酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話~逆行編~ 作:ゴリラ皇子
翌日
うん、夢じゃなかったわ
目が覚めたらボロアパート(byかぐや)で、少しだけ大きくなったかぐやを抱きかかえていた
「どゆことーーー!?」
叫んで、大きくため息を吐いて、何とか気持ちを落ち着ける
目が覚めているという感覚も、しっかり寝たという充足感もある。頬を引っ張ってみたりしたけど、ちゃんと痛かった
明らかに異常なことが起きていて、考えなきゃいけないこともやるべきことも沢山ある
沢山ある…んだけど
「とりあえずオムツ買ってこよ…」
案の定、布団が湿っていることを確認した私は…のそのそと出かける準備をするのだった
「調子に乗って買い過ぎたぁー!?」
それもこれも、かぐやが可愛過ぎるのがいけない!
ふわもこのベビー服とか…絶対可愛いじゃん!それならこっちの服も…!という感じで散財してしまったのであるトホホ
すぐ大きくなるって分かっているのに欲望に抗えなかった…まぁ後悔は一切していない
…なによ、やっぱりどれも似合うじゃない
写真フォルダが赤ちゃんかぐやで埋まっていくじゃないのよ
ひと通り堪能したところでちょっとひと息
「さて、どうしますかね…」
今の状況が私にとって現実なのは間違いない…何故過去に戻っているのかまでは分からないけど
戻っているのは私だけなのか
かぐやは記憶ありそうだけど、ヤチヨや芦花はどうだろうか。真実やお兄ちゃん達は?
こういう不思議な現象に詳しそうなのは…やっぱりヤチヨか
「って、今の私じゃヤチヨの連絡先分かんないじゃん…」
あっ、この時ならヤチヨとモブちゃんそれぞれがいるのか。なら一先ずモブちゃんへ連絡を…
なんて連絡すればいいんだ?
未来の記憶があります〜なんていきなり言っても信じてくれるかどうか………いや、待てよ?モブちゃんなら案外信じてくれそうだな??
私が東大を目指すって伝えた時も「いろぴなら絶対できるよ!」って言ってくれてさ…嬉しかったなぁ
よし
意を決して通話開始ボタンを押すと、コール音が鳴りすぐに通話が繋がる。あぁ、そうそうこんな感じだったわ…とその対応の速さに苦笑が漏れる
『いろぴー?どしたん??』
聞こえてきた声に思わず息が止まった
あの日…かぐやの卒業ライブをやったあの日から…聞けなくなってしまった声
『いろぴー??』
男性のような低めの女性の声のような、そんな中性的な…でもとても優しくて、安心する、大好きな声
「あっ…ごめん、ボーッとしてた」
『疲れてるん?大丈夫??』
「ううん…モブちゃんの声、やっぱ好きだなぁーって思ってさ」
『にへへへ〜なにそれ〜ウチのこと好き過ぎかよ〜?』
好きかどうかなんて聞かれたら、そりゃ勿論さ
答えは決まってるじゃん
「うん…好きだよ、大好き」
『アッ…ヒゥ…ちょ、ちょっといろぴ…!?』
「カッコ良くて、可愛くて、頼りになって、いっつも楽しそうで、ちょぴりぬけてて、ずっと見守ってくれて」
『アゥアゥ…ヤ、ヤメテェ…』
前はちゃんと伝えることができなかった
今だから言える私の本当の気持ちがすらすらと口から出てくる
「そんなモブちゃんが、大好きだよ」
『あっ…』
あ、あれ?
何も聞こえなくなっちゃった?
「モブちゃん?」
『ききききき、急用がアレでコレな感じだからわたsウチ落ちるね!またね!』
切れちゃった…
急用って言ってたし忙しい時にかけちゃった?悪いことしちゃったかなぁ
うん、でも久しぶりに声が聞けて嬉しかった
相談はまた今度でいいか
「…ひとまず子育て頑張りますかぁ」
お腹が空いてぐずり始めたかぐやをあやしながら、ミルクの準備をするためゆっくり立ち上がった
ーとあるKASSEN場にてー
黒い竜巻が全てを蹂躙していく
プレイヤーも、ミニオンも、牛鬼もその竜巻の前には塵も同然
竜巻というかすっごい速く動いているモブちゃんだったりする
「(い、彩葉が私のこと好きって…!大好きって…!こ、これってまさか…りょ、両想い!?)」
「「ギャーーー!!!???」」
気持ちを落ち着けるためKASSENへ参加したモブちゃんだったが、喜びや興奮や戸惑いや申し訳なさや歓喜やら…がごちゃ混ぜになり、普段かけているリミッターを解放していることにも気がついていない
「誰かMO=BUを止めろぉぉおお!!??」
「(わわわわ、私も彩葉が…すすすすす、好…やっぱ言えないーー!!!)」
「「「ギャーーーーー!!!!????」」」
「うるさーーーい!!!」
「「「理不尽過ぎる…」」」
この日、最強プレイヤーの一角と呼ばれているMO=BUに新たな伝説が加わることになるのだが…それはまた別のお話
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