余命2年の強化幼女を甘やかしまくったら最凶パイロットになった ~オズとシンデレラ~ 作:富士伸太
oz-admin:
罪?
helmet:
……機械化幼兵部隊の中では、模擬戦闘を
利用した物資の奪い合いが正当化されている
helmet:
この制度を作ったのが、俺たち三機だった
zweihander:
ラタが暴走したとかじゃない
合意だったんだ
zweihander:
ラタ、ヘルム、俺たちが動かす「ラタ」は
間違いなく最強だった
zweihander:
ラタ01だったヘルムの戦略眼
ラタ02だった俺の格闘戦能力
そしてラタ03……今のラタの機体制御能力
helmet:
そうだな……
すべてが噛み合ったとき
タイプ:バトルシップさえも
倒してみせた
zweihander:
あのときの俺たちに勝てるやつなんざ
いないって最高潮に達して……
zweihander:
その結果に絶望した
oz-admin:
結果?
勝利したんだろう?
zweihander:
全力のシャルダグニを28発撃ち、
28人の
oz-admin:
なっ……!?
zweihander:
食ったんじゃない
ただでさえ機人核3機分の演算負荷は
激しく重い
ナーサリー・ライムでもない普通の
N粒子の観測とシミュレーションを強要し
シャルダグニを撃てば、
その瞬間に焼き切れる
zweihander:
……最後の一人は、喜んでトリガーを握ったよ
自分も高位AIの
zweihander:
そのときは、光栄な死を与えられたんだと
俺自身満足していた
尊い犠牲だなんて言葉で誤魔化してな
zweihander:
だがタイプ:バトルシップとの戦争が
終わって、俺たちに普通の
配給された
zweihander:
だが不思議と満足できなかった
あの緊急時に俺たちの
供与された28人は皆、優秀だった
演算力が高く、豊富な戦闘経験を備えていた
zweihander:
そこで俺たちは、なんとかあの時の
感覚を……自分たちをフルスペックで
動かせる
感覚を味わいたくて、模擬戦闘訓練による
資源の奪い合いを制度化した
helmet:
マントリとの利害も一致した
あいつはウィッチクラフトが能動的に
生きられる社会の実現を目指していたからな
zweihander:
俺たちは、とあるウィッチクラフトと
勝負し、
helmet:
その
今のシンデレラたちのように、
月齢2ヶ月で凄まじい活躍をした
oz-admin:
……ムサシか
どうしてその名を?
helmet:
ガジャがふと口にしたんだ
歴史に置ける最強の戦士の名前が
ムサシという、と
oz-admin:
……へえ
helmet:
ムサシとの戦いは……充実してた
zweihander:
その子はブレードの名手だった
……だけじゃない
電磁フィールドを使うヘルムの戦法も
その子が考えた
天才だったよ
helmet:
……俺とツヴァイハンダーは、
この子を喰いたくなかった
喰いたくないと思えば思うほど、
ラタのボディの中で死んでいった子の
顔が頭にこびりついて離れなくなった
zweihander:
俺たちが、可能性ある子を殺した
28人もだ
自分がどんなに血塗られているか
そのときようやく気付いた
helmet:
そして……ムサシの意識が消失して
俺たちに食われたとき、俺たちは破局した
それまで曖昧だったラタ01から03まで
完全に独立した自我となり、俺たちは
ラタであることを拒否した
zweihander:
そうだ
そして俺とヘルムは、マントリに頼って
ラタのボディからパージしてもらって
一般ウィッチクラフトのボディに
換装してもらったわけだ
helmet:
ただ、その恩義もあって
模擬戦闘訓練を利用した資源の
奪い合いを止めることはできなかった
ショック療法みたいなもんだが、
模擬戦闘はウィッチクラフトの自我の
覚醒を促す効果もあったからな……
ウィッチクラフトの自由の拡張を
考えるマントリにとっては好都合だった
helmet:
だからお前たちがガントレットたちに
目をつけられたとき、大っぴらに
助けてやることもできなかった
oz-admin:
そ、そうか……
色々と衝撃だが……経緯はおおむねわかった
oz-admin:
死んだ
代弁することは俺にもできない
その罪を償うためにお前たちは
もがいているんだろう
oz-admin:
俺は、あんたたちを責めることはできない
oz-admin:
ただ、話したくもない過去を
打ち明けてくれたこと、感謝するよ
oz-admin:
それで、だ
helmet:
それで?
oz-admin:
……その、もうちょっと謎に迫るような
秘密とかないのか?
カリディアンの正体とか、この基地が
出来上がって
システムになった理由とか
最上位者の正体とか
helmet:
すまん、そこは俺たちとてわからん
oz-admin:
あと一番知りたいのは、ケレスの外に
人間の文明があるかどうかなんだが
zweihander:
……わからん
oz-admin:
なんだよもー!
俺が期待してたのもラタを倒したのも
そこなんだよ!
こんだけ頑張ってノーヒントかよ!!!
helmet:
落ち着け、オズ
oz-admin:
俺は
作りたくてがんばったんだよ!
もうちょっと、こう……ご褒美があっても
よくないか!?
zweihander:
ご褒美か……
あるぞ
oz-admin:
え?
zweihander:
ここだ
『いさりび』だよ
helmet:
どうやったかはわからないが、
お前はラタの権限を奪ったんだろう?
oz-admin:
ああ、そうだ
その……昔の仲間に悪いことをしたとは
思うが、元々あった人格データを疑似人格で
上書きした
helmet:
謝罪はいい
むしろ俺たちが決着を付けるべきだったんだ
zweihander:
むしろ尻拭いをさせてしまったな……
すまなかった
oz-admin:
そう言ってくれると助かる
けど、『いさりび』がご褒美ってのは
どういうことだ?
helmet:
この作戦が成功すれば、一部の
ウィッチクラフトは『いさりび』に
常駐する形となる
そしてお前はラタの権限を有している
この施設を自由にできるということだ
zweihander:
生身の人間のための施設は通電が
切られてるだけで、ほぼ生きているはずだ
それにカリディアンも大きな改造はしていない
ケレス地表とは違ってここはコロニーだ
下手な改造は『いさりび』本体にダメージが行く
つまり
できるというわけだ
helmet:
作りたいならば、ここに作ればいい
そしてラタの権限を握った今のうちに、
子どもたちを守り抜く力を手に入れろ
俺たちも協力する……いや、させてくれ
zweihander:
その通りだ
オズ、これからはお前が戦略を決めるのだ
私たちはそれに従う
oz-admin:
ヘルム、ツヴァイハンダー……ありがとう
早速で悪いんだが……
zweihander:
ああ、何でも言ってくれ
oz-admin:
ファミレスかハンバーガーショップに
行きたいんだよ
zweihander:
ああ、ふぁみれ……ふぁみれす?
◆
いさりび奪還作戦は勝利に終わった。
ラタが固執していた『いさりび』全領域の奪還までは達成できなかったにしても、中央部の支配域を手にしたのは間違いなく大戦果と言える。
問題は、支配領域をどう管理していくかだ。
ここから始まるのは『いさりび』という大きな盤上での陣取りゲームとなる。防衛戦力を置き、こちらの陣地を奪われず、そして敵方の陣地を少しずつ削り取っていく。
そこで機械化幼兵大隊の一部戦力を『いさりび』に常駐させることとなった。
いさりび防衛中隊と名付けられた部隊の中心はラタだ。……というよりラタ以外にウィッチクラフトを取りまとめることができるウィッチクラフトは存在しない。
もっとも、その中身が俺の生み出した疑似人格であることを知る者は少ない。ウッドマン、ライオンハート、そしてヘルム隊長の三機のみである。
そして俺はラタの権限を使って、俺たちを『いさりび中隊』に編入させた。ここを拠点にして俺は見出して見せる。子供たちの未来を。
「えー、まだ帰れないのぉ?」
「大仕事も終わったのに……
はぁー……基地が恋しいですぅ」
「めんどくさー」
……親の心子知らずとはよく言ったものだ。
『居住用モジュールまるごと持ってきたが、
やっぱり基地とは違うか?』
「違わないけどさぁ……
なんかしっくりこないっていうか」
まあそれも無理はない。最初は基地の外に出ることに興奮を感じていたが、それはあくまで任務だからだ。「基地の外で生活する」という未知の環境にすぐさま適応できるものではないし、帰りたがるのも道理だろう。
だが。
俺には秘策があった。
「で、なんで今日はこんなところ行くの?
カリディアンが出てくるわけないじゃん
どうせ入ってこられないし」
『幼体が入ってくる可能性も
ゼロじゃないから、一応な』
『そうそう、警戒は大事っス』
『少し我慢してくれ。すぐに終わる』
今は少々特殊な警戒任務にあたっている。
それは、宇宙港内のとある施設内に幼体カリディアンやカリディアンの卵がないか……というお題目での警戒任務だ。
そこは人間サイズの体しか入り込むことはできない。よって俺達は、映画館でやったように俺、ウッドマン、ライオンハートの三機で人間サイズの作業用ドローンをコントロールし、
その施設の名は、こう書かれている。
タイタンズモールいさりび店。
『電源供給を復活させているから安全だ。
でも暗い方のエリアには行くなよ、
危ないからな』
「危ないから哨戒任務してるんでしょ?」
『一理ある』
「一理あるじゃなくてさー」
いつもより文句が多い。
これは……三人とも怖がってるな?
シンデレラはあえて大声で不平不満を言うことで、怯えそうになる体に「怖がってなんかいない」と自分を震え経たせている。そして、仲間たちにも強そうな自分を演出して勇気づけている。
人魚姫は逆に最初に発言した後からだんまりと何も言わなくなり、だが眼だけはキョロキョロと周囲を見て、特に後ろや暗闇に何も無いことを念入りに確認している。恐怖と警戒がちゃんと結びついて行動となって現れている。
ピノキオはわかりにくそうでわかりやすい。いつにもまして無表情だ。銃を握る手には力が入り、心拍が早まっている。「ここから逃げたい」という願望と、「何かあったら撃たなきゃ」という使命感に溢れている。こいつも男の子だな。
うんうん、みんないい子だ。
『さて、もう少しで探索領域の最後だ。
扉を開けて、明かりのところまで行けば
任務完了になる』
俺はそう言いながら、赤色ランプの灯る狭い道の終点を指さした。
終点には、金属製の両開きの扉がある。扉の近くには消火設備、ボンベ類、予備の宇宙服などが保管されていて、地球で言うところの消防法に寄る設置義務みたいなものがあるのだろう。何階建て以上の商業施設にはこれを置くこと、みたいな。
ここは、そういう法律に縛られた商業施設だ。
「まぶしっ!? なにっ!?」
「重力が生きてるです! 気を付け……あれ?」
「わあ……!」
俺が扉を開けてその先を示すと、三人は驚き……そして絶句した。
三人の目の前にあったのはハンバーガーショップと日本のファミレスを混ぜたような色鮮やかな店構え、そしてハンバーガーやポテトなどを空中に描き出す三次元ディスプレイだ。
匂いまで漂ってきそうなリアルな映像に、シンデレラたちがごくりとつばを飲み込んだ。
『ようこそ!
スペースカウボーイ・いさりび店へ!』
料理の映像の次に、カウボーイ姿のデブいおっさんが映し出された。
満面の笑みでガハハと笑いながら鉄板の上でステーキを焼いたり、無駄に格好を付けながらスパイスや塩を振っている。カウボーイ姿からコック服になって中華鍋を振ったり、あるいは板前姿になって寿司を握ったり、デブいおっさんが七変化して様々な料理を作り上げていく。
まあ、フードプリンターがあるから実際に調理するわけではないんだがね。
『ハンバーガーショップというより
アメリカンダイナー寄りのファミレスって感じだな。
ハンバーガー以外にも、中華も和食もあるぞ』
「え……これ……いいの?」
『みんなには頑張ってもらったからな。
ちょっとしたご褒美だ』
三人の困惑の表情が徐々に理解へと変わり、そして大きな喚起へと変わっていった。
「あたしあそこの真ん中の席!」
「あ、シンデレラずるいですぅ!」
「ねーねー、真ん中もいいんだけど
カウンターも格好良くない?」
「あ、そっちも良いわね!」
シンデレラたちは我先にとバタバタ走り出して、柔らかいソファーに身を投げ出した……かと思えば、カウンター座席に座ったり、勝手にカウンター内に入ったりとやりたい放題だ。しまった、子供の好奇心を甘く見ていた。
『こら! 店内を走るな!
お行儀よくしなさい!』
「あはは! オズが怒った!」
『お行儀よくしなければ料理を出せないぞ?』
「「「……はぁーい」」」
ウッドマンの注意に、皆がぴたりと動きを止めた。しずしずとテーブル席に座り直し、おほんとシンデレラが咳払いをしている。
食事のマナーなんてアニメや漫画経由でしか知らないのに、行儀のよいフリをしているのだ。微笑ましい。
「さて、何を食べるのか選びましょ」
「わたくしテキサスセットを所望いたしますわ」
「ぼくは……ポテト食べたいです!」
「あっ、デザートもある……
これどんな味するんだろ……?」
「こんなに食べられるですか?」
「分ければいーよ」
『サラダも食うっスよ!』
「「「はーい!」」」
ライオンハートの言葉に、三人とも元気よく頷いた。
だがそこからが長かった。ピザも食べたい、寿司もいい、いやいやラーメンだって食べたい、メキシコ料理もあると、わーわーきゃーきゃー騒いでまったく話が進まない。
「これ! これ絶対美味しいって!」
「テクスメクスはメキシコ料理じゃないですぅ!
アメリカンな料理を選ぶならハンバーガーで
決まりですー!」
「ねーねー、お寿司にしようよお寿司」
『あーもう、みんな好きなの一つずつ頼んで
シェアすればいいじゃないか。
また食べられそうなら追加でオーダーすれば
作ってやるから』
「「「それだ!」」」
ようやくオーダーが決まった。
まったく……といいたいところだが、映画館でポップコーンとジュースを楽しんだとき以来のまともな食事だ。あれを食べたい、これを食べたいと悩むのも仕方のないことだろう。
よし……シェフとして腕をふるってやろうじゃないか。まあ実際はフードプリンターにデータを打ち込むだけなんだが……。くそ、ここに平成・令和のガスコンロがあれば炒め物くらい作ってやれるんだが、ここは宇宙開拓時代のテクノロジーに頼るとしよう。
『はい! おまたせしましたっス!』
「わぁ……!」
ライオンハート、ウッドマン、俺で手分けして料理をテーブルに並べていく。
目をキラキラさせてみんな料理を眺めている。
シンデレラにはハンバーガーとコーラ。
人魚姫にはマルゲリータピザとレモンスカッシュ。
ピノキオにはラーメンと烏龍茶。
その他、フライドポテト、餃子、生野菜サラダなどなど、シェアするための料理が所狭しと並んでいる。
いや……頼みすぎだな。食べ切れるか?
「いっただっきまー……あれ?」
シンデレラが食べようとして、固まった。
『ん? どうした?』
「これ……どうやって食べるの?」
『あっ』
「あ、ぼくもよくわかんない」
シンデレラに出したハンバーガーは、いわゆるファーストフード店の小さめのハンバーガーではない。ちょっとお高めのアメリカンダイナーの、お皿に盛られているタイプの高級ハンバーガーだ。
これが何を意味するかと言うと……デカい。しかも縦方向に。
そしてピノキオが頼んだのはラーメンで、箸で食べる必要はあるのだが……当然、みんな食器類を使ったことなどない。
「ふふん、みんな考えが甘いですぅ。いただっきまーっす」
人魚姫は自慢げにピザ一切れを手にとって、あーんと見せつけるように食べる。
どうやら興味関心のみならず食べやすさも考えた上でピザを選んだようだ。人魚姫はこういうとき抜け目がない。
「んーっ! 美味しいですぅ!
チーズってこんな味してるんですねぇ……!
はぁーん……もう、幸せですぅ……」
「あっ、ずるーい!」
「ぼくも食べたーい」
「そーよそーよ! わたしももらう!」
「あっ! まず自分の食べるです!」
『はいはい、お行儀よくする!
食べ方くらいちゃんと教えるから。
まずこの手のハンバーガーは包み紙が
セットになってるから、それを使うんだ』
俺は皿と一緒に出した包み紙を広げてハンバーガーを包んで、改めて皿の上に乗せた。
こうすれば見た目としてはハンバーガーショップのハンバーガーと変わらない。
「そっかぁ!
だからこの紙が付いてるのね!」
『それでも食べにくかったら
フォークとナイフ使えばいいさ』
「わかった! それじゃあいただきまーす!」
「ねーねー、ぼくも箸の使い方教えて」
『オズ! 救援要請っス!
あたしも箸の使い方わかんないっス!』
『あー……いきなり箸は難しいか……。
レンゲとフォークで……あ、いいのあったわ。
これ使おう』
食器類の棚を探すと、面白いものがあった。
まさかこんなものが平成時代から連綿と受け継がれて宇宙コロニーに残っているのは驚きだが、ありがたく使わせてもらおう。
『なんスかそれ?』
『ラーメンフォークだ』
これはスプーンとフォークが一体になったものだ。某ラーメンチェーン店で使われていたもので、東海地方の人にとっては割と馴染み深いものだろう。これをピノキオに渡すと、なんだか妙に感動していた。
「おお……用の美だぁ……」
「ねえねえ! それあたしにもちょうだい!」
「私も、ピザ取られた分もらわないと
割に合わないですぅ。
てゆーかシンデレラも私にちょっと
ハンバーガー譲るべきです!」
「わかってるってば!
オズ! ハンバーガー切って!」
『はいはい……って、口の周りソースだらけだぞ』
「えっ!?」
「あっはっは! 変な顔ですぅー!」
「人魚姫だってトマトソースついてるじゃん!
ピノキオも……ピノキオはきれいに
食べてるわね……」
「うん」
ピノキオは一番手先が器用だ。スープをこぼすことなくラーメンを食べている。
対して、シンデレラと人魚姫はちょっと恥ずかしい有様になっている。二人とも口の周りがベッタベタだ。
『ほら、ちゃんと拭く』
「食べ終わってからでいいってばぁ」
『あ、じゃあこのまま写真撮るっスよ』
「え、待って待って! 拭くから!」
「シンデレラ、顎の横にもついてるです」
「わかってるってば!」
わちゃわちゃと食事を楽しむ子供たちを見ていると心が癒される。
凄まじい戦いは思い出したくもないくらい辛かったし、これから様々な苦難が待ち受けている。カリディアンと徹底抗戦するだけではなく、ライオンハートを通じて和睦路線を取るという選択肢が生まれた。問題は山積みだ。
流石に俺とライオンハートだけでは扱いかねるので、ウッドマンには相談済みだ。
ウッドマンも相当頭を悩ませていて、今まで沈黙を貫いていた。
---
woodman:
ライオンハート
まずは秘密を打ち明けてくれてありがとう
oz-admin:
流石にこの秘密を抱えたまま
食事会はできないしな……
むしろびっくりさせちまったな
lion-heart:
中々言えなくてほんと申し訳ないス
というか巻き込んだことがまず
申し訳ないというか……
woodman:
今更の話だ
高位AIに隠れて策を弄しているのだ
流石にタイプ:メンターというのは
予想外だったが……
woodman:
大事なことは、この子らをどう守るかだ
lion-heart:
ウス、もちろんっス
woodman:
その上で……私はカリディアンと軽々に
手を結ぶべきではないと考えている
lion-heart:
まあ、そっスよね……
woodman:
だが、それは交渉やコミュニケーションの拒絶を
してよい理由にもならない
そもそもなぜ我々は戦っている?
当然のごとくカリディアンと戦争状態となっているが、
鹵獲された味方について高位AIから何の説明もないに
ライオンハートからはあっさりと回答が得られた
高位AIの説明や、プリインストール知識だけでは
何もかも判断できない
我々はあまりにも無知だ
oz-admin:
そこなんだよな……
ヘルムたちでさえ真実を掴んでなかった
woodman:
だが我々は近付きつつあるはずだ
共に真実を明らかにしよう
この子たちを真に守るためは、それが必要だ
lion-heart:
ウッドマン先輩……
woodman:
ヘルムたちにも相談しなければならないだろう
ラタの件もある
oz-admin:
カリディアンの件は……迷っている
あいつらは戦争をしてから長いようだし
信じてくれるかどうか
woodman:
証拠を突きつければいい
鹵獲された機人核に証言をしてもらえば
彼らとて認識を改めざるを得ない
oz-admin:
そうか……その手があったか
woodman:
他にも打つべき手は色々とあるだろう
今がチャンスだ
だが、今は……
oz-admin:
今は?
woodman:
……おかわりの用意をしなければな
---
大量にあったはずの料理の皿は見事にからっぽだ。
食べている内に食器の使い方も覚えたのか、シンデレラたちの手も口周りも綺麗だ。「次の料理はまだ?」みたいな顔をしてこっちを見ている。
『ったく……作り甲斐があるよ。
オーダーをどうぞ』
注文を頼む子どもたちの声が、店内BGMに負けじと響き渡った。