ダンジョンにドミナントがいるのは間違っているだろうか 作:巡理愛
引き続きアンケート取ってます
夜のダイダロス通りの地下水路。
不気味に静まり返る暗闇の最奥に忽然とその姿を現したのは、最高硬度の金属門――『オリハルコンの扉』だった。
そこへ、新ホームから爆速で引き返してきたクライヴとディオンの二人が、ロキ・ファミリアの本隊の前へと合流する。
「フィン、これを使え」
クライヴが差し出した『ダイダロス・オーブ』が重厚な音を立てて門を解錠し、「全軍、突入ッ!」というフィンの大号令の元、ロキ・ファミリアの軍勢がクノッソスの暗黒へと一斉に踏み込んでいった。
だが、彼らを待ち受けていたのは、仕掛けられた最悪の罠だった。
突入した直後、背後で巨大なオリハルコンの隔壁が駆動し、激しい轟音と共に退路が徐々に遮断されていく。水路の入り口に残り、二度と扉が閉まらぬよう氷魔法【ウィン・フィルヴィトル】で必死に門を凍らせて待機を余儀なくされた副団長リヴェリアは、自らが戦力外となったことに悔しげに奥歯を噛み締めていた。
さらに、絶望の引き金は最前線で引かれた。
暗闇から現れたヴァレッタ・グレーデ率いるイヴィルスの残党。
彼らの手には、かすり傷一つが致命傷となる黒い呪いの刃――『
「――しまっ……ぐふっ!?」
あまりにも突然だった。
現れた怪人レヴィスとの交戦。レベル6の第一級冒険者の実力を持ってして、迎撃するフィンであったがレヴィスの方が上手であった。
「死ねっ」
指揮を執っていた『勇者』フィン・ディムナの胸元を、さらに狂暴に強くなったレヴィスの一撃が正確に、深く貫いたのだ。呪詛がフィンの肉体を内側から腐らせ、オラリオの頭脳がその場に崩れ落ちる。
「団長――っ!?」
アナキティ・オータムと同期であり、対をなすとも言える【
絶対的な指揮系統を一瞬で失ったロキ・ファミリア。
死神タナトスの冷酷な意思により、クノッソスの迷宮壁がガガガガと駆動し、主力部隊は細切れの区画へと強制的に分断され、絶望的な各個撃破の戦いへと引きずり込まれていった
───
分断された暗黒の通路。
アイズ・ヴァレンシュタインの前に立ち塞がったのは、かつて何度も煮え湯を飲まされてきた宿敵――怪人レヴィスだった。
「また会ったな、アリア。……今度こそ、その首をへし折って連れて行く」
「レヴィス……ッ!」
アイズとレヴィスとの、息をも吐かせぬ第3戦目の激闘が幕を開ける。
黒い大剣を容赦なく叩きつけるレヴィスの圧倒的な怪力に対し、アイズは『デスペレート』を構え、限界以上の剣閃でそれを迎え撃つ。火花が激しく散り、漆黒の斬撃と白銀の刃が交錯するたびに、アダマンタイトの壁が削られ、轟音が鳴り響く。
だが、どれほど打ちのめされ、窮地に追い詰められようとも、アイズの心は折れなかった。
「みんなを助ける」という諦めない執念が、彼女の魂の風を覚醒させる。
「――【
アイズの放った最大出力の風魔法『エアリエル』が、レヴィスの猛攻を強引に押し返し、クノッソスの入り組んだ暗黒の通路すべてを烈しく吹き抜けた。
そこからの2人の戦いはさらに激化していく。互いが合わさるように剣戟を交わす。アイズは風とともにステップと回転を持って狙いを定めさせず、近付くのも速さを持って翻弄し畳み掛ける。
しかし、レヴィスもまた前回よりも増した力を持ってして、アイズの剣の尽くを見切り、避けて、反撃していく。剣を腕のみで防ぎ掴んで強引に投げ飛ばすレヴィス。
壁に叩きつけられたアイズは風の鎧で軽減したと言えど息は乱され、追い込まれた。
「クッ…強い!!」
(この人は前回よりもさらに強くなってる。このままじゃいけない…!)
「どうしたアリア。前回ほどの威勢を感じないぞ?そんなにあの『勇者』が沈んだことが堪えたか?」
少しガッカリしたように言うレヴィスは挑発するようにアイズに語りかける。そんな挑発にもフィンの生存を信じてアイズの眼差しは力強く灯っていた。
「フィンはあれぐらいじゃ…死なない!!」
「例え死んでなかったとしても時間の問題だ。雑念は捨てろアリア。私に力を見せてみろ!!」
再び爆発的に迫りくるレヴィス。アイズもまた風の出力を上げて応戦した。その風はクノッソス内を駆け巡り続ける。
───
一方、別区画では、一匹の『狼』が凄まじい業火を纏って暴れ回っていた。
「オラァァァッ! 邪魔だゴミどもがぁぁーっ!!」
ベート・ローガ。
前回の遠征、そして酒場での対話を経て、クライヴの圧倒的な大人の技術を誰よりも間近で見て、ファミリアの誰よりもクライヴを『師』として信頼するようになった銀狼。
分断される直前に2人のドミナントから『力』を受け取っていた。
「ベート!使え!!『ファイア』!!」
「それは特殊な武器か。ならば私の光も使え。『フレア』!」
「……ありがとよ!おっさんたち!死ぬんじゃねぇぞ!!」
二つの属性の胎動に笑みを浮かべながら珍しく礼を言うベートにクライヴとディオンは軽く返して遂に分断された。
「お前も死ぬなよベート!」
「誇り高き戦いを持って生き抜け狼の戦士よ!」
2人の激励に笑みだけを返してそれぞれは分かたれた。
クライヴから伝授された魔力の循環と炎の力、そしてディオンからの光の加護をその足技に同期させたベートの『フロスヴィルト』は、他の力を遥かに置き去りにするほどに、激強なまでの進化を遂げていた。
「ハァァァッ!!爆ぜやがれぇええええ!!!」
ベートの脚撃から放たれるのは、白銀の光と紅蓮の爆炎。襲いかかるイヴィルスの肉壁や植物型モンスター『ヴィオラス』の大群を、ベートはただの足技だけで文字通り一瞬にしてドロドロの肉片へと消し飛ばしていく。
爆発的な力の炎。文字通り光の速さの足撃。二つを使い分けることで攻撃にも動きにも緩急をつけたベートを止められるものはいなかった。
「消え失せろぉおおおおおお!!」
だが、フィンが倒れた焦燥、そして何よりも自分を信じて背中を追いかけてくるリーネ・アルシェたち若手の身を案じる怒りが、彼の心を焦がしていた。
そんな彼の前にスモークゴーグルを着けた男がオリハルコンの扉を開けて現れる。
「なんだてめぇは??誰だ?」
「名前なんてどうでもいいだろう?」
その男は特殊な穂先をした『呪道具』の槍を構えていた。彼のは『ディックス・ペルディクス』。イヴィルスに与する者であり、
「ハッ!確かになどうせオメェは今から死ぬ。蹴り殺す!!」
「やってみろよ!!ロキファミリア!!」
野蛮な口調の2人がぶつかり合う。
───
また別の区画ではガレス・ランドロックが敵の物量を一身に引き受けながら、大斧を振るい、イヴィルスの残党もヴィオラスの群れもなぎ倒していた。
「リーネたちと分断されてしもうた。無事だと良いが。フィンの方も心配じゃな」
そのオラリオ随一と謳われる耐久を持って傷を負うことお構いなくでなぎ倒し続ける。時にはその大きな拳で殴り飛ばす。原始的で力強いドワーフ流の正面からの戦い方であった。後方の仲間たちには指一本触れさせんという勢いである。後方の者たちは弓や魔剣、魔法を放てる者は魔法を放ち援護を続けていた。時より自爆の特攻を仕掛けて来る者の爆炎には見事に耐え抜き、その傍らで続こうとする残党を叩き潰して肉塊に変え、タイミング良いものは掴んで逆に残党共の方に投げて誘爆させていく。ガレス率いる区画は拮抗していると言える状態であった。
「邪魔じゃあーーー!!いくら来ようが儂を倒さん限り、この場は勝てんと思い知れ!イヴィルスの残党共!!」
ガレスの勇ましき叫びと共にロキファミリア側が押し返す。
逆にいくら襲いかかろうが倒れぬ老兵に畏怖するイヴィルスたちは明らかに勢いが削がれ始めていた。
戦局を注視するイヴィルスの主神もここは難しそうだと、他に戦力を投入しようと決定して、この区画の戦力は容赦なく切り捨てられた。
───
ガレスの区画に近い場所では、ヒュリテ姉妹が暴れまわっていた。
「団長がヤバいってのに邪魔すんじゃねぇよクソ共ーーー!!」
キレ散らかしながら周りの敵を虐殺していく、姉のティオネ。想い人たるフィンが瀕死の重傷を負わされなおかつそんな時に側に居られないことに余計に怒りが湧いていた。
「もう、いくら倒してもきりがない!!全然減らないじゃん!!」
その隣で妹のティオナもまた周りの敵を鏖殺していた。2人はテンションや口調は違えど敵を殺すことに全く躊躇いはない。
そして、この2人には共通してスキルがあり、ダメージを負えば負うほど強くなっていくために、始めは数的優位に思われたイヴィルスたちも恐怖で表情を引つらせていた。
2人のアマゾネスは正に狂戦士と化した戦いを繰り広げている。
何をやっても倒れないのがガレスなら、2人は何をやっても反撃される存在だった。
こちらの区画もまた、敵の主神は戦力を割くことを打ち切り、他へ戦力を傾けた。
───
クライヴは分断された結果、たった一人で戦う事を余儀なくされた。他のロキファミリアの者も一緒になりそうになったが放り投げて別のロキファミリアの者たちの元へと合流させていた。
「次から次へとゴミ共が」
クライヴは言葉短めであった。その区画は始めにいた者たちも増援もみな既に物言わぬ死体となっていた。
既に戦いは決していたのだ。敵の主神は一番最初に戦力投入を打ち切った区画であった。
そして、扉を開け締めしているカラクリをだいたい掴んだクライヴは『フェニックスシフト』からの速攻により、『ライジングフレイム』と『イグニッション』を組み合わせ連続で仕掛けて、扉の開閉の繋ぎ部分を熱で硬度変化を与えて歪ませて完全には閉まらないようにした。
そんな芸当も成されたので無闇な開閉はギミックを壊されると判断されたために、クライヴの周りは静まりかえっていた。
「さて、移動しよう。ロキファミリアの者たちは無事だといいが」
とりあえず作れた道に沿ってクライヴは移動を開始した。
───
次なる区画はディオン。
こちらもあまりの速さと高低差無視の曲芸じみた竜槍術に本来はヴァレッタを投入しようと思われていたが断念。
万が一、ヴァレッタが撃破されると何かと都合が悪いと判断した敵の主神は彼女を温存していた。
「我がザンブレクの槍の前に立つものはもういないか」
ディオンの周りもまた既に静まりかえっていた。扉が閉じられ孤立状態の彼は少し考えて地道に扉の破壊を試みようと考えた。一瞬、完全顕現も頭に過ぎったがクライヴがそれを実行していないということは都合が悪い可能性があると見て使用は断念。
ディオンはしばらく区画から脱出に時間がかかることになる。
───
レフィーヤは今回も同行していたフィルヴィスと共に【ウィン・フィルブルヴィトル】使って開いている扉を凍らせながら自由に行き来きしてとりあえず入口まで引き返し、リヴェリアに戦局を伝えようと考えていた。
そして、至るところに張り巡らせてある監視の目を知ってか知らずかバカ魔力を持って魔法を連打しながら進軍したことにより、彼女たちの位置を敵側は把握しきれずにいた。
なお、地道にいろんな事をやり始めたディオンの区画も破壊し尽くされて、どうなってるか分からなくなっている。
「フィルヴィスさん、このまま脱出よりも引き返すことも考えないと」
「何を言っているレフィーヤ。先ずは外に脱出してリヴェリア様たちへの救援を要請すべきだ」
「でも!」
「お前の仲間の心配も分かる…ーー」
言い合う2人は結局、フィルヴィスの方がレフィーヤの意見に折れ、『目印』を残して引き返すことにした。
その後、紆余曲折があり、敵の主神たる神『タナトス』との会話となる。
───
ベートたちの部隊は混乱の最中であった。
敵が使った『呪詛』【シャタード・ダイダロス】による同士討ちが始まったのだ。ベートは視認してから避けるという、流石はレベル6な芸当を見せて対応していた。
「見てから避けてんじゃねぇよ!【
ベートの身体能力に叫び散らしながらも成功した己の策によって、勝利を手繰り寄せる腹積もりのディックスは笑っていた。
(チッ、面倒くせぇ。おっさんたちの魔法の効果ももうすぐ切れやがる)
なのでベートは決断した。敵味方問わずぶっ飛ばすと。
そっからは怒涛の勢いでゴーグル野郎を追い込んでいく。
「てっめぇ!!クソ狼がよぉ!!」
ディックスは『呪詛』の代償を支払った自身の状態では勝てないと判断、完全に追い込まれる前に逃走を決め込む。
ベートに殴り飛ばされたのを逆に利用して、扉まで後退。扉を開放してすぐさま閉じようとした。
だが、凄まじい速度で追ってきた執念のベートが扉を腕と脚をズタボロにしながら無理やり持ち上げた。
「もう一発殴りに来たぜ、クソ野郎!!」
「グッあがぁああああーーー」
殴り飛ばされ、深手を負いつつも逃げたディックスはもう二度とロキファミリアには関わりたくないと思うのだった。
「ベートさん。大丈夫ですか?」
「あぁ?問題ねぇよ」
扉を持ち上げた際、片腕がグシャグシャに潰れているのにも関わらず、ベートはそこまで気にしてなかった。
「ベートさん。半端ないです…」
クルスという第二軍メンバーの1人が畏敬の念を込めて、呟いた。
こうして、ベートたちは現在の区画から脱出した。
───
ベートに続き、ガレスやティオネ、ティオナもまた各々の力技で現在の区画から脱出していた。ガレスは斧である程度破壊した後に己の両拳で乱打して壁を殴り壊すという荒技で道を切り拓いた。
そんな中でアイズとレヴィスの激闘は続いていた。
「あの傷を負ってもまだ動くか」
「ハァッハァッ」
アイズの身体には生々しい斬撃の痕が刻まれていた。自分の反応を凌駕するほどの踏み込みを許して、斬り裂かれたのだ。もちろん『呪詛』が込められており、止血されることはない。
「諦めろアリア。お前は1人だ。助けなど来ることもない」
その言葉にかつての自分を思い浮かべるアイズ。自分は1人だった。だから──剣を執った。執るしかなかった。
でも、今は違う。
「仲間たちがいます。今の私は1人じゃない!!」
その言葉と共に風の出力がさらに上がっていく。そして、その度にこの狂気の人造迷宮の各地に風が流れていく。
「まだ、風が上がるか。ならばもう少しやって完全に動けなくなしてやる!」
睨み合う2人。
その最中にも風の出力を上げ続けた。
その凄まじい風の呼気こそが、分断されていたガレスやティオナ、ティオネたち主力にとっての「合流の目印」となり、幹部たちは互いの位置を完璧に把握、死線を潜り抜けながら必死の集結を開始する鍵となる
───
瀕死のフィンを抱えて、執拗な追撃を交わしながらラウルたちは尚もクノッソスを彷徨っていた。
幸いにもクライヴから譲られたダイダロス・オーブによって、区画に閉じ込められることもない。
息も絶え絶えのフィンの指示でラウルに指揮は任され、何とか脱出を図ろうと逃げ回るが徐々に追い込まれているのも自覚があった。
そして、暗闇の底からそこで嘲笑う声が聞こえて来た。
「ど〜こだぁフィ〜〜ン?」
凶悪なイヴィルスの幹部。
ヴァレッタ・グレーデの声であった。
「遂に追いつかれたっス!!?」
その怠そうでありながらどこまでも悪意に染まった声は特徴的であり、ラウルたちを恐怖させた。
そこでラウルとアキは必死で考えて策を練った。
「一通り嗤ってやったが、そんな事だろうよ」
ラウルのフィンを立たせた囮に見せかけた作戦は失敗した。
ラウルも決死の覚悟で突撃したが、アッサリと制圧された。
だが、策には続きがあった。
各地から狂騒の音が聞こえて来たのだ。
「僕の…部下に…能無しは、1人もいない…」
動くこともままならないフィンは嘲笑うヴァレッタに向かってそう答えた。そして──。
それぞれの方角からヴィオラスが殺到した。まさかの
「ふざけんじゃねぇ!!!」
モンスターにもみくちゃにされながら追撃しようとするヴァレッタにトドメとばかりにこの区画の扉を閉めた。
「やりやがったなぁーーー!!!」
再び背負われて逃げるフィンはラウルの背中越しから褒め称えた。
「良くやった…ラウル」
あとは脱出するだけの中、だいたいの道順を把握するも他のメンバーたちとも何とか合流したいと思っていた矢先に風が流れた。
「こ、これは?」
「きっとアイズの風よ!!」
ラウルたちは希望を見出して集結していく。
時を同じくしてロキファミリアの第一級冒険者たちもその風を頼りに集結を始めるのだった。
───
しかし、迷宮の悪意は。
その希望すら嘲笑うように、風を受け取れなかった者たちの小隊を最も凄惨な数の暴力で孤立させていた。
「いや、いやぁぁぁっ! 傷が、傷が治らない……っ!」
「ひゃはは! 腐り落ちな、有象無象どもがァ!」
カースウェポンの黒い刃が若手たちの肉を裂き、自爆テロの爆炎が周囲を包む。
仲間たちが次々と事切れ、血の海と化した最悪の修羅場の中で現れる存在。悪意の、醜悪な執念の塊。
「ハァッハァッ。クソッタレが!!」
怒りに燃え、傷だらけの女が扉を開けて通りかかった。
「ひっ。ロキファミリアだなぁ。ひははははは!!」
彼女ヴァレッタは狂笑を上げた。
これで少しは溜飲が下がるのだと。
「残ってるのは女1人だけか。なぁ、お前『勇者』サマの手土産になるかぁ〜〜?」
ついに最後の一人となったリーネに向けて嗤いながらゆっくりと迫る。
「あっ貴女は…」
後退るリーネにさらに笑みを深めるヴァレッタ。
「いかにもな健気なお嬢ちゃんじゃねぇか?今までよく頑張ったなぁ。アタシともちょっと〜遊ぼうや?なぁ〜?」
そういうや否や怯えるリーネに向けて呪いの剣で痛ぶり始めるヴァレッタ。少しずつ、四肢に、身体にと斬り傷を増やす。ただ、痛みに耐えるしか手はなくなったリーネの辛そうな表情にヴァレッタは嗤い続けた。
そして、ある程度やり終えたらつまらなくなったのか剣を胸元へ向けた。
「そろそろ飽きちまった〜〜。ハァッ。反撃もねぇしこんなもんか。じゃ、フィンによろしく…な!」
そういってヴァレッタの放ったカースウェポンの必殺の刃が容赦なく肉薄した
(……ここまで、なの……? ベートさん……っ!)
リーネが絶望にその瞳を閉じた、まさにその刹那だった。
シュウゥゥゥッ――!!!
大気を焼き焦がす凄まじい火の粉の残像と共に、灰色のマントを翻した男が、その死線の最前線へと完璧なタイミングで滑り込んだ。
「――そこまでにしてもらおうか、小悪党」
「ぎゃっ……!?チィッ な、なんなんだお前はぁぁーっ!」
突如として空間を跳び越えて現れたクライヴの、進化せし愛剣『フレイムタン』の圧倒的な一閃が、ヴァレッタの手から呪いの刃を強引に叩き折って弾き飛ばした。
息も絶え絶えに血を吐くリーネの身体を左腕でガシッと抱きかかえ、クライヴは迫るイヴィルスの大群を、地獄の火の眼差しで冷徹に睨みつける。
理外の神殺しの王の介入。
この瞬間、爆発的な劫火の咆哮と共に、戦況と運命が強引にひっくり返されようとしていた。
今後について
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①今のまま毎日投稿
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②投稿頻度減らして完成度上げて
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③自由、活動報告で設定やステイタス書く?