TASでカンストした次の人生。   作:mono-zo

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10話 心配な姉貴分。

 

「まだ投げられるって」

 

「うるせぇ!投げさせたら批判来るだろうし寝てろ!!」

 

 

5回1失点で降ろされたが、自分でもびっくりだ。

 

 

まさか自分が――――飛行機に弱いだなんて……。

 

 

前世では試合のために頻繁に飛行機に乗っていたし普通だったはずなんだけど……死因が飛行機事故だか飛行機墜落だった。

 

自分で死亡した時のことをはっきり覚えている。飛行機が水平を保てなくなって、荷物が散乱して、悲鳴が聞こえて、どんどん地面に近づいていく感覚……。

 

北海道エナガーズの球場に行くのに、関西から当然飛行機を使ったんだけど、座席についてすぐ気絶、降りるときには体がこわばっていた。

 

平衡感覚はなかなか戻らないし、気分は悪い。

 

投げてみればいつもよりも球速も出ずコントロールはブレる。体のよくわからない部分が筋肉痛になった。

 

落地監督は「飛行機怖いのかクソガキ」とか爆笑してたけど試合となれば笑ってられなかったんだろうな。

 

今世では初の飛行機だったし、自分でも原因はわからないっていうと……メディカルスタッフも困惑していた。「乗り物酔い」だとか「高所恐怖症」、もしくは気圧がなにか影響したのではないかとか言われたけど、前世のこととか話せないしなぁ。

 

景子ねーさんには心配をかけてしまったようで交代するとエナガーズのドームに電話が入っていたので内線をとった。

 

 

「大丈夫なの?!怪我?病気??」

 

「景子ねーさん、おちついて」

 

「今からでも北海道行こうか?!」

 

「こなくていいこなくていい。飛行機乗ってからだし、なんか乗り物酔いか自覚のない高所恐怖症なんじゃないかってさ」

 

「しかもあんた、まだ香織姉さんに連絡してないんだって?!」

 

「あ、バレた。母さんにはまだ話してない」

 

「っていうかスマホ持ちなさいよ!!?私用の電話でドームにかけるとか初めてだわ!!」

 

「えー、契約めんどくさーい」

 

 

スマホを持ってないのは単純にお金がなかったから持ってなかったんだけど……必要か。

 

落地監督にもいつでも連絡できるように番号教えろって言われたけど、そもそも持ってなかったからなぁ。

 

景子ねーさんがこうやって電話をかけてきてるってことは多分テレビとか見てたってことで……ベンチでの監督や周りの反応からナイツの面々よりもこっちにかけたんだろう。

 

 

「くっ、貧乏だったから……いや保護者もいるし、いや、今は私がすれば良いのか?手続きが面倒そうな……こっち戻ってきたらすぐに契約するからね。あと香織姉さんにちゃんと話しなさい。そろそろ気付かれてもおかしくないわよ」

 

「えー、どうせ怒られるし」

 

 

大学どころか高校にも進学しなかったからなぁ……母さんには絶対怒られる。

 

 

「私も保護者責任で怒られるわ!!」

 

「なんでバレそうなの?母さん入院してるじゃん」

 

「最年少プロ野球選手が山口出身だってテレビでも新聞でも話題なのよ。職場でも大盛り上がりなんだからね」

 

「へー」

 

 

まぁ、治療費のためだし、野球はパチスロと違って立派な仕事のはず。そう怒られはしないだろう。多分。

 

 

「へーじゃない!!」

 

「ほーん」

 

「ほーんじゃ……あんた余裕ね。今度覚悟なさい」

 

「あ、お医者さん待たせてるからまたね」

 

「まち――――」

 

 

とりあえず、気分も悪いし酔い止めぐらいくれるとありがたい。

 




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本命小説4本、スマホのメモの62本、いつどんなタイミングでどこに出すか……。
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