参加できると決まった途端、高速移動となった。
ホノルルで入国審査を受けて直ぐに高速艇で移動、荷物のようにドミニカへの移動が決まった。
船から船に乗り継ぎ、弾丸のように移動した。飛行機はヤダ。
手配してくれた白おじは白い歯をきらめかせて「ジャア、ヤロシコ」と微妙な日本語を残してホノルルで別れた。
客船と違って凄まじいスピードだった。そしてパナマ運河では一度陸路となった。
数日だったが、凄まじいスピードでGと風圧を感じつつドミニカにつき……とても歓迎された。
だけど同時に半数には微妙な反応をされた。通訳さんに聞くと自分の成績はドミニカの野球界にも届いていたそうだが、まさかこんなに小さいと言う点に驚いていた。……悪かったな。背が低くて。
でもすぐに投げて打ってその視線は変わった。
「ティグレ!ティグレ!!」
「クソ雑魚ジャックスがまともな選手どころかスター選手送ってくれたぞ!?奇跡だ!!」
「ありえねぇ!」
キャッチャーとのコミュニケーションにはちょっと苦労した。なにせスペイン語の世界だ。日本語などほとんどない。スペイン語が殆どで僅かに英語が聞こえる。
聞き捨てならないことが聞こえた気がしたけど……まぁ良い。
それとなぜかアメリカでタイガーと言われるように、こちらではティグレと言われているようだ。一番聞こえる単語だから教えてもらった。
1試合も投げれば、陽気なドミニカ陣にもてはやされた。ヒーローインタビューっぽくマイクを向けられているけどなにを聞かれているけどわからぬ。英語っぽいけど会場の声でそもそも聞こえない。
「ほら、『グアゥ』って鳴け」
「なにそれ」
「虎の鳴き声といえばこれだろ。ファンサービスだ」
「グアーゥっ!」
両手を前に出して指を曲げてトラっぽくしておいた。
反応は良く、盛り上がっているようだけど……かなりの長文を話してきた相手にこれであっているのだろうか?
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どのチームと対戦しても初めは自分を見て侮ってくるが、直ぐに本気になってくれるのが面白い。
ただ多分、自分ではなくチームに罵詈雑言が飛んでいってる気がする。
えーと、英語のできる仲間がいない……スマホ君スマホ君、翻訳したまえ。
「ずるい」「助っ人の力で勝つな」「お前らだってしてるだろ」「あんな宇宙人連れてくるな」「うるせー、今までジャックスからろくな選手こなかったんだから良いだろ」「クソが!」
…………まぁいいや。
とにかく自分は投げるし打った。
ピッチクロックなど微細なルールは違うが野球は野球。日本のプロ野球選手とは差もあるが、同じ野球で通じることがある。
時間の管理など前世で鍛えられたものよ。「0.1秒の乱れは心の乱れ」とか言って野球超人が居合を抜いてきたからな。なぜか0.01秒単位でミスしなかったんだよなぁ。
しかし、このお祭り、それほど長く投げない。
なにせ投球数は50球とジャックスから決められている。自分だけではなく助っ人選手あるあるらしく、投球数やイニング数には制限がある。
自分はその50球、もしくは数球少ないかくらいを――――本気で投げた。
自分がマウンドに立つ以上その間は全て抑えてやろうと、いつもの投球よりも疲れも気にせず本気で投げた。
キャッチャー兼任通訳をやってくれっているダネルがすごく優秀でどこに飛ぶかわからないナックル以外見事に捕球してくれる。
ダネルは肩も強いしよく打つ、何を言ってるかわからないが彼の周りではよく楽しげな笑いが聞こえるし明るいムードメーカーっぽい。弱点は嫁と娘。
そもそもチームが勝っても負けてもその中で人材が選抜されていくから助っ人選手枠の自分たちは勝つ必要がない。
とはいえ、自分のチームが勝つ方が盛り上がるというのはあるようで皆本気で……熱気がすごい。
7試合で打率も7割8分、守備率も0.00。アンダースロー160キロを投げて盛り上がった。
自分はここぞという場面で出される。相手も本気でやる気で――――楽しい。
「ストライィーク!!」
勝負自体は楽しいが、コールは英語だけど半分以上スペイン語だから結構何言ってるかわからない。
あと打ってから皆バット投げる。ホームランならわかるけどヒットでも結構投げる。
一塁まで持って走るものでもないけどそんな投げなくても……ダネルに聞くと「かっこいいだろう」とのこと。いや、それは成績に関係ないような……人気に関係ある?こういうのがかっこよく出来てこその野球?
……冗談かもしれないが、そういうお国柄かもしれないな。
ウィンターリーグについては高校の友人に聞いていて理論上可能らしいw
それにしても野球に詳しくないのですがルールについて調べるとトップにAIによる情報云々って出るのですがそれってAI利用になるのかな?
全部手打ちだし、内容も自分で考えたものなのに……すごい時代になったものだね。