ユリモニニニヨニヨスルミヨ   作:岡ノ下

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デスサガの最新情報が怒涛の如く押し寄せるので初投稿です。


第2話「死食」

ミヨです。

 

現在、私はカーソンさんのお宅にお邪魔しています。

目の前にはエレンちゃん(生後3ヶ月)。すやすやと眠っております。

 

うわーちっちぇえええーかっわいいいー!

 

赤ちゃんの可愛さにはトーマスで耐性付いてたつもりだけどなぁ。

女の子はまた別の可愛さだわ。みんな違って、みんないい!

 

丸々とした手をつんつんしていると、寝ぼけながら私の指をぎゅっと握ってきた。

うーん、この赤ちゃん特有の握力。癒されるー癒やされるー!

 

ギュウウウウウッ

 

「って! いって! 痛え! 力強いな!?」

 

さすが太白・斧の女子……私より腕力は上だったね、そういえば。

 

※宿星:太白/得意武器:斧は最も腕力が高くなる組み合わせ。

 主人公(笑)の腕力は20。エレンの腕力は21。

 

起きてる時のエレンちゃんは元気いっぱい。もぞもぞ動く。

 

「ちょっ動かないで! おむつ替えさせて! いでででで! やっぱつええ!」

 

「ごめんね、ミヨちゃん。この子と同じくらい力持ちなのがあなたしかいなくて」

 

「あっ、い、いえ良いんですよおばさん。エレンちゃん可愛いし。いてっ!いっでえ!

 い゛でえ゛よ゛ぉ゛……(まるでザコ敵) ンアアアア! 痛スギィ!」

 

申し訳無さそうなカーソンのおばさんに笑いかけ、

エレンちゃんのお世話を頑張る私(7さい)であった。

この子が成長したら、力の使い方をちゃんと教えないといけませんねクォレハ……

 

エレンちゃんが寝たのを確認してベント本家へ。

こう言ってはなんだけど、シノンはド田舎だ。

勉強がしたかったら本のあるここに来るしかない。

 

「おぉ、ミヨ。来とったのか。その本は……聖王物語か?」

 

「おじーちゃん、こんにちは! うん! 聖王様のこと勉強してるの!」

 

「そうかそうか。昔は算術や農耕の本を読み漁っていたのにのぉ。

 お前が英雄譚など読んでいることにむしろ安心したぞ」

 

「ひどい言い草だ……」

 

奥間から出てきた爺様に軽く挨拶しつつ、本を読み続ける。

 

私が探しているのは聖王の生まれた年に関する記述だ。

 

死食の年に生まれた赤子は全て死ぬ。

ただし、例外として一人だけ生き延び、世界にとって大きな出来事を成す。

その子は宿命の子と呼ばれる。

 

300年前に生まれた宿命の子……それが聖王だ。

彼(彼女だルルォ!?)は600年前の宿命の子、魔王が開いた魔界<アビス>の魔物とそれらの長、四魔貴族を撃退して世界に平和をもたらしたとされている。

 

今度の死食で残る宿命の子は誰なのか? アビスとは?

もちろん私はその答えを知っているが、今重要なことはそれではない。

 

必要なものは客観的事実。

誰が見ても聖王の生まれた年=前回の死食の年と特定できる資料が欲しい。

それがあれば、死食の年に先にじて備蓄を増やすといった周囲への注意を促せるのでは無いか──と、考えたのだ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時は過ぎ2年後。

ミヨ・ベント10歳。

家の手伝いをしたり資料を探したり算術のお勉強をしたり槍の鍛錬をしたり、そんな日々を送っていた私は、またもベント家に足を運んでいた。

 

結果として死食の起きる年を確定できるまでの資料は見つからなかったが、前後2年の範囲まで絞り込める程度の材料は用意できた……はずだ。

「ねぇ、お祖父様。もしまた300年前のように死食が起きたら──」

おじーちゃん呼びをあらため、深刻なトーンで話を持ちかける。

 

"年齢に見合わず利発な子"

これまでの行動でそうした評価を得ていたため、子供の戯言として切り捨てられることはなく

一考の価値がある意見として聞き入れてもらうことができた。

 

「苦境に備えることは必須であり、事が起きなければそれで善し、起きた場合に何の備えも無いことこそ最悪である。私はそう思います」

 

「ふむ」

 

死食の時期について確定する材料が足りなかったのは無念だが、予想される時期のブレに関してはこう言って納得してもらうことにした。

「備蓄は死食が起きなかった場合は消費して、減少分をその年の生産で補充すればいいのです」

現代で言うところの災害に備えた食品備蓄、ローリングストックの概念である。

 

「考えとしてはまぁそれでよかろう。だが実現できるかはまた別の問題だ。

 作物はな、我々がただ作って消費するだけではない。

 シノンは開拓村と名乗ってこそいるが、ロアーヌ有数の穀倉地帯じゃ。

 村の外のことも考えねばならん。

 その年の生産量から各家庭の消費量、売って金に替えるべき分──ロアーヌ侯国全体が食料を必要とした場合のことも想定し、1年間餓死者が出ないような蓄えを維持し続けるのは容易では無い……いやはっきり言おう。無理じゃ」

 

「ウッ……それは……そうですね」

 

「すまんの。

 悲劇を防ぎたいと心を痛めている孫に対して厳しいことは言いたくないが──」

 

「いえ、必要なことだと承知しています。

 そのうえでお願い申し上げます。どうかお力をお貸しください」

 

「うむ。"その時"になれば救えぬ人、切り捨てるべきを選ぶこともあろうが……

 それは大人が背負うことだ。もしかしたら想像以上に他の地方の備えが完璧で、何事もなく乗り切れるかもしれぬしな。

 まずは何よりも蓄えを如何に増やすか、共に考えていこうか」

 

「はい!」

 

「先に言ったように、生産量と村の外へ売る分のことを考慮しなければ備蓄は増やせん。

 今月来月の分はもうどれだけの量を売るのか、相手とも話をつけてしまっている。

 よって、再来月の分から手を付けていくわけだが……

 売る先との契約や従業員への指示を考えれば、すぐに計算結果を出す必要がある」

 

「そうですね」

 

「……お前がやるのだ」

 

「ファッ!?」

 

「ミヨ? 再来月の出荷量を決める必要があります。すぐ計算できますか?」

 

「あ、あん、はっ、はい、40時間後には、でっ、できまっす!」

 

「もっと早くできませんか?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

と、まぁ、こんな感じで死食に備え、12歳までの時を奔走して過ごしたのだった……

などと脳内で呟いているが、まだ死食は起きていない。

11歳、村民です。

死食が起きるまで残り1年。

 

お祖父様とのアレコレ以外にも色々やったし、言ってきたのだが、

こ↑こ↓のメインはアラサー女の現代知識チート無双()でもネゴシエーション苦労話でもない。

作物の出荷がどうこう含め、あくまでもフレーバーということで適当に流してください!

なんでもしますから!

ん?今(様式美)

 

「ミヨねーちゃん、また大人のひとたちとお話してたのー」

 

あぁんかわいい(シュババ

鈴を転がすような声とは、こういう声のことを言うのだろうか?

今日の仕事を終えた私──を呼ぶ声に振り返ると、

そこにはカーソン農場の一人娘、エレンちゃん(4さい)がいた。

 

「エレンちゃん! あぁエレンちゃん! オッハー!オッハーーー!!!(激寒)」

 

「今は午後でお日様が出てるから「こんにちは」だよ?」

 

なんだこの子すげぇ頭いいな(驚愕)

私(前世)の4歳時なんか鼻垂らしてうんこーとか言ってたぞ……すぐお母さんに怒られて矯正されたけど(それだけに覚えてる)。

 

「ンンッ……そうだね、こんにちは。もう大人の人とのお話は終わったよ。

 エレンちゃんはどうしたの?」

 

「お馬さんとあそびたくて……」

 

もじもじしてるー!!かわいいー!!

私ことミヨねーちゃんと遊びたいわけじゃないのは悲しいが。

 

エレンは格闘技の他、馬術が好きな女の子だったはずだ。攻略本にそう書いてあった。

そして我が家は「シノンベント牧場」。

つまり、そういうことである。

我が家の馬は両親と私が毎日お世話しているだけあって、性格も毛並みもバツグンにいい。

どこに出しても恥ずかしくない名馬揃いなのだ。

 

「いいよ。じゃあお姉ちゃんと一緒にいこっか?」

 

「うん!」

 

こうして私はエレン(天使)と手を繋ぎ、自分の裁量で触れ合ってもOKな馬を放牧している柵で囲った草地に向かうのであった。

あー天使天使。

 

当然ながら4歳のエレンはまだ馬に乗ることはできないのだが、馬の方が優しく目線を合わせ、ぷにぷにの唇で優しくエレンの髪をつついたりして遊んでくれた。

馬は子供好き。はっきりわかんだね。

 

エレンも手綱を引いて先導しながらゆっくり馬を散歩させたり、とても楽しそうだった。

彼女の持つ強い腕力については私が丁寧に加減を教え込んだので、馬をいきなり引きずって転倒させるようなことはない。

 

「ミヨねーちゃんも一緒にあそぼうよ!」

 

尊い光景を眺めていた私に、天使が声をかけてくれた。

 

「あぁ^~いいっすねぇ」

 

ずっと、こんな幸せが続いたら……

 

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1年後

 

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開拓村の大人たちは皆働き者で朝が早い人たちばかりだが、仕事を始めるのは太陽が顔を出してからだ。そうでなければ手元が見えず、農作業など道具を使った作業は危ないからである。

 

馬や牛のお世話は日が昇る前から始まる。

特に馬は繊細な生き物であり、そのうえ一日四度の食事を必要とするので、夜のうちに異変が無かったか、便はちゃんと出ているか、体温はいつも通りか……入念にチェックと手入れが必要になる。

 

今朝の馬たちはみんな様子がおかしかった。

血走った目で(いなな)いたり、不機嫌を表すように耳を後ろへ倒して、ずっと地面を前脚で堀り続けたり。私が顔を見せると嬉しそうに擦り寄ってくるいつもの馬たちが、こちらを一瞥したきり、何かに耐えるような様子で頭をぶんぶん振っていた。

 

外が明るくなる。

山の陰から出てきた太陽が、中天を目指しじりじりと上がっていく。

 

馬は外に出せなかった。牛も外に出せなかった。

出そうとすると暴れるから。

仕方がないので、できる限り触れないように作業した。

便を回収し、寝藁を入れ替え、飼い葉を新しいものにして飲み水も交換した。

飼い葉が大好きな食いしん坊のあの子はまだ頭を振っていた。

どこかにぶつけたら怪我をしてしまう。やめさせたかったが、できなかった。

 

太陽が昇る。

 

昼になった。まだ馬も牛も外に出てきてくれない。

諦めて家の中に戻り、昼食を済ませた。

 

なんとなく気分を変えたくなって村の広場に足を運ぶ。

周りにはちらほらと知り合いの姿があった。

 

 

 

そして────「その時」は訪れた。

 

 

 

「太陽が……!」

 

誰の声だっただろう。

私が、両親が、お祖父様が、トーマスが、エレンが、村のみんなが、全ての生き物が──

世界が、空を見た。

 

『太陽を直接見てはいけないよ。目が悪くなるから』

そう私に教えてくれた前世(と呼ぶことにした)の父はここにいない。

そして、そんな心配はいらないほどその光は弱々しく……

左から突然現れた(地表の私たちからはそうとしか見えなかった)黒い何かの影に隠れて……

消えてしまう。

あの影が死の星なのか。

 

暗い。どこを見回しても暗い。

数歩の距離にいた知り合いの顔が見えない。

 

「これって……」

 

     「まさか……」

 

          「エレン! どこにいるの!? お母さんはここよ!」

 

「ミヨちゃんが前に言ってた……」

 

     「おかあさん!」

  

「死……」

 

周囲がざわめき出す。

不穏としか呼べない感覚。恐怖が爆発する寸前の空気とはこういうものだろうか。

 

「落ち着くのだ!!」

 

広場に光が生まれる。

お祖父様が火の点いた松明をかかげ、一族を、従業員たちを連れて現れた。

お祖父様の後ろからも松明を持った男の人たちが四人出てきた。

トーマスのお父さんもその中にいる。

右手に松明を、左手は小さな男の子──トーマスの手を握っていた。

 

「よいか。これから松明を配る。

 この四名の前に、それぞれの家の家長が均等に並びなさい。

 松明を受け取ったら火を灯し、自分の元へ家族を集合させるのだ」

 

整然とした誘導のおかげである程度混乱が収まり、困惑を抱えながらも人々は動き出した。

 

松明の下に家族が集う。私も自分の両親と共にいた。

隣の光が照らすのはカーソン一家だった。エレンは震えながらも泣かず、こちらと目を合わせてきた。笑いかけて安心させてあげたかったが、私の顔は強張(こわば)り、小さく頷くしかできなかった。

 

「この状況は、まず伝承にある死食に相違なかろう。少なくとも儂はそう考えて動くことにした。

 できれば、皆にもそのつもりでいてほしい。

 繰り返すが、まずは落ち着くことじゃ。この闇の中で焦っても何もいいことはない」

 

「やっぱり……死食……」

 

「そんな……どうすれば……」

 

お祖父様の言葉にまたざわめきが大きくなる。

それを無理に抑えようとせず、お祖父様はよく通る声で話を続けた。

 

「食料と、照明のための蓄えは十分にある。

 本人から死食の話を聞いた者も何人かおるようじゃが、ミヨの考えでな。

 数年前から準備はしてあった」

 

「そうだ! ミヨちゃん! こうなることを知ってたのか!?」

 

「町へ運ぶ荷の量が細かく変わり出して、どうしたのかと思っていたが……」

 

「い、いえ……聖王様のお話を読んで、また死食が起きたらどうなってしまうんだろうって……

 ただ、不安で……」

 

大人たちに詰め寄られた。

怒っているような調子ではなかったが、どの顔も張り詰めて不安そうだ。

刺激しないよう、そっとお父さんが間に入ってくれる。

 

「話を続けるぞ。この状況が死食であり、伝承の通りなら、1年間太陽の光を見ることはない。

 そしてもう一つ、死食の間は新しい命が尽く(ことごとく)死ぬ。

 人も動物も草花もじゃ。それが蓄えの話につながるわけだが……

 今、妊娠している者はおらんな?」

 

お祖父様が村人たちの顔を見回しながら確認する。

どうか誰も手を挙げないでほしい。

さすがに食料備蓄と違い家庭ごとのデリケートな話なので、この部分に関しては何も口出しできず祈ることしかできなかった。

 

「あ、あの……」

 

ひゅっ、と、自分が息を吸い込む音がやけに大きく聞こえた。

四軒隣の家の奥さんがおずおずと手を挙げていた。

 

「うちの……猫が」

 

体から力が抜ける。お母さんが支えてくれた。

 

「猫て」

 

   「ンだよ猫かよ! くだらねー」

 

「驚かせないでほしいわ」

 

   「なんだァ? てめェ……猫かわいいだろ殺すぞ」

 

「ヒェッ」

 

周囲の声がまた大きくなる。

 

「それは……かわいそうじゃが……」

 

「う、うぅ~~……」

 

お祖父様の気まずそうな返答に、奥さんは泣き崩れてしまった。

きっと子猫が生まれるのを楽しみにしていたのだろう。

落ち込むことになる母猫を愛しているのだろう。

 

私を支えてくれていたお母さんからそっと離れて、奥さんに近付いた。

 

「おばさん、ごめんなさい。ちゃんと話ができなくて」

 

「ミヨちゃん……」

 

奥さんは何とも言えない顔で言葉に詰まった。

そりゃこんなメスガキにいきなり謝罪されても困るだろう。

私は自己満足を優先させてしまったことを激しく後悔した。

 

「ミヨちゃん、そんなに気に病まなくていい。君はいくら大人びていてもまだ12歳だ。

 こっちはこっちでなんとか立ち直ってみせるさ」

 

旦那さんに優しい言葉をかけられる。

気を遣わせてしまった。

 

「あー……ゴホン。それで、これからの話だが……」

 

お祖父様がまた中断された話の続きを開始した。

大変な役目を全部やってもらって、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 

そこからは色々なことが決まっていった。

向こう1年の過ごし方、魔物の対策などなど。

 

ロアーヌ侯国から使いが来たらどうするか、備蓄の供出を要請されるのではないか──

そう、不安そうに聞いた村人がいた。

 

「前々から死食が起きた際の対応については協議させてもらっている。

 何せ聖王12傑が一人フェルディナンド様の血を引く王家じゃからな。

 死食の脅威については言い伝えられており、備蓄も進めているとのことだった。

 できれば国全体に周知して対策させたいのだが、

 300年の時が流れた今ではなかなか真剣に受け止められず……

 むしろベント家は何故そこまで本気で取り組めるのか……と聞かれてミヨの名前を……

 

 いや、話が横道に逸れたな。とにかく、侯国には備蓄量も報告してある。

 不足している他の町村へ回せないか相談を受ける可能性はあるが、

 無理な要求はされないはずじゃ」

 

あれ? 今なんか変なこと言ってなかった?




誰だよねっとり死食開始の描写しようと考えた奴は
あと「──」使いすぎだろ
ザ・ファブルかファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズかよ

次回、3話目にしてようやくユリアンとモニカ様が登場します

全然タイトル詐欺じゃんお前! うっそだろお前! バカじゃねぇ?(ごもっとも)
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