わたしは剣。――無能だった少女が、異能者たちの全国大会で運命を斬るまで   作:遠野静

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後日談:『一年生チーム』と『白夜の聖剣』2

「まあせっかくだ……ヨーイドンの勝負もちゃんとしようか」

 

 あんまり汗かいてないし、などと仰る不条理……。

 すごい癪に触る。

 

「まとめておいでー。その方が愉しく"勝負"できる 」

 

 とかまで言ってるんですけどこの三年生。

 

「山名さん、試合開始をお願いできる?」

 

「はいよー。試合開始」

 

 既に『異能』を抜いている寄藤さんが真っ直ぐに向かう――

 

「はあっ」

 

「よっと」

 

 ……を、軽く鎬で払う不条理。

 

「うん。だって、私の剣術なら私が見えないわけないだろ」

 

 そういいながらも距離を取ってから件の聖剣を腰に構える――

 

「『白夜の聖剣』、いざ尋常に“勝負”とさせてもらう」

 

 ――なんて言いながら一瞬で距離を詰めて、抜刀術で寄藤さんを斬り捨てた……!?

 

「はい……!?」

 

 寄藤さんも意味が分かっていないらしい。どうやら今のは『逸見明音の剣術』に入ってないようだ。

 

「――『抜剣。レーヴァ「だろうね。よっと」

 

 斬られたまま止まっている寄藤さんの体を戸枝さんに押しつけてレーヴァティンを止めると、そのまま聖剣をまとめて叩きつける逸見さん。

 それで脱落ブザーが二回。

 

「ええっと……」

 

「ちょっと怠いな……よいしょ」

 

 聖剣を振り降ろす逸見さん。たすっと短い音で、影に潜んでいた望月さんは処理された……!

 クサナギは……多分避けられるから……!

 

「――“払え”!」

 

 魔力を込めた単純な薙ぎ払い……は、一足で距離を詰めた逸見さんの身体で、腕ごと止められた。

 しかも剣を奪われた……! あと足払いされてから斬り捨てられる……。

 

 これで脱落ブザーは四回……。

 残るは居合縮地のムラサメ、里見さんと不可視のロビン・フッド、六条さん。

 

「この辺で打たれると」

 

 なんて言いながらも不可視の矢を避けた後、矢が飛んできた方にわたしから奪った剣をぶん投げる。

 六条さんはあっさりとそれで落ちた……。

 

 後は、里見さんなんだけど……。

 

「――『消す』」

 

 ひゅっと飛び込んでくる里見さんを軽く飛び退いて避ける逸見さん。

 

「武光の真似ならこんな感じだよ」

 

 などと言いながら、剣を下段に構えて――あっという間に里見さんの懐に。

 それから聖剣で雑に横薙ぎして、里見さんを倒した……。

 

◇

 

「お前らももう少し善戦しろ」

 

 などと山名部長は無理を仰る……。

 

「いや、一手間違えたらちゃんと負けてたよ?」

 

 などと仰る『白夜の聖剣』……。

 二年生組ならまた違うのかな……。

 

「いや、さすがに二年全員は私も無理だ」

 

 ……それは、一年生チームは一人で十分だという話なのでは?

 などと思いつつも黙っていた。

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