吉村の上位板みたいなダネルはかなり優秀だ。
キャッチング能力だけでも頭一つ抜けている。性格も明るいし英語も話せる。
「家に来い、息子が会いたがってんだ」
「息子さんいたんだ」
「あれ?前から話してただろ?」
「嫁さんと娘さんのことばっかだ」
「そうだったか?まぁいい、母さんの作るサンコーチョは絶品だぞ!」
「たくさん食べるよ?」
「腹一杯にしてみせよう!……娘には手を出すなよ」
よくわからないけど美味しいものが食べれるのなら行ってもいいだろう。
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「ラウンドロビンの勝利を祝おう!」
「「「クラブの勝利に!!」」」
「さぁさ、召し上がっていってね」
行ってみるといつもよりしつこく呼ばれた理由がわかった。
ドミニカのウィンターリーグは4段階ある。
ドミニカの全6球団が50試合するレギュラーシーズン、レギュラーシーズンを勝ち抜いた上位4チームが18試合するラウンドロビン、そこから上位2チームがぶつかるドミニカ内の決勝戦。
これが終わって最後にドミニカ・プエルトリコ・メキシコ・ベネズエラの南米四カ国の代表に外国からゲストチームを招いての試合となる。主に同じ南米のチーム。
この4段階の内、ラウンドロビンまでクリアしたわけだが、ここまで来るとどのチームにも助っ人選手が結構いる。
すると皆スケジュールがバラバラで、すぐ帰る選手もいれば残る選手もいるが、全員がスペイン語を話せるわけではない。
英語が出来て、かつ明るい性格のダネルが毎回外国選手を引き受けてお祝いしているそうだ。庭のすごい広い大きな屋敷にダネルの家族とチームメンバーも何人かいる。
「しっかし、ティグレはめっちゃ良い球投げるよな!アメリカのメジャーリーガーもいたが手も足も出ねぇ!」
「あの下から上がってくるように見える投げ方はずりぃよ。ただでさえ早い速球がより早く見える」
「殺人スライダーやめろ、ぶつかるかと思ったわ」
「しかも球速もとんでもねーのにあのカットボールよ。ダネルもよく捕れるよな」
「コツがあんだよ」
おばあちゃんのサンコーチョは美味しい。
ベースはコンソメ、キャッサバ芋に肉、とうもろこしなどの具だくさんポトフのような味わいだった。
自分には鍋で渡された。
ダネルの家族と親戚は「こんな量この子が食えるわけ無いだろ」「マジでこの量食べるの?」という意見でなにか話していたような気がするけど、ありがたく全部食べた。
肉は味もしっかりついてしかも複数入っている。牛に豚に鶏……種類があって飽きることがない。
「おいティグレ!食ってばかりじゃねぇか飲めよ!」
「俺は16だおっさん共」
「あの球投げて16はずるいだろ?!あと俺が酒飲めって言ったのは忘れてくれ!国に強制送還されちまう!!」
「お前がいなくなったらその席が空くな」
「はっはっは!いいぞ!もっと食え!!」
「おーい、ソーセージ焼けたぞー。ドミニカの生ソーセージらしいぞー」
「お、くれ!」
「こっちもー!それとラム酒もう一杯!こっちのラム酒美味すぎる!」
「勝利にー!」
「「「勝利にー!!」」」
「そっちの肉くれー」
「おーよ」
これだから酔っ払いは……お呼ばれしてきてるのにもうちょっと静かに食えって。
そしてだらしないおっさん共は酔って寝たが、飲んでない自分は誰の家族かわからないけど来ている人の相手をしてキャッチボールをしたりサインを書いたりした。
ダネール!お前まで寝てんじゃねー!!こっちは言葉わかんないし全部身振り手振りだぞー!!
原付が壊れて仕方なく中途半端な距離を引きずって帰った結果全身がビキビキしてます。筋肉痛きっつい。