「さっ!みんな!フィナーレといきましょう!!」
「「「「はい!!」」」」
マミの掛け声とともに、5人は一斉に飛び出す。
先手、マミはリボンを具現化させ、テディベアのもとに続く一直線の橋をかける。
2手目、続けざまに、彼女はリボンを伸ばし、捕縛しようと試みる。
しかし、それを嫌ってテディベアは逃走しようとする。
「そうはさせねぇよ!!」
杏子は、鎖でさやかの生み出した剣を操り、逃げ道を奪うように回り込む。
あっという間に、テディベアは鎖できつく縛られた。締め上げたところがくびれ、綿が上下に偏っている。
「なぎさ!」
「はい!」
杏子の合図で、なぎさはガム風船を一生懸命膨らす。
彼女の顔は、真っ赤に染まっていく。
「これでとどめよ!ティロ…!!」
その遥か上空、マミとまどかが、巨大なマスケットを、背後に巨大な魔法陣を、それぞれ展開する。
「行くぞ!」
杏子に手を繋がれると同時に、なぎさはガム風船を前に飛ばし、そのまま一緒に撤退する。
「「ティロ!!フィナーレ!!!!」」
ドンッッッ!!!!
ビュュンンッッッ!!!!
巨大なマスケット銃と魔法陣から、弾丸と矢が一斉に放たれる。その全てが、ガム風船を貫く。
その爆発力を威力に変えて、ナイトメアに命中した。
ゴォォォ……!!
耳をつんざく轟音とともに、大きなテディベアの個体が爆散した。
同心円状に広がる爆風を、軽やかに受け流し、5人は元いた位置まで後退する。
「やった!!」
――勝った。まどかはそう確信した。
否、ここにいる誰もが、そう感じていた。
敵の姿を確認していないにせよ、間違いないと。
しかし、まどかが振り返った矢先だった。
ボォォォン…!!!
ナイトメアは爆散すると同時に、中から無数の真綿の使い魔を放出した。まるで最後の悪あがきだ。
「なぎさっ!!!」
マミは、そのうちの一匹が、なぎさのもとに向かっていることを察知した。
だがもう遅い。
言葉を発し終えた時には、目と鼻の先。
マミに反応して、振り返った頃には、なぎさの視界いっぱいに、使い魔が映し出されていた。
攻撃される――。
そう思った矢先だった。
ブォッッ…!!!ヒッヒヒヒヒ……。
悪魔のような笑い声とともに、使い魔は黒煙を上げて消え去った。
それに一匹だけではない。
5人の魔法少女を取り囲む使い魔全てが消失し、漆黒のキューブへと転換された。
今度は一転。彼女らは、静寂のなかに取り残された。
ナイトメアの結界が解かれ、徐々に元いた見滝原に戻されている。だと言うのに、5人は以前、あっけにとられて取り残されているままだった。
………。
「何?今の…。」
その言葉を発するので精一杯だった。