前回、グリムジョーを翻弄しまくった伊織と耕平。
今回はハリベル達が登場します。
そして、作者の別作品の設定がふんだんに盛り込まれてますがなんならよくわからずにノリで読んでも構いません。アルコールを摂取しながら読んでいただければそれで良いです。
最終話を明日投稿予定です。
一応、後書きに設定作のリンク貼っておきますので、良かったらどうぞ。
ここは、虚夜宮。
虚圏に存在する唯一の建造物であり、元藍染一派が根城としていた城である。
その一室では金髪に褐色の肌をしたナイスバディの美女、現虚圏統括、ティア・ハリベルとその従属官の三人が話し合っていた。
「最近、どうも虚圏全体の治安が悪化してんな」
従属官の一人、黒髪短髪でオッドアイの強気な顔の美人、エルミー・アパッチがボヤく。
「悪化していると言うより変な事件が連続して起きてる感じだろ」
「言葉は正確に言いなさい。この単細胞」
アパッチの言葉を筋肉質な褐色の肉体を持った長身の美女、フランチェスカ・ミラ・ローズが訂正し、黒髪ロングヘアーのおっとりした美人、シィアン・スンスンが毒を吐く。
「あ?んだとゴラ!?スンスン!喧嘩売ってんのか!?」
「事実を言っただけよ。図星だからって怒るんじゃないわよ」
「ああ?!」
「お前ら、話し合いの意味を辞書で調べてこい」
「何知的キャラみたいに上から目線で言ってんだ!?コラ、ミラ・ローズ!!てめぇも他人の揚げ足取ってんじゃねえぞ!」
「ちょっと、この単細胞と一緒にしないで。コレだからゴリラ女は。目も頭も悪いのかしら?」
「…よし、分かった。お前らがやりたいのは話し合いじゃなくて殺し合いだな?良いだろう。表にでろ」
話し合いから言い争いになっている三人を見ていたハリベルが凛とした声で三人の名を呼ぶ。
「……アパッチ、ミラ・ローズ、スンスン」
「「「!!(ビクッ)」」」
たったそれだけで言い争っていた三人は静かになる。そして、ハリベルはそのまま続ける。
「五年前、突如現れたライオンの顔を模した謎の大樹とそのライオンの顔をしたマネキンを殲滅したのは黒崎一護率いる尸魂界の者達だ」
「……しかし、それは尸魂界側に原因がありましたし、リーラの斬魄刀の欠片が使われていたからと本人達が解決するように動きました」
ハリベルにスンスンが言う。ハリベルはそんなスンスンの言葉に一つ頷く。
「確かに、原因が彼ら側ではあった。が、だからと言って虚圏で起きた事件を外部に解決してもらったのは事実だ」
「それは………」
「それに……」
そう言って、ハリベルは自身の斜め後ろに視線を向ける。そこには黒髪ツインテールの破面と金髪無造作ヘアーの破面が地面に突っ伏していた。
「ロリやメノリが滅却師のメダリオンを使用し藍染を脱獄させようとしていたのを浮竹都依が阻止し確保してくれたが、まだ根本は解決されていない」
そう。ロリとメノリは五年前、藍染を脱獄させる為に無間崩壊を企てた。しかし、計画自体は八番隊隊長・浮竹都依が未然に阻止。その後は悪さをしないように毎日こうしてぶっ倒れるまでハリベルにしごかれている。
「……ロリ達が持っていたメダリオンは闇ルートから手に入れたのは分かったし、その大元はなんか怪しい滅却師の集団だって事も分かりましたが、その集団がまだいますもんね」
「ああ、だからこそ虚圏全体の防衛機能を引き上げる」
アパッチの言葉にハリベルが言う。
「名称はまだ仮決めだが『新生・十刃』を立ち上げる。これ以上不可解な事件を虚圏で起こすわけには行かない」
「「「はい!」」」
そう締めくくるハリベルに返事をする三人。そんな彼女達に不幸にも既に起こってしまった不可解な事件が声をかけてきた。
「おい、ハリベル」
「………グリムジョー?」
「服を何着かこの馬鹿どもによこせ」
「……何?」
グリムジョーが指差す方を見ると、そこには『水』を一本ずつ持って仁王立ちしているスッポンポンの二人の男達がいた。
「助かった」
「ああ。文明人に戻った気分だ」
「最初からそうしてろ」
白い袴と丈の短い白の長袖を渡された伊織と耕平がそれを着る。そんな中、ハリベルがグリムジョーに話かける。
「……グリムジョー」
「なんだ」
「説明しろ」
「…………言っとくが、俺の連れじゃねぇ」
「酷いな」
「ここまで案内してくれた仲だろう」
「案内じゃねぇ! 処理に困って連れてきただけだ!!」
ため息を一つ零してグリムジョーがハリベル達に二人から聞いた、頭のおかしい経緯を語る。
「……現世から来た人間だ」
「生きてんのか?」
アパッチが尋ねる。
「ああ」
「どうやって?」
ミラ・ローズが二人を見ながらグリムジョーに聞く。
「崖から落ちて黒腔に入ったらしい」
「それで生きているの?」
スンスンが首をかしげる。
「俺に聞くな」
「何故、裸だったんだ?」
尤もらしい質問をハリベルがする。
「縄抜けするために関節外して服ごと抜けたんだと」
「縄抜け?捕まっていたのか?」
「なんでもダチに簀巻きにされてセメントとスコップ片手に埋められそうになってたんだと」
「セメントってアレだろ?固まる石みたいなやつ。何に使うんだよ?」
「野犬なんかに掘り返されないようにする為だと」
「「「「…………」」」」
「その後縄抜けして、ローションとか言う潤滑油踏んで崖から落ちた」
「「「「…………」」」」
「俺を見るんじゃねぇ!! こいつらがそう言ってんだ!!」
叫ぶグリムジョーに伊織と耕平が横から訂正する。
「正確にはローションは逃走防止用だ」
「重要なところを省くな」
「補足すんな!!」
グリムジョーの話を聞いてスンスンがまとめる。
「……つまり、友人に生き埋めにされかけて、裸で逃げて、潤滑油で滑って、崖から落ち、偶然黒腔を通ってここへ来た、と」
「ああ」
「概ね正しい」
「…………人間って大変なのね」
「まあな」
「学生生活は刺激がいっぱいなのさ」
「ねぇよ!!てか、スンスン!いつもみたいに毒吐けよ!?何諦めてんだよ!?」
「いや、この人達に吐ける毒なんてないわよ。貴方達みたいにちょっと常識的じゃなくて非常識しかないのだもの」
皮肉や毒は相手がそれを理解しなければ皮肉や毒とならない。非常識が漸く服を着て歩いているような二人には効かないと判断したスンスン。実際、コイツらにはそんなものより醜い殺気の方が効く。
「……その手に持っているものは何だ?」
ハリベルがふと伊織と耕平が持っている瓶を指差しながら尋ねる。それに二人は瓶を顔の高さまで上げて答える。
「「『水』だ」」
「酒だ」
「「『水』だ」」
「酒だ!!」
「…………どちらだ?」
「俺を信じろハリベル!!」
グリムジョーが切実に自分の証言を信用してほしいと訴える。そんなグリムジョーに伊織と耕平が瓶の蓋を開けながら言う。
「グリムジョーは日本の文化に詳しくないからな」
「仕方ない」
「てめぇらの文化を日本文化にすんな!!そして、開けんな!!」
グビグビグビグビグビグビ
一気に飲み干していく伊織と耕平。すると二人の足元に突如黒腔が開いた。
「「ん?あ、落ちたのこの穴だ」」
「黒腔!?」
「じゃあな、グリムジョー。服ありがとう」
「また来るぞ。その時は一緒に飲もう」
「二度と来るな!!」
そう言って黒腔は閉じて行った。
伊豆大学の裏山
「「っと」」
伊織と耕平はスッポンポンで黒腔から追い出され、着地する。
「あれ?服が無い」
「ふむ、いつ脱いだ?」
「分からん」
自分達の服が無くなっていることにいつ脱いだのかと疑問に思っていると二人の耳に醜悪な声が届いた。
「「北原ァァァァァァ!!」」
「「今村ァァァァァァ!!」」
「「「「死ねぇェェェェェェェェェ!!!」」」」
伊豆大学の眼鏡でロン毛・野島元、名誉童貞・山本真一郎、婚約者持ちのイケメン・御手洗優、顔が濃い・藤原健太の四人が醜い殺気を振りまきながら突撃してきた。
「北原」
「何だ、耕平」
「ここはグリムジョーがやっていた宴会芸で遠距離攻撃をするのはどうだろう」
「名案だ」
そう言って二人は手に持っていた『水』の空瓶を槍投げの様に思いっきり投げつけた。
『『セロ!!』』