快勝とは言わず辛勝だったがうちのチームが優勝した。
これで第3段階だ。ドミニカ国内優勝……とくれば最後はカリビアンシリーズだ。
中南米四カ国に数カ国のゲスト国が参加して激突する。
今年はキューバとパナマ、そしてコロンビアが参加する。ドミニカ、ベネズエラ、メキシコ、プエルトリコの代表チームと合わせて7カ国だ。開催国はベネズエラ。
どこのチームも「国が代表する選手」と「助っ人選手」が出てくる。
グローブを手入れして、出てくる選手のデータを見ていく。
事前に相手のことを知るのはずるい気もする。だけど現代の野球において事前の情報は知ったうえで対戦するのも当たり前らしい。ならば知ろう。この知識を使うかどうかはともかく……。
しかし不思議だな。
以前なら練習を見るのも嫌だった。道具に触れるなんて最悪だった。
なのに、こうやって自分でやって意味があるかわからないメンテナンスや相手のことを調べている。
データを見るのをやめて寝転んでボールを見つめる。
改めて見ても嫌悪感はある。――――それでも以前よりはマシな気がする。
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嫌な打撃音が響いて、また点を取られた。
タイムがかかり、ついに交代を告げられる。
観客からのブーイングがすごい。一番期待されている場面でこの失態だ。
球団にお願いしても船は出してもらえず、飛行機での移動となった。
ドミニカでの国内戦が長引いた結果である。カリビアンシリーズ開催まで残り2日、船の移動はできず、仕方無しに飛行機である。
それも到着は試合1日前だ。最悪すぎる。
結果として初日のプエルトリコ戦――――ボコボコにされた。初回5失点で降ろされた。
初めて滅多打ちの洗礼を受けてしまった。
球団には何度も無理って言ったのに……クソがー!!
「ティグレ、大丈夫か?」
「大丈夫だったらこうなってない……悪い、こんな状況で交代になって」
「気にすんな。そういう時もある」
シリーズ3日目には体調も戻ったけど、およそ1週間ほどのカリビアンシリーズだが、チーム数で予選の日程が変わる。今回は7チームのため予選に7日、そこから上位四チームが次のラウンドにでる。1日に2戦ずつだが……そのうち初日に惨敗、残り半分で取り返したいところだ。
邪魔な投球制限だけど仕方ない。
ロジンを払って足元を固める。前の選手のクセか若干土が荒れている。
満塁のピンチで交代してマウンドに立つ。ピンチの場面で出して貰えたあたり信頼されていると感じて嬉しくなる。まだ3-4で1点負けているが敗戦処理ではないはず。
相手の5番バッターは自分を侮っている。目元は笑い、口元も歪んでいる。
あれだけ初日にボロカスにされたんだ。仕方あるまい。
だが――――
「ストラーィク!!」
左サイドスロー161キロ。きっと初日との差に驚いたことだろう。
完全に振り遅れて驚いた様子の相手バッターだが、更に顔面スレスレコースに投げる
「ストラーィク!!」
カーブでストライクゾーンまで曲げた。
大きく体をのけぞらせたバッターが目をぱちくりさせているが次だ。
「ストラーィク!!」
カットボールをボールからストライクゾーンに入れる。
見逃しでアウトだ。……初日にみっともないところを見せたんだ。これ以上の点はやらん!!
大好きな野球作品の外伝がガガガガ!?
コホン……僕もがんばらねば!