シャワーの音が沈黙を埋める。
ひとりは横たわり、もうひとりから目を背けている。
もうひとりはシャワーを持ち、薬液混じりの血を洗い落とす。
ふたりの視線は交わらない。
さきほど犯罪者と戦ったばかりのヒーロー。
正体不明の薬液を注射され、それでも笑顔を絶やさない被害者。
どちらが癒されるべきなのか。
まっとうに考えれば、まずは疲れ切った英雄が休むべきであり、そのためにも被害者の容態などは救急車を呼んで医者に任せればよい。優先順位は”患者”が先だとしても、まだ見ぬ強敵と戦わねばならない戦士は、緊急要請があっても対応できるように手際よく立ち回るべきだ。
しかし、サクラスパイダーと呼ばれた英雄は”患者”を救っていた。
だからなのだろう。被害者である少年は目の前の英雄への複雑な感情にくわえて、青少年としての恥じらいを混ぜ、顔を逸らしていた。
(ヒーローで幼馴染の女の子が?
シャワー室で自分の傷口を洗ってくれる……?)
(なに その夢小説?
おいくらで買えます??)
訂正しよう。
被害者だった幼馴染の少年は、目の前の幼馴染への複雑な情緒にくわえて、オタクとしての恥じらいを混ぜ、青少年として同年代の異性に思わず顔を逸らし続けてしまっていた。
サクラスパイダーの姿は。
ひとりの少年に容姿端麗な顔面を近づけ、肩を洗い流すためにシャワーを優しく当てながら、必要に応じてヒーロースーツの手袋で男の肩をなでて血の脂を落とし、あまりにも近い距離で、こう囁いているのである。
「痛くないですか?」
「だいじょうぶですか?」
「本当に痛かったら教えてくださいね?」
言葉だけを見れば、思いやりがある女の子らしいものだ。
場所が学園内の体育館のシャワー室で男女がふたりきりなんて状況ではなく、排水口に血が流れておらず、ひとりの少女がコスプレかと見まがうヒーロースーツを身につけていなければ、どれだけシャワーの音を鳴らしても”不自然なこと”は誰にも思えないだろう。
(これではまるで、【幼馴染スーパーヒロインの事件後お手当てASMR】……とも言えるし、そうでないとも言えるね……?)
少年が顔を逸らさず、結果的に少女の吐息が右耳にかからなければ。
痛みに悶えるかの如く、羞恥と珍妙な喜悦で悶えることもなかっただろう。
そのような醜態がかえって「苦痛に悶えている」と見られ、より丁寧に看護され、さらに割れ物を触れるかのように優しく触られてしまい。ますます皮膚の感度があがる。
元より、手当される寸前。
服を脱がされ、傷口を確認される瞬間。
思わず冗談交じりで、
「ああ!
やさしくして やさしく!」
「服を脱がせないでっ! 感じる」
「うあああ(痛すぎて)だめもうダメ~ッ!」
などと悪ふざけを挟んだものの、注射された薬物によるものか、軽く服を脱がされたり傷口を擦られたりするだけで過剰に痛覚信号が走り、痛みに耐えきれなくなってしまっていたのも事実。
痛みを素直に訴える、それを「一介の男性として恥ずかしいと思わないのか」と第三者に問われようものならば、軽口をやめられない少年とて気まずさで首を横へとより曲げることだろう。
羞恥か、苦痛か、薬物投与による血圧上昇か。
もしくは倒錯的な状況への、思わぬ興奮からか。
全身から汗を垂れ流しては容赦なく乙女に洗い流される。
されるがままだ。
右を向けば右耳にASMR。
真正面を向けば幼馴染の乙女の顔をゼロ距離で鑑賞。
かといって逃れようにも、薬物の副作用で体がふらつき逃げきれない。
(これが、
つまり、「俺を食った女は死ぬぜ!」と強がりたかったのだろう。
そんなセクハラじみた冗談が言える男なら、スーパーヒロインへの配慮や羞恥心から口をつぐんだりしないし、とっくに御本人様から”そういう男性”として軽く扱われていただろう。
ファンボーイでよかったのか、悪かったのか。
少年が脳内で冗談を吐いて現実逃避をしながらも、施術は続く。
少しばかり強引に治療を終えようとしたサクラスパイダーは、
(……これって、ひょっとして。
”
もにょもにょと唇を動かし、赤らむ頬を躍らせていた。
彼女にとっての幸運があるとすれば、眼前の少年が似たようなことを考え、照れ隠しや羞恥心で横を向いてくれていたことだろう。
もっとも、この光景は。
己を
そうであっても、なんだかいかがわしいアニマルビデオになることには変わりなく……そう。
誰がどう言葉を並べても。
ふたりの間の空気は、よっぽどの鈍感でもなければ、そして「なにが」を言い切ってしまえば双方の関係性が歪みきってしまうという意味で、
まあ、そんなことがあろうとも。
少年少女の青い苦悩を置き去りに、なすべき学業は待ち受ける。
黒板を掻くチョーク。
鼓膜を震わせる先人達の知恵。
世界の
そう、我らが美少女、
「授業中に、ヒーローが……寝るわけには……!」
先日の依頼が大変だったのか、街で集英組でも暴れていたのか、両方同時に起きたのか。
どっちにしろ、
……あー、よほど大変だったらしいね、うん。
まあボクは普通に眠いんだけどね!
シャワー室で
「……今日は、これで以上よ。
明日は実験室で実習。教室を間違えないようになさい」
せっかくの休憩時間だからと談笑に興じる者たち。
次の授業のため、滋養するべく栄養ドリンクなどを嗜むボクのような者たち。
「
これわかんないんだけど、この考え方あってる?」
授業の邪魔にならないよう、あらかじめ授業終了後に質問しようとメモを取っていた
「……
そこは考え方が違うわ、正確には……それはそれとして、お願いだから”ちゃん”づけは勘弁してちょうだい。そんな歳じゃないわよ」
「なにをおっしゃる美魔女さま。
仕事終わったらカラオケとか行きません?」
「教師を遊びに誘わないの。
可愛い冗談を言う いけない子でも、先生想いのいい子でも、教員からは何もしてあげられないし、してはいけないのよ?」
「はーい」
まんざらでもない
いつもなら、ここに
「
今日の彼女は お
とんとん、と、ボクは机を指で叩く。
肩を直接叩いたら距離感なさすぎだから遠慮するぜ。
「なんれふか……?」
もぞり、と、うつぶせになった背中を浮かせて、こちらへと顔を向ける
おう寝惚けていても可愛いなオイ。
「(次の授業が)はじめる前にこれを渡しておこう。
(眠気を耐える)苦痛に耐えられぬ時 のむがいい」
※↑のaa絵はイメージです。飲酒は推奨しておりません。
そっと、
こんなこともあろうかと買っておいたのだ。
スパイダーマンと言えば
サクラスパイダーと言えば、扉絵や巻末おまけイラストに映ったマグカップ。
たぶん
……え? 実際の
幼馴染だけどわかんね。
たくさんスポドリ飲んだりするからね、この年頃だと。
取り出しまするは、ミルク多めのカフェオレ。
マジで袖の下(男性のシャツの中)で温めていたら生理的には気持ち悪いからね、仕方ないね。
本当は「飲食物の差し入れ」ってダメなんだけどね。
ほら、
未開封に見せかけて異物混入とか危ないからさ……?
さて、
……喜んでくれる、よね?
大丈夫だよなコレ???(震え声)
「ありがとうございまふ。
(なんで顔の作画を劇画調に……?)」
ふにゃりと微笑み、カフェオレを受け取って、
「むにゃあ」
と、再び寝入ってしまう。
よっぽど疲れていたらしい。
ヒーロー活動が大変で、昼間に寝てしまうほどに。
きっと数多くの民間人を助けてきたのだろう。透き通るような桜色の爪は、うっすらと疵を浮かばせている。
うん、うん。お可愛いこと。
学園生活が平和で落ち着ける、ってことなんだから。
彼女の手に収まるカフェオレを見た。
ちょっと胸のこそばゆい。
こんな日常が、ずっと
そう思っていた時だ。
ボクの名前、
「……
あなた、なにがしたいの?」
ぬるり、と。
「はい?」
わけもわからず、とりあえず頭をあげる。
めずらしく表情を失った
「なにがしたいのか、って聞いているのよ」
なんのこと?
なにがしたい、って……
「
なに からかってるの? なにを考えているの?」
なにを考えてるかって、そりゃあ、
「…………
それしかないが??
え? なに? どゆこと?
マジで、なんのことを言ってんの?
「ふざけているの?」
「ちょっとは寝かせてあげたりしないの?
サクラスパイダーよ? ヒーローでいそがしいのよ?
思わず ( ゚Д゚)ハァ? と叫びかけて、口を閉じた。
うん、そうだね、サクラスパイダーだね。
いそがしいね、たいへんだね……だから、なに?
「……呆れた。
ヒーローに助けてもらって当然ってことかしら」
やれやれ、と。
手のひらを仰向けにして溜息を吐いてきた。
挙句の果てには、
うっわ腹立つ。
意識高い系の勘違い偽善者か?
「先生、」
声をかけると、「ぐるんっ」と振り向いてくる。
うわキモ。
「
「あなたのことよ?
あー。
ダメだ、これ。
「
ふつーに『ありがとう』でいいんですよ。
そのあとは、なにもしてない
「何の話よ? ふざけてるの?」
ふざけてるのは オヌシだが?
スパイダーマンの解釈違いすぎて草枯れるわ。
「あいつの名前は
いやあ、本当に。
「生まれたときから
サクラスパイダーじゃあない。当然だろ?」
まったくもって、笑えない。
「
科学オタクで趣味合わなくて、頭良すぎて友達と話が合わない。
そんな昔の”
「あら。それは彼女の成長でしょう?
正義を胸に努力を惜しまず、人々を救う英雄には変わりない」
「で、サクラスパイダーに働かせて、
『学生の本分そっちのけで授業中に爆睡してもいいよ』とか」
「そこまでは言ってないわ。
ヒーローだからこそ休んでほしいのよ」
ほう。
……続けて?
「ヒーローに救われておいて何もしない。
感謝も文句も言葉ばかりで、誰も英雄を助けない。
何の力も持たず、恵まれるばかりの者がヒーローを助けずに生きるなんて、それこそ優れた者に飼われた
のうのうと生きていて恥ずかしくないのかしらね」
「じゃあ無人島で暮らせばいいじゃないっすか?」
思わず、咄嗟の怒りに任せてしまった。
呆れても物は言うべきだ。
沈黙を現実でやるわけにはいかない。
「自衛隊にも警察にも頼らない、農家にも漁師にも頼らない、ペットみたいに生きなくていい。
お望み通り、のうのうと生きなくて済みますぜ?」
沈黙は肯定だの、図星だの。
挙句の果てには「なにも言うことがない」と思われる。
特に、今の先生みたいな態度の人間には、口を開いても「やべーやつ」としか思われないのかもしれないが……それでも、吠えなきゃならなかった。
「まさか、っすけど。
「
「ハア?」
プッツ――――――ン!
久しぶりに……キレちまったよ……。
んー、不思議だなあ?
なぜかゴングが鳴った気がするなあ!?
「ほーん、じゃあ警察にも”金色の饅頭”とか渡しますゥ?
「”政府の
”
不思議でならないわ、狂犬病があるかもしれないのに。
オスなんか特に、ね?」
「おっと会話が成り立たないアホがひとり登場〜~!
スパイダーマンがほしいのは ”普段通りの日常”じゃろ
「 ”普段通りの日常”こそが問題なのよ。
現実はどう? 世間は餌を与えられて喜ぶ野良犬ばかり。
どれだけ健気に頑張っても、野良犬が彼女に報いることはないのよ」
「誰かのために戦う馬鹿なんてそんなもんだろ。
こっちの気持ちなんて気にもしない、周りを助けてばかりで自分はズタボロ、見ろよ彼女の爪。手袋なかったら割れてたぜ、なのに帰っても友達の寄生虫すら英雄扱いをしてくるっての?
どっちが気持ち悪いんだよ、普通の女の子だったのに。
ただの
キレそうなんだが?
やんのか? おーん??
……とは、マジでやると内申点に響くので。
絶対やりはしないのですが。
あと「自分をめぐって大喧嘩」とか
「ふざけるのも大概にしなさい。ったく……」
そう吐き捨てて教室を出る
納得がいかぬ。
こちとら推しの空気すぎる「ただの
ない存在感を日常的に吸っていただけるだけで
「
「なんでござるか
ぴたん、と、自分自身の額を叩いて。
遠巻きでボクたちを見ていた
「いつもさぁ? そのくらいハッキリ言え?」
「声でかいオタクは騒音でござるよ?」
「騒音でいいじゃん」
「話、長いよ?」
「そこは まあ、うん、ごめん……」
目を逸らし、平手で謝る
確かに自分ら ”オタク”は話が長くて声がでかいよね、と、認めたうえで。
そんなボクらの会話がうるさかったのだろうか、
「ううん……どうしたんですかぁ……?」
目を擦りながら起きる
寝起きで眠たそうな表情すらも可愛い。
寝不足のつらさから顔を険しくすることもなく開かれた瞳は、「二重まぶたが薄く伸びている」とか、「まつげが豊かで長く、綺麗な曲線を描いている」とか、いちいち顔の特徴に意識を向けなくても可愛い。
推しが可愛すぎて息継ぎができねえ。
「起きれた? なにもしてないよ?」
「そうですか?」
不思議そうに周りを見渡して、ふと視線を下に向けた
「これって……ううんと……?」
よし、今のうちに。
静かに、そうっと鼻で息を吸って、と。
「ボクからの差し入れ。覚えてない?」
「えっと、……覚えてませんね。
そんなに寝惚けていたんでしょうか、私?」
「たぶんね」
かちっ、と、缶の栓を開けて、カフェオレを飲む
栓の形に沿ってすぼむ唇。こくんと喉を鳴らしては、女の子の控えめな喉仏が薄く浮かぶ。
「あっ、……美味しい」
すこし嬉しそうに表情をやわらかくさせると、こちらを見て微笑んだ。
アッ ヤベ可愛すぎて心臓が止まる!!
「ありがとうございます、どこで買ったんですか?」
「最近できたコンビニだよ。
ほら、天条院グループのさ―――」*5
「ああ、あの! あそこは―――」
なんだか、不思議な気分だ。
ひさしぶりに長く話せている気がする。
いつもは他の生徒に
気になって、ボクも周りを見渡してみる。
なんだこれは、と、
……いや、本当に、なんだこれ??
こうやって少年が首を傾げていても。
時間は進む。現実は終わらない。
そう。
スパイダーマンの現実は、終わらない。
かつては
彼女もまた、スパイダーマンである。
平行世界の蜘蛛たちの例に漏れず、彼女は大切なものを失っていく。
刻々と迫るスパイダーマンの受難は今、確かに足音を立て、ひとりの隣人のもとへと毒牙を剥いていく。そうあれかしと祈るがごとく、あるいは祝福と称して試練を授けるがごとく。
学園の誰もが学内活動を終えて去る黄昏時。
夕刻を「
そのうちの影のひとつは、ゆらゆらと姿勢を崩しながらも歩いていた。
手足が不自由なのか、それとも腰痛か何かで片足がうまく動かせないのか、
住宅街の細道であっても彷徨うように歩み続けるうちに、黒影の周りからは市民と思わしき影がひとつもいなくなり、ただ黒影は寂しそうに横を向いては、誰もいないことを確かめただけなのに嘆息している。
これに近寄る、緑色の影がいた。
影は天狗であった。
さて、天狗と言えば”赤ら顔”だと誰もが知るところ。
だが黒影を追う天狗は赤ら顔ではなく、とても健康的には見えない顔色をしていた。
苔を思わせる深緑色の肌を風に晒す天狗は「にやり」と笑い、袖に手を伸ばす。
天狗が嗜むものとは何か。
酒か? であれば出すものは
いや、この緑天狗が取り出したるは、液体に満たされた瓶がひとつ。
瓶には「ひょろり」とした
「―――そうら、”
緑天狗は叫んだ!
投げられ、黒影に迫りくるは凶器の
声に振り向く黒影の正体は、力なき普通の男子高生!
緑天狗は笑った。
さすがの妖怪”蜘蛛女”でも、こやつは守れまい。
さしたる”こやつ”も知るだろう。
「大いなる力に甘んじる
貴様ら市民の”大いなる責任”なき怠慢、その身をもって味わうがよいわ……!」
哀れヒーローを待つばかりの無能な一般人は「にやり」と笑うと、みずからの腰に手を回し、(…………うん?)と、妖怪”緑天狗”―――を、気取っていた
するりと伸びるは、プラスチック製のバット。
ばさりと
白シャツを
「バッター。
背番号ぅ、
バットの芯をずらし、火炎瓶の芯を狙わず。
それぞれの側面を
「”
「は?」
ぽこん、と。
情けない音を鳴らして打つ。
やわらかなプラスチック製のバットで叩かれた火炎瓶は破裂することなく減速、少年の後方へと弾かれて地面に着弾、そのままコロコロと転がっていく。
「ファール。わん すとらーいく。」
「は??」
呆然とするヴィラン。
なんか天然パーマの銀髪侍みたいな笑顔でニヤける少年。
おもちゃのバットで悪事を未然に防がれたヴィランは、何度も火炎瓶とプラスチック製のバットを見ては目を
「えっ、はあ??
貴様、どこからバットを持ってきた!?」
問われて笑みを止めた少年は、
「(サバゲ部の部室に)
と、したり顔で呟く。
シャツに隠した左腕の様子を悟られぬよう、飛び切りの決め顔で。
きっと今頃、幼馴染のヒーローが慌てている頃だろうな、と。
「それで誤魔化せるサイズかァ!?」
「お花の蜜大学附属高校の*6
女子野球部員(ドM)はやってた!」
秘訣は「バットを自分の肉体のように馴染ませること」らしいよ。
マジな話をすると、背丈や図体、腰ベルトに挟み込む部位の都合上、あらかじめ大きめのシャツを着たうえで プラスチック製のバットの持ち手を下にすると、すっぽりと収まりやすいぞ!
ちゃんと獲物の首元は見ようね!
「くそっ、野球ボールではあるまいに!
わえの爆弾をよくもっ……なんの力もない小童のくせに!」
「フゥン、『自分は特別だ』と言いたいわけか。
おもちゃのバットに負けるくせに?」
「殺す!」
あっという間に激昂し、ぽんぽん爆弾を投げるヴィラン。
こんこんバントで打ち落としてやれば、さらに「殺す殺す殺す……!」と、ヴィランがボヤいて爆弾を投げ続けてくる。
「ピッチャーマシンみたいだね。
せめて変化球でも投げたら?」
「殺ォす!!」
わお、ヒーローだか爆弾魔だか判断に困る高校生みたい。
どうやらボクを粉砕! 玉砕! 大喝采! したいらしいけれども、これじゃあヴィランのプライドが玉砕しそうで哀れでならない。
「しょせん
フハハハハハ! いやマジで投球がしょぼくて返すの めっちゃ楽……!」
「貴様ァ!」
さて、冗談はここまでにして。
さきほどは ついうっかり
あんな屁理屈合戦の論破王気取りな馬鹿ふたり(※ボクを含む)の口喧嘩そのものは問題……いや問題っちゃ問題だけど、重要な問題は別にありまして……口喧嘩自体は問題ない。
ぶっちゃけた話。
どっちが正しくて、どっちが間違っていて、みたいな勝敗もどうでもよくて。
「さっきの教室でのやりとり。
あれでピンと来たんだよね……!」
悪いがボクは油断しないぞ。
「あんた、
「なっ……!?」
正体を暴かれて仰天されても、こっちは別に驚かない。
なぜかって? こう思ったからさ。
いつもは生徒に囲まれる先生が。
美魔女とまで美貌を讃えられた上品な淑女が。
なぜか今日に限って、いきなり豹変して生徒にキツく当たる。
これ、さては、
『主人公の目が離れた隙に
物語が進行するタイプの事件の
だな? と……!
だって、いかにも”そう”じゃん。
明らかに
仮に予想が外れたとしても、一介の女教師が学生の交友関係に首を突っ込んで、
『無能な生徒は、頑張る生徒を優遇するべし!』
なんて命令を暗に送り、学生の自由意思や決定権を軽んじる時点で、教育者としての領分を超えてしまった以上、
どっちみち優生思想とか実力主義とか、別に狂気なんてなくっても結局は選民思想に繋がる発想をするやつが、
というかだ。
なーにが ”
原作の猿真似で「にちゃぁ……♡」されても困るんだワ!
ハッピーで埋め尽くして
まあ
それやってる場合じゃないので。
「とりあえずの念のためと。
サバゲ部(手続きの上ではまだ廃部していない)のロッカーに隠しておいたバットと、だぼだぼのシャツを持ってきておいてよかった……!」
「どういう青春を送っているのよ アナタは!?」
ぜえ、はあ、と、息を切らしながら。
ついに口調を誤魔化さなくなった
優秀な頭脳があろうとも、悔しいが結局は体力がものを言うのだ。
どういう青春を送っているのかって?
まさに今、
「スパイダーマンの幼馴染ですが なにか?」
どこにでもいる普通の高校生Aですけども。
ペールーセーウースー
よかったら人気投票してね!
-
デッドプール
-
デッドプール
-
デッドプール
-
デッドプール
-
デッドプール
-
飛騨遥
-
新日ねいろ
-
あと ロキ