「そういや、今日は4月1日か」
今日がエイプリルフールと思い出した。
一年に一度だけ嘘ついてもいい日で学校でも変な嘘ついて笑いあうクラスメイトたちを見てきた。
「俺もやるか」
誰に嘘をついてみようかな・・・・・?
「あっ、ちょうどいいところに‥‥‥‥」
るるかが来ているのであいつに付き合ってもらうか。
「…‥‥‥」
今日も宏太のいる屋台でアイスを食べに来ている。
「(そういえば今日はエイプリルフールね‥‥‥‥)」
嘘をついてもいい日なんて私たちファントムにピッタリな日ね。
「(あっ、宏太がこっちに来る…‥‥)」
宏太がこっちに向かって小走りしてくるのが見えた。
「(多分、エイプリルフールだから嘘に付き合ってほしいのね‥‥‥‥子供っぽいわね)」
でもそういうところも好きよ。
「(いいわよ、付き合ってあげる)」
けど、そんじゃそこらの嘘じゃ私は動揺しないわよ?
「おーい!るるか!」
「なに?」
「実はお前に伝えたいことがあるんだ」
「伝えたいこと?」
「ああ、どうしてもお前に一番伝えたくてな」
「ふーん…‥‥」
さぁ、どんな嘘を言うの?
「じゃあ、言うぞ?実は……‥‥」
「……‥‥」
「‥‥‥…‥‥彼女ができたんだ!」
「えっ?」
<ベシャッ!>
宏太の発言を聞き私は持っていたアイスを落とした。
「‥‥‥…‥‥彼女ができたんだ!」
俺はるるかに彼女ができたという嘘を言った。
「えっ?」
<ベシャッ!>
「あっ、アイス」
るるかが持っていたアイスを落としてしまった。
「おい、アイs「相手は?」えっ?」
るるかは無表情で眼には光が無い状態で俺に問いただしてきた。
なんか面白くなってきたからここはもう少し続けて見るか。
「相手は…‥‥家入しるくだよ」
俺は今人気の芸能人である家入しるくを彼女にすることにして名前を言った。
「家入しるく‥‥‥今、話題の新人俳優の‥‥?」
「ああ、そうだよ。彼女とは昔からの知り合いでこの前久しぶりに会えてそこから付き合うことにしたんだ」
「昔からの……‥‥」
るるかは黙り込んでしまいなんか黒いオーラを放っているように見えた。
「今度、デートするんだ。それでその時に婚約でもしようと…‥‥「認めない!!」えっ!?」
突然、声を上げるるるか。表情は無表情から怒りの表情へシフトチェンジしている。
「彼女と恋人なんて…‥‥私は認めない!!」
「え、ええっ!?」
なんでそんなに怒るんだよ!?
「どうしてだよ!?」
「それは‥‥‥一般人のあなたと芸能人の彼女とは住む世界が違うから釣り合わない!宏太が辛い目にあっちゃう!」
「は、はぁ!?」
なんかよくわからんけどるるかのやつはしるくさんと恋人になることが反対らしい。嘘だけど。
「お、落ち着けって!!実はこれは…‥‥」
「私が‥‥‥私の方が…‥‥!」
ひえぇぇ!!おっかないよるるかさん!!これは早めにネタばらししないとマズい!!
「る、るるか!!これは嘘なんだ!しるくさんが恋人ってのは嘘なんだよ!!」
「えっ‥‥‥?」
「今日はエイプリルフールだからちょっとるるかを揶揄おうと嘘ついてたんだよ!」
「‥‥‥‥ほんとに?」
「ああ!本当だ!」
「……‥‥‥」
落ち着き黙り込むるるか。とりあえず何とかなったぜ。
「……‥‥」
「?」
俯いたままゆっくりと至近距離まで近づいてくるるるか。そして‥‥‥‥
<ガシッ!!>
「あがっ!?」
急に胸ぐらを掴まれた!な、何が!?
「…‥‥‥あなたを詐欺罪と名誉棄損罪で訴えるわ…‥‥理由はもちろんわかってるわよね?あなたがこんな嘘で私を騙し傷つけたからよ」
「は、はぁ!?」
なんでそうなるの!?
「覚悟の準備をしてなさい。近いうちに訴えて裁判も起こすから‥‥‥‥裁判所にも問答無用できてもらうからね?慰謝料のアイス一年分の準備もしておいて‥‥‥貴方は犯罪者よ。まことみらい刑務所にぶち込まれる楽しみにしてて‥‥‥いいわね?」
「おごごご!?」
るるかに頬をつんつんぐりぐりされながらそう言われる。
エイプリルフールに嘘ついて訴えられて裁判起こされるのかよ!?
「あっ、でもどうせぶち込むならアジトの牢のほうが…‥‥」
途中からぶつぶつ独り言言い始めるし今日のこいつどうしたんだよ本当に!?
「ふぅ‥‥‥‥」
その日の夜。私は自室でシルキーアイスを食べて一息ついた。
「宏太のバカ‥‥‥‥」
宏太がエイプリルフールで恋人できた嘘をついて大慌てした今日。
あのあと宏太がお詫びにファミレスでジャンボアイスパフェを奢ってくれて私の気分は少し良くなった。
「はむっ…‥‥次あんな嘘ついたら本当に牢屋に入れるから‥‥‥‥」
そしてずっと私の傍にいてもらうからね?
「…‥‥‥本当に恋人じゃないわよね?」
嘘だと言っていたけどもし本当に付き合っていたら‥‥‥
「家入しるく、その時はあなたを……‥‥」
私はそう呟きながらまだ中身が入っているシルキーアイスの容器を握り潰し手の中からぐちゃぐちゃになったアイスがぽたぽたと垂れていた。
誕生日グッズ買いに行く準備はできたか!?初日の整理券当たりますように!!