「ふぅ……なんとか終わったか」
日曜のお昼過ぎ。ピーク時を乗り越え一息ついた俺はタオルで汗を拭く。
「宏太、遅くなっちまったけどお昼休憩行ってきていいぞ」
「はい、わかりました」
店長に休憩に行くよう言われ缶ジュースとお昼ご飯のホットドッグを持って近くのベンチに座って食べることにした。
「はむっ………んぐっ………」
飲み食いしながら公園内の様子を見る。
親子で遊んでいたり犬の散歩をする女性、老夫婦が仲睦まじく談笑していたりなどいつもの日常の光景が広がっている。
「はぁ……平和だな~」
のほほんとそんな気分でいる俺。そんな時だった。
「宏太くーーーん!!!」
「んっ?この声は………」
聞いたことのある声がして声のするほうを見ると………
「やーーーっと見つけた!!」
「エリザ先生!?」
現役高校生の新人ミステリー小説家である来栖エリザ先生が走って俺の元までやってきた。
先生はうちの屋台の常連なのだ。
「はぁ……はぁ……探したよ」
「どうしたんですか急に?」
「いや、実は今度出す作品に出てくる新キャラが高校生の男の子なんだけど……男子高校生ってどんな感じにすごしてるかわからないから現役男子高校生の宏太君に取材して聞いてみようかと思って探してたんだ!」
「そうですか………いいですよ。じゃあ、その辺歩きながらしましょうか」
「わかった!じゃあ、よろしくね!」
そういうことで取材を受けながらエリザ先生と散歩することにした。
「と、まぁそんな感じで過ごしてますよ」
「ふむふむ、なるほどね………」
エリザ先生からの質問を受け答えをしながら公園内を歩き回っている。
「ありがとう!これでいい作品が書けるよ!」
「それはなによりで」
先生は取材を終わえると手帳を閉じて鞄にしまう。
よく見ると先生の目の下うっすらクマができてるな。徹夜で原稿書いていたのかな?
「じゃあ、おれそろそろ戻らないと行けないんで」
「あっ、ちょっと待って!最後に付いてきてもらいたいところがあって………」
「??」
なんだ?付いてきてほしいところって?
「どこですか?」
「えっとね………あそこなんだけど………」
「!?あそこって………」
先生の指差した方を見るとそこは少し汚れている公園内に設置されている公衆トイレだった。
「こ、公衆トイレ?なんでまたあんなところに?」
「ふふふふっ……それは新キャラの男の子が公衆トイレの個室で札束が入ったカバンを見つけてそれを拾おうとしたら背後から何者かにクロロホルムがついたハンカチを嗅がされて眠らせて………ふふふふっ」
不気味な笑みを浮かべる先生。やっぱ徹夜して寝不足でおかしくなってるよこの人!!
「なにか起こりそうな公衆トイレはミステリーの鉄板だからね………」
「いや、どこかがですか」
「男の人と一緒に入れば問題なし!じゃあ、行こうか」
「ふぁっ!?」
腕を無理やり組まされ公衆トイレに連れて行こうとする先生。
「は、離して!!」
無理やり腕を離そうとするが離れない。この人なんか力強くない!?アドレナリン出まくってそうなってるのか!?
「公衆トイレは君さぁ~!色々出して~!」
なんて卑猥な替え歌を歌いながら俺を男子トイレに連れていく先生。誰か止めてくれーーーーー!!!
「はぁ………疲れた………」
疲労MAXでベンチに座る俺。
あのあとなんとか先生の暴走を止めバイトに戻り夕方までドタバタ働いていた。
「やべぇ……眠気がどっと来た………」
今日はいつも以上に疲れたから………な………
「…………………」
ベンチで寝ている宏太を見つめる私。
「こんなところで寝ていると風邪引くわよ?」
そう言ってもぐっすり寝ているから聞こえないわね………
「しょうがないわね………」
私は彼の後ろに回り抱き着いた。
「あったかい………」
これが宏太の温もり………やっぱりあなたは太陽みたいな人ね………
「……………彼女となにしてたの?」
昼間に屋台に行こうとしたら宏太がいなく店主さんに聞いたら休憩しているって言われて探し回っていたら彼が女の人と公衆トイレに入っていくのが見えた………
「若い男女があんな小汚いところに行くなんて………もう如何わしいことしたに決まってる」
あんなことこんなこと、ドラえもんみたいにしてたんでしょ?日曜日のサンデーに?Weekend Loverなの?
「………私はあなたのことが好きよ?」
私は彼の耳元でそう囁いた。寝ているから聞こえないから言ってもいいわよね?
「宏太、あなたは私の光…………」
だから他の女とそんなことするのは…………
ラブレター回どうしよう?もうすごいことになるかもしれないね!