トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記   作:えぴっくにごつ

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Task16:「交戦」

 出張所に戻った二人は、「やはぎ」及び警備班の到着の知らせを伝えられるが早いか。

 クイナを聞き知った事柄を伝え、そして自分等の考えを意見具申。

 今の事態、状況に対して自分等が助けになれることが何かないか。そしてその行動の許可を出張所を通して特動隊司令部に求めた。

 

 もちろんというか、特動隊司令部、すなわち仙導始め主要幹部からは。すぐに大々的な行動を起こすことはできないとの返答があったが。

 しかし、状況に対しての情報収集の必要性が鑑みられ。門手と呉市の二名には、帰路がてらにその『ヤガシラノヒリュウ』の生息地域の偵察行動を行うよう、許可並びに指示が降りた。

 そこには二人の心内を察しての配慮もあったのだろう。

 

 

 その『ヤガシラノヒリュウ』が生息地とし、また配下としている妖の部族が根城としている島は、『クリュウの島』と呼ばれるそうだ。

 元より涼しく心地よい、時によっては肌寒い気候のカナタの島よりさらに北東に存在。

 経緯度の関係からその気候環境は寒冷地に入り、険しい山間部で全体が成る島は雪化粧で覆われていた。

 

 

「――気持ちまで寒くなってくる景色だな」

「あぁ」

 

 そんなクリュウの島の上空を現在、門手と呉市は――F-3A戦闘機をベースとするデバイス装備のユニット。

ファー・アウェイ02のアクィア1-2及び1-3は飛行していた。

 

 今は眼下、島の様子が観察できる低めの高度を保ち。高めの山の頭頂部を掠めてしまいそうなまでの様相で、二機編隊で飛んでいる。

 現在の行動の第一義としては、クリュウの島の地形観測を名目とするが。しかしその実には、『ヤガシラノヒリュウ』及び生贄と連れ去られた少女を探しての、索敵行動の目的が含まれる行動だ。

 

 そんな形態で、クリュウの島の上空低空を、しばらく索敵を行いながら縫い飛んでいた二人。

 

「――ん?」

 

 しかしその最中、二機編隊を組む内の呉市が。上方の空の一点に、何かの動きを見た気がした。

 そして視線を、顔を上げた直後。それは確信へと変わる。

 

「!、目を開けッ!真上ッ!」

「ッ!!」

 

 次には呉市は、肉声及び通信に怒声を張り上げ。それを聞くが早いか門手も事態に気づく。

 そして同時、二名二機はその身を、「機首」を思いっきり上げて。併せてエンジン・モジュールを吹かして急上昇行動に転じる。

 

 その直後。

 二名二機は、上空から急降下を仕掛けて来た複数の何かの「影」とすれ違い。

 その複数の影は、先まで二名が向かおうとしていた進路先の宙空を。まるで喰らい裂くかのような様で飛び抜ける姿を見せた。

 

「現れやがったッ!」

「ッ――「龍」だッ!」

 

 次には上がった上方上空で、まだ上昇を伴いながらの急旋回行動に転じながら。

 門手に呉市は、首に視線を振り向けて降ろし、すれ違い眼下に抜けて行った「影」を。その姿を見て捉えて発する。

 

 それは、複数体の「龍」。

 伝承や創作に見聞きするような、お手本のような姿形。大きさにあっては戦闘機の平均的な機体の大きさと比べ、、一回り大きいものから逆に小さめのものまで。

 個体差が見えるそれが三体ほど。

 

 それらは今の急降下の襲撃行動から散会、こちらに反転上昇してくる姿を見せた。

 

「ッ、やろうってかッ!」

「コマンドポイントッ。ファー・アウェイ02エンゲージ、繰り返すエンゲージッ!」

 

 門手は荒げた悪態を吐き。呉市は特動隊基地の管制に、通信にて張り上げ伝え。

 同時に両名は左右の別方へバンクにて散会。それぞれの方向へ急旋回を伴う降下行動を開始。

 空中戦闘行動へと突入した。

 

「ッ」

 

 幸いか、機動性能ではこちらに利があるようだ。

 

 降下を伴う急旋回から機体姿勢、進行方向を変えた呉市は。

 次にはその正面に、まだ旋回途中で隙を晒す一体の龍の体を、ヘッドオンし捉える。

 

 そして自身の眼前に宙空投影で表示されたHUDに、その照準レティクルに。その龍の姿を収め捕まえ。

 

 ――「攻撃」の、射撃の意志を念じた。

 

 瞬間。デバイス装備に備わる得物、M61A 20mmバルカン砲が唸りを上げた。

 ガトリング砲の特性にて高速連続で撃ち出された多数発の20mm機関砲弾は、まさに一瞬で捕らえた龍へと叩き込まれ。

 龍は次には機関砲弾の炸裂に巻かれ、その体を容易いまでに砕かれ。

 そしてボロ切れのようにその体を砕かれ千切られ、儚い様で宙空を散って行った。

 

「一機撃墜ッ」

 

 その様を見て、通信に報告の声を上げる呉市。

 しかしその意識に動きは、すでに次へと移っている。

 

 側方向こうの上空では門手が同じく、まさに今の瞬間に機関砲火を叩き込み。相手取っていた龍を撃墜した瞬間が見える。

 しかし同時にその門手の背後から、そこを狙い喰らいつく算段か、旋回飛行にて忍び寄ろうとする別の龍の姿が見えた。

 

「――ッ」

 

 そうはさせない。

 呉市はすでに始めていた加速を伴う旋回進路変更で、その龍を追いかけ正面に捕らえる。

 そして、その射線に門手までもを収めないように注意を払いながら、レティクルに再び敵影を照準。

 ――攻撃の意志を念じ。

 ガトリング砲を再び唸らせ。向こうの龍に叩き込みその体を砕き散らせ、その企みを阻止した。

 

《――っと、すまん》

「大丈夫だ」

 

 敵の接近には気づいていたようで、機動回避行動を始めようとしていた門手は。

 しかしその前に己の背後に付こうとしていた龍が砕け散り落ち。それが呉市のおかげである事を理解し。

 行動を中止、通信にて礼の声を寄越し。呉市はそれに問題ない旨を返す。

 

《片づけたか》

「上がって再編しよう」

 

 次には門手は周りを見回し、襲撃者を退け片づけたことを確認。

 併せて呉市は促し、二名は上昇から上空高度で合流。二機編隊を組み直す。

 

「いきなりだったな、ホームに入り込んだヤツには容赦なしか」

「のようだな。コマンド・ポイントへ、ファー・アウェイ02は敵を退け――」

 

 ひとまずの状況を凌いだことに、門手は警戒は保ちつつも少し緊張をほぐしてのそんな声を零し。

 呉市はそれに答え。そして管制に状況報告の通信を上げて送ろうとした。

 

「――ッ!!おい、あれを見ろッ!」

「!!」

 

 しかし、次にはそれを阻むように門手が声を張り上げ。

 その視線が示した方向を追い、呉市も「それ」を見る。

 

 見えたのは眼下下方、地上の山間の真上を飛ぶ、多数の「龍」からなる飛行隊形。

 そしてその中に、特に目立ち目を引く存在がある。

 

 それは複数の、八つの龍の頭を持ち。さらには複数対の大きな翼までもを携える。

 巨大な龍であった――

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