トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記 作:えぴっくにごつ
「特別活動区」。
異世界に降り立ち、冒険開拓に臨む事となった特別活動隊の拠点。基地、兼開拓地。
「特別活動区」が正式名称、公称の書類上の呼称であるが。
他に内外の人間からは「開拓地」や、「フロンティア・ヤード」などといった名称でも呼ばれている。
また、異世界の人々からは。まだ異世界では未開の地であったその地域に、地球から来た日本が設けた領地と認識されており。
実際日本側も、異世界側のコミュニティとの交流などの際にはその前提で動いていた。
上空の仙導からは、特別活動区のその全形が見える。
特別活動隊の各施設が集約される基地(大きめの駐屯地程の面積で、隊員等からはほぼ駐屯地と意識されている)を中心に置き。
その周りには異世界で発見された農作物を、実験・サンプル採集の目的を兼ねて育てる農業エリアや。
異世界のコミュニティとの交流、交易を行うちょっとした市場エリアなど。
いくつかのエリアが広がり始めている。
現在の敷地範囲は大きめの駐屯地に毛が生えた程度だが。
その「領地」の拡大範囲を、日本は将来的には小さな市くらいに及ぶ程に想定していた。
そんな、自身が預かる「特別活動区」の全形を見降ろし眺めながら。
仙導はその基地に降り立つためのアプローチコースに入った。
徐々に高度を下げつつ目指すのは、基地の敷地の一角を広く取って設けられた「発着エリア」。
広く取って設けられたというが、それは従来の航空機が離着陸する滑走路施設よりは大分控えめ。
これは「着装」の効果・恩恵からの要素の一つ。
航空機、詳細には固定翼機が「着装」にて形態を変じた際には。その扱い者は滑走を必要としない、超短距離での離着陸を可能とするようになった。
固定翼機を元とした全ての着装者が、V/STOLを可能とするようになったのだ。
このことから。
航空運用は基本として、航空機ベースの着装者を用いることを想定した特別活動隊の基地は、長大な滑走路を有さなかった。
《プライム1-0、進入コース適正、そのまま》
そんな背景経緯から、仙導が降下し目指すのは、発着エリアにまた設けられるいくつかの発着スポットの内の一つ。
そこを目指しての降下着陸行動の最中にある仙導に、基地に設けられる管制塔から、アプローチを支援する音声が通信して寄越される。
「了解」
それに端的に返しながら、仙導は着陸アプローチを続ける。
どんどん地上は迫り、視界に基地が、発着エリアが大きく広がって行き。
間もなく、仙導の身体は目指した発着スポットの真上に至り。
次には仙導のその身体は、スポットの真上ギリギリで一瞬だけ滞空。
そしてふわりと優雅なまでの様で、デバイスを履くその脚をスポットへと着けて、着陸を果たした。
《見事ですプライム1-0、お疲れ様》
仙導のその着陸行程を、そして完了を見届け。次には管制塔から評し労う声が寄越された。
「ふッ」
仙導は、スポットから見える向こうの管制塔に手を翳して今の声に返しつつ。
無事地上に脚を着いた事から、緊張を緩めての一声を零す。
「ん?あ」
しかし次には、仙導は向こうに。
発着エリアに伴う、ハンガーなどの航空関係の施設建物の方から。一人の人影がこちらに掛けてくる様子を見つけ気づいた。
近づいて来るのは、小さく見える人影。いや実際に小柄な人物の姿。
「――仙導さん……ッ!」
間もなく息を上げながら、何か困惑と咎める色を混ぜた声を寄越しつつ、仙導の前に掛けて来て現れたのは。
小柄な少女、ロリっ娘であった。
外見年齢は、10歳ちょっと程か。
あどけないながらも凛とした色を見せるその顔立ちは、前髪を姫カットで揃えた美麗なロングの黒髪に飾られている。
年齢相応のその小柄な、言ってしまえばロリボディのその身体には。今はジャケットは脱ぐなどして少しラフにしているが、その体サイズに合わせて誂えられたパンツスーツ衣装を纏っている。
「敷浪さん、戻りました。侵犯存在は引き返しました」
そんな駆け寄ってきたロリっ娘に向けて、仙導は次には淡々とした色で。
戻った旨と、対応した件の闇竜が去った旨を伝える。
異世界の各コミュニティとの接触交流などを主に務めるため、特別活動隊に外務省から派遣されて来た職員。
また、特別活動隊では隊長である仙導の元に付く、主要人員の一人。
そして明かせば。その敷浪も「着装」の力、影響によってその身体を変じた身であり。
今は可愛らしい黒髪姫カットのロリっ娘だが、その正体は齢50を越えた中年男性。
それも恰幅が良く、そしてお腹の出た典型的なおじさんなのだ。
それが敷浪にあっては、危険を伴う異世界に派遣される上で、特例で護身用のために持たされた拳銃を「着装」した結果。
今の愛らしいロリっ娘の姿身体になってしまったのであった。
「それは……よかったですが……!」
そのロリっ娘おじさん、もとい敷浪は。仙導の前に至り立って、ぜぇぜぇと上がった息を整えながら。
今の報告内容については評しつつも、しかし次にはまた困惑の色で言葉を紡ぐ。
「困ります……!隊長が、一人で飛び出して行くのは止めて下さいと言ったでしょう……!単身で何かあったらどうします……!?」
敷浪は、隊長であり特別活動隊の指揮官である仙導が、しかし自ら単身で飛び出して行ってしまったことに。
ご立腹……というより大変に焦り困った様子であった。
「すみません、しかし緊急と見たので」
それに一方の仙導は、あまり悪びれてはいない様子で。謝罪を紡ぎながらも、同時にそんな行動理由を述べる。
今回にあって、確かに緊急のことであり。そして最も早く即応出動できるのがその時は仙導であったという理由もあるのだが。
それとして、仙導は少し難儀な形の責任感を持つのか。緊急、危機の際には自らが真っ先に飛び出して行って、矢面に立とうとするきらいがあった。
一つの頼り甲斐のある姿形ではあり、これが特別活動隊の隊員から人気に人望を集めることに一役は買っていたが。
それとして敷浪などの立場からすれば。隊長で指揮官である立場の人が、真っ先に飛び出して行くのはやめて欲しいのであった。
「だとしても……です……!」
敷浪も全ての事情を否定する訳では無かったが。
しかし淡々と返して来た仙導にはまた困ったものを覚え。咎める言葉を、まだ若干息の荒い声で返す。
「気を付けます――ひとまず中に戻りましょう。侵犯存在の映像を取ってますので、それも見て頂きたいです」
「ホントにわかってくれました……?」
そんな敷浪に、仙導は本心からかは怪しい自制する旨を返し。そして次には敷浪に促し、報告事項があることを併せて紡ぐ。
それに敷浪はその凛々しくも愛らしい顔を、しかし大変に懐疑的な色に染めて疑惑の声を向けたが。
ひとまず両名は発着エリアを後にして。帰投後の各事項、処理のために基地施設へと戻り入った。
腹出たおじさんとかがロリっ娘にTSするのが好き。