『BLEACH』と『ぐらんぶる』のクロスオーバー小説です。
アルコールを摂取して頭空っぽにして読んでいただけると幸いです。
一応、この連休、今日から4日間で完結する予定です。
次話は明日投稿します。
この作品の設定作のリンクを後書きに貼っておきます。良かったらどうぞ。
白い砂漠。
黒い空。
枯れ木みたいな石英の樹。
月。
生命の気配がほとんどない世界。
虚圏
そこにスッポンポンで仁王立ちしている二人の男がいた。そして、全裸で金髪のイケメンが隣の全裸で黒髪の好青年へと声をかける。
「北原……」
「ああ。耕平、言いたいことは分かる」
「「アイツらに裏山に埋められそうになった辺りまでは覚えてるんだが、何処だここ?」」
伊豆大学所属の二人、黒髪の好青年・北原伊織と金髪のイケメン・今村耕平が現状を把握する為に記憶を辿る。
「……確か、今年の夏休みに今回はPaBの新メンバーで東北のダイビングスポットを巡って」
「……それが、奴らにバレ、セメントとスコップ片手に大学の裏山に埋めるために簀巻きにされ」
「関節を外して服と縄から脱出」
「逃走しようとしたところを野村が撒いたローションに足を取られ」
「そのまま、崖から転落」
「「…………」」
「「あれ?俺等死んだんじゃね?」」
「「…………」」
「「うらぁぁぁぁあ!!」」
ゴキャッ
本当にここが死後の世界なのか、はたまた自分達が見ている夢なのか判断する為に二人は全力で互いを殴る。
「……(ポタポタ)痛みがあると言うことは生きてるな」
「……(ポタポタ)ああ。間違いないだろう」
両者共に口と鼻から血を垂らしながら生存していると確定する。
「しかし、辺り一面砂漠だな」
伊織が周りを見渡しながらボヤく。
「食料や水が無いのはヤバい」
「ん?おい、北原。足元に何かあるぞ」
「ん?」
耕平に言われて伊織が足元を見ると、そこには『透明な液体が入っている瓶』が四本落ちていた。
「ふむ、『水』か?」
「……待て、北原!ライターが無いぞ!」
「な!『水』の確認ができんでは無いか!?……仕方ない。飲んで判断するか」
「北原、遭難中だぞ。貴重な『水』を無駄に消費するわけにはいかん」
「分かっている。だが、ここで一本確認しなければ。それに、コレが『水』なら開けた瞬間から気化しだす。ならば、その前に水分補給をするべきだ。ちょうど、口が切れていたから消毒にもなる」
「一石二鳥と言う理由か。北原にしては賢いな」
「ふっ、そう褒めるな」
キュポン
ゴクゴクゴクゴク
そう言って北原は液体の入った瓶の蓋を開け、飲んだ。
「………間違いなく『水』だ。耕平、お前も飲んでおけ。ここが砂漠である以上、水分補給を怠るな」
「分かった」
そう言って伊織は半分飲み干した瓶を耕平に渡し、耕平も瓶の中身を試飲……飲み干す。
ゴクゴクゴクゴク
「……確かに『水』だな」
二人がそう言って水分補給をしていると声がかかる。
「あ? 何だ、てめぇら」
伊織と耕平が声のする方へと視線を向けるとそこには、水色の髪をオールバックにした鋭い眼光で白い装束を着た男、グリムジョー・ジャガージャックが立っていた。
「……第一村人か」
「北原、第一砂漠人ではないか?」
「一理ある」
「なんの話してんだ、てめぇら」
謎の話し合いをしている二人にグリムジョーが近付く。すると、耕平が伊織の後ろに隠れて小声で話し出す。
「北原、相手はヤンキーだぞ」
「……お前は初対面なら誰でもだろ」
「…はっ!待て北原、早まるな!」
「いや、何をだよ」
「ヤツの口元を見てみろ」
「口元?」
そこには白い顎骨のようなものが残っている。それを見た伊織が呟く。
「…………食べ滓か?」
「そうだ。つまり――」
「つまり?」
「奴は所謂『ポンコツヤンキー』というヤツだ」
「なるほど」
そこで伊織は耕平の言わんとしていることを理解し答えを言う。
「ポンコツヤンキーなら大体、根は優しいと決まっている、と言うことだな?」
「そういうことだ。服を貰えないか頼んでみよう」
「…………」
因みに、小声で話しているがどうやらグリムジョーには全て筒抜けのようで非常に理解に苦しむと言う顔をしていた。そんなこととは露知らず、伊織はグリムジョーに対面し話し出す。
「頼みがある」
「…………あ?」
「着ている服を脱いでくれ」
「…………」
「?」
「北原、どうした。聞こえなかったんじゃないか?」
「そうか。…すまない。服を脱いで――」
『軋れ 豹王』
「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」」
帰刃したグリムジョーの狂爪が伊織と耕平に振り下ろされる。二人は何とか回避し全力で逃走する。
「待ちやがれクソ共ォ!!」
「北原!ポンコツヤンキーが激昂しているぞ!?」
「何故だ!?」
「分からん!」
「何か気に障ることを言ったか!?」
「服を貸してくれと言っただけだ!脱げとしか言ってないぞ!!」
「なら問題ないな!!」
「殺す!!」
伊織と耕平の会話に更に青筋を浮かべるグリムジョー。そんな一般人なら下手すりゃ死にかねないグリムジョーの殺気に当てられた二人は声を上げる。
「しかし、なんて綺麗な殺気なんだ!!」
「ああ。アイツらの濁りきった殺気とは大違いだ!」
「殺気に綺麗も汚いもあるわけねぇだろ!馬鹿にしてんのか!!」
「「いや、反吐が出るほどの醜悪な殺気と言うのはある」」
「黙れ!!」
逃げながら伊織がチラッと振り返って、グリムジョーの姿を見る。そして、耕平へ叫ぶ。
「耕平!」
「なんだ!」
「アイツ、さっきと違う服を着ていないか!?」
「…………!」
「つまり服を脱いでくれという頼み自体は聞いてくれたのでは!?」
「なるほど!!コレはポンコツヤンキーなりのボケだったのか!!」
「誰がポンコツだァァァァ!!」
『虚閃』
「消し飛べェ!!」
ズドォォォン!!
二人はグリムジョーの虚閃が放たれる寸前で白砂の窪みに飛び、転がり込む事で何とか回避する。そして、虚閃を見た伊織と耕平は互いに顔を見合わせる。
「……耕平」
「……ああ」
「今の見たか?」
「口から光線を撃ったな」
「つまりアイツ――」
「「宴会芸ができる!!」」
「…………」
またしてもズレたことを言っている二人を見ながらグリムジョーは困惑していた。
(なんだ、コイツら。霊圧とは違う変な気配が濃かったから声をかけたが、今の虚閃を避ける動作はどう見ても雑魚だった)
自身を弱く見せる事で隙を作る強者も居るが、そう言ったものはどうしても違和感や気持ち悪さを感じる。だが、グリムジョーは目の前の変態二人からは会話が意味不明なこと以外で違和感などは感じなかった。
「…………」
シュンッ
チンッ
グリムジョーは帰刃を解き、斬魄刀を鞘へと戻す。
「…………てめぇら、なんなんだ。つうか、なんで虚圏に居んだ」
「「こっちが聞きたい」」
「…はあ?」