頻度は落ちますが、頑張って書いていきます!
風呂に入った後はツイッギーが外した義肢を見る
今の彼女は
「今日は調整をお願い」
「うん、どこが変?」
「膝部分が少し動きにくいわ。まだ硬すぎるせいかもしれない」
「ん…調整する」
「助かるわ」
そう言いツイッギーは、テレビをつけてソファに寝転がる
自分は義肢を部屋に持って帰って調整をしようとしたのだけれど……
「ねぇ、たまにはここでやったら?」
「…はい?」
「だから、部屋じゃなくてここでやりなさい。別にいいでしょ」
「まあ…いい、けど」
「(珍しいな。いつもは何も言わないのに)」
それじゃあ、と自分は部屋に置いてある器具を持ってきて調整を始める
こうしてると少なくとも初めて会った時よりは距離が縮んだのかもしれない
という自分も
「……」
「……」
部屋にはテレビからの音だけが流れていた。会話をしなくても良いのは、自分としてはかなりありがたい
ーーーーーーーーーーーー
ツイッギーと出会ったのは……何年前だっけ?わかんない、旧都陥落よりは後だった
その日も自分はいつものように依頼を受けていた。たしか…調査だったはず
ホロウの調査をしたところで何かわかるのか?と思っていたのは内緒
「う〜〜ん、適当にまとめてるけど…こんなのでいいのかな?もう少し奥も行ってみるか」
その時の自分は依頼のことで頭がいっぱいだったから、そこにどうやって行ったのかは覚えていない。ただ、目の前の景色は思い出せる
「え………これは、死体ってやつですか……キッツいな。なんで山みたいになってるんだよ……それも全部同じ顔って、世にも奇妙な物語ですか?」
そこには10人の死体があった。それだけでも驚いたのに、さらに驚きがあったのは全部が同じ顔だったこと。姉妹ってわけじゃなさそうだった。10人姉妹って確率はちょっとありえないから
「不気味なんですけど……って、あれ?」
よく見てみると、他の9人の下敷きになっている人がかすかな呼吸をしていることに気がついた
瞬きもしてるし呼吸もしてる。たしかに生きていた
「ちょ、え!?だ、はい?生きてるよね…あ、た、助けるわ!」
「……ぁ」
「な、なに?」
「……」
「…あとでちゃんと話は聞く。助けるけど、いいよね」
「……」
自分の言葉に反応して彼女はほんの少しだけ頷く
それを見た自分はすぐに上に乗っていた人たちをどける。意外と重いことを知るとは思わなかった
下敷きになっていた彼女の四肢はエーテル侵食や血液が回らなかったせいか、確実に切り落とさないといけないものだとすぐにわかった
「侵食は止めれる。でも結局は切らないと…」
「……いい」
「……右腕は残せる。てか、絶対に残す。任せて」
「………ん」
エーテル侵食的にすぐに処置はしたほうがいい。反転術式で傷を治しながら侵食の中和。
それと同時に右腕以外の四肢を切り落とす。あまりグロいものに耐性はないけど、言ってる場合じゃない
「っ…」
「…傷はすぐに塞ぐ。右腕は治す」
自分の反転術式は他者の四肢の欠損を治せるほど優秀じゃないんだ。ごめん…*2
傷を治したあとはすぐにホロウから出る。時間が無いから強引に能力を使って外に出る
ホロウを出てから闇医者のところに連れて行って適切な治療をしてもらって彼女を休ませる。当然だけど「素人が簡単に四肢を切断するな!」とものすごく怒られた
……まぁ、ここまでは良かった。大変だったのはこの後…彼女の眼が覚めてからだった
「なんで助けた!」
「えぇ…」
第一声がコレだったからかなり引いた。
どうしてか、怒りと悲しみと安堵が混じったような顔をしていて事情を聞いてみる
もちろんだけど、簡単には教えてくれなかった。
だからこそ、話してくれたのは嬉しかった
ざっくり言うと、どうやら彼女たちはクローンで命令に従って任務を行っていたらあのようになったらしい
クローンなんてものが存在するとは…と思ったけど顔が同じだったことに納得できた
「私は、誰よりも弱かった。だからみんなが私を助けた意味がわからない…どうせなら私も一緒に死にたかった」
「………」
「どうして私は生きているの?なんで助けたのよ…答えてよ!!」
「…助けたのは、生きたそうだったから」
「私が?何言ってるのよ」
「あのときは、多分生きたかったんだと思う。そんなふうに見えた。だから助けた」
「私は〝死ね〟と言われたら死ぬためにいるの!どうして生きたいなんて…」
「…それはわからない」
「…じゃあ!たとえそうだったとして、これからはどうやって生きていけばいいのよ!!何も生きがいなんてないのに…私は、どうやって!!」
生きる理由か…ちゃんとは考えたことないかも
多分、自分は「死にたくないから」とか「死ぬのって怖いし」とかそんな考えしか出てこない気がする。彼女になんて言えばいいのか…自分にはわからない
「私は…皆のために何かできたわけじゃない。どうして皆は私を守ったのよ」
「…守りたいのは、『大切だから』じゃない?」
「大切って……もう、何もわからないわ。生きてていいのかも…わからない」
「……よし、じゃあ退院したら自分の家に住んだら良い」
「は?何言ってるのよ。私はそんなの望んでない」
そうかもしれない。でも、他のクローンが彼女を助けたのは多分意味がある
生きたくないなら、そうなった時に考えればいい
「…生きてていいのか、なんて。
「……なにそれ。意味わからないわ」
「だろうね。自分で提案したけど、自分もよくわからない」
「……生きるかどうかは私が決める」
「ん。それでいい」
おそらく、この時はまだ『死ぬべき』って思っていたのだろう。
目がそんな雰囲気だった。絶対にそう
「名前は?」
「ツイッギーよ。あなたは?」
「ノーネーム。そう呼ばれてる」
「…本名を教えなさいよ」
「…………それは却下」
「はあ!?」
そうして、彼女の新しい生活が始まった
ーーーーーーーーーーー
「ノーネーム。今更だけど、どうして義肢なんて作れるの?」
「…創るのは、結構すきだから」
今の彼女は『死ぬべき』とは思っていない様子だ。何か
さっき言った義肢は自分が0から作ったものだ。とは言っても知識0でするには難しすぎたから義足を使っているライカンさんや青衣さんにも手伝ってもらった
なかなかの出来だと思っていたけど、改良と調整も必要。難しいんですわ
「…ねぇ、ノーネーム。あなた目は大丈夫なの?」
「…なんで?」
「ニュースを見たの。ヴィジョンの人命軽視について、私には銃が向けられていたのと同時に銃がバラバラになっているように見えたわ」
「…それを自分が、ってこと?」
「えぇ、もしそうなら目は無事なのか。と気になっただけ」
「…うん、大丈夫。能力は使った…けど、そこまでの負荷じゃ、ない」
「そう……ならいいわ。無茶はしないで」
「??…わかった」
ツイッギーは自分の能力について少し知っている。
まず、1つ目の能力は【御廚子】。よく使うし便利な能力だ
そして2つ目の能力なんだけど…それは
【未来視】。単純に少し先の未来を視ることができる。
だけど、この能力の元ネタがわからないんだ。少し先の未来を視るだけだし、負荷もある
使いすぎると目から血が出てくる
ヴィジョンの銃を切ったのもこの能力のおかげで出来たこと
とは言っても、使うのは戦闘のときくらだし単純に頭と目が疲れるから頻度的には少なめかも
3つ目の能力が1番使わないんだけど、ここでは秘密。時が来たら教える
ツイッギーは能力の負荷も知っているからこそ心配してくることが多い。
まぁ、お互いに会って話す回数が少ないからってのもあるんだろうけどね
「ツイッギーは、最近どう?」
「えぇ、目的に対しては順調よ」
「そう…なら、いい」
「前にも言ったけど、『生きるのも悪くない』と思ってきたの。今が楽しいから」
「うん、良いこと」
「それに、こんな義肢を作ってくれたあなたにも感謝してるの。これのおかげでもあるから」
「無いのは不便……手伝う」
「あなたは……私の味方でいてくれる?」
「…?」
「(突然すぎない?なるべく味方でありたいけど……もしかして、「味方なら義肢に余計な機能をつけんなよ」って言ってるのか!?付けたことないですよ!!……たぶん)」
「いや、なんでもないわ。これは私の目的であって、私の居場所でもある」
「……焦ってる?」
「少しね。成功したいからこそ、焦ってるのかもしれない」
「……居場所、
「そう?」
「…うん。他にもあると、思う」
「頭の片隅に置いておくわ」
「…そう、して」
少ししんみりとした空気になってしまった。で、でも!ツイッギーがちゃんと話さないのが悪いと思います!
自分はツイッギーの目的について聞いていないけど、それは関係ないと思います!!
そうして義肢の調整が終わるまで、お互いに会話はしなかった。ツイッギーも何か考えていたみたいだし、自分も調整に集中していたし…しかたがない!
「義肢、どう?」
「ええ、いい感じね。また剣を振ってみて腕の調整もお願いするわ」
「ん……あ、その…【シン・陰流】はどう?」
【シン・陰流】と言えば呪術廻戦での結界術の1つ。もしかしたら?と思って、ツイッギーになんとなく教えてみるとすぐに習得してしまった。
センスって怖い…エーテルをグッ!っとして結界にするんだけど…にしてもセンスって怖い…
抜刀が基本だけど、ツイッギーにできるかな〜?とか思ってた自分がアホらしい
めっちゃ吸収が早かった。自分はそんなに簡単に出来なかったぞ!
「かなり慣れてきたわ。結界術と言っていたけど、抜刀の速度はかなり上がったわ」
「結界術なのは、エーテル侵食を中和できる。から」
「そうね……気になったのだけど、私を助けた時にも中和をしていたと思うけど…それも同じ結界術なの?」
「いや、あれは…また別の能力」
「そう…あなた、その能力は安全なの?」
「……使い方次第」
「…本当に、無茶しないでよ。知らない間に死にました。って言われても困る」
「気をつけます」
危ない能力なので、本当は無い方が嬉しいのかもしれないけど……あって損はない。なるべく使いたくない。自分は!化物になりたく…ない!!!
「とにかく、今日はありがとう。助かったわ」
「うん。また変になったら教えて」
「ええ、お願いするわ……じゃあ、おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
部屋に戻り仮面を外す。ベッドに座って息を吐く……さすがに、疲れた
眠りに着くまでそう時間はかからなかった。一瞬で寝れたみたい
ただ、朝になって目が覚めるとツイッギーはすでに出ていて
『今日の晩ごはんは、魚がいい』
と書かれていた置き手紙を見て、魚を買いに行く準備を始めた。
Q.お前、昔はコミュ障じゃないのかよ!
A.昔もコミュ障ではあるけど、徐々にひどくなっていった。一度話さなくなるクセがついてそのまま……といった感じ
Q.ツイッギーにも素顔は見せてないの!?
A.喋るのは平気でも顔を見せるのは恥ずかしいから見せていないぞ
次回!!
「メイドって、本当にご主人様って言うの?」(仮)
お楽しみに!!