わたしは剣。――無能だった少女が、異能者たちの全国大会で運命を斬るまで 作:遠野静
わたしの名前は佐守あお。今年の『国異』にて最後の一撃を決めちゃったもの。
『異能』は『クサナギ』――『視界範囲内の剣軌道上を、道理を無視して両断する』。
――とかいうとんでも『異能』である。とか言う話は一度置いておく。
本日もまたチーム戦、練習試合だ。
相手は――決勝で当たった白夜高校。
なお今回諏訪さんは見学という名で外されている。代わりに――
「うわ~、いやだいやだ……なんでこんな化物の集いに、また入らんといかんのじゃ……」
などと言っているのは、二年生の方。山名部長が連れてきた、見知らぬ生徒である。
名前は――杉森英恵さん、杉森先輩と呼ぶ。
「こいつの『異能』は支援向きだからな。まあ後で見せてやる……あと、諏訪にも多少はいい影響があらぁな……」
「そこに、私の意志は」
「ない、諦めろ」
相変わらず拉致してきたらしい。
ともあれ相手が相手である。
常勝にして決勝常連の白夜高校――『白夜の聖剣』が抜けても十分に脅威だ。
まず、新部長こと『白夜の綺羅星』、諸星阿左美さん、二年生。
そして『再誕の聖剣』寄藤環さん、一年生。
後は、知らない人達だけど――
「はあ……」
などとため息と共に挨拶をしにきたのは、寄藤さんである。
あとなんか隣に知らない一年生もいる。
「うわぁ、挨拶するんですか……」
思わず反応しちゃうわたしに、寄藤さんも同じような顔をしていた。
「しかたないでしょ、一応礼儀礼節、先輩きびしい」
そういえば、なんか前もそんな話をしていた気がする。あの時は諸星さんが言ってたけど。なるほど、白夜のカラーなのか……。
――などと思っていると、その隣に立っている人……多分一年生が、わたしと戸枝さんを睨んでいた。……凄い、下から見上げるような、恨み深い瞳で……。
「お前らが、『秋原の熱剣』と、『秋原の神剣』……」
「なんですか……」
と、戸枝さんが答えるが、何故かその憎悪に燃える瞳は、とにかくわたしと戸枝さんと、あと望月さんにも向いており――
――それを思いっきり背中から蹴り飛ばす寄藤さん。
「――はい。今のは忘れといて。こいつは、あんまり表に出る『異能』でもないから」
などと言いながら、その人の首を絞め墜としている。
「……一応、これの紹介、いる?」
「まあ、礼儀の話をするなら。一応名前ぐらいは」
「んじゃ――これは巌尾。え~……巌尾衣。まあ『異能』は見てのお楽しみで」
「はあ、じゃあ……よろしくお願いします」
そう答えるものの、もう巌尾さんは締め墜とされて聞いてはいなかった……。
◇
そんなわけで開始地点まで移動する。
今回のフィールドは『ビル群』だ。
遮蔽はいつにもまして多いので、『クサナギ』も雑には触れない。
無論、それは戸枝さんの『レーヴァティン』も同様で――
――そういえば、他の白夜メンバーも様変わりしていたけれど、具体的にどんな人たちなのかは聞いていないなぁ。
「ああ、あれは二年生だよ。片方が司馬。『異能』は『バルムンク』――『竜殺しの聖剣』だ」
「ああ、なるほど……うわぁ、またいやだなぁ」
と望月さんがぼやいている。
確かに、決勝戦でむりやりドラゴン出した『吸血鬼っぽいもの』である望月さんには、割と厄介な相手かもしれない。
「ついでにいうと、『剣が竜サイズまで伸びる』――まあ『クサナギ』ほど阿呆ではないが……これも、割と阿呆みたいなもんだ」
などと補足してくれる山名部長。
竜サイズとは具体的にどういうことなのか……まあ、見れば分かるか。
そう思っていると、追加説明が入る。
「あともう一人が上見――『異能』は『フラガラッハ』。『自動追尾の聖剣』だ」
「は~……なるほど」
前の、寄藤さんの『ダインスレイヴ』みたいな……しかも聖剣属性。
またも望月さん特効だな……などと思っていると、戸枝さんが口を開いた。
「残りの一年生の方は? 巌尾と呼ばれていた人の『異能』は、聞いていないのですが――」
「さあ、さすがに一年生は知らん――だがあの雰囲気は……と」
そんな話をしている内に、試合開始のブザーがなった。
「んじゃまあ一旦は『眷属』になっとけ。でも望月は前衛な~……」
「マジで言ってますか」
聖剣の群れに。死にますよと本気も本気で言う望月さん。
「お前なら逃げればなんとかなる。多分、知らんけど……あと杉森、頼む」
「分かったよ~……はあ、マジでやだなぁ……もう退部したのにぃ」
などと言いながらも、杉森先輩は前に出て――
「――『東の荒野より起つ翼、古の草木を揺らす息吹』」
その、初めて聞く唄を謳う。
「『土を巡りし豊穣よ、熱き砂塵を払いて降れ』」
それはどこか、彼女――諏訪みことさんを思い出させるけれど、それとはまた少し違う。
なんというか、地方が違う。地域が違う。
それが降りるには土地が違うと、感じさせる唄であり――
「――『降神。ニンニル』
その瞬間に、彼女は全身に風を纏った。
「はい、これが杉森の異能。『風神の加護』とか付けられる。『念話』とか」
と、即座に山名部長が説明してくれるのだが、当の杉森さんは首を横に振っていた。
「いうて大したことないよ、魔力も山名以下だし。『念話』程度――……ついでに戦いも下手」
「いや、勝手に『念話』切るようなことがなければ助かる。とりあえず杉森は、後方で待機しといてくれ」
「はいよ~……でも、勝手に念話切るとか、そんなアホいる?」
いたんですよ、うちには。
「まあいいか――とりあえずちゃっちゃと行くぞ~! 移動開始!」
◇
試合開始のブザーが鳴る。ここに、『新生白夜』の初陣が幕を開ける。
それと同時に、『再誕の聖剣』寄藤環は、試合用の模擬剣を掲げる。
「――『彼方の果て。憧憬の煌めき。夢を抱えて飛び立とう』」
それは『彼女の英雄』の詩。『選ばれずとも焦れた伝説』の唄。
灰色の髪が靡き、黄金色の光が剣に灯る。
「『再誕の門よ開け。今ここに
『白夜』であれば知らぬ者のいない伝説の剣。
故に周囲の『白夜メンバー』……諸星以外からは複雑そうな顔で見られているが、無論寄藤は気にも留めない。
「――『抜剣。エクスカリバー』」
無駄もあり、隙もあり、美しさなど欠片もない。
獣性を露わにしながら、その伝説を、ここに降ろした。
「……さて。まああいつには見せているか」
などとボヤきながらも、寄藤は加えて詠唱を謳う。
「――『集え円卓。かの剣に覚えがあるならば』」
さらに始まる『寄藤の遠吠え』。彼女の歩みが呼び起こされる。
「『我が轍。憧憬に至る路、今ここにその歩みを示せ』」
本当ならば来年の本戦まで隠しておきたいが、どうせ白夜は警戒されているし無理だろう。
ならば中途半端に情報を与えた方が楽だろうな、などと、考えつつも――
「――『召集。ナイツ・オブ・ラウンズ』」
くすんだ色とりどりの十二の輝剣が、彼女の周りに召喚された。
「さてと」
――それから寄藤は、自分の輝剣を一本ずつ適当に部員にバラまく。
とはいえ、あくまで『念話』程度まで抑えた『輝剣』である。
そうでもないと諸星以外は、『寄藤の獣性』に喰われてしまう。――故。
「よしっと……」
小さくため息を吐きながら、寄藤環は一歩前に出る。それから背後の部長、諸星に告げる。
「んじゃ……諸星部長、行ってきてもいいですか?」
「おう。新生白夜の開幕戦だ。格好良くいってきな」
「言われなくとも。では――『サー・ラモラック』」
背後に浮かぶ八の輝剣から、一本を呼び出した。
驚異的な跳躍力を持つと唄われる、その騎士の名を。
アーサー王伝説に詳しくなくても、この剣はよく知っている。
だってあの『決勝戦』で、『白夜の聖剣』が最初に呼んだ者なのだから――
「あんたの足を借りる。あとは自力で『殺す』から」
そう言って、彼女は――『再誕の聖剣』は空へと跳んだ。
◇
ビル群の隙間を走っていると、不意に影ができた。
「ん――?」
ふと空を見上げたら、太陽を背に――
『再誕の聖剣』が飛んでいる。
まるでいつぞやの決勝戦の時の逸見さんのように、ちょいちょいと手招きまでしている。
――なるほど、どうやらあれはわたし宛のようだ。
「――『
故に自ら跳ぶ――なんて馬鹿はせず、ただ上段に構えた剣に魔力を乗せる。
「『わたしは、
わざわざ視界の開けた場所に現れてくれるなら好都合だと、神威の太刀を振り上げて――
「――『抜刀。クサナギ』」
「『
滅びの魔剣が、わたしと寄藤さんの間、『視界を遮る』ように割り込んだ。
魔剣こそ両断できたが、寄藤さんは仕留めきれていない。
「――さあ、我が獣たち。食い破れ」
彼女の聖剣が指揮棒のように掲げられ、残る輝剣達が一斉にわたしを襲いかかる。
ならば、さっさと遮蔽に隠れる。ビル群のおかげで助かった。
(――『世界よ終われ』)
などと思っていると、不意に念話で詠唱が聴こえる。
(『私と共に、私以外の全てを焦せ』――)
同時に、反対側から燃え上がる炎。無論、今まさに空中にいる寄藤さんには、回避できる能力はなく――
(『炎の剣。主役の光。大地を丸ごと焼き尽くし、私だけの春よ来い――』)
彼女の矜持、『秋原の熱剣』が、空中の寄藤さんを『終わらせ――
「――『名もなき者、謳われぬ者、選ばれざるわたしたちよ』」
――その直前に割り込むように、寄藤さんの歌が差し込まれる。
「『ならばここにそれを謳おう。全ての星屑のために』――」
――赤黒い螺旋が、『秋原の熱剣』。あの『決勝戦』で『最も謳われた者の一人』に向けて――
「――『咆哮。ノーバディ・ロア』」
道理を無視する遠吠えが、世界の終わりをも貫いて、一直線に突き進んだ。
続いて脱落ブザー――戸枝さんだ。
(ああ、マジかよ、本気じゃん……はーあ)
などと、望月さんの声が聞こえてくる……。よもや戸枝さんの『レーヴァティン』を真っ向から打ち砕けるものがあるとは――いや、あれは打ち砕いたのか?
それともあの遠吠えは、『元より終わっているもの』だから『終わらなかった』のかな……。
「――『この剣は邪悪を殺す聖光なり』」
などと考えをめぐらせている内に、気づけばどこかから詠唱が聴こえる。
少なくともわたしは初めて聞く詠唱だ。星光というからには、恐らく聖剣のどちらかだろうが――
「『指輪よ歌え。ここにて邪竜を撃ち落とす』」
なるほど、『邪竜』。それでは、これは――
「――『抜剣。バルムンク』」
「おっと――」
振り下ろされる剣を転がりながら回避して、ついでに相手の姿も視界に捉える。
なるほど、『竜殺しの聖剣』。ならば、大蛇の娘には特攻かもしれない。
ふむ、と考えながらも姿勢を整えていると、わざわざ相手の――えっと、司馬二年生さんは剣を構え直していた。
「――では、『白夜の竜殺し』、いざゆか」
「『抜刀。クサナギ』」
――なので、とりあえず転がりつつも『剣』を振るう。
詠唱破棄だろうが、姿勢がどうだろうが、『視界に入っているなら、剣を振れるなら』それで十分だ。
「がっ……!」
サクッと脱落ブザー。『竜殺し』は、これにて討伐した。
これで、残るは――
「――『この財宝を持ってして、我は復讐の王となる』」
――なんだか薄暗い、妙な声が聞こえてくる。
それはどちらかというと、昔の寄藤さんのような――あるいは、望月さんのような――
――先程の聖剣とは真逆の『闇』が、わたしの背後から迫ってくる。
「『駆けた轍を振り向くな。我は今より――』」
ああ、この声は……。あの、巌尾なんたらいう一年生の声か。
「――『襲名。モンテ・クリスト』」
――膨大な魔力が、『今まさに己がここにいる』と示している。
その魔力量はわたしと同じくらい――なるほど。それでは『格上殺し』か、これは。
「行くぞ、『秋原の神剣』――」
「ん~……では、もう少し開けた場所で……!」
そう言いながら、さっさと飛び退く。というか、逃げる。
別段、路地裏で復讐鬼と戦う意味はない。理由もない。
何より開けた場所にさえ出れば――
「死ね、『秋原の神――がっ!?」
――うちの『冬の狙撃手』の、射線に入る。
二度目の白夜からの脱落ブザー――それと同時に。
「――『我は詩人。我は戦士。我は勝利の神ならば』」
聞き覚えのない詠唱が聞こえる。ついでに、山名部長からの念話が届く。
(――あー、佐守。右向きながら横薙ぎで『クサナギ』しろ)
「『歯向かうならば、応えよう。これは勝利の剣である』」
「――『抜刀。クサナギ』」
『何故』と聞き返すより先に、身体を動かした。
「――『抜剣。フラガラッハ』」
飛んでくる『自動追尾の聖剣』を『クサナギ』が両断し、ついでにその先にいた上見さんも斬り捨てた。
――都合三度目、白夜のブザー。
……自動追尾ならば顔を出す必要はなかったのでは? などと思いながらも、取り敢えず“察し”て背後から飛んできた『ダインスレイヴ』を見ないまま斬り捨てる。
「――後、ついでに“払え”」
「よっ! ――『ガラティン』、飛べ!」
別物として飛んでくる『次代の聖剣』を“阻み”つつも、今度は寄藤さんに向けて『クサナギ』を振り下ろそうとするも――
「『アストルフォ』――ここだな」
「っ!」
背後から迫る諸星さんの刃に、思わず剣で受け止めてしまった。
――故に『落馬の槍』の力が乗って、わたしは転ぶ。
……とはいえ、なんとか寄藤さんを視界には捉えた、ので――!
「あ~――『抜刀』」
「――『抜剣。エクスカリバー』、『抜剣。ガラティン』」
あえてその二刀――『決勝戦』の逸見さんと、寄藤さんの『剣』を使って、わたしに振り下ろされる斬撃をわたしは防げない。
わざとこの二つ選んだなら、性格悪いなぁ……。
――などと思っている間に、わたしの脱落ブザーが鳴った。
◇
「よっと……」
佐守が斬られている間に、パンっと諸星を撃ち抜く山名。
白夜側から都合四度目の脱落ブザーが鳴る。
諸星には『ブラダマンテ』なんていう、『見たら気絶する』とかいう狙撃手としては死ぬほど厄介な『異能』があるので、先に落としておく。
……とはいえ。
(杉森はまあ。動いちゃくれんわなぁ……)
(当たり前だー! 私をあんな化物の群れにぶちこむなー!)
――となると、あの『再誕の聖剣』は望月と山名の二人がかりで落とさなければならない。
(ふうむ……望月、こっちこい)
(あんまり気は乗りませんけどねぇ……)
などと言っている望月は無視しつつ、とりあえず狙撃で狙えるかを確認する山名。
――だが。
「――『サー・トリスタン』」
「おっと……!」
決勝戦で山名を落としたものと同じ、藍色の輝剣が飛んでくる。
しかし、『白夜の聖剣』に比べるとまだ狙いが甘い。精度が甘い。
故に、山名には回避できるが――
「――『サー・ラモラック』」
「おっ」
目の前に跳んできた、『再誕の聖剣』への対応は、山名には遅れる。
しかし――『山名は遅れても問題ない』。
「ん……!」
寄藤が足を降ろした瞬間、その場に仕掛けておいた仕掛け罠が発動する。
『狩人』である山名がよもや無策で狙撃を狙うわけもない。
ましてや相手は狼。獲物が近づくというならば、そのまま封殺するまでだ。
「よっ」
加えて鉈の一撃を狙うが、それは『聖剣』の技量によって斬り換えされる。
ついでにその間に一本の輝剣が、もう罠を破壊していた。
「あ~、手数が多いな……!」
「どうしますか、山名部長さん……!」
「――まあ、私はもう負けるが」
そう言いながらも狙撃銃を空に向けて無造作に撃ち抜いた。
『聖剣』の技量をどうにか鉈でアドリブで逸らしつつも、後方へ、日向から影へと下がり続ける。
……とはいえ、山名に出来るのはそこまでだ。まずまともに『聖剣』とやりあえる技量がない。山名は『狩人』であり『剣士』ではないのだから。
先に『鉈』の方が砕け散り、返す刃が山名を斬り捨てる。
秋原から、三度目の脱落ブザー――杉森は戦闘要員ではないため、実質的にもう残るは『秋原のジョーカー』、望月だけだ。
「さぁて……っ」
と、即座に動こうとする寄藤の足が止まる。
何しろ望月の影がもう腰近くまで侵食している。
「――ちっ」
あの銃撃は居場所を知らせるためと、己に望月の接近を悟らせないためだったのか――などと寄藤が思っている時にはもう遅く、聖剣を振るう手まで『影』が侵食する。
『ノーバディ・ロア』は使えない。だって、これは『ただの夜』。謳われた者ではないのだから――
「……は~、負けかぁ」
――力を失った手から聖剣が落ちる。それと同時に全ての魔力を吸い付くされて、寄藤環は倒れた。
◇
合同練習の反省会をしている我ら秋原と白夜。
結果的にはほぼ一対一……いや杉森さんは残っているけれど戦闘要員ではないし。
なので、結果的には望月さん対寄藤さんで、望月さんが勝ったことになるが……。
「ふむ――」
と呟くのは白夜の諸星部長さん。
「秋原から見て、どうだった? 今の白夜は」
そう山名部長に問いかけているが……。
「まあ、弱いな……ほぼ寄藤の力技だった」
「はは! まあうちの副部長だからな!」
「部長、副部長はやめてください……は~」
大きくため息をつく寄藤さんは、まあ分かっているのだろう。
この結果は、別に『一対一』とか、『魔力量差』とかではない。と。
「え~……うちはまあまあ最適解出したから、お前んとこの反省会はお前んとこでしろ……」
「む。ならまず辰巳、お前はなにバカをしている? 相手は『クサナギ』だぞ? 名乗りは格好いいが、名乗りの最中に負けるのは、普通に格好悪いぞ」
などと、その『クサナギ』を割とひょいっと避ける白夜の新部長さんは言う。
「それから巌尾も深追いしすぎ、上見は前に出すぎだ。『自動追尾』なのになぜ視界に出た? ――結果的に、寄藤の負担を増やしただけだったな」
せっかく自ら囮になってくれた寄藤さん。
それと裏から動いていた諸星さんくらいしか成果を上げられていない。
――それは。
「とても格好悪い。故、戻ったらさらに反省会だ!」
もう言うことは言ったのではと思いつつも、どうやらこのままでは終われないらしい。
諸星さん以外は、寄藤さんを認めていないのか……。
で、あればそこを本戦はつつけるか……?
「おっと、間違えるなよ一年! ここから新生白夜の時代だからな!」
そのためにまず『白夜』というだけで満足している連中の鼻っ柱をへし折ってやったなどと、割と容赦なく斬り捨てていく諸星さん。
「はあ……マジで疲れた……」
そして、本当に疲れている寄藤さん。
まああれだけ動けばそうだろう……ほぼワンマンだったし……。
来年の白夜も大変そうだなぁ。
しかし秋原的にはこの大変なままで残ってくれたほうが嬉しいと思うのであった。