トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記 作:えぴっくにごつ
Task13:「新顔と、次なる起こりの気配」
さて。
此度のように、時に騒動事態に直面することもあったが。
しかし全体としては特動隊の活動、その活動地域の開拓拡大は順調なものと進んでいた。
その調子で、フェイオンの村での一件から二週間程経ったその日。
特別活動区の基地では。特動隊に、詳細にはその航空飛行班に、また新たな同胞の顔が増えた様子があった。
「――気を付け。敬礼、直れ」
基地の隊長室、すなわち仙導の仕事部屋。
そこでは仙導と、二人の美少女が相対。そして今に10°の敬礼を交わし合う光景があった。
その一人は、淡いクリーム色の長い髪が映える、お淑やかなお嬢様のような美少女。
その身体はスレンダーだが美麗なラインのもの。
もう一人は、少しふわりとしたショートカットの黒髪を持つ、気の強そうな美少女。
その身体は極めて豊満な乳房と安産型の尻を携える、豊かなもの。
そんな両名がその身体に纏うは、淡い灰色のぴっちりデバイススーツ。
その色彩は、航空宇宙自衛隊の主力要撃機に用いられるカラーと同色のもの。
そう、二人の姿は、戦闘機をベースとしたデバイスを着装してのものだ。
二人は本日今程に、地球日本より「接続」通ってこの異世界に降り立ち、特別活動隊に着任した「新顔」の隊員であった。
「
仙導と敬礼を交わした二名。
それから続いて、お淑やかなお嬢様のような隊員の方が。代表を務めて仙導に向けて着任の報告を伝える。
笹という名が、そのお嬢様のような隊員の名。
そして不堂が、気の強そうな隊員の名。
今に名前に階級が付随したところに見える通り、二人はともに航空宇宙自衛隊から派遣されてきた人員だ。
またここで明かしてしまえば、笹は元よりの女性。不堂にあっては「着装」を得ての男性からの性転換者。
そして二名にあっては、航空宇宙自衛隊の主力機の一つ、F-35Aを元とするデバイス着装者であった。
「楽にしてくれ。よく来てくれた、二人を歓迎する」
そんな二人からの敬礼と報告を受けた仙導は、まずは二人に促し、そして歓迎の言葉を伝える。
ちなみに仙導にあっても今も美少女の身体に、濃紺色のデバイススーツの上からフライトジャケットを羽織るのみの姿だ。
「首を長くして待っていたぞ。当基地は飛行班要員がギリギリだったからな、新たな同胞を待ち望んでいた」
それから堅苦しいのはそこまでと、仙導は少し崩した色でそんな言葉を紡ぐ。
「摩訶不思議世界からの収穫に目がくらんで、勇み足になったツケと見えるな」
そんな所へ次に二名の内から不堂のほうが、小声だがおもむろに呟いたのはそんな言葉。
それは異世界への進出開拓の施策についてを批評し皮肉るものだ。
「不堂ッ、無礼ですよッ」
「おっと、これは失礼を」
そんな不堂に、次には笹がキツく咎める言葉を飛ばす。
しかしそれを受けた不堂は、わざとらしく「聞こえてしまったか」というように零し。併せて悪びれる様子は無く言葉面だけでの謝罪を述べた。
今のそれだけでも、不堂がなかなかに曲者である様子が見えた。
「また個性の強い者が来てくれたな。いいだろう、こちらの世界は時に型通りではいかない。その姿勢がハリボテではなく、活躍してくれることを期待しているぞ」
しかし仙導はそれを直接的に叱り咎めることはせず。
代わりに少しニヒルな色を作って、試すようなそれを含めた言葉を不堂に向ける。
「はッ」
それに不堂は、その挑戦を受け取ったとでも言うように。透るその声色で端的な返事を返した。
「はぁ、まったく……それとして隊長。お渡ししました資料に、よく目を通しておくようにとの「本国」からの言伝です」
不堂の今に見せたそれに呆れたものを覚え、吐息交じりの声を零した笹。
だが次には気を取り直し、笹は仙導にそんな通達事項を伝える。到着から今の報告の場を始める前に、仙導は笹が地球日本より預かり持って来た資料データを受け取っていた。
「分かっている、「航空応援体制」についてだな。これもまたありがたい話だ」
それに仙導は承知している旨を答え、併せてそんな言葉を沿える。
此度、地球とこの異世界を繋ぐ「接続」の原理理解が、異世界の協力者の協力もあって進展し。
その一つの成果として、地球日本から異世界に緊急的に移転を行える体制が確立された。
これはそれまでは実行毎に、慎重を喫しなかなかに手間と労力をかけて行われていた、地球から異世界への「転移」が。
限定的、制限はあるが短時間で行えるようになったものだ。
これはまず、特動隊での活動においては即応航空展開に活用されることとなり。
特動隊は基地に常駐する、此度に6名6機体制となった飛行班要員以外に。
必要とあらば地球日本からも、航空機の緊急出動による航空応援を受けられるようにたった。
詳しい所を言及すれば、基地常駐の飛行班よりはレスポンスに引けを取るという部分等もあったが。
しかしそれでもこの体制の確立は、大変に有用なものであった。
「その、ありがたい色々に早速頼ってすまないが。二人には明日の交代時間から早速即応待機のローテに入ってもらいたい。昨日から一時的だが、緊急要員は自分のバディの一組で持ってる状態でな」
そんな新たな体制について、その背景に事由に簡単に触れて言葉を交わした後。
仙導は、笹と不堂の二名に早速の指示を紡ぎ、併せて現在の基地の状態を明かし伝える。
「特別活動隊の飛行班は、ここまでは二組四名のバディ体制と聞いていましたが……もう一組は何かの任務に?」
その伝えられたところから笹が疑問を覚え、尋ねる言葉を仙導に向ける。
「あぁ、そのもう一組、門手と呉市という二人なんだが。そのペアには「急を要するお使い」に行ってもらっている――」
そんな笹の質問の言葉に。仙導はそう明かす言葉を紡いだ。