ…感謝はしてますし、仕方ありませんね」

 

人の身体を勝手に動かしてはいるが、歩けていることに恩を感じないというのは私には無理です…正直歩けるようになったのはまだ夢なんじゃないかと思っています

 

 

指を滑らす

 

どこかの地図の画面が添付されている

 

 

 

「これは…DU近くのビル…でしょうか…」

道路の形と近くにある広場、そして小川の形から場所を特定する

ピンがめり込んでいるあたり、どこかの階なのだろう、と予想し、私は早速支度を始める

 

 

 

 

「…なんで黒い服しかないんですか…」

少しクローゼットを引っ張ってみると黒い上着やパーカー、シャツが大量に出てきた、元の体の人って思ったよりもナルシストなんですねと私はちょっと引いた

あれから服を選んでいると“見た目がわかりづらい”ということで鏡を探しましたが…

「鏡はどこに……あ、あった……え!?」

自分の姿が全て写りそうな鏡を見つけ、自分を見た私は驚きました、なぜなら…

 

「…だ…男性…でしたか…」

 

そう、この身体は私達のような女性ではなく男性なのです

男性の姿は初めて見ましたがこれはなかなか…

 

 

「……悪くありませんね」

少し見惚れる、中々にいい容姿ですね…

 

「まぁ、私には及びませんが♪」

そう言いなから笑い、着る服を選ぶ

 

 

「…私のヘイロー…ですよね、これ」

 

そう言い鏡に写っている自らの頭の上に視線を向ける

浮かんでいるのは黒と白の対比が美しい五芒星が2つ重なったヘイロー

 

 

ヘイローは人格を表すと言われている

 

 

 

彼の身体に私のヘイローがあることでの影響はわからない

 

「…今気にしても仕方ありませんね」

 

今気にしても仕方ないでしょう、と、私は適当に服を選び玄関に立つ

 

 

 

靴を履き、手すりを掴みながら立つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……扉に手を向けることができない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてでしょうか、私は死んだ筈なのに、こうして人の体を勝手に動かしている

 

 

 

 

 

 

 

願っていたことではありません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

望んでいたものでもありません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生命としての終わり方として命を終えた筈の私が、再び意識を持ち、歩き、生きている事に罪悪感を持たない訳ではないのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それは果たして、人としての生き方(人生)なのだろうか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉が私を縛っています

 

 

 

 

 

解く必要などありません

解いてしまえば、彼の生き方を捻じ曲げてしまう

 

 

「………」

私は唇を噛む

 

 

それは、人間に許された行為ではありません

 

 

 

ですが、

 

 

 

 

一緒に背負う事は出来ます

 

 

苦しみを分け合うことはできます

 

 

 

 

 

彼の生き方は1人で背負うには重すぎる

 

きっといつか壊れてしまうことがある

 

 

 

 

 

 

 

だから、背負う

 

 

1人が駄目なら2人で

 

2人が駄目なら3人で

 

 

少しでも軽く

 

少しでも強く

 

 

彼の、責任を、人生を

 

 

 

 

 

 

 

 

私は決意する

 

 

 

 

 

彼の中にある、私の責任を一緒に背負うと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は明るくなっていた玄関の外へ足を踏み出した

 

 

 

 

 

 

 

 






因みにヒズミの元ネタはありません
ただのヒマリより天才なお姉ちゃんです
得意分野は地理です ハッカーではありません
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。