酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話~逆行編~ 作:ゴリラ皇子
ヤチヨCUPの終わりも近づいていた頃、いつものようにヤチヨの声で目が覚めた
『彩葉ー朝だよ起きてー!』
あぁ推しに起こしてもらえるのは何という幸福か…重い身体を起こして目を覚そうとするけど…何だろう頭がボーッとする…それに身体が火照っているような…うーんこれはやっちまいましたかね?
「おはよ、ヤチヨ。それと…ごめん、体調悪いかも」
酒寄家ルールその1、少しでも体調が悪い時は直ぐに報告する
美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐり、眠っていた意識が再び浮上する
あれ?私どうしたんだっけ?
少し朦朧とする意識の中で、周囲を見渡すと見慣れた背中を見つけた
「…かぐや?」
「あ、彩葉〜!体調大丈夫そう?」
あぁそうか、ヤチヨへ体調が優れないことを伝えて診察してもらって…2度寝させてもらってたんだっけ
「ん…朝より大分マシになったよ」
「良かったぁ!お腹空いてるでしょ?おじや作ったから食べてぇ〜!」
良い匂いがすると思ったらかぐやが作ってくれたおじやの匂いか、どうやら丁度良いタイミングで起きたみたい
「熱いからフーフーして食べてね!」
卵が2つ入ったかぐや特製おじや、言われた通りフーフーしてから口に入れる。熱々だけど優しい味…かぐやに似てるかも、なんて
「超美味い…」
「どやぁ〜☆」
「体調崩した時しか出てこないのが勿体無いよ、ほんと」
いや本当に美味い
偶には体調崩すのも悪くないかも?なんて考えてしまうくらいには美味い。ヤチヨ達に知られたら怒られてしまうので、口には出さないけど
栄養補給も済んだので楽な体勢で休む
さっきまで寝ていて直ぐには眠れそうもないので、かぐやにもう少しだけ付き合ってもらうことにした
「ヤチヨは何か言ってた?」
「ん〜『頑張り過ぎだからゆっくり休ませといてー』だって。かぐや、今日はつきっきりで看病するから!」
「たはは…よろしくお願いします」
睡眠も栄養もちゃんと摂ってたんだけどなぁ…まぁ若いからと多少無理してたのは認める。気をつけます、はい
「モブちゃんめっちゃ慌ててさ〜『そうだ病院!病院買おう!!』とか言っちゃってさ!」
「ちょ、笑わせないでよ〜」
新しい同居人の慌てふためく姿が簡単に想像できてしまい、思わず笑みが溢れる。ちなみにモブちゃんは「心配し過ぎで逆に彩葉が休めない」とヤチヨにツクヨミへ強制連行されていったらしい
酒寄家ルールその2、怒ってるヤチヨには絶対に逆らわない
「かぐやはさ、直近でやりたいことある?」
「ん〜もっと配信したいし料理も作りたいのが色々あるし…あっ、またライブしたい!ツクヨミと同時開催のやつ!!」
「直近というとろうが!…後でヤチヨに相談かなぁ」
「お母さんと話したんしょ?どうだったん??」
「10年後とまるで一緒、超イケイケだったよ」
「ヴェエ〜彩葉のお母さんやば過ぎぃ」
「んね、思わず笑いそうになっちゃった」
とりとめもない話をしていると、再び睡魔が襲ってきた
酒寄家ルールその3、元気な時も体調が悪い時も睡眠はしっかりとるべし
私は横になり布団を肩の位置まで上げると目を閉じた
「かぐや」
「ん?なに〜?」
「ありがと」
「へへへ〜ど〜いたしまして!」
かぐやの体温高めの手が私の頭を撫でる
少しくすぐったいけど、心地良くて落ち着く
「おやすみ、彩葉」
「おやすみ…」
微睡の中、子守歌が聞こえた
安心させるような優しい歌声が
「大切なメロディは流れてるよ♪」
本当、綺麗な声だなぁ…なんてことをうつらうつらと思いながら、私はゆっくり意識を手放した
酒寄家ルールその4、お互い助けあって毎日を面白おかしく過ごすべし!