TASでカンストした次の人生。   作:mono-zo

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27話 優勝後のファンサービス。

 

「ストラィークッ!!」

 

 

どれだけ投げてもなんだか肩が軽かった気がする。

 

対戦を楽しんでいると、あっという間に今シーズンが終わってしまった。

 

 

「バッターアウト!ゲェームセット!!」

 

 

なんだか淋しい気がした。

 

野球は嫌いなのに、嫌いじゃなかった。……むしろ楽しかった。

 

偉い人からトロフィーを貰って、会場一周、お客さんに頭を下げて……なんか様子がおかしかった。

 

 

「やってくれたなクソガキ!」

「わーっしょい!わーっしょい!!」

「軽いな!!」

「投げすぎるなよ!」

「ははははは!」

 

「あぶねーって?!」

 

 

マウンドに集まった選手に監督、胴上げされつつ……なんだかホームベースの向こう側に移動している。

 

 

「クソガキ、よくも生意気な態度とってくれたな」

 

「ふふん、それだけの成績残してるからな……何?」

 

 

監督に脇に手を突っ込まれて持ち上げられている。

 

そして――――コーラの樽にぶち込まれた。

 

 

「なにしやがるぅぅ!!?」

 

 

全身ベットベトで、でも炭酸もあってアワアワでクソ気持ち悪い。

 

 

「ハハハハ!お前がいるから今年は特別だ!!!」

 

「やめっうぷっ!?おらぁっ!」

 

「どこにそんな力が!?」

 

 

野球鬼人流、体術【肉壁】

 

野球をするためには野球を害する敵を倒す必要がある。

 

頭を抑えて沈めようと調子に乗った吉村を持ち上げ、ほぼ逆さにしてかけられるコーラからの盾にした

 

吉村の体の動きを察知し制御する。ブリッジのような状態の吉村の下で他の選手にかけられるコーラを避けるが……なんか意味がない気がした。既にべちゃべちょだし。

 

 

「どっせい」

 

 

吉村をコーラ樽に放り込み、すたこらと逃げた。

 

 

本来なら記者会見とかビールかけがあるけど、16になった自分には早すぎるので手順が変わった。

 

そう言えばグラウンドには居るように言われていたのでファンサービスでもすることにしよう。

 

大人どもはこれから会見してロッカールームでビールかけだし……っていうかベンチで帰り支度中の敵軍と観客の中、俺一人グラウンド。――――ヤバイ。なんかどうしたらいいか緊張してきた!?

 

いや、試合終わったんだから観客も帰ってよ!!?

 

 

「社長めっけ」

 

 

親会社の社長だ。イベントで何度か顔を合わせたことがある。

 

 

「おぉ、大河くん、どうかしたかね?」

 

「ボールつかってファンサービスしていいですか?」

 

「?……良いと思うよ」

 

「手伝ってもらってもいいですか?何人かたくさんで!!」

 

「お、おう?」

 

「相手のロッカールームにも行ってきます!」

 

「それはやめたほうが……」

 

 

ボールの入った籠を2つ、そのうち1つを相手のロッカールームに持っていく。

 

 

「たくさんサイン書いて」

 

「お、おぉ、大河選手。なんかベッチャベチャだな。敵のロッカールームに来るのはちょっと……いや、かなーり良くないんだけど」

 

「書いて!観客のために!」

 

「観客の?まぁ良いけど」

 

「書いたらこの籠に入れてね」

 

「わかった……いったい何なんだ」

 

 

親会社の社長と球団オーナーと…、役員?っぽいさんがいたので捕まえてボールにサインしてもらって、お、うちで働いてる人だ。自分も数を稼ぐために高速でサインを書いていく。あ、コーチ、お前も書け。球審もだ。

 

ダッシュで集めて……終わったら籠に集めて、相手のチームからもボールを貰う。

 

たまに監督や主審が使っているマイクを使う。

 

 

「ビールかけには参加できないし、かと言ってお客さんも帰らないので、急遽ファンサービスです」

 

「「「ぉぉおおおおおおおお!!!」」」

 

 

わずかに減った観客から歓声が上がった。

 

音を叩きつけられたかのようだ。

 

 

社長達は何するんだ?って感じでこっち見てきてるな。好きにさせてもらおう。

 

籠をマウンドに持って行って、全方向にサイン入り、練習で使って汚れたボールを投げていく。

 

ベンチ、右ファールゾーン、ライト、センター、レフト、左ファールゾーン、敵ベンチ、ホームベース、その向こう側の、フェンスの先にいるお客さんのもとに。

 

 

「手伝おう」

 

「ありがとう、ござい、まっす」

 

 

投げるたびに歓声が沸く。

 

なんか社長さんが籠から一個一個取るのを手伝ってくれる。

 

 

「でもこれ、僕らがサイン書く必要あった?」

 

「野球、って、監督に、よると……チーム、プレイ、なんでふぅーありがとうございます。社長や、球団で清掃してる人、チケット売ってる人、だって、仲間じゃないですかね?」

 

「……なるほど、まぁファンの反応は分からんが、面白い趣向だね」

 

「です、か、ね!」

 

「うん、面白いよ。あ、あと君のサイン後でくれると嬉しい」

 

「わっ、かり、ましたー!」

 

 

 

ポンポン投げていったが、確かにファンのことを考えるとその辺にいた球団で働いてる人のとかはいらなかったかもしれない。うん、何ならプロの選手だけで良かったような?…………いや、受付のおねーさんのボールとかは多分需要あるぞ!高橋がナンパしてたぐらいだ!

 

追加を投げていると投げるごとに大歓声が上がる。

 

テレビとかはビールがけに行っていたはずだがいつの間にかチームごと戻ってきていた。

 

 

「あ、肉壁吉村だ」

 

「お前、社長連れて何やってんの……」

 

「いや、まぁ気にしないでくれ。好きでやってるから」

 

「なら良いんですけど……追加だ。あとお前いつか絶対泣かすからな」

 

 

ナイツのメンバーもサインボールを書いてくれたので追加で投げといた。

 




UA一万行ってた!(/>ω<)/アリガトウゴザイマース✨️
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