酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話~逆行編~ 作:ゴリラ皇子
閲覧の際は過去作を事前にお読み頂けるとよりお楽しみ頂けると思います
今は昔…七色に光るゲーミング電柱前で呆然と立ち竦む女子高生ありけり
この者、月より遥々やってきた我儘美少女プリンセスかぐやと出会い激動の日々を過ごし、仮想空間『ツクヨミ』を流星のようにかぐやと共に駆け抜けると、遂にはツクヨミの歌姫兼元モブちゃんこと月見ヤチヨを文字通り心身共に救うという大活躍を成した才色兼備文武両道の超メロい超人なり
名をば酒寄彩葉と申す
気軽に彩葉って呼ぶべし!
って、あれれ?
ヤッチョを現実にご招待するため機械の身体を作って…試運転も兼ねた2回目の大規模ライブをやって…打ち上げを彩葉の家でやったとこまでは覚えてるけど
なんで彩葉が女子高生に戻ってるのぉー!?
なんでぇー!?どうしてぇー!?!?
まー可愛いからいっか!
「いや、よくないが?」
ゲーミング電柱を前に現実逃避していた私は、突如聞こえてきた幻聴にツッコミをいれる
おかしいな、私は酒寄研究所の所長を務めかぐや、ヤチヨ、芦花という超凄いインフルエンサー達と同棲しているイケイケアラサーだった筈なんだけど
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学生時代に着ていたお馴染みの制服だ
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今では懐かしさを覚える、立派なゲーミング電柱だ
あっ、分かった
これ夢か
夢とは記憶の整理である、なんて説もあるらしいし間違いないだろう
やけに現実感があるのが気になるけど…夢とは得てしてそういうものだし、うん
私が改めて視線を向けると、待ちわびていたようにゲーミング電柱の扉が開いていく
珍妙なBGMが聞こえてきそうな光景の中、私は開いていく扉へ手をかけると…とりあえず閉めてみた
中のかぐやが「は?信じられないんだけど!?」という顔をしていた気がするけど、多分気のせい
パタンと扉が閉まるも、抗議するかのように直ぐに強く押し返してきた
苦笑しながら自分から扉を開けると…中にはジト目でこちらを見ている赤ちゃんかぐやの姿が
「ごめんごめん…つい」
ふふっ不貞腐れた顔も可愛いなぁ
壊れものを扱うように、大切なものを触るように、慎重にしっかりとかぐやを抱きかかえる
私に抱っこされたかぐやはすぐに花の咲くような笑顔を見せてくれ、私も釣られるようについ顔が綻んだ
「行こ、かぐや」
そう言って頬を寄せる
うーんいつものほっぺとは違うけど、こっちはこっちで気持ち良い
部屋へ入り、一先ずエアコンをつける
そういえば、前はそこまで考えられなかったけど…赤子がいるのにエアコンなしはヤバいだろ私。真夏だぞ、真夏
風が直接当たらないよう気をつけつつ、かぐやと一緒に布団へ寝転がる
「…寝たら現実で目が覚めるのかなぁ」
仕事は休みだし…家の片付けして…皆とのんびりしたいなぁ
…赤ちゃんかぐやとお別れするのは残念だけど、かぐや達が待ってるんだ
そんなことを考えていると…腕の中のかぐやが、何かを期待するように私を見ていることに気がついた
なんだろう
って、あぁ…そうか
確かあの時
「大切なメロディは流れてるよー♪」
私がそう静かに歌い出すと、腕の中のかぐやは満足したのかゆっくりと瞼を閉じた
ヤチヨパワーすげぇ〜
「私も寝るかぁ〜」
夢の中なのに眠くなるという不思議な感覚に身を委ね、私はゆっくりと意識を手放した
超かぐや姫!復活上映記念で書いていたら4万字を越えてしまいました
3話までは毎日更新!是非お付き合いください!