トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記 作:えぴっくにごつ
「あぁ、ヤロッ」
面白くない、厄介な戦闘状況に。
その可愛らしいギャル顔に似合わぬ、お行儀の悪い悪態を吐いた生図。
《二尉、そちらは無事かッ?》
そんなところへ通信にて、向こうの一尉からこちら側の安否を尋ねる声が届く。
「脅かされましたが、被害はナシッ」
《了解。ならば二尉、「上」に空爆支援を要請しろッ。ここはデカめの陣地のようだ、贅沢の使い時だッ》
天始は安否確認に、被害はない旨を答え。
それを聞いた一尉からは、次には続けてその旨が。上空の仙導等に、航空支援を要請するよう指示が寄越される。
「了解ッ、やりましょうッ」
それに天始は了解で答え、次には行動に入った。
「マークを始める――」
「トリーズナー1-1よりファー・アウェイ01、航空支援要請ッ――」
併せて同じくの通信を聞いていた、天居と同じ航空支援隊の空士が、天始の背後に飛び込み合流。
天始は航空誘導のための機器を取り出し準備し。それを扱い航空誘導、その座標指定のための手順を。
空士は上空で警戒待機中の仙導等に、通信にての要請、調整を。
それぞれ始める。
時折敵からの銃火が掠めるが、二名は臆さず自身の任務のための動き手順を続ける。
「!、一尉ッ!」
その一方で、次には生図からの張り上げ声が上がる。
生図は山肌足場の臼砲が、反対方向に旋回するのを。それが向こうに移動した一尉等を狙うものだと気づき、知らせの声を張り上げたのだ。
「!!」
また次には向こうの遮蔽個所で、一尉等は臼砲が動きを止めて照準を定めた瞬間を見る。
一尉等は瞬間にその場を踏んで飛び出し、背後の傾斜へと飛び込み逃げる。
直後。
敵の臼砲が唸りを上げて黒煙を吐き。今まで一尉等が居た遮蔽個所に、着弾による爆炎炸裂が上がり包んだ。
「!、一尉、状態はッ!?」
《間一髪無事だッ。二尉、まだかかるかッ!?》
一尉の安否を確かめるべく、生図が通信に張り上げた声に。
今に間一髪の退避を見せた一尉からは、すぐに無事の伝えが寄越され。併せて航空誘導の進捗を尋ねる声が来る。
「待ってよォ、今定まる――マークッ」
その呼びかけに、落ちつける様に紡ぎ返した天始は。しかし次には座標指定が完了した旨を言葉に上げる。
「振って来るッ、身を隠すんだッ!」
そして次には、天始は周りの各員に向けて警告の声を張り上げ。
それを聞くが早いか、各員はそれぞれの遮蔽個所に、飛び跳ね飛びつく勢いで身を隠して庇う。
「来るぞォッ!!――」
そして直後に――「それ」が来たことが。
誰かが張り上げた怒号と。
そして同時に上空真上より聞こえ届いた、空気を切り裂くような轟音によって知らせられる。
上空直上の空に――一機のF-EAデバイスのユニット、仙導の姿が見える。
その姿姿勢は、山肌に設けられた臼砲陣地を狙い、急降下爆撃の軌道で進入して来るもの。
しかし、その動きを空に見たのも一瞬。
そのまま地上に激突してしまうのではないか、そう思うまでの急降下急速度で山肌のギリギリまで迫った仙導の身体は。
だが刹那、尖るまでの動きで思い切りその方向、機首を水平まで引き起こした。
そしてその仙導の身体から、何らかの複数の物体――抱え装備して来た複数発のMk.82航空爆弾が放ち投下されたのは、引き起こしの直前のほぼ同時。
そして――
――無数の爆音が。周りの全てを吹き飛ばしてしまうかの如き様相で、上がった。
「――ッォ」
可能な限り身を隠して庇い、遮蔽カバーした生図等を。
しかしその零れ来た、感じるだけでも引き裂かれてしまうのではないかと思う程の、衝撃派に振動が揺さぶる。
だが。爆撃の体現するそれは、一度切りに留まらない。
上空真上からは、再びの劈く轟音が届く。
二機目の、仙導に続いての航軌院の急降下爆撃進入。その彼女の身体から、先の仙導に倣うように複数のMk.82航空爆弾が放ち投下される。
そして直後には。
今程の一度目の爆撃を再現するように、二度目の爆音に衝撃が上がった――
「――ぬォ……ッ」
爆音が、衝撃が、その他の物音が収まり。
生図は、舞い込んで被った土埃を払いながら、カバー姿勢を解いて視線を向けて動かす。
「うォぅッ」
そして次に視界に入り見えた光景に。生図は思わずのそんな声を上げる。
向こうに。先程までは、固く作られた臼砲陣地が構えて居た山肌に見えたのは――しかし、それが見る影も無く消し飛んだ光景。
臼砲陣地は跡形もなく。どころか、その周りの山肌広くは、そこを丸ごとこそぎ取ったかのようにクレーター状の穴が大きく空いて沈み。
微かに、陣地の元構築物や、鬼たち「だったもの」の欠片が散在して見える。
完膚なきまでの無力化。
航空爆撃が成し、その威力効果を知らしめるかのようにできた光景であった。
「わァお」
「ヒュゥッ」
同じくその光景を見て、天始等他名も、関心半分呆れ半分のような様子で、そんなように声を零し口を鳴らす。
「皆、無事かッ?」
そこへ向こうより張った声での尋ねる言葉が飛び来る。
それは、同じくのとつてもない光景を見つつの、一尉からの各員の無事を尋ねるもの。
「無事です」
「支障ナシッ」
それに各員は、無事な旨を越えに上げて返す。
「航空支援様々だな。ここが潰れたことで、敵さんたちの活動が鈍くなってくれればいいが」
各員からの知らせを受けた一尉は、次にはそんな航空支援の効果影響を評する声を零し。
併せて状況に希望したいところを零す。
そんな各員の耳に、また次には少し遠ざかったジェットエンジンの音が聞こえ。
見上げれば、急降下爆撃行動を終えて高度を回復し。また直掩のための旋回行動に復帰した、仙導に航軌院のバディのシルエットが空に見える。
「ははッ」
苛烈な爆撃行動を見せた彼女等の、その後とは思えない優雅な姿にまた関心と呆れを覚えながら。
生図は今の支援への感謝の意味で、空のその二名に向けてのサムズアップを掲げ向ける。
「余韻に浸るのもここまでだ、再開するッ」
そしてしかし次には、各員の心内を察し、しかし改めることを促す言葉と併せて。
行動を再開する指示を一尉が張り上げ。
戦闘捜索班は、目的である門手と呉市両名を見つけ救出するため。
またその行動を再開した。