トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記 作:えぴっくにごつ
「――ッ」
落ち行く龍の腹側に潜り込み、駕籠の側面に取り付く。
これはこれまでの戦闘機の形態では成し得なかった、着装、デバイスならではの芸当だ。
そしてその扉を呉市は、遠慮なく乱雑に開け放った。
「ぅ、ぁ……!?」
その中に目論見通り、目当ての『お姫様』はいた。
歳は十代後半程。凛とした可憐な顔立ちを、長い黒髪で飾る美少女。
その体に纏う巫女装束のような服装は、しかし何か際どい煽情的な造りであり。彼女の発育の良い体を飾り主張している。
「!……だ、だれです……!?」
そんな彼女は、突然現れた呉市を、彼女からすれば正体不明の存在を前に。
墜落の状態から揺れ傾く駕籠で、その壁に背を着き寄り。警戒、いや怯えの色を見せつつ聞き尋ねて来る。
併せて無理も無いが、状況に困惑。いや若干パニックに陥っているようであった。
「後だッ、このデカブツは墜落するぞッ!」
「え?――あぅ、きゃっ!」
しかし、今はそんな問答の時間は無い。
乱暴なのは承知で、問答無用と言うように。呉市は駕籠の中に踏み込むと、彼女の腕を強引に掴み取って捕まえ。
そして引き寄せ自身身体で抱き留め、今は女体であるゆえに携える自身の乳房をクッションに、彼女の頭を埋めさせ。
しっかりと抱き捕まえる
「飛ぶぞ、捕まっていろッ!」
「あ……えっ?きゃぁぁっ!?」
そして次にはそんな忠告の言葉だけを告げると。呉市はこの場は用済みと言うように駕籠から飛び出し。
宙空に一瞬だけ自由降下した後、再び吹かしたエンジン出力にて飛行状態へと復帰。
「もらってくぜッ!」
そこに、また後ろに向けて挑発の声を上げながら。門手が背後上方から飛び来て合流。
二人はその場、空域からの急速離脱の態勢に入る。
「――ッ!」
「えっ?」
――しかし。二名がその不穏な「気配」を感じたのは直後。
そしてそれに引かれ振り向いた二人は、「それ」を目撃する。
「ッ!?」
「はァッ!?」
振り向いた背後向こう見えたのは。
鈍重な動きだが、その宙空にてぐるりと滞空からの旋回を終えた、ヤガシラノヒリュウの巨体。
そして驚くべきは、その持つ八つの頭の、中央に位置する一つが。顎をかっ開き、その喉奥に「発光」現象を見せていたこと。
何らかのエネルギーの塊、何らかの現象の発生の前触れ。
門手と呉市が見たそれを察し理解した瞬間。
――強烈な光線が、太く強大な「ビーム」が。
二人に向け、二人を狙い追いかけ。その顎より、エネルギーの爆発の如きで撃ち放たれた。
「うそ――」
見たそれに、思わずの呆けた声を上げてしまう門手。
「回避しろォッ!!」
「!!」
しかし呉市が同時瞬間に張り上げ。二名二機は緊急の急旋回、回避行動を実施。
「――ッヅゥ!?」
しかし、次の瞬間に両名を割る様に、追い付き飛び抜けた巨大な光線が。
呉市の方を、その装備するデバイスの片方主翼の一部を喰らい奪った。
「!、呉さんッ!?」
それを見た門手は、叫ぶまでの声で呉市の愛称を呼ぶ。
呉市の受けた一撃は、デバイスの機能に影響。併せてその衝撃は飛行の安定を奪い、呉市は飛行能力を著しく損失。
呉市の機体、身体は降下、いや墜落を始める。
「ひぅ……っ!」
「ッ、捕まってろ!身構えろッ!」
その呉市は、腕中で怯え恐怖する彼女を必死に抱きしめ、訴えながら。
しかし煙の軌跡を宙空に引きながら、みるみる高度を下げ。島の山間部へと落ちて行った――
場所、視点は大陸の特別活動区、特動隊の基地へ。
その基地内に設けられる作戦指揮所。
「――アクィア1-3……レーダーから消失ッ!」
その作戦指揮所内にまた設けられる、航空管制卓から。オペレーターの驚愕を交えた声での報告が上がった。
それは、呉市のユニット反応がレーダー上より消失したことを伝える声。
「ッ、1-2のほうはッ?」
それを聞き、大変に険しい顔を作ったのは、自身も作戦指揮所に入っていた他ならぬ仙導。
次にはオペレーターに尋ねる声を張り向ける。
「1-2はアクティブを確認、ですが……発生、観測された高エネルギーが干渉しているのか、交信できません!」
次にはオペレーターよりアクィア1-2、門手にあってはレーダー上に確認された旨が返されたが。
しかし併せて、無線通信機能に支障が生じ。門手とも通信ができず、当事者等に状況事態を直接確認できないことが伝えられる。
「呼びかけ続けろ」
それに端的に指示を返す仙導。
「部長。直ちに救難部隊の編制、派遣を」
そして次には自身の背後隣に立つ中年の男性。葛城という名の、作戦指揮所の長・部長を務める彼にそう言葉を向ける。
補足すると彼も御多分に漏れず、自衛などで武器を用いる際には「着装」にて性転換する身。
「しかし隊長……。現在基地、特動隊には救援に派遣できるだけの整った戦力、部隊が不在ですッ」
しかし、その葛城が返したのは。難しい顔色に言葉での、そんな現状状況を返す言葉だ。
実を言えば、特動隊に編成される各部隊は。
各地への調査行動に、軌道の乗り出した開拓拡大活動における護衛警備などに引っ張りだこであり。
人員・戦力には余裕があるとはいえない状況であり。
その実態を表すように、現在基地には主要な部隊は出払っており不在であった。
「基地救難隊は待機しておりますが、現地は敵の根城。降下戦闘の可能性を鑑みれば、戦闘隊による増強が不可欠と見ます」
さらに葛城からの意見具申の言葉。
その通り、呉市がロスト、墜落したであろうクリュウの島は。ヤガシラノヒリュウの配下が根城とする島。
救出回収に向かうには、ある程度戦闘可能な戦闘捜索救難隊の編成が必要であった。
しかし現在の基地、特動隊の状態では。ただちにそのための戦力の抽出し整えることは難があると見られた。
「基地より近い隊を飛び戻しますか?」
「あぁ、まずはそれで動くしかあるまい」
そこへ地上作戦を支援する、別の卓のオペレーターから進言の声が上がり。
葛城はそれに、苦いままの色で認める言葉を返す。
だが最寄りの部隊を呼び戻して再編成から向かわせるには、それなりの時間を要するだろう。
深刻な事態に、さらに歓迎し難い状況が重なったと見え。
作戦指揮所内には苦くヒリついた空気が漂う。
「いや――今基地には、「彼等」が来ている。助力、協力を願えないか――」
しかし、そこへそこまで考えを講じていた仙導が発したのは。
ある者等の存在を浮かべての、そんな言葉。
そして、結果を先に言えば。
その「彼等」は。戦闘捜索救難作戦への参加要請に答え、危険を伴う任務に臨むことを任されてくれた――
呉市が自分のおっぱいに美少女の顔を埋めさせたところが、ちょっとフェチ描写。