トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記 作:えぴっくにごつ
「――まだ二重遭難状態までではありませんッ。我々は再編成し、戦闘捜索救難を続行しますッ」
移動進入手段であるCH-47J機の墜落という、序盤からの不都合事態に見舞われた航空救難作戦だが。
しかし幸い、奇跡的にも。臨時戦闘捜索救難隊の隊員各員の多くは行動可能であり、犠牲者は無く負傷者は数名。
そして脱出、負傷者の搬出をするにも、どちらにせよ新たな移動手段の手配、到着を待たねばならず。
ならばと、一尉は戦闘捜索救難の続行継続を仙導に進言。
《了解、こちらも直掩に付く》
仙導は少し悩んだが。しかし自身等の編隊が直掩に付く条件で、それを認可。
かくして、捜索救難作戦は続行、再開された。
クリュウの島は敵の根城だ。
墜落地点の守りも疎かにはできず。隊主力は墜落地点を島での拠点と定め、防護を構築。主力は本行動まで待機。
呉市、門手両名の捜索のために、まずは6名一個班の戦闘捜索班がピックアップから編成。
まだ両名との通信は回復しないが、レーダーからの電子情報上では。
呉市が最後の確認からロストした地点に、一緒に居るのか門手のビーコンが現在も位置情報を示している。
それを頼り、目測に。偵察を兼ねた戦闘捜索のために、班は向かうこととなった。
またこれには先の通り、仙導、航軌院のバディが航空直掩のために随伴。
さらに件の、先日確立された地球日本よりの「航空応援体制」を早速頼ることになり。
地球日本の空自航空団から、今作戦のためにさらにF-3Aデバイスの隊員二名が出動。すでに「接続」を通りこの異世界に来て、こちらに急行しているとのことであった。
「――ッ!」
その戦闘捜索班は墜落地点を発ち、ロスト地点に向けて。その間に度々の戦闘交戦を行いながら行程を進めていた。
今も班は墜落地点を発って以来、また何度目かの遭遇戦闘の最中。
その班の内の一名には、軽機を撃ちばら撒く生図の姿も見える。
彼女(彼)も分隊支援火器要員として班に組み込まれ、行動をともにしていた。
「ラストダウンッ!」
「クリアーッ!」
遭遇接敵から交戦した鬼たちの隊伍を、今にまたその排除、沈黙を成し。
その知らせ、確認の声を張り上げ交わす生図に隊員等。
「キリがないねェ」
また区切りを見て、自身の小銃火器に弾倉を交換しながらも、呆れ交じりの色で零したのは航空支援隊からの天始。
彼女(彼)も航空誘導員として、班に組み込まれ同行していた。
補足すると班の6名は、
一尉ともう一名の、基地警備教導隊からの要員が2名。
救難、衛生要員として航空救難隊からメディックが1名。
天始ともう一名、航空支援隊からの航空誘導要員が2名。
そして分隊支援火器要員として指名された、基地警備隊からの生図の1名。
その内訳。
そしてもちろんというか、皆「着装」から女体化した、それぞれの美少女に美女姿だ。
「一尉、どこまで詰める目測で?」
「帰路の体力と弾薬に支障が出ない程度に考えてるが、それまではギリギリまで進み探す」
「了」
次には天始は一尉に、現在の行動をどこまで進めるつもりなのかの目安を聞き尋ねる。
それに一尉はそう回答、天始もそれが適当なところだろうと納得するように、その色を混ぜた了解の返事で答える。
「再開するッ」
また次には一尉は、各員が再装填などを再準備の動きを完了した様子を確認し。
行動再開の指示の声を上げた。
「――!」
また山間を、道無き道を少し進行したところで、班は「それ」に遭遇した。
隊形先頭の一尉が腕を翳して後続に合図で知らせ、それを受けた各員は割れて散会。周り各所にカバーする。
「どれです?」
「向こう、左方の山肌周り。洞窟陣地だッ」
一尉と一緒にカバーした基地警備教導隊の空曹が、一尉の肩越しに自身も向こうを観察しながら訪ね。
一尉は空曹に見つけた「それ」の詳しい位置を示す。
今現在の、山間の細い通り個所を抜けた向こうに見える、聳える雪山。その山肌の表面に、洞窟穴とそれに伴う張り出し固められた足場が見える。
その足場の上には、武骨で重鈍そうなある物体が見えた。
「なんだありゃ?」
「古風だが、臼砲だな」
次には疑問の声を上げた空曹に、一尉が答える。
その通り、山肌の足場に据え置かれたそれは。短くも太い砲身を持つ、臼砲の一種のよう。
見える大きさから、おそらく中型の近~中距離戦用のものであるようだった。
「通り道にまた厄介なものを――潰すぞッ」
その見つけた臼砲陣地に、一尉は呆れ混じりの悪態を零し。しかし次には行動を各員に指示。
「俺と歩崎で向こう右方まで行くッ、援護しろッ」
そして一尉は、自身と空曹のこれよりの動きを他名に伝えると。
次には一尉は、続いて空曹は。当然と言う動きで遮蔽を解き、向こうへと飛び出した。
「援護射撃ッ」
また当然の流れと言うように、その近くに位置していた発して生図が始めたのは。自身の軽機を突き出し向けての援護射撃だ。
向こうの臼砲陣地の足場で、一尉等の出現を認め気づいた鬼たちに。しかし間髪入れずに機関銃銃火を叩き込み浴びせ、まずのそれを屠る。
その間に一尉と空曹は敵陣の眼下正面を横断し切り、反対側の遮蔽に飛び込み。そしてそこから次には、射撃攻撃を開始した。
「肝が冷えるねッ」
その一尉等の今の行動にそんな評価感想を零しつつ、また生図の掃射射撃の音を聞きつつ。
天始も自身の小銃を今の狭部の影より突き出し、発砲。向こう足場の鬼の一体を見事に仕留める。
そんな各動きで、戦闘の火蓋はまた切られ。
敵方も驚きに混乱を見せながらも応戦攻撃を寄越し始め、銃火が響き飛び交い始める。
「!」
その戦闘が始めってさほど経たず、生図は山肌の臼砲陣地に動きを見る。
足場の臼砲に数体の鬼が群がり、何か動きを見せたかと思えば――その次の瞬間、その臼砲が唸りを上げて黒煙を吐いた。
砲の砲口も角度もそのままに、とにかくといった様相で撃ち放たれた第一射は。
こちら、生図等の正面近くに着弾、鈍い炸裂で彼女(彼)等を掠め脅かした。
「ヅッ、野郎ッ」
それに苦い顔を作りつつも、生図は軽機を撃ちばら撒き続ける。
だがそんな臼砲の動きに続き、陣地の洞窟に、敵側の向こう奥からは。
そのあちこちからワラワラと敵が沸いて来る。どうにもこの周りは、大き目の敵の拠点陣地であるようだ。
「!、微調整した、次来るぞッ!」
その最中で、天始から警告の声が上がる。
山肌足場の臼砲が、微調整照準の動きを見せた後、再び唸る。
それを聞くと同時に、生図に天始等が慌て遮蔽に引き込み隠れた直後。
先程よりもよりこちらに近く、正確な位置で砲撃の爆炎が上がり。その炸裂に衝撃がまた生図等を脅かし掠めた。
「ッ」
今のそれに、苦く口を鳴らす生図。
おまけにそれに合わせるように、鬼たちの火縄銃等を用いた攻撃は苛烈さを見せ始める。
「あぁ、ヤロッ」
面白くない状況に。続けて生図はその今は可愛らしいものである顔に似合わぬ、お行儀の悪いそんな悪態を吐いた。