TASでカンストした次の人生。   作:mono-zo

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44話 白おじとロブスター?

 

投球フォームやバッティングについて指示されるも、自分にはそれがプラスになるかマイナスになるかわからない。

 

コーチ側も自分みたいな選手は初めてだろうし困惑が見て取れる。

 

無難な指摘だとストライクゾーンに投げがちだからもっと外して振らせてもいいという点を指摘された。それと飛行機に乗った後はあきらかに回転数が落ちているからそこは意識して投げたほうが良いと……それは初めて言われたな。飛行機に乗った後に投げる気はないが。

 

何人かと交流して、半数からは暖かく迎えられているが……やはりチームの雰囲気がおかしい気がする。

 

 

「調子に乗んなよ、ガキが」

 

 

すれ違いざまになんか言われた。3人いたし誰が言ったかはわからない。

 

文句を言おうにも追ってまでなにか言うのもな。

 

 

「全く……気にすんな。ケントが悪いわけじゃない」

 

「ピーター、空気悪いんだけどなんかあったの?」

 

「まぁ色々な」

 

 

よくはわからないが、キャンプは進む。

 

手を出してくることはないが、自分に対して敵意を持つ人間が数人いることがわかった。

 

僻みではなく明確な敵意。それも複数から。

 

 

「おー、悪い悪い」

 

 

練習しているとボールが横から飛んできた。

 

当たることはなかったが気分が良いものではない。

 

 

「気をつけろよ」

 

 

いつも嫌な目を向けてくるやつだった。

 

ムカついたのでそっけなく返して自分の練習に戻る。

 

 

「――――何?」

 

 

声に怒りが混じったな。

 

 

「タイラー、どうかしたか?」

 

「なんでもねぇよ、ちょっとボールが飛んでいっただけで」

 

「そうか、気をつけろよ」

 

 

喧嘩になるかと思ったが、キャンプ中でどこにでも人の目がある。

 

コーチの1人が注意したが……タイラーというのか。

 

 

「……一体何なんだ」

 

 

別のグループからも嫌な目を向けられるが、タイラーからは一番嫌な空気を感じる。一緒にいる仲間もめんどくさそうだ。

 

 

心当たりはないが……白おじから声をかけられたのでロブスターを食いに行くことになった。

 

 

 

⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾

 

 

 

 

ロブスターの特大サイズ。

 

好きなだけ食ってくれと言われたので遠慮なく食べる。

 

ハーブが少し入った溶かしバターに豪快にディップして口いっぱいにブリッブリのエビを頬張る。

 

エビの強い旨味にブリっとした歯ごたえ、いくらでも食べられそうだ。

 

 

「チームには慣れたかい?なにか要望があったら言って欲しい」

 

「捕れるキャッチャーが欲しい」

 

「えぇ……いや、確かに」

 

 

白おじと話すと理解を示してくれた。

 

全力で投げると捕れるキャッチャーが限られるし、初日に手首を痛めたキャッチャー以外にも突き指が2人、練習すら困難だし手加減して投げると言っても皆全力でこいと言われる。それでいて怪我されるから投げにくいったら無い。

 

しかもなんだか、チームの数人から嫌われてる気がする。

 

練習ですらかるく避けられてるし、第三の吉村はここにはいない。

 

 

「君の実力を発揮するためには優秀なキャッチング能力も必要か……想定外だったな。考えておくよ」

 

「うん、お願い」

 

 

ステーキにロブスターをガンガン食べながら話す。

 

 

「わかってはいると思うけど、うちのチームは立て直し中なんだ。2年は苦労をかけると思う」

 

「2年?1年しかいないかもしれないのに?」

 

 

一応契約は1年だ。

 

白おじは4年契約を求めてきたけど、25歳ルールもあるし、待遇がどうなるかわからなかったから単年契約を求めた。

 

待遇が悪ければ別に行けばいいし、気に入ったならここに居着けばいい。

 

 

「君の出した条件を全て守れる球団はうちくらいさ。それにその実力で1年しかいないってことは無いだろう?」

 

「多分ね」

 

 

確かに。

 

単年契約にすることで自分は白おじの出方を見れるし、白おじは無茶な契約をしたがちゃんと運用出来るか確認できる。

 

その後4年ぐらいは老後のための資金を稼ぎたいし、契約しても良いと思っている。

 

上手く行ったら来年契約しようとは既に話している。全ては自分が故障せずに活躍し、白おじが契約通りに仕事ができるかにかかっている。

 

トレードの可能性もあるけど伊賀社長と白おじはブラザーだと以前言っていたし伊賀社長は自分のことを白おじに頼んだ。義理もあるし無体な対応はされないと信じたいが……どうなることやら。

 

 

「他に要望は?」

 

「んー、マイナーで投げる必要はないって聞いたけど、一度は投げてみたい」

 

「……なんで?スタートはメジャーのほうが早いし、そうすると受け取れる給料は減るよ?」

 

 

一応キャンプで実力が示せればジャックスで投げる必要はないらしい。

 

だけど、大抵の選手はマイナーで何年か投げてからメジャーに昇格する。

 

白おじは心底理解できないという表情を向けてきている。

 

 

「他の選手も1度はマイナーで実力を示す。それはいわば挨拶だろ?挨拶もなしにメジャーに行くのはよくない気がする」

 

「……日本の礼儀作法か、ノリヒコもノックの回数だのよくわからん礼儀を気にしていたが…………さっき言ったけど最低2年は立て直しに使うし良いよ。君の年俸から日割りで減るだけだからね?それに数試合だけだよ、できれば1試合にして欲しい」

 

「うん」

 

「わかった。手配しよう」

 

 

うん、ロブスターってうまいのな。

 




コメントにかモゴー!モゴモゴモゴー!!(´・×・`)※ネタバレ防止自主規制!

w

コメントありがとうございます。楽しんでますw(僕が反応してないやつは僕に見えてないやつです。)
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