TASでカンストした次の人生。   作:mono-zo

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34話 保護者と船の旅!

 

アメリカには早めに行くことになった。

 

パスポートはいつかいると思っていたので早め用意していた。

 

とはいえ今年いっぱいは母さんの病院に通いたかったのだけどアメリカまで行ける船ってあまりないらしい。

 

このタイミングを逃せば2ヶ月後と言われて……ちょっとだけ慌ただしかった。今ならチケットは白おじ持ちだ。

 

マイアミのオーナーは伊賀社長と日本観光を満喫していて、その期間に準備したけど……何となく日本を離れるのは寂しい気がした。

 

船は大きくて快適で、なんか皆こっちを見てくる。ジムもあるしトレーニングも出来る。何よりご飯が美味しい。

 

 

そして、何故か大川さんがついてきた。

 

 

来た理由は「保護者が必要」だからだ。

 

アメリカに行くのに18歳未満は保護者無しでの入国が難しいらしい。

 

大川さんは病院の看護師をやっていたはずだけど……母さんが病気になる前から「やってられっか!夜勤のない個人病院に行くわ!!」と何やら病院と揉めていたらしい。そしてアメリカ渡航に保護者がいるなどと景子ねーさんと話した結果、病院を辞めてついてきた。

 

看護師という仕事はすぐに復職できるそうで……それよりも人が少なくて延長で夜勤に入る生活に嫌気が差していたのだとさんざん愚痴られてしまった。

 

まぁ看護師と言う立場で保護者の承認があるのならと球団もチケットを出してくれた。

 

常に真っ白い服を着て歯もやけに白いマイアミのオーナーも何故かこの船に一緒に乗っているが、アメリカでは「別人種の保護者」や「雇用関係者を保護者として国境をまたぐ」ことにデリケートな部分があって駄目らしい。

 

じーさんは会社をやってるし、母さんは船の上でなにかあれば取り返しがつかない。景子ねーさんは仕事だ。

 

残りの親族といえばゴミパパともう片方の母方のじーさんばーさんに何人かいる親戚だけど……ないわ。

 

母さんは母方とは景子ねーさん以外とはほぼ絶縁しているし、自分が野球選手になってから声をかけてきた親族は親族じゃない。ゴミパパは論外、死ぬ手前ぐらいの状態でずっと働いてもらって……。

 

そんなわけで大川さんが来てくれたのは助かる。次の候補が肉屋のおっちゃんだったし。

 

 

「こんな機会、一生無いと思ってたわ!サイコー!景子先輩あざーっす!!」

 

「良かったですね」

 

 

彼女は彼女ですごく楽しんでいる。

 

船も移動機関と言うタイプではなく客船であって結構豪華、大川さんはスマホで写真を撮りまくっているし、酒をおごりたいと自分に話してくる他のお客さんから代わりにお酒をもらっていたりと……なんと言うか最高に人生を謳歌しているように見える。

 

結構酒には強いけど飲みすぎてフラフラするし……面倒な部分もある。

 

 

「健人君と結婚したらこういう生活できるのよね!もうおねーさんと結婚しない?ほら、大川と大河って近いしぃ」

 

「えぇ……そういうのは酔っ払ってないときに言ってください。酔っ払って無くても今はお金稼ぎで精一杯なんですけど」

 

「もー、つーれーなーいー!」

 

 

酔って部屋につれて帰るとダル絡みしてくる大川さん、仕事上がりの景子ねーさんと同じだ。どちらが保護者なんだか。

 

さっさと寝てもらいたい。

 

 

……暇だしグローブの手入れでもするか。

 

 

自分の手に合わせて作った両利き用グローブ。他の人には使えないだろうからと一つを日本に残して残りは球団が餞別でくれた。

 

一番シーズンで使いこんだグローブが取り上げられたのが残念だ。良い感じに馴染んで使いやすくなってきたのに……。

 

 

「ねー」

 

「なんです?」

 

 

静かになったし寝たと思ったけど大川さんは寝ていなかった。

 

寝ずにベッドからこちらを見ていた。

 

 

「健人君はお金のために野球やってるじゃない?」

 

「そうですね」

 

「じゃあ、お金が貯まったらどうするの?」

 

「貯まったら、かぁ」

 

 

常にお金のない生活を続けてきたし、貯まった後のことを考えたことがない。

 

これからメジャーでロイヤルナイツと契約するけど、その前にマイナーリーグで一戦は投げて自分の力を見せつけないと本契約は出来ない。

 

自分なら多分大丈夫とは思うけど、それでも失敗すれば契約に大きく響くかもしれない。

 

まだ「好きにお金を使える自分」を想像できない。

 

 

「大の大人でも、怪我に気を使うスポーツマンでも怪我して引退することは多いのよ。だから体も成長しきってない健人くんのことは……おねーさん心配だなぁ」

 

 

たしかにそうだ。前世のように体重100キロあるわけじゃない。

 

ホームベースにカバーに入って走者とのクロスプレイが発生する可能性もなくはない。

 

 

「こう見えて頑丈なので大丈夫です」

 

 

言葉が見つからずなんとなく濁して答えてしまった。

 

何も選択できなかった前世とは違う。

 

心配してくれる人もいるのだから、もうちょっと考えてみても良いかもしれないな。

 




感想には1Goodつけていってるのですが……数に対して見えない感想があるかも?順を整理すると見つけられましたが無視してたわけじゃないんです!反応無いなって思ってる方がいればすみません!もしかしたらシステム上、僕に見えないのとかあるのかもしれません。なんでだろ。

コメントも評価も嬉しいです。(/>ω<)/ありがとうございます!
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