だから妬ましい   作:すー天

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こんにちは!
作者です。
取り敢えずモチベーションがあるうちに少しでも続き書いとこうかなと思って書いてます。


過去編2

 目が覚めた。

 

「……おわっ!?」

 

 そして、驚いた。理由は単純だろう。王都から1キロは離れていたし、魔物たちの進軍は文字通り、俺の真後ろまで来ていた。なのに、俺は生きている。開ける目がある。理解できる頭がある。

 

 もう開くはずがない、生きているはずがない状況であったはずなのに、こんなことになっていたら驚くだろう。だから、驚いた。

 

「気がついたかい?」

 

 音程の高い透き通るような声色が俺の耳をスッと通り抜けた。ゆっくりと顔を声のする方に向け、目の端で姿を捉えた。

 

 そこには、白い髪で翠緑の目がパッチリと開いた紛れもなく美人であろう少女と、ピンク髪のタレ目で身長や乳や尻が大きなお姉さん。

 そして、金髪で赤い瞳を持ち、細身で剣も細いお兄さんと、茶髪で筋肉質で髭がまさにダンディな渋いおじちゃんと、白衣を付けた時々村まで来てくれる治癒師の兄ちゃんがいた。

 

「兄ちゃん!」

 

「ベルギット! 会いたかったよ! 生きていてくれてよかった」

 

 兄ちゃんは俺が目だけでなく、顔も向けるとギュッとして、涙を潤んだ声で安堵したような感じだった。

 俺も兄ちゃんに会えたことで少し心が落ち着いた。

 人から見れば俺は大人の階段を登ろうとしているませた子供であろうが、やはり年齢に合う感情のほうが大切だと感じる。そういう意味では俺は泣くでもなく、落ち着いただけだからませきっているのだろうか。

 

 そして、『もういい』という意思表示で背中をバンバンと叩いた。そうすると兄ちゃんは少し名残惜しそうに腕の力を緩めて、離れた。手は繋いでいるけど。

 

「……ねえ兄ちゃん。デイビッドとミレスは? 無事なの?」

 

 俺は自分の身の心配よりも弟たちのほうが心配だ。だって、俺はお兄ちゃんだから。お兄ちゃんだから、父と母の代わりになってやらなきゃならないし、頼りになってあげなきゃならない。

 生きていてくれるだけで俺は笑っていられるし、居てくれるだけで俺の勇気にも支えにもなる。

 俺がここまで頑張って来れたのだってあいつらのことを考えて、身体を動かせたからだ。

 だから、安否が不安になる。それが希望でも絶望でも確認しなきゃならないことだから。

 

 俺の言葉に兄ちゃんはニコッと微笑んで言った。

 

「うん、無事だよ。ベルギットが連れてきてくれたおかげで2人とも命に関わるどころか怪我1つしていなかったよ。頑張ったねベルギット。…………本当に無茶をして」

 

 兄ちゃんは最後になにかボソッと言っていたような気がしたが、深入りはやめておくことにした。

 何故なら、目が濁っているように見えたし、身体がゾクッて感じたし、手を握っていた力がよりギュッと強くなったからだ。

 

 そうして一旦話し終わると、後ろの金髪の兄ちゃんが言葉を発した。

 

「ところでボク。腕痛くないかい?」

 

 と少し焦りのようなものを含んでいた。

 その瞬間、白髪の姉ちゃんが、

 

「デリカシーがないぞ貴様には!」

 

 と言って、金髪の兄ちゃんをスープレックスで床に埋め込ませていた。

 

(怖っ……)

 

 そう思ったが、兄ちゃんの言っている意味がよくわからなかったから、腕を見ると、……左腕がなかった。

 

 

「あぁ、そういうこと」

 

 本来なら左腕を失うというのは魔法で落ち着かせていても痛みが暴れるし、幻肢痛というのもあるということを、本で知った。

 

「すまねぇな坊主。うちのバカが気に障るようなこと言っちまって」

 

 白髪の姉ちゃんが少し申し訳なさそうに言った後、親指でクイッと埋め込んだ兄ちゃんのほうに向けて続けて言った。

 

「あいつは後で締めて埋めとくから気にすんな」

 

 とニカッと笑って言った。

 

 怖い。

 

 めちゃくちゃそう思った。

 

「大丈夫、痛くないよ。それより俺は弟たちが無事でいる方がよっぽど嬉しいから」

 

 両親が亡くなったことをあの魔物の軍勢が持っていた遺品で理解した。

 先ほどから魔力を練ってみてはいるが、全く何も感じないことから魔法を使うための器官もぐちゃぐちゃで、もう二度と魔法は使えないというのもなんとなくではあるが感じる。

 痛みを感じないのは無茶をしすぎてリミッターが外れたことによるものだと思う。

 

 そして、左腕が無くなったショックももちろんある。

 

 だけど、それを差し引いても残った家族が今、無事に生きているなら、俺はそれだけで十分だ。

 

 

 その後、数週間近く俺は看病されていた。リハビリだったり、魔法を使えないか試してみたり、兄ちゃんから学を教えてもらったりしていた。

 身寄りがなくなったことで行く当てがなかった俺や弟たちを家に住まわせてくれたりもした。

 

 その間、金髪の兄ちゃんたちがたまに来て、食べ物や暇つぶしになるような道具をくれたり、弟たちの面倒を見てくれたりした。

 

 

俺はあの日(絶望)を経験して、もっともっと沢山のことを学び、鍛え、弟たちを不自由なく暮らさせるために必死に努力して生きていくことを誓った。




読んでくださってありがとうございます。
下手などいろんな意見があると思います。そこには堪忍して見て頂けると幸いです。

他の方の小説を見てたりすると、やっぱり伏線とか読む上で楽しめるものがあってめちゃくちゃ上手い!って毎回感じます。

過去編から入りましたが、正直行き当たりばったりでここから先、上手く作れなさそうなので本編(?)に行こうかなと思います。

見てくださっている方々、解釈違いなことがあることも多いと思います。なので、もしよろしければ意見なんかも遠慮なく言ってくださるとありがたいです。

では、次回のやつもモチベーションが下がらないうちに書いてしまおうと思います。

手に取っていただいてありがとうございました!
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