絶対の先制   作:幻影の塔

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魂のこもったブラフ

平和な時代(令和)の風など一髪も吹き込まない、超重苦しい緊張感が瀞霊廷の地下深く——「無間」の入り口を包み込んでいた。

「……平子真子」

無間の中をガサ入れした結果、そこには市丸ギンの残した古びた干し柿の種が一つ転がっていただけであった。

完全に一杯食わされたことを悟った瞬間、山本元柳斎重國の全霊圧が爆発。その背後には、絶対零度の笑みを浮かべる卯ノ花烈、そして雀蜂の毒針を指に光らせた隠密機動総司令・砕蜂が、平子真子を完璧に「三角形」で包囲していた。

「嘘の情報を流し、我らの捜索を乱した罪……死してなお余りあるぞ」

「……平子隊長。最後に何か言い残すことはありますか? 苦しまずに逝ける処置なら、施して差し上げますよ」

(あ……あかん!! これマジで命がないやつや!! 令和の平和どこ行ったんや!!)

平子の脳細胞は、全宇宙の超演算器をも上回る速度で高速回転を始めた。死の恐怖が脳裏を駆け巡る中、過去の記憶が走馬灯となって駆け抜ける——!

(……待て。ルキアちゃん……現世……あの時や!!)

【平子真子の脳内に駆け巡る走馬灯】

当時、仮面の軍勢(ヴァザード)として現世に潜伏していた平子真子は、死神の力を失いかけていた朽木ルキアの様子を密かに観察していた。たまたま後をつけた際、彼女が空座町の廃ビル地下に「極秘秘密基地」を作っている現場を目撃していたのだ!

しかも当時の平子は、藍染惣右介の残忍な謀略によってルキアが極刑へと追い詰められている裏事情を完璧に察知していた。

(あの時……ワイは藍染の企みを知っとった。せやからルキアちゃんが自力で生き延びられるよう、浦原に圧をかけて予備の『霊圧遮断の外套』や特級回復薬を多めに渡させ、秘密基地にこっそり補充しておいてやったんや……!)

【極限の芝居——魂のブラフ】

現実に戻った平子は、目の前に迫る『残火の太刀』の熱気と砕蜂の毒針を前に、腹の底から声を張り上げた!

「待てやッ!! ワイの無罪放免を約束するなら、あいつらが今まさに潜んどる『本当の隠れ家』を教えたってもええぞ!!」

「戯れ言を」

砕蜂が冷酷に切って捨てる。「一度騙しておいて、まだそんな見え透いた口車に乗ると思うか! 死ね!」

「死にたくなけりゃあ黙っておれ、平子!」山じいの流刃若火が爆炎を上げる!

だが、平子は引かなかった。

命の炎が消えかけるその瞬間に、全生命力と魂を解き放って吠えた!

「黙れるかボケぇぇぇっ!! あんたら当時、何もしとらんかったやろがのうッ!!」

「……何だと?」

「藍染の企みにハメられて、瀞霊廷中から追いつめられてたあの時のルキアちゃんに……あんたら上層部は何か手ぇ差し伸べてやったんか!? 誰も助けへんかったやろ!!」

平子の目が血走り、声が激しく震える。

「ワイは知っとったんや! 藍染の仕組んだ罠かて分かっとった! せやから自分の危険も顧みず、善意でルキアちゃんに逃走用の食料と回復薬、霊圧遮断の外套を密かに援助してやったんやッ!!」

胸を強く叩き、平子は三人の怪物を真っ直ぐに見据えた。

「その当時のワイの『高潔な意志』まで疑うっちゅうんなら……今この場でワイを斬れ!! 骨も残さず灰にしたったらええやんか!!」

古来より、精巧な贋作は鑑定士によって一瞬で見抜かれる。

しかし——その贋作に命と魂が込められていた時、鑑定士すらも100年騙され続けるという。

平子が吐いた「自分が善意で援助した」という話は100%のハッタリ(ただ浦原の品をパクらせただけ)であり、完全なる超級のブラフであった。

しかし、「藍染の裏をかこうとした時の怒り」と「ルキアを想う当時の真実の記憶」が混ざり合ったその叫びには、恐ろしいほどの「魂の重み」が宿っていた。

「…………」

山本元柳斎重國が、静かに目を開いた。

卯ノ花烈の笑顔から威圧感が消え、砕蜂も差し出した指をピタリと止める。

あまりの迫力と真実味に、百戦錬磨の怪物三人すらも息を呑んだのだ。

「……ふむ。当時のルキアに関する件……一理ある」

山本元柳斎重國は深々と息を吐くと、懐から一枚の懐紙を取り出し、流刃若火の穂先で自らの指を傷つけた。

「よいだろう。お主の言が真実であり、春水らを回収できた暁には……お主の今回の不敬、すべて無罪放免とする」

山じいが赤黒い血印を押す。続けて卯ノ花烈が優美な血判を押し、砕蜂も苦々しい顔で血印を重ねた。

【無罪放免の血判念書】が、平子の手に握らされる。

「……ふぅ……命拾いしたわ……」

額から滝のような汗を流しながら、平子は血判状を懐にしまい込むと、ニタリといつもの凶悪な笑みを復活させた。

「よし……約束やからな。教えてやるわ。あいつらが今おるのはな——空座町郊外、廃ビルの地下にある『ルキアの極秘秘密基地』や!! 外套を着て潜んどるから霊圧じゃ探せへんぞ!!」

こうして、平子真子の命がけの「魂のブラフ」により、完璧に隠れていたはずの京楽&ルキアの居場所が完全にバレたのであった——!




今後も、見苦しく仲間を売る場面が多発しますが彼らの名誉の為にも本当の敵組織に捕まったりしたら、このようなことは起こりません。身内同士のいざこざと、くだらない愚痴や器の小ささの説教や罰ゲーム的な要素の為に、少しでも罰ゲームを回避する感覚で、このような事態になっていることを予めご了承下さい。あくまでギャグパートなので本来は誇高き護廷十三隊隊長や副隊長なのですから
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