わたしは剣。――無能だった少女が、異能者たちの全国大会で運命を斬るまで 作:遠野静
彼女――薄い灰色がかった、鈍い髪。
あんまり手入れしていないのか、ぐしゃぐしゃと荒れた感じ。
なんだろう。すごく、よく知っているけれど。
でも、絶対にわたしには出逢わない/だって、それはわたしだから
なのに
飢えた狼を思わせる彼女は、真っ直ぐ『白夜の聖剣』へ詰め寄った。
「逸見先輩! またどこに行っていたんですか!?」
「寄藤。私は、普通に他校に挨拶をして回っていただけだよ」
「それは大事、ですけど……ともかく! ちょっと、またその感じでふらりと消えられたら、わたし達だって、困ります!」
寄藤……さん? 彼女は、それからキッと、わたしの方を見た。
その瞬間に、凄いピリピリとした圧が、肌にかかる。
なんだろう/彼女は、寄藤さんは。
その感じは/わたしと、佐守あおと見た目は違うのに、よく似ている
凄く理不尽なのに、凄く怖い/だから、今、彼女が自分に向ける感情が分かってしまう。
「あんたが――『佐守あお』」
「ひっ――」
録音した自分の声を聞いた時みたいな、違和感のある嫌な声。
思わずびくりと身体が震えて、わたしは『終の熱剣』、戸枝さんに抱き着いた。
彼女の肌を感じていると、安心する……から……。
「佐守さん、落ち着きなさい。挨拶もまだでしょう?」
「寄藤も落ち着け。君もそうピリピリするな。怖い」
「「――――ん」」
『熱剣』と『聖剣』――二人の『剣』から言われて、わたしたちは同時に黙る。
「うん。……ええと、そうだな。ここは『白夜の聖剣』として、私からそれぞれ紹介しよう」
「なぜなら、現状双方を把握できている唯一の人だ」と『聖剣』は言った。それはまあたしかに……。人かはおいといて。
そうしていると、まず逸見さんは隣にいる、その――狼みたいな子の肩を叩いて言った。
「まず、この娘は寄藤。寄藤環だ。うち――白夜高校の生徒で、一年生」
「……よろしくおねがいします」
すっごい素直。だけど、すっごい不服そうに、彼女――寄藤さんは頭を下げる。
……いや、今のは下げたのかな? なんか顎をしゃくっただけにも見える。少なくとも、内心は絶対によろしくしてない。
でも、それを見ていた『聖剣』さんは苦笑――のような何かを浮かべて、頷いた。
逸見さんからすると、まあ『ギリギリ許せる無礼の範囲』だったのだろう。
その後で、その寄藤さんの肩を叩いて。
――というか、掴んで。……なんかこう、今にも飛び掛かりそうなのを無理矢理押さえながら、今度はわたし達の紹介をする。
「それで、寄藤。君にはなぜか分かったようだが、まずこちらが『佐守あお』さんだ」
「――――」
寄藤さんと目が合う。瞳が揺らぐ。
……なんだか、気分が、ひどく悪い。
なんだっけ。ドッペルゲンガー? わたしと同じ顔をしているやつ。
彼女とは、顔も背丈もちっとも違うのに。なぜだかそれを連想させた。
ただ、ココで問題なのは、どちらがどちらかは分からないこと。
ふと、こんと肩に温かい熱がこもった。戸枝さんだ。
「――佐守さん、挨拶」
あっ。
「さ、佐守……あおです……」
よろしく、おねがいしますといってペコリと頭を下げてから、わたしは戸枝さんの腕に抱き着いた。
戸枝さんから伝わる熱。これで何とか……わたしはわたしで、いられる。
わたしは彼女とは別人なんだと、自分に言い聞かせる。
その後、逸見さんは、今度は戸枝さんを示して言った。
「それから、こちらが戸枝小春さん。彼女は凄いぞ。私にも迫る。きっと二年後には、絶対に今の私より強くなっている」
「……は、はぁ!? 先輩、それは――!」
「よろしくおねがいします。寄藤さん」
相変わらずの狂犬病を相手にしても、まるでその扱いには手慣れているかのように、戸枝さんは堂々と前を向いて、頭を下げた。
綺麗な一礼だ。『白夜の聖剣』に勝るとも劣らず、ましてやわたしや寄藤さんとはまるで違う。だって、彼女が背負う自負と覚悟は、誰かに依拠することのない、彼女だけの焔(ほこり)なのだから。
一方、首輪を握られた狂狼は、余計に『聖剣《かいぬし》』の腕を強く握っている。
…………なんだか、すごく気分が悪い。汚れた鏡をみているようで、吐き気がする。
『熱剣』の腕を握りながらそんな所感を浮かべていると、『白夜の聖剣』、逸見さんはやれやれと首を横に振りつつ、わたし達三人に纏めていう。
「君らは同年代だ。私や水野が卒業しても続く縁だぞ? もっと大切にしなさい。仲良くしろ……とまでは言わないが、少なくとも『選手としての礼節』までは、忘れるな」
それすらも失えばただのチンピラ。誰にでも噛みつく狂犬は選手ですらないと『聖剣』は語る。
でも、そんなことは、多分今の彼女にはどうでもいい。
『白夜の聖剣』は三年生だ。今年が終わったら、もう卒業してしまう。
「…………っ」
……そっか。
『わたしにとっての、今の戸枝さん』を、先に彼女は失うんだ。
その大事な二週間を奪った相手――それが、わたし。
――それは、うん。
恨まれても仕方がない。
この熱を奪われるだなんて、今のわたしには思いたくもない。
「……逸見先輩」
「うん。どうした、寄藤」
「わたしは我慢を……しました――! が――!」
ぐいっと無理矢理、あの『聖剣』の腕を剥がして、彼女はわたしに近づいてくる。
凄い。あの『聖剣』の腕からも今この瞬間は逃れ、鏡がわたしを覗きこむ。
「いい? 今から、あなたに言うこと、全部ただの事実だから。あんたは、それを黙って聞きなさい」
「え、は――はい!」
めちゃくちゃにピリピリとした『圧』を受けながら、わたしは答える。
「まずあんた、『佐守あお』。わたしはあんたを絶対に許さない。必ず『殺す』。なぜかというと、『わたし』――いいえ、まず『白夜高校』の貴重な、大会前の、二週間を、あなたがぜんっっっぶ奪ったから!」
「そ、それは――!」
「寄藤、その話は」
「今の言葉のどこかに違う点でもあった? ないでしょうが。なら、まず、あんたは受け止めろ」
「はい……」
……そうです。
まったくもって、申し開きも御座いません。
多分、『白夜高校』とか、本当はどうでもよくて。
『わたし』から『聖剣』を奪ったというところが、彼女の、寄藤さんの大事な一点。
だから、この殺意はあまりにも正しすぎる。
殺意に正誤もなにもないかもしれない。けれど、立場が逆ならわたしもまったく同じことをしただろうから、わたしは彼女の殺意を肯定する。
「……佐守あおに、わたしから伝えることは全部終わったわ」
言いたいことだけを言った寄藤さんは、「ふう」と、小さく息を吐いた。
マウンティングを終えて満足した狼のように。
――けれどその牙は、すぐ『次の標的』へと向かう。
あ、ダメ。それは。
「――で、その佐守が抱き着いている、あんたが例の『戸枝小春』」
「……ですが、なにか?」
戸枝さんはどこ吹く風というよりも、そもそもまるで気にしていない。
これだけの遠吠えを受けても尚、彼女は『そんなものはこれまで散々通って来た道だ』とでも言わんばかりに、怯えることもない。
だけど、『それ』を、彼女を、『主役の光』を、穢すことは――
「――『終の熱剣』ねえ。『白夜の聖剣』と同等の一年生――なんて、噂されてるけど? そもそも、広島の中堅高に入学して噂されて嬉しいワケ? わたしだって同じ位の魔力りょ――はぐっ!?」
「え」
「は」
あ。
しまった。どうしよう。
本当に、言葉より先に手が出ることってあるんだ。
でも、こんなの人生で初めてで、わたしは突き出した拳をどうすればいいのか、困っていると――
「あ・ん・た・ねぇ~~……」
床に膝をついていた寄藤さんは、しかしプルプルと震えながら、自力で立ち上がった。
……その根性には、素直に感動している。なんなら、少し好感度は上がってしまった。
けれど、問題はここからだ。
試合中ならともかく、ただの道端での暴力沙汰なんて、わたしは全然慣れていない。
怖い、どうすれば――
「……そんなにやりたいなら、ちょっとツラ貸しなさい。試合前なんだし、模擬剣持ってるでしょ」
「え、いいんですか? やりましょ――んぐ」
「――お待ちなさい」
なんだ。それなら話は早い、と思っていたのに、戸枝さんに口を塞がれた。
「はあ? ちょっと――「待て」――んっ」
そして、当の寄藤さんも逸見さんに「待て」と言われて、なんかしゃんとなった。
しかし、なにゆえ――?
「すまん逸見。今回は完全にウチの落ち度だ。なんなら代打でウチの部員貸す――てか、あたしが出る」
なんて、水野部長が言い出す始末。
……なんで? この人さっきまで二万だか四万だか踏み倒そうとしてた人なのに。
「いや――うん……いや、そうだな。まあ、その……うちのも、無関係な戸枝さんにまで嚙みついたのが、よくないと、思う。……ダメだろう、寄藤。試合前に余計な消耗をしたら」
「はい……」
あ。そうか。
……そうじゃん。いまから大切な試合じゃん。
なのに、その前の余計な諍いで体力を消耗するのは、時間の無駄、というか……。
――普通に、わたしが、悪い、のでは?
「んぐ、ぐっ」
さすがにごめんなさいと言おうとしたのだけど、戸枝さんに口を塞がれていて言えなかった。
そうしているうちに、逸見さんはこちらに背中を向けて。
「じゃあ、また――そうだな、試合では『新技』を見せるよ。あと貸しを忘れるなよ。ほら、行くぞ寄藤」
「は、はい……」
しょんぼりした感じで逸見さんについていく寄藤さん。
なんだか、飼い主に叱られてるわんちゃんみたいだ。
そう思っていたら、ないはずの垂れた耳とシッポが見えてくる気がする。
――などと思っている場合ではなく。このままでは、わたしが、完全に悪なのでは……?
「ぷぁっ――ご、ごめんなさい……!」
とか思っていたら、やっと戸枝さんが手を放してくれた。
でも、その謝罪の言葉をいう相手は、もう控室を出ていってしまっていた。
しょんぼりしていると、さっきまでわたしの口を塞いでいた戸枝さんが、わたしの耳元に口を寄せて――
「……まあ、先程の一撃自体は、あなたが悪いとは思うのですけど」
と、ちゃんと釘を刺した上で、少し気恥ずかしそうに。
「ただ、私のために怒ってくださったのは嬉しかったですし、寄藤さんのおっしゃることも間違っていませんので……。何と言いますか、私の落ち度でもあります」
とか――え?
「……ええ、まあ。『私の実力なら、どこへ入れば噂になるか』という考えが、入学希望にまったく無かったかと言われると……言えませんから」
「もちろん、家庭の事情だとか推薦や併願もありましたが」なんて言ってくれるので、「じゃあいいか」と少し思った……のだけど、これまでずっと黙って、知らぬ存ぜぬを決め込んでいた望月さんがこちらを向いて。
「いや、あれは佐守さんが悪いと思うよ」
……ダメかぁ。
なにはともあれ……グチャグチャだ。
今から一回戦なのに、その前から『白夜の聖剣』とのランダムエンカウント。
おまけに多分わたしだけ、ドッペルゲンガーとの遭遇なんて不吉なことが起きてしまった。
こんな心情でまともに試合ができるのか。試合中に立て直せるのか悩んでいると、ふと――
「……ま~、しかし、エグいなあ『白夜の聖剣』。あいつ、なんなんだ、マジで?」
そうぼやくのは、白夜の二人が去っていった方を見る、水野部長。
「やっぱ、そういう怪異の類だろ」とか、吐き捨てている。
わたし達の前では頼れる背中だった水野部長も、やはり今の……寄藤さんはおいといて、『白夜の聖剣』との遭遇で少し心をかき乱されていたらしい。
後輩の前だから、耐えてくれていたのだろうけど、なんなら今すぐにでも槍を抜いて、『白夜の聖剣』が去っていった方に投げつけそうな雰囲気があった。
「あ~……『コレ』を、今から灘魏もされるんだ。ありえんだろ。も~、さぁ~――」
バチリ――と、水野部長の全身から火花が散っている気がした……。
◇
今回のフィールドは山岳地帯。
別段珍しくもない、日本の山脈地帯の高速道路とかでよく見るような、どこにでも大体広がっているような光景だ。
なんなら――そう、わたし達の合宿場によく似ている。
――そして、だからこそリアルに分かってしまう。天災が起こった時の恐怖が。
しかもわたし達の開始位置は、向こうの開始位置よりも『下』にある。
ただでさえ有利な高台に、身も蓋もない『雪崩』が降ってくる。
一応中間地点には『山頂』が彼我を分かつように立っているけれど、そこに到達するのは、秋原よりも灘魏の方が早い。
……こんなの、どうすれば?
ぽかんとしていると、山名先輩がこほんと咳払いした。
「落ち着け。まず作戦通りに、一年三人は最速で相手の大将を狙――」
「――あー。ごめん、山名。その作戦、一旦無し」
その言葉に異を唱えたのは、他ならぬ水野部長だった。
いつもどおりやる気の無さそうな表情で……でも、なんか。
……なんだか、今の水野部長は、怖い。
触れたらばちって、静電気が流れそうな感じ。
飄々として、気だるげな雰囲気は変わらないのに。
「あー……ああ、はい。そういうことですね」
と、なにか得心がいったのか、山名先輩は頷いた。
けど、わたしや戸枝さん、望月さんにはその意味が分からない。
なにか別の作戦がある……とか?
「んや~。作戦とか大したものじゃないよ~」
水野部長が答える。それと同時に、試合開始のブザーが鳴る。
作戦を決めていないから、わたし達はまだ動けない。
動けないけど。
「――『抜槍。トリアンナ』」
水野部長は、槍を抜いた。
いつもの詠唱も無し。詠唱を短縮してもある程度の力があれば、『異能』は顕現できる。
けれど、もちろん威力は落ちる。落ちる――はずなのに……。
「まったく……せめて、決勝戦で『コレ』されんなら、よかったのにさぁ」
水野部長の髪は逆立ち、全身からは戸枝さんと変わらないほどの魔力が迸っている。
「山名~? 目印だけあげてくれる? あたしじゃ大雑把にしか狙えないからさぁ」
「了解っす」
言って、山名先輩は狙撃銃を空に向けた。
ぱんっという乾いた音。それから敵陣地の頭上に光がチカチカ上がる。
……花火みたいだと思ったけど、あれはたしか照明弾とかいうやつだ。
当然、攻撃力もないし、向こうも全然警戒していない様子……。
けれど水野部長はその照明弾に向けて、槍の穂先を向けた。
あの構えは――槍投げの構えだ。
「ま、一回戦からうちの『秘策』は見せたくないし? そういう意味では、良しとしましょう」
――穂先が光る。
水野部長の態度はいつも通り――どころか、いつも以上に脱力しているのに。
その力は、その『異能』は、あまりに規格外すぎて。
「――じゃ、『割る』ね」
そんな、本当に気軽な一言と共に、水野部長は山名先輩があげた照明弾に向けて、無造作に槍をぶん投げた。
瞬間、ピカって光って。
それから少し遅れて、轟音が鳴り響いた。
「……!?!?」
雷鳴、轟音。その衝撃波は遠く離れたこちらにまで届く。
木々が圧し折れて、わたしは危うく飛ばされそうになるのを、後ろにいた戸枝さんに抱えられた。
でも、向こうの方が被害は甚大だ。
燃えている。消し飛んでいる。何もかもが壊されて、消え失せて――
それから脱落のブザーが五回、続けて試合終了のブザーが鳴った。
「……え?」
五回ってことは、五人。相手の全員。
噂の『アバランチ』も纏めて、先輩の雷が消し飛ばした……?
「は……」
声は、わたしを抱えてくれた戸枝さんから。上を見ると、戸枝さんも放心していた。
あの『熱剣』が、茫然と立ち尽くしていた。
望月さんも声はあげてないけど、同じような表情。
一方それを成し遂げた水野部長は。
「ふぃ~……」
なんて、弱々しい声をあげてその場に仰向けに倒れていた。
それから、部長以外で唯一状況を理解している山名先輩が呟く。
「……これが、水野部長の『絶好調中の絶好調』。
本当なら年に一、二回あるかないかだけどね」
なんてことを、説明してくれたのだった。
◇
「わたし(私(僕))、いらないんじゃないですか?」
試合終了後の控室で、思わず呟いてしまった。
戸枝さんや望月さんもまったく同じ感想だったらしく、綺麗にハモった。ちょっと嬉しい。
いや、それはそれとして――
「あの……『あれ』ができるなら、もう全部水野部長一人でいいんじゃ……」
「いや~。そんなことはないよ~。『あれ』、本当に『絶好調中の絶好調』の日にしか撃てないし」
一方の水野部長は打ち上げた時とは打ってかわって、へたりこんでいた。
普段からだらだらしてる人だけど、今日は本当にやる気が無くなってる感じ。
「しかもだよ~? まともに威力も操れないんだよねぇ……さっき山名も言ってたけど、年に一、二度しかないし。絶対試合がある日ってわけでもないし。なのに溜め込みすぎると自爆するし」
「あと、雷対策や加護があれば防がれる」とか、ぼやいていた。
……水野部長は不満気だったけど、何となく目黒さんが警戒してた理由が分かる。
だって水野部長と対峙する限り、『今のが飛んでくる可能性』が常にあるのだ。
そして水野部長の調子は、相手にも、味方にも――なんなら当人だって意識してないかもしれない。
なによりも『聖剣』逸見明音にすら「君は読めない」と言わせた女。
本当の意味での『天災』だ。当たったら不運っていう意味で。
……怖すぎない? この部長?
「え~~……怖くないよ~。あたしゃ、あの『怪異』と違って、気楽で気軽な部長さんなんだから~」
その気軽な部長から『あれ』が飛んでくるのが怖いんですけど!?
そりゃあ現三年生の五指に入るよ……。
「まあ、どの道『レーヴァティン』よりは火力低いよ……多分だけど。あと効果範囲も、知らんけど」
しかも、凄い雑だし……。とか思っていると、戸枝さんがコホンと咳ばらいをした。
「えー……あー……とりあえずこれで、秋原は一回戦突破……ということでいいですのよね?」
まるで実感は分からないけれど。と戸枝さんは呟く。
うん。わたしも。……そもそも戦ってないし。
「ま、そうだね~。……つっても、本当に『コレ』は不条理だからさ。二回戦からは、ちゃんと働いてもらうよ~」
「あ、はい……」
本当に恐ろしいことに、これがわたしの『国異』の初戦となったのだった……。