「宝具――『■陽差す運命の時』!!」
「『
無数の白炎と光弾が、バーサーカーを三百六十度取り囲むように出現する。あまりに現実離れしていて、まるでショーでも見ているかのような気分にさえ陥った。
だけど、これは互いの命のやり取り。
ぽん、と僕の方に手が置かれた。菜無野だ。
「あんま思い詰めんじゃねえぜ、チビ」
「キミが気楽すぎるんだ。僕もあまりひとの事は言えないが」
「ハハハ」
僕の令呪はかなりゴチャゴチャ感のある歪んだ形だが、対照的に菜無野のそれは綺麗でまっすぐな左右対称形をしている。この形にどういう意味があるのか、もしくはそもそも意味があるのかは分からないが、少しあちらのほうが個人的には好きかもしれない。
菜無野の事を考えたおかげで、少し緊張がほぐれた気がする。僕は改めて、セイバーたち三騎の戦いへ目をやった。
「あは――はは、あははっ! どうせ無理なのに……諦めが悪い!」
「むう」
やはり、カメラたちで二人がかりでもまだ手こずっている。ときたまカメラはマスターの方も狙うように弾丸を放つが、あのサーベルに阻まれてしまう。
……僕や菜無野にはそこまでの戦闘能力はないから、
「あのサーベル……ふぅん」
「なにかお分かりに?」
「いや……まあ、あとで話しましょうか。思ってた以上に面白そうですけど、生き残れないと無理そうなので――よいしょっと!」
「■■■■■■■■――!!」
大きくバーサーカーが腕を振るう。セイバーやカメラは上手に躱しているが、かなり限界だ。それに、回避を行っているせいで攻めもうまくいかない。
「……撤退も視野に入れたほうが、いいな」
「やっぱそうか」
菜無野も口をとがらせた。
「セイバー! 大丈夫かい!?」
「このまま……押し切ります!! なんとか……!」
「無理したって元も子もない! 生き残るのが最優先だろう!」
「……くっ、では……」
セイバーが大きく距離を取った。カメラが再び結界を張るが、本人の疲弊もあってあまり強力ではない。……というより……あの義手、まさか魔力の結界も吸収できるのか。
カメラが咳き込みながら、やや荒れてしまった銀の長髪を手でいじる。
「予想外ですね……ちょっとここまでとは、やれやれです、ほんともう」
しかも、ここまで優勢に立ってなおあちらには最後の令呪の一画が残って……。
「令呪……セイバー、令呪を使えばなんとかなるかい」
「断言は、できませんが」
僕は自分の手の甲に浮かぶ赤い文様を見た。ぼんやりと、鮮血のような色合いの仄暗い光を放っている。
令呪は三画。どれが一画なのかもよく分からないぐらいにゴチャゴチャとした令呪だ。使えばたぶん、このうちのどこかがふっと消えるのだろう。
今にも崩れ去りそうな結界を前に、僕は頷いた。
「ならセイバー! 僕が令呪を以て命ずる――」
しかし、それは新たなる声に遮られる。
「――いえ、お待ちくださいませか」
僕の声を遮ったのは、セイバーのものでもバーサーカーのそれでもない――静かで、そして鋼のような声色の、成田博幸の声だった。
うぐう……。投稿があんまできてませんが、一応執筆はしているのです。というかハーメルンはnoteに上げてるものの転載なんですが、そっちはちょいちょい更新しているんですよ。ハーメルン、ちょっと忘れてしまいがちなんですよね……。